スプレッドが広い板を利用した回転売買戦略の徹底解説

スプレッド

板取引で小銭拾いを行う手法の中でも、比較的シンプルで実行しやすいのが「スプレッドが広いケース」を利用する方法です。本記事では、この戦略の基本原理から株式市場と仮想通貨市場における違い、そして実際に約定した際の利確シナリオまで徹底解説します。

1. スプレッドとは何か

スプレッドとは、最良売り(Ask)と最良買い(Bid)の価格差を指します。たとえば売り板が1,000円、買い板が900円なら、その差100円がスプレッドです。流動性が低い市場ではこのスプレッドが広がりやすく、投資家にとっては「利益の種」になります。

2. 基本戦略の仕組み

スプレッドが広いときに、自分が売りと買いの中間に指値を置くことで「板を埋める」形を取ります。具体的には、売りが1,000円、買いが900円なら、自分が901円で買い注文、999円で売り注文を同時に置きます。これにより、誰かが901円で売ってきた場合には自分が買い、誰かが999円で買ってきた場合には自分が売る、という仕組みが成立します。

3. 実際の利確シナリオ(仮想通貨)

BTCの板で、買いが30,000ドル、売りが30,100ドルとします。このとき30,001ドルで買い、30,099ドルで売り注文を置きます。片方が約定したらすぐに反対売買が成立する可能性が高く、1往復で約98ドルの利益が得られます。流動性が薄いアルトコインでは、この差額がより大きくなることもあります。

4. 実際の利確シナリオ(株式)

株式市場で、最良買い900円、最良売り1,000円の場合を考えます。自分が901円の買い注文と999円の売り注文を同時に置くと、成行で売ってきた人から901円で買い、成行で買ってきた人に999円で売ることで1往復98円の差益が得られます。ただし株式市場では「同時に両建て注文を置く」行為は証券会社のシステムから警告を受け、規制に抵触する場合があり、実務上は両建て注文は控え、片側が約定してから反対注文を出すべきです。

5. 株と仮想通貨の規制の違い

株式市場は金融商品取引法により厳格に規制されており、板を挟むような注文は「見せ玉」「相場操縦」の疑いを持たれる可能性があります。一方、仮想通貨市場ではマーケットメイク行為が取引所から歓迎される場合も多く、スプレッドを埋める注文は合法かつ健全な流動性提供とみなされます。

6. 実際のシミュレーション

株式:買い900円、売り1,000円。自分が901円で買い、999円で売りを置く。成行売りが来て901円で約定、すぐに成行買いが来て999円で売れれば、1株あたり98円の利益。

仮想通貨:ETHの板で買いが2,000ドル、売りが2,020ドル。2,001ドルで買い、2,019ドルで売りを同時に置く。板が薄いためどちらもすぐ約定し、1ETHあたり18ドルの差益が確定。

7. まとめ

スプレッドが広い市場は、それだけで利益を生み出すチャンスを秘めています。株の場合は規制リスクがあるため片側ずつの注文が無難ですが、仮想通貨では両建てでスプレッドを回転させることも可能です。いずれの場合も「手数料を差し引いた上で確実に利益が残るか」を確認し、欲張らずに小さな差益を積み重ねることが成功の鍵です。

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