- この記事で扱う戦略の全体像
- なぜ半導体は地政学に弱いのか:値動きが荒くなる構造
- イベントを4タイプに分ける:逆張り向きかどうかの判定
- 対象商品の選び方:ETF中心で“個別事故”を減らす
- 逆張りの核心:エントリー条件を数値化する
- 具体的な売買ルール例:初心者向けのシンプル設計
- ポジションサイズの決め方:勝率より先に“生存”を設計する
- 実例シナリオ:ニュース急落から“窓埋め”までの流れ
- “戻らない相場”の見分け方:逆張りを回避するチェック項目
- 初心者がやりがちな失敗と、その回避策
- 実践ワークフロー:毎回同じ手順で判断する
- 発展:オプションを使った“限定損失”アプローチ(概念のみ)
- まとめ:この戦略が向く人・向かない人
- 半導体サプライチェーンを“地図”で理解する:どこが詰まると株価が動くか
- ニュースに振り回されないための「情報の優先順位」
- エントリー精度を上げる「三段階フィルター」
- 利確を体系化する:勝ちを伸ばすより“取り切る”
- リスク管理の上級論点:ギャップと流動性に備える
- 初心者向け:最初の3ヶ月でやるべき練習メニュー
- よくある質問(Q&A)
- 最終チェックリスト:エントリー前に5つ確認
この記事で扱う戦略の全体像
半導体セクターは、決算や製品発表だけでなく、地政学(輸出規制、制裁、紛争、関税、サプライチェーン寸断など)のニュースで値動きが極端になりやすい分野です。短時間で「悲観の投げ」が出たあと、数日〜数週間で戻る局面が繰り返されることがあります。この記事は、その“行き過ぎ”を狙う逆張り型のショートスイングを、初心者でも実行できるように、ルールとチェック手順に落とし込んだものです。
ポイントは3つです。①イベントをタイプ別に分類して“戻りやすさ”を見極める、②対象をETF中心にして個別要因を薄める、③損切りとポジションサイズを先に決め、感情で追加しない。これだけで、ただの当て物から「再現性のある運用」に寄せられます。
なぜ半導体は地政学に弱いのか:値動きが荒くなる構造
半導体は、原材料→装置→設計→製造(ファウンドリ)→組立・テスト→完成品の流れが国境をまたぎます。加えて、最先端領域は特定地域・特定企業に集積しているため、政治判断ひとつで供給制約が発生しやすい。市場参加者は「最悪ケース」を先に織り込み、流動性が薄い時間帯や先物主導で急落し、その後に冷静な見直しで戻す…というパターンが生まれます。
逆張り戦略は、この“過剰反応→冷静化”の反復を収益機会として扱います。ただし、何でもかんでも逆張りすると破綻します。戻るイベントと戻らないイベントを切り分けるのが最初の仕事です。
イベントを4タイプに分ける:逆張り向きかどうかの判定
タイプA:ショックは大きいが、実体影響が限定的(逆張り向き)
例:噂ベースの規制報道、当局発言の観測記事、短期的な外交摩擦、輸送遅延の一時的ニュースなど。市場は最悪を想定して売りますが、実務的な適用範囲が狭かったり、代替調達が可能だったりすると、数日で織り込み直しが起きます。ここは逆張りの主戦場です。
タイプB:実体影響はあるが、代替・迂回・時間分散が効く(条件付きで逆張り)
例:一部品目の輸出規制、特定顧客への出荷制限、関税の引き上げなど。影響はあるものの、需要が消えるわけではない場合、サプライチェーンの再編や在庫調整を経て株価が戻ることがあります。下落の初動で飛びつかず、出来高とボラティリティの収束を待つのがコツです。
タイプC:長期の構造変化(逆張り危険)
例:恒久的な輸出禁止、主要市場の分断、国家補助金による競争構造の破壊など。これは“戻り”ではなく“新しい価格帯”が形成される可能性が高い。逆張りは原則回避し、どうしても触るならETFの小ロットに留めます。
タイプD:戦争・大規模紛争の激化(逆張りは最も危険)
この領域は「ニュースの速度」が速く、ギャップダウン・ギャップアップが常態化します。損切りが滑る(想定価格で約定しない)リスクが高い。初心者はここでは戦わない。戦うなら、ポジションを小さくし、オプションなどで最大損失が限定される形に寄せるのが合理的です。
対象商品の選び方:ETF中心で“個別事故”を減らす
初心者が地政学イベントを扱うとき、最初から個別株に全振りすると、決算・ガイダンス・訴訟・製品不具合など別要因が混ざって難易度が跳ね上がります。まずは半導体ETFを軸に「セクターの需給」を取りにいくのが安全です。
ETFを軸にするメリット
①銘柄分散で一社の悪材料に耐性がある、②スプレッドが比較的安定、③ニュースがセクター全体に波及したときに“きれい”に動く、という利点があります。逆張りは“当てる”より“耐える”ことが重要で、ETFはその設計に向きます。
個別株を使うなら「役割」を分ける
個別株を使う場合でも、いきなり複雑にせず、役割を固定します。例えば、①指数・ETFが戻る局面でレバレッジ感度が高い代表銘柄(大手GPU/CPUなど)、②供給側(ファウンドリ)、③装置、④材料…のように、ニュースの直撃度合いが違う“箱”に入れて考えます。イベントA/Bで戻りが見えたときに、最も戻りやすい箱を選ぶ、というイメージです。
逆張りの核心:エントリー条件を数値化する
逆張りは「安いと思う」ではなく、短期の過熱を機械的に拾います。ここでは、チャートに詳しくない人でも実装しやすい条件に絞ります。
基本指標1:急落率(1日〜3日での下落幅)
地政学ニュースでの“投げ”は、1日で急落しやすい。目安として、セクターETFが通常の値動きを大きく超える下落(例えば「直近20営業日の平均的な値動きの2倍以上」など)を示したら、監視モードに入ります。重要なのは、下落幅の絶対値よりも「普段に比べて異常か」です。
基本指標2:出来高の偏り(投げが出たか)
逆張りで一番ありがたいのは、恐怖での投げ売りが出て、売り手が一巡することです。出来高が普段より膨らみ、下ヒゲが出る、終値が安値から戻る、などの“売り尽くし”サインを待ちます。ここを待たずに買うと、二段目の下げでメンタルが崩れます。
基本指標3:ボラティリティのピークアウト
ニュース初動はボラが跳ねます。そこで買うのではなく、翌日〜翌々日に「値幅が縮む」「高値・安値のレンジが落ち着く」など、ボラが落ちる兆しを確認します。最安値を取る必要はありません。勝ちやすいのは“底値圏の反発”です。
具体的な売買ルール例:初心者向けのシンプル設計
ルール例(ETF逆張り・ショートスイング)
以下は一つのテンプレートです。あなたの時間軸(デイトレ不可、週に数回しか見ない等)に合わせて、数字は調整してください。
監視条件:地政学ニュースでセクターETFが急落し、出来高が増え、長い下ヒゲまたは引けにかけて戻す動きが出た。
エントリー:翌営業日に、前日高値を上抜ける動きが出たら分割で1/2入る。さらに、直近の短期移動平均(例:5日)を回復したら残り1/2を入れる。
損切り:前日の安値を終値で明確に割ったら撤退(ギャップで割れた場合は当日の引け判断)。
利確:①急落前の水準(窓埋め)まで戻ったら一部利確、②短期移動平均を割ったら残りを手仕舞い。欲張って全戻しを狙わない。
なぜ「分割」と「終値判断」が効くのか
ニュース相場は日中のブレが大きく、逆張りは一度入ると「もっと下がるかも」という恐怖が必ず来ます。分割すると心理的な耐性が上がり、終値判断にすると“ヒゲ”に振り回されにくい。これは初心者にとって実務的に強いルールです。
ポジションサイズの決め方:勝率より先に“生存”を設計する
地政学絡みは、想定外の続報でトレンドが反転しやすい。だから、資金管理を軽視すると一撃で終わります。ここでは難しい数式は使わず、現実的に運用できる方法にします。
1トレードの許容損失を固定する
例えば、口座資金の0.5%〜1%を「このトレードで失ってよい最大額」として固定します。損切り位置までの距離(値幅)が大きい局面ほど、買う数量を減らします。これだけで、ボラが高い局面で過剰に賭ける事故を防げます。
ナンピン禁止を明文化する
逆張りはナンピンと相性が悪い。特に地政学ニュースは“続報”で下げが深くなることがあるため、ルールとして「損切りライン到達で撤退、再エントリーは新しい条件が整ってから」と書いておきます。口頭の誓いは破られます。紙に書くのが一番強い。
実例シナリオ:ニュース急落から“窓埋め”までの流れ
ここでは典型パターンを物語として追います。数字は例示です。
ある日、輸出規制の強化観測が報じられ、半導体ETFが前日比で大きく下落しました。寄り付きから売りが強く、午前中に安値を更新。ただし後場に入ると売りが鈍化し、引けにかけて買い戻しが入り、長い下ヒゲで終了。出来高は直近平均を大きく上回りました。
翌日、続報が出ず、市場全体が落ち着きます。ETFは前日高値付近まで戻し、そこを上抜け。ここでまず1/2エントリー。さらに数日後、急落前の価格帯(窓の上限)に近づき、短期的に利確売りが増えます。窓の7〜8割を埋めたところで一部利確。残りは短期線割れで手仕舞い。最安値は取れていませんが、再現性の高い“取りやすい部分”だけを抜きます。
この戦略の狙いは「ニュースの真偽」ではなく「恐怖で崩れた需給が元に戻る過程」です。だから、ニュースの内容を理解しつつも、最終判断は価格と出来高で行います。
“戻らない相場”の見分け方:逆張りを回避するチェック項目
逆張りが最も危険なのは、下落が“イベント”ではなく“トレンド”だった場合です。次のチェックを通らないなら、見送るのが正解です。
チェック1:当局が具体的な法令・行政手続きとして正式発表しているか(観測記事ではなく確定情報か)。
チェック2:対象が「最先端」など代替困難な領域で、迂回が効きにくいか。
チェック3:サプライチェーンの要(ファウンドリ、主要装置、EUV関連など)が直撃しているか。
チェック4:ETFだけでなく、関連サブセクター(装置、材料、EDA等)まで一斉に崩れているか。
これらが揃うほどタイプC/Dに近づき、逆張りは危険度が上がります。その場合は「触らない」か「ごく小さく」しかありません。
初心者がやりがちな失敗と、その回避策
失敗1:最安値を狙って初動で買う
初動は情報が不完全で、投げが続きます。逆張りの勝率は「売りが一巡した後」に上がります。最初の下げは眺める。これは訓練です。
失敗2:含み損で判断が鈍り、損切りを先延ばしにする
地政学の続報は夜間に出ます。翌朝ギャップで逃げられないことがあります。だから、損切りは“あらかじめ”決め、機械的に実行します。損切りができないなら、ポジションが大きすぎます。
失敗3:個別株で「一発逆転」を狙う
個別は材料が重なり、思った通りに戻らないことが多い。まずETFで型を作り、慣れてから個別を少量で混ぜる。順序を逆にしない。
実践ワークフロー:毎回同じ手順で判断する
再現性は「判断の型」から生まれます。次の流れで固定します。
ステップ1:ニュースを分類する(A〜D)
観測か確定か、短期か長期か、代替が効くか、紛争リスクはどの程度か。結論がC/D寄りなら見送り。
ステップ2:対象を決める(ETF→必要なら個別)
ETFで取れるならETFで終わらせます。個別は“上乗せ”であり、主戦場にしない。
ステップ3:チャートで過熱を確認する(急落率・出来高・ボラ)
急落しているだけでは足りません。出来高の偏りとボラのピークアウトを待つ。ここが一番重要です。
ステップ4:エントリーは分割、損切りは固定
入る前に、損切りライン、利確の目安(窓埋め、短期線割れ等)、許容損失額をメモします。メモがないトレードは“運任せ”です。
発展:オプションを使った“限定損失”アプローチ(概念のみ)
地政学イベントはギャップが怖いので、本来は最大損失が限定される設計が相性良いです。例えば、ETFや指数に対してオプションを用い、支払うプレミアムを“保険料”として許容する方法があります。ただし、オプションは仕組みが難しく、流動性やスプレッド、期限管理など学習コストが高い。まずは現物・ETFで型を作り、次に段階的に学ぶのが現実的です。
まとめ:この戦略が向く人・向かない人
向く人:ニュースで一時的に売られた局面を、数日〜数週間の反発として取りにいきたい人。損切りを機械的に実行でき、ポジションを小さく管理できる人。
向かない人:最安値を当てたい人、含み損に耐えられずナンピンしがちな人、続報を追い続ける時間が取れない人。
最後に、投資は元本割れのリスクがあります。ここで示したのは戦略設計の一例であり、取引の最終判断はご自身の状況(資金、目的、リスク許容度)に合わせて行ってください。
半導体サプライチェーンを“地図”で理解する:どこが詰まると株価が動くか
逆張りをする前に、半導体の流れをざっくり掴むと、ニュースの本質が読みやすくなります。専門用語が多いですが、ここは「どこが止まると供給が止まるか」だけ押さえれば十分です。
①設計(ファブレス)
CPUやGPUなどを設計する企業がここに入ります。設計は国境の影響を受けにくいように見えますが、実際には“どの国の顧客に売れるか”が規制に直撃します。輸出規制や制裁のニュースは、設計企業の売上見通しに直結しやすいので、短期的に株価が振れやすい領域です。
②製造(ファウンドリ)
設計された回路を実際にシリコン上に作り込む工程です。ここが止まると全てが止まります。地政学リスク(紛争、政情不安、災害)で最も注目されやすいのがこの領域です。逆張りで危険なのは、ここが“物理的に止まる”タイプDのニュースです。
③製造装置(前工程装置)
最先端製造は装置が命です。輸出管理の強化や、装置メーカーの出荷停止は「先端投資のブレーキ」に繋がり、セクター全体のバリュエーションが見直されます。装置関連はニュースの波及が大きく、ETFも連れて動きやすい一方、構造変化(タイプC)になりやすいので注意が必要です。
④材料・部材
フォトレジスト、ガス、ウエハーなどの材料は、代替や複線化が進んでいる部分もあります。短期の供給懸念で急落した後、別ルート調達が見えて戻る(タイプB)ことも多い。逆張りでは“戻りやすい箱”になる場合があります。
⑤後工程(組立・テスト)
完成直前の工程で、地域分散されやすい反面、特定地域の稼働停止がニュースになりやすい。とはいえ、製造(前工程)に比べると代替が効きやすいケースもあり、短期の悲観が行き過ぎたときに戻りが出ることがあります。
ニュースに振り回されないための「情報の優先順位」
地政学ニュースは、速報→憶測→続報→正式発表→実務運用という順に変質します。逆張りでは、すべてを追いかけるのではなく、見る順番を固定します。
最優先:公式ソースの一次情報
政府機関の発表、規制文書、企業のIR(プレスリリースや決算資料)です。ここが出るまでは“市場の解釈ゲーム”が続きます。一次情報が出た時点で「タイプ分類」を更新します。
次点:市場の反応(価格・出来高・ボラ)
ニュースの真偽より、資金がどう動いたかが重要です。逆張りは市場心理を取る戦略なので、最終判断は常に価格に戻します。
最後:解説記事やSNSの解釈
解説は参考になりますが、逆張りにおいてはノイズも多い。特に断定的な言説は危険です。あなたのルールを壊す情報は“見ない勇気”が必要です。
エントリー精度を上げる「三段階フィルター」
初心者が勝率を上げたいなら、エントリーを厳しくするのが近道です。以下の3条件が揃ったときだけ触る、という運用が現実的です。
フィルター1:市場全体がパニックではない
株式全体がリスクオフで崩れている日に、半導体だけを逆張りすると、セクター固有の戻りが発生しにくい。大きなリスクオフの日は“見送る”を選択肢に入れます。
フィルター2:イベントがAまたはBに分類できる
分類できないときは、情報が不足しているということです。情報が足りない局面は、値動きが最も荒く、ギャップリスクが高い。分類できるまで待つのが合理的です。
フィルター3:売り尽くしの形が出ている
出来高急増、下ヒゲ、引け戻し、ボラの縮小。これらが揃って初めて“需給の歪み”が整います。逆張りは「安いから」ではなく「売りが終わったから」買います。
利確を体系化する:勝ちを伸ばすより“取り切る”
逆張りは、トレンドフォローのように大きく伸ばすより、短期の歪みを回収する取引です。利確の迷いは成績を崩します。ここでは2つの利確ロジックを併用します。
ロジック1:窓埋め(ギャップの解消)
地政学ニュースで開いた窓は、追加悪材料がなければ埋まりやすい。窓の半分〜8割を埋めたら一部利確する、とルール化します。全戻しを狙うと、利確タイミングが遅れ、結局取り逃がします。
ロジック2:短期線割れ(反発の終了)
反発が終わるときは、短期線(5日や10日)を割り込みやすい。窓埋めが未達でも、短期線割れで撤退することで、勝ちを守れます。
リスク管理の上級論点:ギャップと流動性に備える
地政学は、夜間・休日に材料が出ます。月曜の寄り付きで大きなギャップが出ることもあります。そこで“想定より損が出る”ことを前提に設計します。
対策1:保有期間を短くする
戻りを取りにいくのに、長期保有は不要です。反発が出たら早めに利確し、イベントを跨ぐ回数を減らすほど期待値は安定します。
対策2:分散は「銘柄」より「時間」で取る
同じニュースでセクター全体が動くなら、銘柄分散より、エントリーの時間分散(分割)が効きます。最初に小さく入り、条件が改善したら増やす。逆に悪化したら撤退する。これが時間分散です。
対策3:最大損失を“口座で”制限する
損切りが滑る可能性を考えるなら、損切りルールだけでなく、ポジションサイズで最大損失を抑えます。想定損失の1.5〜2倍が起きても致命傷にならないサイズにする、という発想が重要です。
初心者向け:最初の3ヶ月でやるべき練習メニュー
いきなり本番資金で回すのではなく、型を体に入れます。以下は現実的な練習手順です。
1ヶ月目:観察だけ(エントリーしない)
地政学ニュースが出た日をメモし、ETFがどう動いたか、出来高・窓・戻りの速度を観察します。逆張りの勝ちパターンは“見慣れる”ことで判断が早くなります。
2ヶ月目:小ロットでルール通りに1回だけ実行
成功より、ルール遵守が目的です。利確が早すぎても構いません。損切りができたら合格です。
3ヶ月目:同じ条件で3回繰り返す
同じ条件で3回繰り返せると、再現性が見えてきます。ここで初めて、微調整(利確の早さ、分割の比率)を行います。
よくある質問(Q&A)
Q1:ニュースの内容を理解できないと勝てませんか?
A:完璧な理解は不要です。ただし、イベントのタイプ分類(A〜D)に必要な最低限(観測か確定か、影響が短期か長期か、代替が効くか)は理解してください。理解できないなら見送る、がルールです。
Q2:個別株で狙うなら何を基準にしますか?
A:①セクターETFと相関が高い、②流動性が高い、③イベントの直撃を受けにくい、の3点です。流動性が低い銘柄はスリッページが大きく、逆張りの利幅が消えます。
Q3:どのくらいの頻度でチャンスがありますか?
A:地政学イベントは不定期ですが、半導体はニュース感応度が高く、年に複数回は“過剰反応”局面が出ます。チャンスの多さより、条件が揃うまで待つ姿勢が成績を決めます。
最終チェックリスト:エントリー前に5つ確認
最後に、実行直前にこの5つを確認してください。ひとつでも欠けるなら見送るのが合理的です。
①イベントはA/Bに分類できる。②市場全体が全面リスクオフではない。③出来高が増え、売り尽くしの形がある。④翌日に上抜けなど反発の確認がある。⑤損切り・利確・許容損失額がメモされている。


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