年収400〜600万円サラリーマンにとって老後にしか受け取れないiDeCoは本当に得なのか?現実的な評価と最適な付き合い方

資産形成

本記事では、年収400〜600万円程度のサラリーマンを対象に、iDeCo(個人型確定拠出年金)をどのように評価し、どの程度活用すべきかを整理します。巷で語られる「iDeCoはやらないと損」「節税最強」といった単純な説明ではなく、税率・資金拘束・将来リスクまで含めた現実的な判断材料を提供することを目的としています。

iDeCoは制度として優れている側面もありますが、年収400〜600万円層にとっては万能ではありません。むしろ、使い方を誤ると自由度を犠牲にする割にリターンが限定的になるケースもあります。本記事では、制度の正体から出口課税、海外移住リスクまで段階的に解説し、最終的にどのような距離感で付き合うのが合理的かを示します。

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iDeCoの税制の正体:非課税ではなく課税の繰り延べ

まず最初に押さえるべき重要な前提があります。iDeCoは非課税制度ではありません。構造を分解すると次の3点に集約されます。

・掛金は全額所得控除される(入口優遇)
・運用期間中の利益は非課税
・受給時には原則として課税される(出口課税)

つまり、iDeCoとは「今受け取るはずだった給料の一部を、将来受け取る仕組み」に過ぎません。税金が消えてなくなるわけではなく、支払うタイミングを将来に回しているだけです。この点を誤解したまま制度に過度な期待を寄せると、後で違和感を覚えることになります。

年収400〜600万円層の実効税率を冷静に見る

iDeCoの節税効果は、現在の実効税率に強く依存します。年収400〜600万円程度のサラリーマンの場合、所得税と住民税を合算した実効税率はおおむね以下の水準です。

年収400万円前後:およそ15%
年収500万円前後:およそ20%
年収600万円前後:23〜25%程度

仮に年間24万円(月2万円)をiDeCoに拠出した場合、節税額は年間で3.6万〜6万円程度にとどまります。10年間継続しても35万〜50万円前後です。確かにプラスではありますが、人生の選択肢を狭めるほどのインパクトかと言われると、そうではありません。

出口課税で本当に得になるかは別問題

iDeCoの成否を分けるのは出口、すなわち受給時の課税です。受給方法は一時金または年金ですが、特に重要なのは一時金受給時に適用される退職所得控除です。

退職所得控除は非常に大きく、拠出年数が長いほど有利になります。iDeCo単独であれば、10年程度の積立額は控除内に収まる可能性が高く、出口課税がほぼゼロになるケースも現実的です。この場合、入口で得た節税メリットがそのまま残ります。

一方で、会社の退職金と受給時期が重なる場合や、将来的に退職所得控除が縮小された場合、出口で一定の課税を受ける可能性も否定できません。この点を無視して「必ず得する」と考えるのは危険です。

海外移住を視野に入れる場合の制約

特に海外移住を考えている場合、iDeCoの扱いは一段と難しくなります。非居住者になると新規拠出はできなくなり、60歳まで資金は完全にロックされます。運用は継続できますが、引き出しは不可です。

また、受給時には日本での課税が原則となり、居住国との租税条約や現地税制を考慮する必要があります。例えばマレーシアのように比較的有利な国もありますが、それでも手続きや不確実性は残ります。自由度を重視する人にとって、iDeCoは扱いづらい資産になりやすいのが実情です。

年収400〜600万円で10年積み立てた場合の総合評価

この年収帯でよく分からず約10年間iDeCoを積み立ててきた場合、結論としては「丸損ではないが、突出して有利でもない」という評価になります。

入口の節税効果、運用益非課税の恩恵を合算すれば、一定のプラスは確保できているはずです。一方で、資金拘束、制度変更リスク、流動性の欠如といったコストも確実に負担しています。総合的には「平均点以上、ただし大勝ちではない」という位置づけが妥当です。

今積み立てている場合の今後の最適な付き合い方

年収400〜600万円層にとって重要なのは、iDeCoに依存しすぎないことです。すでに積み立てた分は老後資金として淡々と運用し、新規拠出については慎重に判断するのが現実的です。

今後の資産形成の主軸は、流動性が高く、自分で調整可能なNISAなどに置く方が合理的です。iDeCoは「増やし続ける制度」ではなく、「使い切ったら距離を取る制度」と捉えることで、全体のバランスが取りやすくなります。

まとめ

年収400〜600万円のサラリーマンにとって、iDeCoは必須でも無意味でもありません。NISAなど自由度の高い制度をフル活用し、iDeCoに縛られすぎないことが最大のポイントです。制度のメリットを享受しつつ、将来の自由度を確保する。そのための冷静な距離感が、長期的には最も健全な資産設計につながります。

p-nuts

お金稼ぎの現場で役立つ「投資の地図」を描くブログを運営しているサラリーマン兼業個人投資家の”p-nuts”と申します。株式・FX・暗号資産からデリバティブやオルタナティブ投資まで、複雑な理論をわかりやすく噛み砕き、再現性のある戦略と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ実践できること、そして迷った投資家が次の一歩を踏み出せることを大切にしています。

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