ボリンジャーバンド「拡大1本目」を獲る:出来高と板でダマシを減らす超短期ブレイクアウト戦略

トレード戦略

ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)は「平均(移動平均)を中心に、価格変動の幅(標準偏差)を帯として可視化する」指標です。多くの人が“バンドタッチ=逆張り”のイメージを持ちますが、短期トレードで本当においしい局面は別にあります。それが「収縮→拡大に転じた直後の、最初のブレイク(拡大1本目)」です。

拡大1本目は、参加者が少なく静かな時間帯から、アルゴ・短期勢・ニュース反応が入り「動く相場」に切り替わる起点になりやすい。一方で、最初の動きはダマシも多い。だからこそ、“拡大1本目だけを狙い、ダマシを減らすフィルター”を用意すると、初心者でも再現性を上げやすくなります。

この記事では、株(日本株の寄り付き)、FX(東京〜ロンドン)、暗号資産(24時間)に共通する形で、拡大1本目を「条件化」し、エントリー・損切り・利確・撤退までの具体手順を提示します。さらに、板・歩み値・出来高・VWAPを組み合わせて、単なる教科書的なブレイクアウトから一段踏み込んだ運用に落とし込みます。

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  1. ボリンジャーバンドの基本:なぜ「拡大」が重要なのか
  2. 拡大1本目の定義を「機械的」にする:初心者が迷わない条件設計
  3. 条件A:直前に「収縮」がある(静かなレンジを確認)
  4. 条件B:拡大に転じた瞬間を捉える(幅の“増加”)
  5. 条件C:価格が「上側 or 下側」に抜ける(方向性の確定)
  6. ダマシを減らす“現場フィルター”:出来高・板・時間帯の3点セット
  7. フィルター1:出来高の「相対増加」を必須にする
  8. フィルター2:板・歩み値で「片側の成行が連続」しているかを見る
  9. フィルター3:時間帯で“伸びやすい瞬間”だけを狙う
  10. エントリーの実務:2つの型(成行で叩く/初押しを待つ)
  11. 型1:ブレイク確定足の直後に成行(スピード優先)
  12. 型2:初押し(初戻し)を待って指値(精度優先)
  13. 損切りは“形”で置く:バンドではなく「押し安値/押し高値」
  14. 利確は「伸び切る前」に段階化する:拡大1本目は“早い”
  15. 具体例:日本株(寄り付き)での「拡大1本目」シナリオ
  16. 具体例:FX(USDJPY)での「拡大1本目」シナリオ
  17. 具体例:暗号資産(BTCなど)での「拡大1本目」シナリオ
  18. よくある失敗と、避けるためのチェックリスト
  19. ルール化のテンプレ:あなたのトレードノートにそのまま貼れる形
  20. 検証のコツ:期待値を“数字”で把握する
  21. パラメータ調整の実践:20期間・2σは“標準”であって“正解”ではない
  22. 資金管理:拡大1本目は“連敗”を前提に設計する
  23. まとめ:拡大1本目は“狙い撃ち”が最も強い

ボリンジャーバンドの基本:なぜ「拡大」が重要なのか

ボリンジャーバンドは一般的に、中心線(多くは20期間の移動平均)と、上下のバンド(±2σなど)で構成されます。σ(標準偏差)は「価格の散らばり」を表し、散らばりが小さい=値動きが小さいときはバンドが細くなり、散らばりが大きい=値動きが大きいときはバンドが太くなります。

ここで重要なのは、バンドの幅は“ボラティリティのスイッチ”を示すという点です。相場は常に同じボラでは動きません。静かなレンジが続いた後、何かのきっかけで急に動く。これは株でもFXでも暗号資産でも共通です。

「拡大1本目」とは、ざっくり言えば“バンド幅が縮小し切った後に、幅が広がり始め、価格が外側へ飛び出す最初の足”です。相場のレジーム(状態)が変わる瞬間を狙うため、うまく取れると短時間でまとまった値幅になりやすい。逆に、条件が甘いと“ただのヒゲ”に巻き込まれます。

拡大1本目の定義を「機械的」にする:初心者が迷わない条件設計

まず、戦略として成立させるために、拡大1本目を曖昧な感覚でなく、見える形にします。以下は、チャートツール(TradingViewなど)で再現しやすい定義です。

条件A:直前に「収縮」がある(静かなレンジを確認)

拡大1本目の前提は「静けさ」です。静けさの測り方は複数ありますが、初心者が使いやすいのは次のいずれかです。

(1)バンド幅(Upper−Lower)が過去N本の下位20%に入る:例えば直近100本のバンド幅の分布を見て、最小〜下位20%程度に入ると“収縮”とみなす。

(2)%BやBandwidth指標で閾値を設定:TradingViewの「Bollinger Bands Width」等で、“幅が一定以下”を収縮とする。

(3)ATR(平均真幅)の低下で代替:バンド幅が見づらい場合はATRが直近20本平均よりも低い、などでも良い。

条件B:拡大に転じた瞬間を捉える(幅の“増加”)

ここが核心です。単にバンドの外に出ただけでは「拡大1本目」になりません。幅が広がり始めたことを確認します。

実務的には、バンド幅が前の足より増えた(Bandwidth[t] > Bandwidth[t-1])を最低条件にします。さらに厳しくするなら、増加率を設けます。例:Bandwidthが前足比で+10%を超える、など。

条件C:価格が「上側 or 下側」に抜ける(方向性の確定)

抜けの判断は、ヒゲではなく終値ベースを推奨します。例えば上抜けなら「終値が上バンドの外側で確定」。下抜けなら「終値が下バンドの外側で確定」。

短期足(1分足〜5分足)でヒゲは頻発します。終値に寄せるだけでダマシは一段減ります。

ダマシを減らす“現場フィルター”:出来高・板・時間帯の3点セット

ここからがオリジナリティの部分です。ボリンジャー単体は誰でも見ます。だから“抜けた瞬間”に飛びつく人が多く、結果として逆方向へ刈られやすい。そこで、短期の需給情報をフィルターとして追加します。

フィルター1:出来高の「相対増加」を必須にする

拡大1本目は“参加者が増えた”局面で強くなります。よって、出来高条件を入れます。

具体例(株・5分足):当該足の出来高が直前5本平均の2.0倍以上。より攻めるなら3.0倍。FXや暗号資産で出来高が不安定なら、ティックボリュームでも良い。

ポイントは絶対値ではなく相対。低位株でも大型株でも、相対で見れば共通化できます。

フィルター2:板・歩み値で「片側の成行が連続」しているかを見る

日本株なら歩み値(約定履歴)が使えます。理想は、ブレイク足で同方向の成行が連続している状態です。例えば上抜けなら、買い成行が一定サイズで連続し、板の上側が“薄くなる”。

見たいのは次の2点です。

(1)買い(売り)の連続約定が一定回数以上:例:数秒〜十数秒で同方向の成行が5回以上。

(2)反対側の板が「厚くならない」:上抜けで売り板が急に厚く積まれる(見せ板含む)と、上が詰まりやすい。逆に、売り板が薄いまま食われると伸びやすい。

FXなら板情報が限定されますが、流動性が高い通貨(USDJPYなど)で、ブレイク直後の戻りが浅いか、スプレッドが不自然に広がっていないかを確認するだけでも効果があります。暗号資産は取引所板が見えるなら、同様に“吸収される側”を見ます。

フィルター3:時間帯で“伸びやすい瞬間”だけを狙う

同じ拡大でも、時間帯で期待値が変わります。

日本株:寄り付き〜10:00、後場寄り(12:30直後)、引け前(14:50以降)は出来高が出やすく、拡大1本目が“本物”になりやすい。逆に10:30〜13:30の中だるみはダマシが増えます。

FX:東京→ロンドン切替(16時前後)、NY開始(22時前後)にボラが出やすい。東京午前の狭いレンジは、明確な材料がないと伸びにくい。

暗号資産:米国時間の出来高増(NY時間)や、重要指標発表周辺は一気に拡大しやすい。24時間動く分、レンジブレイクの“偽物”も多いので、出来高フィルターがより重要です。

エントリーの実務:2つの型(成行で叩く/初押しを待つ)

拡大1本目の入り方は、大きく2つに分けます。初心者は「初押し待ち」の方が再現性が上がることが多いです。

型1:ブレイク確定足の直後に成行(スピード優先)

条件:終値がバンド外で確定し、出来高が跳ね、板が薄い(または同方向成行が連続)。このとき、次の足の始値付近で入ります。

メリット:伸びるときに取り逃しにくい。デメリット:ダマシに当たりやすい。よって損切りを浅くする必要があります。

型2:初押し(初戻し)を待って指値(精度優先)

拡大1本目の直後は、利確・逆張りが入りやすいので一度戻ります。その戻りが浅く、再度上を試すなら“本物”の確率が上がります。

具体的には、上抜けなら次のどれかで待ちます。

(1)中心線(20MA)まで戻らずに、上バンド付近で止まる

(2)VWAP(株の場合)を割らずに反発する

(3)1分足で安値切り上げが成立し、再度バンド外へ出る

初押し待ちは、エントリーが遅くなる代わりに、損切りを「押し安値」に置けるため、トータルで有利になりやすいです。

損切りは“形”で置く:バンドではなく「押し安値/押し高値」

初心者がやりがちなのは「下バンド割れで損切り」など、指標で損切りしてしまうことです。短期ではヒゲで触れて戻ることが多く、無駄に刈られます。

拡大1本目は構造(値動きの形)で損切りします。上抜けなら、基本は直近の押し安値を割ったら撤退。型1(成行)なら“ブレイク足の安値割れ”、型2(初押し)なら“初押しの安値割れ”が基準になります。

損切り幅が広くなりすぎる場合は、最初から入るロットを落とす。ここを逆にすると破綻します(ロット固定で損切りが広い=致命傷)。

利確は「伸び切る前」に段階化する:拡大1本目は“早い”

拡大1本目は、伸びるときは速いが、伸びなくなると失速も速い。よって、利確は段階化が有効です。

具体例(株・5分足の短期):

(1)R(リスク)1倍で半分利確:損切り幅が20円なら+20円で半分。

(2)残りはトレール:直近の押し安値、または短期移動平均(5EMAなど)割れで手仕舞い。

FXや暗号資産でも同様に、最初の利確を置いて“勝ちを現金化”し、残りを伸ばします。心理的にも耐えやすい。

具体例:日本株(寄り付き)での「拡大1本目」シナリオ

以下は、寄り付き〜30分に多い典型パターンです。銘柄は仮で説明します。

前提:前日終値から大きな材料はないが、朝の気配が強く、寄り後に小さなレンジを形成。5分足でボリンジャーバンド幅が縮小していく。

9:05〜9:10の足:バンド幅が過去30本の下位20%に入り、収縮が確認できる。出来高は平均以下。

9:10〜9:15の足:急に出来高が直前5本平均の3倍。終値が上バンドの外で確定。歩み値は買い成行が連続し、売り板の上側が薄いまま食われる。ここが“拡大1本目”。

エントリー:9:15の次の足で成行、または9:15〜9:20の初押しで、上バンド付近で止まるのを確認して入る(型2推奨)。

損切り:型1なら9:10〜9:15足の安値割れ。型2なら初押し安値割れ。

利確:最初の利確はR=1で半分。残りは押し安値更新まで保持。もし9:25以降に出来高が急減して上ヒゲが続くなら、伸びが止まった判断で早めに畳む。

具体例:FX(USDJPY)での「拡大1本目」シナリオ

FXは株と違い、寄り付きの“出来高集中”がない代わりに、時間帯でボラが変わります。たとえば東京午前で狭いレンジが続き、ロンドン開始でレンジを抜けるケース。

前提:東京時間で20〜30pips程度の狭いレンジ。ボリンジャーバンド幅が縮小し、中心線付近に価格が貼り付く。

ロンドン開始直後:バンド幅が増加に転じ、終値が上バンド外で確定。戻りが浅く、スプレッドが過度に広がっていない。

エントリー:初押しで中心線(20MA)まで戻らず、上バンド付近で反発→再度バンド外で確定したら入る。

損切り:初押し安値割れ。利確:R=1で部分利確、残りは直近の押し安値でトレール。

注意:指標発表直後はスプレッド拡大・滑りが出やすいので、同じ形でも取引コストが跳ねます。そこは“相場が動いているから”で正当化しない方がよいです。

具体例:暗号資産(BTCなど)での「拡大1本目」シナリオ

暗号資産は24時間で、レンジブレイクが多い一方、ダマシも多い。特に流動性が薄い時間帯の一発は危険です。よって、出来高と板の確認が重要になります。

前提:数時間の狭いレンジ。バンド幅が縮小。取引所の板は厚すぎず、細かい約定が続く。

NY時間に入って出来高が増え、上バンド外で確定。板では売り板が吸収され、買いが優勢。

エントリー:初押しが浅い(中心線まで戻らない)ことを確認し、再度上抜けで入る。損切りは初押し安値割れ。利確はR=1で一部、残りはトレール。

注意:アルトコインはスプレッドや板の薄さが極端で、同じ戦略でも“約定できない”ことが起きます。初心者はまずBTC/ETHなど流動性が高い銘柄で練習するのが現実的です。

よくある失敗と、避けるためのチェックリスト

失敗1:収縮がないのに“拡大1本目”だと思い込む:すでにボラが高い相場でバンド外に出ても、単なる続伸の一部で、損切り位置が曖昧になりやすい。必ず収縮条件を先に満たす。

失敗2:出来高が伴っていない:出来高が細いと、少数の注文で動いているだけ。すぐ戻されます。相対出来高フィルターを外さない。

失敗3:時間帯が悪い(伸びない時間にやる):相場が寝ている時間は、抜けても伸びません。時間帯を限定するだけで期待値が改善します。

失敗4:損切りが遅い:ブレイク系は“違ったらすぐ切る”が鉄則です。押し安値割れで機械的に切る。迷った時点で遅い。

失敗5:利確が欲張りで往復ビンタ:拡大1本目は速い。R=1で部分利確し、残りを伸ばす設計にする。

ルール化のテンプレ:あなたのトレードノートにそのまま貼れる形

最後に、運用ルールをテンプレとしてまとめます。これを固定し、検証と改善を回すと、ブレが減ります。

(1)時間帯:日本株は9:00〜10:00、12:30直後、14:50以降。FXはロンドン開始、NY開始。暗号資産は出来高が増える時間帯のみ。

(2)収縮条件:バンド幅が直近100本の下位20%(またはBandwidthが一定以下)。

(3)拡大条件:Bandwidthが前足より増加し、増加率が+10%以上(目安)。

(4)抜け条件:終値が上(下)バンド外で確定。

(5)出来高条件:当該足の出来高が直前5本平均の2倍以上(慣れたら3倍)。

(6)需給確認:日本株は歩み値で同方向成行連続+反対板が厚くならないこと。

(7)エントリー:基本は初押し(中心線/VWAPまで戻らず反発)で入る。急騰局面のみ次足成行。

(8)損切り:押し安値(押し高値)割れで即撤退。損切り幅に応じてロット調整。

(9)利確:R=1で一部利確、残りは押し安値更新までトレール。出来高急減+上ヒゲ連発なら早仕舞い。

検証のコツ:期待値を“数字”で把握する

この手法は、同じ指標でも設定とフィルター次第で成績が大きく変わります。感覚で改造すると壊れます。必ず、次の3指標を記録してください。

勝率(何回勝てたか)、平均損益比(勝ちの平均÷負けの平均)、最大連敗(メンタルと資金管理に直結)。

そして改善は、1回に1要素だけ。例えば「出来高2倍→3倍」に変えたら、他は固定してサンプルを取る。これができると、あなたの環境(銘柄・時間足・市場)に最適化された“あなた専用の拡大1本目”になります。

パラメータ調整の実践:20期間・2σは“標準”であって“正解”ではない

ボリンジャーバンドは「20期間・2σ」がよく使われますが、短期では市場の癖で最適が変わります。重要なのは、パラメータを闇雲にいじらず、“狙う時間足に合わせて意味が通る設定”にすることです。

たとえば日本株の寄り付きスキャルで5分足を使う場合、20本は約100分(1時間40分)に相当し、寄りから前場の大半を含みます。寄り直後だけを狙うなら、中心線が重すぎて反応が遅れることがあります。その場合は「20のまま、エントリーは1分足で精密化する」か、「期間を15に落として反応を早める」など、運用の思想を先に決めてください。

σも同様です。2σを1.8σにすると抜けやすくなり、シグナルは増えますがダマシも増える。2.2σにするとシグナルは減りますが“本物だけ”に寄りやすい。初心者はまず20・2σ固定で、出来高と時間帯フィルターを先に固める方が、結果が安定します。

資金管理:拡大1本目は“連敗”を前提に設計する

どんなに条件を絞っても、ブレイクアウトは一定の割合で負けます。重要なのは「負け方」です。拡大1本目の負けは、早めに切れば小さく、粘れば一撃で大きくなります。だから、資金管理は次の2点だけは固定してください。

(1)1回の損失上限を口座の一定割合に固定:例として、1回の損失を資金の0.5%〜1.0%以内に収める。これで連敗しても致命傷になりにくい。

(2)損切り幅が広い日はロットを落とす:同じ銘柄でも、日によって押し安値までの距離が変わります。損切り幅が2倍なら、ロットは半分。これを徹底しないと、勝ちの積み上げが一回の負けで消えます。

特に寄り付きや指標直後は滑り(スリッページ)が出ます。損切り注文が想定より不利な価格で約定する前提で、損切り幅に“滑り分のバッファ”を入れておくと、実運用でのブレが減ります。

まとめ:拡大1本目は“狙い撃ち”が最も強い

ボリンジャーバンドは、逆張りでも順張りでも使えます。しかし、初心者が最短で再現性を作るなら「拡大1本目だけ」に絞るのが合理的です。収縮→拡大というレジーム転換を捉え、出来高・板・時間帯でダマシを削る。これを徹底すれば、無駄な取引が減り、トレードの質が上がります。

次回チャートを開いたら、まず“バンドが細い時間”を探し、そこからの最初の拡大を待ってください。動く相場は、準備している人にしか利益を落としません。

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