決算翌日GUの初押しを獲る:寄り付きから5分足で組み立てる短期トレード設計

株式

決算で材料が出た直後の相場は、ニュースに反応する参加者と、需給で動かす参加者が同時に走るため、値動きが素直になりやすい反面、罠も多い局面です。本記事では「決算翌日にギャップアップ(GU)して始まった銘柄の“初押し”だけを狙う」短期戦略を、板・歩み値・5分足・VWAPを軸に、再現性のある手順として解像度高く整理します。狙いはシンプルで、初動の過熱に飛び乗らず、押し目の“最初の勝てる形”だけを拾うことです。

スポンサーリンク
【DMM FX】入金

なぜ「決算翌日GUの初押し」が勝ちやすいのか

決算翌日は、前日の決算発表を受けて、寄り前から気配値が大きく動きます。ここには2種類のフローが混在します。ひとつは「決算を見て買う」参加者(個人・裁量・短期ファンド)。もうひとつは「ルールに従って買う」参加者(指数・運用ルール・アルゴ)。特に上方修正やガイダンス強気などで市場の期待が一段上がると、寄り付き直後は成行買いが連続しやすく、最初のトレンドが立ち上がる傾向があります。

一方で、寄り直後は短期利確勢も必ず出ます。ここで一度押すのが「初押し」です。初押しは、上昇トレンドが崩れたから押すのではなく、“買いが強いからこそ利確も入り、押し目に待機していた買いが刺さる”ことで押して反発します。つまり、初押しは「需給の健全さ」を見極めるテストです。ここがきれいに機能する銘柄だけを選別できれば、勝率が上がります。

この戦略で狙う銘柄の条件(前日の決算内容より“翌日の値動き”を重視する)

初心者がやりがちな失敗は「決算が良かったから買う」です。決算の良し悪しは大事ですが、短期では“価格にどう反映されたか”が最優先です。あなたが狙うのは、決算の内容そのものより、翌日の寄り前〜寄り後の需給が素直な銘柄です。具体的には次のような状態が望ましいです。

まず、寄り前気配でGUしていること。理想は前日終値比で+3%〜+10%程度の範囲です。+15%や+20%を超えると、寄り後のボラが上がりすぎ、初押しが“押しではなく崩れ”になりやすいからです。次に、出来高が出ること。決算翌日で出来高が前日比で大幅に増える銘柄ほど、初押しが機能しやすい傾向があります。出来高が細いのにGUしている銘柄は、少ない注文で値が飛ぶため、押しも反発も荒くなります。

加えて、板がスカスカではないこと。板が薄いと、押し局面で一気に下へ滑り、予定していた損切り幅が守れません。デイトレ・スキャルで最重要なのは、想定通りに損切りできる市場構造です。板の厚み、売買代金、気配の連続性を必ず確認します。目安としては、寄り付き後の売買代金が短時間で数億円単位に乗る銘柄、少なくとも板の上下に“薄い帯”ではなく“層”が見える銘柄の方が扱いやすいです。

「初押し」の定義を曖昧にしない(あなたのルールを数字で固定する)

初押しを「なんとなく押したら買う」と定義すると、最も危険です。押しの深さ、押すまでの時間、反発の形を数値で固定してください。ここでは日本株の5分足を前提に、実戦で使いやすい定義を提示します。

まず「初動」。寄り付き後、最初の上昇波が出て、高値を付けるまでを初動とします。初動の典型は、寄り後5〜20分で高値を更新し、歩み値に成行買いが一定時間連続する形です。次に「初押し」。初動高値からの押しが始まり、5分足で1〜3本程度の押しが入って、再び買いが戻る局面を初押しとします。重要なのは“押しの最初”を狙うことです。2回目、3回目の押しは、すでにトレンドが弱っている可能性が高く、勝率が落ちます。

押しの深さは、目安として初動幅の38.2%〜61.8%程度が扱いやすいです。例えば寄り付き1,000円→初動高値1,080円(+80円)なら、押しの目安は1,050円〜1,030円あたりです。ここにVWAPが近いとさらに良いです。VWAPは短期参加者の“平均コスト”で、初押しの反発が起きやすい代表的な水準です。

寄り前の準備:見るべき順番(ニュースではなく“需給の形”)

寄り前にやることは多そうに見えますが、順番を固定すれば迷いません。まず、決算のサプライズ度合いをざっくり把握します。上方修正、通期見通しの上振れ、利益率改善、株主還元強化など、翌日に買いが続きやすい要素があるかを確認します。ただし、ここで深掘りしすぎないこと。あなたの主戦場は寄り後です。

次に、寄り前気配のGU幅を確認します。+3%〜+10%の範囲に入っているか、出来高が寄り前から積み上がっているかを見ます。さらに、同業他社や指数先物の地合いを軽く確認します。相場全体がリスクオフで大きく崩れている日は、個別の強さが相殺され、初押しが機能しにくいことがあります。

もう一段だけ踏み込むなら「寄り前の気配が落ちていないか」を見ます。決算の内容は良いのに、寄り前に高い気配からズルズル落ちる銘柄は、売り圧力が強いサインです。寄り前に買いが集まらない銘柄は、寄り後に初押しが成立しにくいので、監視から外します。

寄り付き直後の観察:エントリーより先に“勝てる銘柄か”を判定する

寄り後すぐにエントリーしないことが、この戦略の肝です。最初の5〜15分は観察で十分です。ここで見るのは「買いの質」です。具体的には、歩み値に成行買いが連続しているか、約定が細切れではなく一定のロットが継続しているか、上の売り板が“押される”形で消えていくかです。これらが揃うと、初動が強く、初押しが機能する確率が上がります。

逆に、寄り付き直後に高値をつけた瞬間から出来高が急減し、上値で伸びず、陰線が続く場合は危険です。それは「決算は良かったが、すでに織り込みで終わり」というパターンが疑われます。この戦略は、“決算の評価が市場で継続している銘柄”だけに限定します。

決算翌日ならではの罠:初押しに見せかけた“崩れ”を避ける

決算翌日は情報が一斉に解釈されるため、寄り後の最初の下げが「ただの押し」なのか「評価の反転」なのかを見誤りやすいです。初心者が最初に覚えるべきは、崩れのサインを優先して消すことです。

代表的なのは、押し局面で出来高が増え続けるケースです。上昇の途中で出来高が増えるのは良いですが、押しで出来高が増えるのは、利確ではなく投げが混ざっている可能性が高いです。特に、5分足の陰線が連続して実体が大きい、下ヒゲがほとんど出ない、そして戻りが弱い。この三点が揃うと、初押しではなく“崩れ”の確率が上がります。

もう一つの罠は、特別気配やストップ高近辺で始まる銘柄です。こうした銘柄は板が通常と違う形になり、VWAPや押し目の概念が歪みます。初押し戦略は「普通に売買できる市場構造」が前提なので、異常な気配は避けます。

初押しの3パターン(狙うのは1つだけでいい)

初押しにはいくつか典型形がありますが、全部を覚える必要はありません。最も再現性が高い1つに絞るのが、初心者にとっての勝ち筋です。ここでは実戦で安定しやすい「VWAP接触型」を主戦とします。

VWAP接触型は、初動で上昇したあと、利確の売りで押し、VWAP付近で下げ止まる形です。5分足で見ると、VWAPに近づくにつれて下ヒゲが出たり、陰線の実体が小さくなったりします。歩み値では、下で成行売りが一巡した後、同値近辺で買いが吸収している様子が見えることがあります。板では、下に買い板が厚く出るというより、売り板が薄くなり、上に抜けやすくなる方が重要です。

もう一つは「前日終値上の押し目」。GUしている以上、前日終値は心理的な支持帯になりやすいです。ただし、前日終値は“割れると失望が一気に出る”ラインでもあるため、初心者は難易度が上がります。最後に「寄り値押し」。寄り値に戻って反発する形です。これは分かりやすい反面、寄り値割れでロスカットが集中し、荒れやすいので注意が必要です。

エントリーの具体手順:5分足の「確定」と「歩み値」をセットで使う

初押しで最も多いミスは、押しの途中で買ってしまい、そのままズルズル下がって損切りになることです。これを避けるには、反発の兆しが“確定”してから入ることが重要です。具体的には、VWAP付近で押しが止まり、5分足が下ヒゲを付けて陽線、または陰線でも実体が極端に小さくなったことを確認します。さらに次の5分足で、直前足の高値を上抜く動きが出た瞬間に、成行または指値でエントリーします。

例えば、寄り付き1,000円→初動高値1,080円。押しで1,050円→1,040円→1,035円と落ち、VWAPが1,034円付近にあるとします。ここで1,032円まで一瞬突いて戻し、5分足が下ヒゲ陽線で確定。次の5分足で1,040円を超えたら、1,041円付近で入る、というようにルールを固定します。押しの底を当てに行かず、反転の最初の確認で入るのが勝ちやすい構造です。

歩み値での補助判定も入れます。反発の瞬間に、同値での約定が続いた後に成行買いが増える、あるいは上の売り板が連続で食われる動きが出ると、反発の信頼度が上がります。逆に、反発しそうに見えても、上の売り板が厚く居座り、約定が伸びないなら見送ります。短期で勝つ人ほど「買わない判断」を高速で行います。

損切り(撤退)は“価格”で決める:時間で引っ張らない

短期で最も重要なのは、負けを小さく固定することです。初押し戦略の損切りは分かりやすくできます。基本は「初押しの安値割れ」です。先ほどの例なら、反発確認後に入ったとして、押し安値1,032円を割ったら撤退です。板が薄い場合は滑る可能性があるので、実務上は1,031円や1,030円に逆指値を置き、約定までのズレを織り込んだ損失幅を計算します。

損切り幅が大きくなりすぎる場合は、その時点でその銘柄はあなたの戦略に合っていません。例えば、初動が荒すぎて押し安値までの距離が2〜3%もあるなら、リスクリワードが悪化します。損切り幅が許容できる銘柄だけを選ぶ、これが銘柄選定の本当の意味です。

利確(手仕舞い)は“2段階”にする:勝ちを残しつつ伸ばす

利確は、勝率と期待値のバランスを取る必要があります。初心者がいきなり大きな伸びを狙うと、利確できずに往復ビンタになりやすいです。おすすめは2段階利確です。まず、初動高値付近で半分利確します。初動高値は多くの参加者が意識し、戻り売りも出やすいからです。そこで一部を確定させると、心理的に余裕ができ、残りを伸ばしやすくなります。

残りの利確は、5分足で高値更新が止まったり、出来高が急減したり、VWAPからの乖離が再び大きくなって過熱したりしたタイミングで行います。例えば、初動高値1,080円を超えて1,100円まで伸びたが、出来高がピークアウトして上ヒゲが連続するなら、欲張らずに確定します。短期の利益は“最後の天井”ではなく、伸びる途中を取れば十分です。

再エントリーは原則しない:初押しだけに限定する理由

初押し戦略は、最初の押し目だけを狙うから強いです。2回目以降の押しは、買い方が利確を進めている可能性があり、押しの意味が変わります。特に決算翌日は、午前で“材料の評価”が一巡し、午後は“需給の整理”に変わることが多いです。午前中に初押しで取れたなら、それで十分です。欲張って何度も取りに行くと、崩れをつかみやすくなります。

勝てない典型パターン(この戦略でやってはいけない形)

この戦略の敵は「押しに見える崩れ」です。見分け方は、押し局面で出来高が増え続けるかどうかです。押しで出来高が増えている場合、利確ではなく“投げ”が出ている可能性があります。特に、寄り後すぐに上げたのに、押しで大きな陰線が連続し、戻りが弱い場合は危険です。初押し戦略は、押しが“浅く、短く、反発が速い”銘柄が得意です。押しが深く、長くなる銘柄は見送ります。

もう一つは、GU幅が大きすぎる銘柄です。+15%を超えるようなGUは、寄り後の値幅が荒れ、初押しの定義が崩れます。さらに、ストップ高・特別気配などが絡むと、板の情報が機能しにくくなり、戦略の前提が壊れます。あなたが狙うのは“素直にトレンドが出る決算”であって、“短期の祭り”ではありません。

実例シミュレーション:数字でイメージする「初押し→再上昇」

ここで、架空の銘柄Aでシミュレーションします。前日終値は1,000円。決算で市場予想を上回り、翌日の寄り前気配は1,060円(+6%)。寄り付きは1,055円で始まり、最初の10分で1,090円まで上昇。歩み値は成行買いが連続し、出来高も急増。ここまでは初動です。

次に利確が出て、価格は1,070円→1,060円→1,050円と押します。VWAPは1,052円付近。1,048円まで一瞬突くがすぐ戻り、5分足は下ヒゲ陽線で確定。次の足で1,058円を上抜いた瞬間に1,059円でエントリー。損切りは押し安値1,048円割れ(逆指値1,047円)。リスクは約12円(1.1%)。

利確はまず初動高値1,090円付近で半分を確定(+31円)。残りは1,100円まで伸びたが、その後5分足で上ヒゲ連続、出来高減少、VWAP乖離拡大を確認して1,096円で確定(+37円)。この形なら、損小利大が成立し、数回の負けを一回の勝ちで回収できる設計になります。

失敗シミュレーション:一見似ているが“初押しが機能しない”例

架空の銘柄B。前日終値は2,000円。寄り前気配は2,160円(+8%)で強い。しかし寄り付き直後に2,220円まで急騰したあと、5分足で大陰線が出て2,150円まで急落し、出来高が押しでむしろ増える。ここで「押したから買い」と判断すると危険です。実際には、上で買った短期勢の投げが混ざり、さらにアルゴの売りが重なっている可能性があります。

このケースでは、VWAPが2,165円付近にあっても、戻りが弱く、5分足の確定で上を抜ける兆しが出ないまま、2,140円→2,120円と切り下がることがあります。初押し戦略は“反発の確認が出ないなら買わない”が鉄則です。買わないことで負けを防ぐ。これが短期で資金を残す最短ルートです。

資金管理:1回の失敗で崩れないポジション設計

短期戦略は“当たり外れ”ではなく、資金管理で勝敗が決まります。初押し戦略は損切りが比較的明確なので、1回の損失を口座資金の一定割合に固定しやすいです。例えば、1回のトレードでの許容損失を資金の0.5%に設定し、損切り幅が1.2%なら、建て玉は資金の約41.6%相当まで、といった具合に逆算できます。こうしておけば、連敗しても致命傷になりません。

もう一つの実務的な注意として、複数銘柄を同時に触らないことです。決算翌日は値動きが早く、判断が遅れると損切りが滑ります。最初は監視銘柄を2〜3に絞り、最も条件が揃った1銘柄だけで実行してください。

スクリーニングの現実解:朝に迷わないための選別フロー

朝の時点で候補が10銘柄もあると、判断が鈍ります。現実的には、前日夜〜当日朝で“候補を削る”プロセスを作るのが効きます。たとえば、決算翌日でGUしている銘柄を機械的に拾い、GU幅が+3%未満と+12%超を外し、売買代金が薄いものを外し、特別気配や値幅制限が絡みそうなものを外す。ここまでで候補は一気に減ります。最後に、寄り後の最初の10分で「買いの質」を見て最終決定します。

このように、前段階で“触ってはいけない銘柄”を消すことが重要です。勝ち筋を探すより、負け筋を避ける方が、短期でははるかに効きます。

チェックリスト(当日の判断を迷わせないための言語化)

最後に、当日の判断を速くするための言語化をまとめます。あなたがエントリーするのは、次の条件が揃ったときだけです。GU幅が適正で、出来高が十分で、初動が強く、押しがVWAP付近で止まり、反発が5分足確定で確認でき、歩み値で買いが戻ったことが見える。これらの条件が揃わないなら、見送るのが正解です。見送ったトレードは負けではありません。短期は“やらない力”が利益になります。

まとめ:狙うのは「最初の押し目」だけでいい

決算翌日のGUは魅力的に見えますが、寄りの勢いに飛びつくほど難易度が上がります。勝ちやすいのは、初動が確認できた後の、最初の押し目だけです。初押しは、需給の健全さが試される局面であり、ここが機能する銘柄だけを狙えば、再現性が上がります。5分足の確定、VWAP、歩み値、板の変化をセットで使い、損切りを価格で固定し、利確を2段階にする。この設計を徹底すれば、初心者でも“運に頼らない短期トレード”へ近づけます。

p-nuts

お金稼ぎの現場で役立つ「投資の地図」を描くブログを運営しているサラリーマン兼業個人投資家の”p-nuts”と申します。株式・FX・暗号資産からデリバティブやオルタナティブ投資まで、複雑な理論をわかりやすく噛み砕き、再現性のある戦略と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ実践できること、そして迷った投資家が次の一歩を踏み出せることを大切にしています。

p-nutsをフォローする
株式
スポンサーリンク
【DMM FX】入金
シェアする
p-nutsをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました