日本はどの道を選ぶのか?金利上昇・円安・延命国家の三択と個人投資家の生存戦略

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日本は「金利か円か」を迫られている

日本経済はいま、極めて単純でありながら残酷な選択を突き付けられています。それは「金利を上げるのか、それとも上げないのか」という問いです。この問いは言い換えれば、「財政を壊すのか、通貨を壊すのか」という二者択一に見えます。

市場やSNSでは、この問題はしばしば以下の二択として語られます。

・金利を上げれば財政が持たず、いずれ破綻する
・金利を抑えれば財政は延命できるが、円は暴落する

一見すると、この二つしか選択肢がないように見えます。しかし、現実の政策運営はそこまで単純ではありません。実際に日本が選びつつあるのは、この二択の中間に位置する、より陰湿で分かりにくい「第三の道」です。

前提A:金利を上げて正常化する道(財政破綻ルート)

まず考えられるのが、金利をしっかり引き上げ、インフレを抑え、通貨の信認を守るという正統派の金融政策です。これは教科書的には極めて正しい選択です。

金利を上げれば、インフレは抑制され、日米金利差も縮小し、円安圧力は和らぎます。中央銀行の役割としては、模範解答に見えるでしょう。

しかし、日本には致命的な問題があります。それは、日本の財政がすでに「金利上昇に耐えられない構造」に入っているという点です。

国債残高はあまりにも巨大で、金利が1%上がるだけで、数年遅れて国債の利払い費は数兆円単位で増加します。これは一時的な負担ではなく、恒常的に国家予算を圧迫する固定費の増加です。

さらに、銀行、不動産市場、中小企業、家計ローンなど、日本経済のあらゆる部分が「超低金利」を前提に最適化されています。ここで急激な利上げを行えば、景気後退、金融機関のバランスシート悪化、そして強烈な政治的反発が同時に起こります。

結論として、前提Aは理論上は正しくとも、政治的に実行不能な選択肢です。破綻を避けるために、別の破綻を選ぶことになるため、現実的な道ではありません。

前提B:金利を抑え続ける道(通貨破壊ルート)

次に考えられるのが、金利を徹底的に抑え込み、財政の延命を最優先する道です。この場合、国債利払いは抑えられ、景気への急激なショックも避けられます。

短期的には非常に魅力的に見える選択です。しかし、この道も別の形の破綻を内包しています。

金利を抑え続けるということは、実質金利を恒常的にマイナスに固定することを意味します。そうなれば、円を保有するインセンティブは失われ、海外資本は離れ、輸入物価は上がり続けます。

最終的に起きるのは、制御不能な円安と生活必需品の価格高騰、そして実質賃金の急低下です。これは財政は守れても、国民生活が壊れるルートです。

選挙を通じて評価される民主国家において、この状況が長期に許容されることはありません。よって前提Bも、長くは続けられない選択肢です。

前提C:段階的利上げ+実質金利マイナス維持という第三の道

ここで登場するのが、日本が現実に選びつつある第三の道です。それが、「名目では引き締め、実質では緩和を続ける」という政策運営です。

具体的には、政策金利は段階的に引き上げ、「正常化している」姿勢を見せます。しかし、インフレ率には追いつかせず、実質金利はマイナスを維持します。

この状態をできるだけ長く続けることで、国家は以下のメリットを得ます。

・財政破綻を回避できる
・通貨の信認低下を一気に起こさずに済む
・債務をインフレで静かに目減りさせられる

一方で国民にとっての現実は、円の購買力が年々低下し、預金が実質的に目減りし続けるというものです。これは国家の延命コストが、広く薄く個人に転嫁される構造です。

前提Cの世界で起き続ける現象

このシナリオが続く限り、日本では以下の状況が常態化します。

・円安は止まらないが、暴走もさせない
・物価は高止まりする
・金利は上がっているように見えるが、実質的には緩和的

これは急激な危機ではありません。静かに、しかし確実に進行する没落プロセスです。そのため多くの人が危機感を持てず、気づいたときには実質的に貧しくなっています。

前提Cの世界で個人投資家が取るべき行動

この環境下で最も不利なのは「何もしないこと」です。前提Cは、行動しない個人が最も損をするように設計されています。

円に集中しない

円は今後も使われる通貨ではありますが、価値を保存する通貨ではありません。現預金の過剰保有は、確定的な実質損失を意味します。通貨分散は投機ではなく、防衛行動です。

価格決定力を持つ資産を持つ

インフレ環境で生き残るのは、価格転嫁が可能な企業、海外売上比率が高い企業、代替されにくい事業を持つ企業です。成長ストーリーよりも、安定したキャッシュ創出能力が重要になります。

名目ではなく実質で考える

金利、利回り、賃金は、すべて実質で評価しなければ意味がありません。名目で安心できるものほど、実質では削られています。

国家の延命と個人の幸福は一致しない

前提Cは国家にとっては合理的な選択です。しかし、国家が生き延びることと、個人が豊かになることは別問題です。むしろ国家が延命すればするほど、何も対策を取らない個人がそのコストを負担する構造になります。

まとめ

金利上昇による財政破綻も、金利抑制による通貨破壊も、政治的に選べません。その結果、日本は第三の道を選びました。

であれば個人も、国家に最適化された行動ではなく、自分に最適化された行動を取る必要があります。

円に集中しない。名目ではなく実質で考える。価格決定力と外貨を持つ側に回る。

これが、延命国家フェーズに入った日本で、個人投資家が生き残るための現実的な戦略です。

p-nuts

お金稼ぎの現場で役立つ「投資の地図」を描くブログを運営しているサラリーマン兼業個人投資家の”p-nuts”と申します。株式・FX・暗号資産からデリバティブやオルタナティブ投資まで、複雑な理論をわかりやすく噛み砕き、再現性のある戦略と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ実践できること、そして迷った投資家が次の一歩を踏み出せることを大切にしています。

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