5分足VWAP攻防で読むデイトレ需給:優勢サイド判定と再現性の高いエントリー設計

株式

VWAP(Volume Weighted Average Price:出来高加重平均価格)は、デイトレードにおける「その日の平均コスト」を表す代表的な需給指標です。特に日本株の現物・信用の短期売買では、指数・主力株のアルゴ執行(VWAPターゲット)や、機関の平均コスト意識が価格形成に混ざりやすく、VWAP付近で反応が出ます。

この記事では「5分足VWAP」を軸に、寄り付き〜引けまでの攻防を“優勢サイド判定”として体系化し、初心者でも再現できる形に落とし込みます。単なる「VWAPを上なら買い」ではなく、出来高・ローソクの質・戻り方/崩れ方を組み合わせて、トレードの期待値を上げるための具体手順を提示します。

スポンサーリンク
【DMM FX】入金
  1. VWAPとは何か:移動平均との決定的な違い
  2. 「5分足VWAP」を見る意味:ノイズを減らして意思決定を早める
  3. 前提:VWAPは「線」ではなく「価格帯」として扱う
  4. 優勢サイド判定:5分足VWAPで見る「3つの状態」
    1. 状態A:VWAP上で推移(買い方優勢)
    2. 状態B:VWAP下で推移(売り方優勢)
    3. 状態C:VWAPを跨いでレンジ(拮抗・刈り取り局面)
  5. 攻防の核心:跨いだ直後に見るべき“3点セット”
    1. ①出来高:跨ぎ足と次足で「増えているか」
    2. ②ローソクの質:ヒゲと実体のバランス
    3. ③戻り方/押し方:再テストで壊れないか
  6. 具体的なトレード設計:3パターンで覚える
    1. パターン1:VWAP押し目買い(買い方優勢の継続を取る)
    2. パターン2:VWAP戻り売り(売り方優勢の継続を取る)
    3. パターン3:VWAPブレイク後の“再テスト”だけを取る(初心者向けの安全設計)
  7. 「5分足VWAP×出来高」の読みを一段上げるコツ
    1. 出来高のピークは“天井/底”にも“始点”にもなる
    2. “VWAPより上での横ばい”は強い
    3. 大口の平均コストは“寄り付き直後”に形成されやすい
  8. ありがちな失敗と回避策
    1. 失敗1:VWAP跨ぎの瞬間に飛びついて往復ビンタ
    2. 失敗2:低流動性銘柄でVWAPを信じすぎる
    3. 失敗3:材料・ニュースで前提が崩れているのに型を当てはめる
  9. 初心者向けの実践テンプレ:朝の準備→場中→振り返り
    1. 朝(寄り前)
    2. 場中(エントリー判断)
    3. 引け後(検証)
  10. まとめ:5分足VWAPは“需給の勝ち筋”を可視化する

VWAPとは何か:移動平均との決定的な違い

VWAPは「価格×出来高」を累積し、累積出来高で割った平均値です。移動平均が“時間”を重み付けするのに対し、VWAPは“出来高”を重み付けします。つまり、参加者が最も多く取引した価格帯ほど強く反映されるため、同じ上昇でも「薄商いの上昇」と「出来高を伴う上昇」ではVWAPの追随が変わります。

デイトレ視点で重要なのは、VWAPが「その日に参加した市場参加者の平均的な含み損益の境界線」になりやすい点です。価格がVWAPより上なら買い方優位(平均コスト以上で保有できている参加者が多い)、下なら売り方優位(平均コスト以下で含み損の買いが増え、戻りで売られやすい)という構図が生まれます。

「5分足VWAP」を見る意味:ノイズを減らして意思決定を早める

VWAP自体は通常「日中セッション全体」の累積で計算されます。しかしチャート上では、5分足の表示単位に合わせて、次の2つの見方が実務的です。

  • セッションVWAP(累積VWAP):寄り付きからの累積で一本の線として推移する。最も一般的。
  • 5分足ベースの「VWAPとの位置関係」:各5分足の終値がVWAPの上/下にいるか、VWAPを跨いだかを連続性で観察する。

「5分足VWAPの攻防」とは、後者の“跨ぎ”をトリガーにしつつ、跨いだ直後の出来高・ヒゲ・次足の追随で優勢サイドを判定する運用です。1分足は速いが誤シグナルも増えます。5分足は遅すぎるようで、実は“板・歩み値の偏り”がローソクに反映されやすく、初心者でも判断を作りやすい。

前提:VWAPは「線」ではなく「価格帯」として扱う

VWAPにタッチした瞬間に反転するとは限りません。特にボラが高い銘柄ほど、VWAPの上下に“ブレ”が出ます。そこで実務ではVWAPを±0.1〜0.3%程度(銘柄の値動きに応じて)で帯として扱い、帯の中は「判断保留」、帯を抜けて定着したら「判定」とします。

この帯の設定は固定値よりも、以下のどちらかが堅いです。

  • 直近20本(約100分)の5分足の平均的な値幅(平均真の値幅に近い概念)
  • 当日ここまでの高値-安値のレンジに対する割合(例:レンジの5〜10%)

初心者向けに割り切るなら、まずは「VWAP±0.2%」を基準にし、値動きが荒い銘柄では±0.3%、重い大型株では±0.1%に寄せて調整すると運用しやすいです。

優勢サイド判定:5分足VWAPで見る「3つの状態」

状態A:VWAP上で推移(買い方優勢)

5分足の終値が継続してVWAP上にあり、押し目がVWAP帯で止まる状態です。ここでは買い方の平均コストが守られているため、押し目の売りが薄く、買い戻しが入りやすい。

狙い方(基本形)は「VWAP帯への押し→反発確認→高値更新で追随」。重要なのは“反発確認”をローソクの形で行う点です。例えば、VWAP帯に刺さった後に下ヒゲが出て終値が帯の上で確定し、次の5分足で高値を更新する——この流れは、板の下側の買い支えが機能しているシグナルになります。

状態B:VWAP下で推移(売り方優勢)

5分足の終値が継続してVWAP下にあり、戻りがVWAP帯で叩かれる状態です。戻り局面で、含み損の買い方が「戻ったら逃げたい」心理になり、売りが増えます。

狙い方(基本形)は「VWAP帯への戻り→上ヒゲ・出来高鈍化→安値割れでショート(または買いを避ける)」。信用売りが難しい場合でも、少なくとも“逆張り買いをしない”判断ができるだけで、勝率は改善します。

状態C:VWAPを跨いでレンジ(拮抗・刈り取り局面)

VWAP帯の上下を行ったり来たりする局面は、短期資金の刈り取り(ストップ狩り)になりやすいゾーンです。ここは「勝ちたい」より「負けない」優先です。

具体的には、VWAPを跨いだ直後の足が弱い(実体が小さい、出来高が増えない、すぐ戻される)なら、トレード対象から外す。見送る技術が最も効く局面です。

攻防の核心:跨いだ直後に見るべき“3点セット”

VWAPを跨いだ瞬間より、跨いだ直後の反応が本番です。判断は次の3点セットで行います。

①出来高:跨ぎ足と次足で「増えているか」

VWAPを上抜け(下抜け)した足で出来高が増え、その次の足も出来高が維持されるなら、本尊(まとまった資金)の意思が継続している可能性が高い。逆に、跨いだ足だけ出来高が増えて次足で急減するなら、単発の成行で跳ねただけのケースが多く、戻されやすい。

②ローソクの質:ヒゲと実体のバランス

上抜けなら「下ヒゲが短く実体が太い」、下抜けなら「上ヒゲが短く実体が太い」ほど優勢です。VWAP帯での反発(拒否)がヒゲとして出るため、ヒゲが長い方向は“反対サイドの抵抗が強い”と読めます。

③戻り方/押し方:再テストで壊れないか

上抜け後にVWAP帯へ押しても割らずに再上昇するなら、買い方優勢が確定しやすい。下抜け後にVWAP帯へ戻しても越えられず再下落するなら、売り方優勢が確定しやすい。再テストに耐えるかどうかが、初心者にとって最も分かりやすい確度ポイントです。

具体的なトレード設計:3パターンで覚える

パターン1:VWAP押し目買い(買い方優勢の継続を取る)

条件:上昇トレンド中(高値・安値切り上げ)+終値がVWAP上で推移。

手順:①VWAP帯まで押すのを待つ → ②帯で下げ止まり(下ヒゲ、売り出来高鈍化)を確認 → ③直近の小さな戻り高値を上抜けでエントリー。

損切り:VWAP帯を明確に割って、5分足終値で下に確定したら撤退(または直近押し安値割れ)。

利確:当日高値更新の伸びが鈍る、出来高が出たのに上値が進まない(吸収されている)などで分割利確。初心者は「R倍(損失幅の1.5〜2倍)」で半分利確、残りはトレーリングが管理しやすいです。

具体例(イメージ):寄り付き直後に強く買われ、9:20〜9:40で一段高。その後9:45〜9:55にVWAP帯へ押して出来高が細り、10:00の足で下ヒゲを付けて帯上で確定。10:05の足で直近の戻り高値を抜けたら買い。損切りはVWAP帯割れ確定。

パターン2:VWAP戻り売り(売り方優勢の継続を取る)

条件:下落トレンド中(高値・安値切り下げ)+終値がVWAP下で推移。

手順:①VWAP帯まで戻すのを待つ → ②帯で上値が重い(上ヒゲ、買い出来高鈍化)を確認 → ③直近の小さな押し安値を割れでエントリー(ショート/買い回避)。

損切り:VWAP帯を上抜けて5分足終値で上に確定したら撤退。

利確:直近安値、前日安値、節目(ラウンドナンバー)などを目安に段階的に。

パターン3:VWAPブレイク後の“再テスト”だけを取る(初心者向けの安全設計)

初心者が最も事故りやすいのは、VWAPを跨いだ瞬間に飛び乗ることです。そこで、跨いだ後の再テスト(押し戻し)だけを狙います。

上抜け版:VWAP上抜け → いったん押してVWAP帯で止まる → 反発の高値更新でエントリー。

下抜け版:VWAP下抜け → いったん戻してVWAP帯で叩かれる → 反落の安値割れでエントリー。

この設計はエントリーが遅く見えますが、誤シグナルを大幅に減らし、平均損失を小さくできます。結果として期待値が上がりやすい。

「5分足VWAP×出来高」の読みを一段上げるコツ

出来高のピークは“天井/底”にも“始点”にもなる

出来高急増は、投げ売り・投げ買いのクライマックスである場合も、トレンドの始点である場合もあります。見分けは「VWAPとの位置関係」と「その後の戻り方」です。例えば下落中に出来高ピークが出て、VWAPに届かず戻りが弱いなら下落継続の可能性が残る。一方、出来高ピーク後にVWAPを奪回し、再テストで守れるなら、底打ちシナリオの確度が上がります。

“VWAPより上での横ばい”は強い

上昇後に伸びないのに下がらない(VWAP上で横ばい)局面は、売りを吸収している可能性があります。これを「上で固める」と呼びます。こうした局面で、5分足の安値が切り上がり、VWAP帯との距離が詰まってくると、次の上抜けで走りやすい。初心者は「上で固めた後のブレイク」を狙うと、無理な逆張りを減らせます。

大口の平均コストは“寄り付き直後”に形成されやすい

日本株では寄り付き直後(9:00〜9:15)に出来高が集中し、その時間帯でVWAPが急速に形作られます。このため、9:30以降のVWAPは「寄りの攻防の結果」を強く引きずります。寄りで買いが強かった銘柄は、VWAPが支持線になりやすい。寄りで売りが強かった銘柄は、VWAPが抵抗線になりやすい。まずは寄りの出来高とローソクの質を見て、VWAPを“どちら側から見るべきか”を決めると迷いが減ります。

ありがちな失敗と回避策

失敗1:VWAP跨ぎの瞬間に飛びついて往復ビンタ

回避策は明確で、跨ぎ直後の「次足の追随」と「再テスト」を待つこと。跨いだだけでは拮抗のまま、アルゴの刈り取りに巻き込まれやすいです。

失敗2:低流動性銘柄でVWAPを信じすぎる

出来高が薄い銘柄はVWAP自体が不安定で、ちょっとした成行で簡単に跨ぎます。最低限「5分足出来高が一定以上(例:売買代金が数千万円/5分以上)」などのフィルターを入れると事故が減ります。

失敗3:材料・ニュースで前提が崩れているのに型を当てはめる

昼休みニュース、決算、規制、事故、不祥事などで需給が一変した日は、VWAPの意味合いが時間帯で変わります。ニュース直後は“価格発見”が優先され、VWAPが効きにくい。こういう日は、再テストまで待つか、サイズを落とすのが無難です。

初心者向けの実践テンプレ:朝の準備→場中→振り返り

朝(寄り前)

①監視銘柄を3〜5に絞る(値上がり率/出来高/材料)→ ②前日高値・安値、節目価格を引く → ③想定シナリオを2本用意(VWAP上で強い場合/下で弱い場合)。

場中(エントリー判断)

①状態A/B/Cを判定(終値がVWAP上か下か、跨いでいるか)→ ②跨ぎなら3点セット(出来高・ローソク・再テスト)を確認 → ③パターン1〜3のどれかに合致したときだけ入る。

引け後(検証)

その日のエントリーを「VWAPとの位置関係」と「出来高の推移」で分類し、勝ちパターン/負けパターンを言語化します。特に負けは「跨ぎ瞬間で入った」「再テストを待てなかった」など原因が定型化しやすいので、改善が速いです。

まとめ:5分足VWAPは“需給の勝ち筋”を可視化する

5分足VWAPの攻防は、買い方・売り方の平均コストを基準に、どちらが優勢かを判断するための実戦的な枠組みです。重要なのは、VWAPを“魔法の線”として崇めるのではなく、跨いだ直後の出来高・ローソクの質・再テストで確度を上げること。これだけで、無駄なエントリーが減り、トレードの再現性が上がります。

最後に、どんな手法も「損切りの設計」と「サイズ管理」がセットで初めて機能します。VWAP戦略は特に、拮抗局面(状態C)を避けるだけで成績が改善しやすいので、まずは“入らない判断”を武器にしてください。

p-nuts

お金稼ぎの現場で役立つ「投資の地図」を描くブログを運営しているサラリーマン兼業個人投資家の”p-nuts”と申します。株式・FX・暗号資産からデリバティブやオルタナティブ投資まで、複雑な理論をわかりやすく噛み砕き、再現性のある戦略と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ実践できること、そして迷った投資家が次の一歩を踏み出せることを大切にしています。

p-nutsをフォローする
株式
スポンサーリンク
【DMM FX】入金
シェアする
p-nutsをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました