つみたてシミュレーション完全ガイド:積立の未来を数字で見える化して失敗を減らす

投資信託

積立投資は「毎月いくら入れるか」だけでは決まりません。いつまで積み立てるかどの資産にどんな値動きを前提にいくら取り崩すかまでを一つの設計図に落とし込むと、ムダな不安が減ります。その設計図を作る道具が、つみたてシミュレーションです。

ここで言うシミュレーションは「未来を当てる」ためではありません。目的は2つです。①計画の穴(入金が足りない、リスクを取り過ぎ、手数料負け、インフレ負け)を早めに見つける。②暴落時にパニック売りしないための“事前合意”を作る。つまり、継続のための意思決定ツールです。

スポンサーリンク
【DMM FX】入金
  1. つみたてシミュレーションで何が分かるのか
  2. まず押さえるべき「3つのシミュレーション」
    1. 1)積立額の到達シミュレーション(最も基本)
    2. 2)リスク(下振れ)シミュレーション(暴落耐性を作る)
    3. 3)出口(取り崩し)シミュレーション(老後の難所)
  3. 前提の置き方:数字を適当に置くと全部崩れる
    1. 期待リターンは「資産配分」から作る
    2. ブレ(ボラティリティ)を入れると「現実の怖さ」が見える
    3. 手数料は「確実に負ける要素」なので最優先で管理する
    4. インフレを入れないと「名目で増えた気になる」
  4. 具体例:月3万円・20年の積立を「現実的に」評価する
    1. ケース設計(4シナリオ)
    2. 途中の暴落(例えば-30%)を入れると判断が変わる
  5. あなた専用のシミュレーターを作る手順(Excel/スプレッドシート)
    1. ステップ1:入力項目を固定する(迷いを減らす)
    2. ステップ2:月次の複利を実装する
    3. ステップ3:下振れを入れる(簡易モンテカルロ)
    4. ステップ4:取り崩しを入れて資産寿命を見る
  6. よくある失敗パターンと、数字での潰し方
    1. 失敗1:利回りを高く置いて、入金が足りない
    2. 失敗2:コストを軽視して“確実な負け”を積む
    3. 失敗3:暴落時に積立を止める(最大の損失)
    4. 失敗4:出口設計がなく、取り崩しで詰む
  7. シミュレーションの精度を上げる“現実パラメータ”
    1. 生活防衛資金と分ける(投資を継続するための土台)
    2. 収入変動・教育費などの“イベント”を入れる
    3. リバランスを入れる(資産配分を守る仕組み)
  8. 意思決定のチェックリスト:数字が出たら次に何を決めるか
  9. まとめ:シミュレーションは“未来予想”ではなく“継続の設計”
  10. NISA・iDeCo・課税口座でシミュレーションの作り方が変わるポイント
    1. NISAは「非課税メリット」を過大評価しない
    2. iDeCoは「拠出・受取のタイミング」をセットで見る
    3. 課税口座は「税引後」で見る(見た目の数字に騙されない)
  11. 「積立が続く人」のシミュレーションは、数字より運用ルールが上手い
    1. ルール1:積立額は「固定費化」して触らない
    2. ルール2:暴落時の行動を“先に”決める
    3. ルール3:年1回だけ見直す(毎日見ると壊れる)
  12. よくある質問(初心者がつまずくポイントを先回り)
    1. Q:シミュレーションの利回りは何%にすればいい?
    2. Q:一括投資と積立、どちらが有利?
    3. Q:暴落をシミュレーションに入れても意味ある?
  13. 目標別テンプレ:あなたのゴールから逆算する3モデル
    1. モデルA:まずは「教育費・住宅」など10年以内の目標がある人
    2. モデルB:老後資金が主目的で、20年以上の時間がある人
    3. モデルC:FIREやサイドFIREを狙い、取り崩しが早い人
  14. 最後に:あなたが今日作るべき“最低限の1枚”

つみたてシミュレーションで何が分かるのか

積立の成果は、単純に「年利×年数」ではありません。大事なのは、次の4つの変数です。

  • 入金設計:毎月・ボーナス月・臨時増額、いつまで入れるか
  • リターンの分布:平均だけでなくブレ(上下の幅)
  • コストと税:信託報酬、売買コスト、課税口座なら税金
  • 出口(取り崩し):取り崩し率、期間、暴落時のルール

シミュレーションを作ると、例えば以下が「数字」で見えます。

・月3万円を20年積み立てたとき、平均シナリオはどうでも、悪い年が続いた場合の最終額がどの程度まで下がり得るのか。
・信託報酬0.1%と0.6%の差が、20年後に「何十万円〜何百万円」になり得るのか。
・老後に月いくら取り崩すと、資産が何年で尽きる可能性があるのか。

まず押さえるべき「3つのシミュレーション」

1)積立額の到達シミュレーション(最も基本)

最初にやるべきは、最終目標から逆算する到達シミュレーションです。目標が「老後資金2,000万円」なら、入金と期間で足りるかを確認します。ここでのポイントは、利回りを盛り過ぎないことです。

計算は複雑に見えて、基本は「積立の将来価値」です。毎月同額を積み立てる場合、概算は次の考え方でできます。

将来価値 ≒ 毎月積立額 ×(積立回数)+運用益

運用益は利回りに依存しますが、初心者はまず「ゼロ利回り」でも到達できるかをチェックしてください。ゼロ利回りで足りない場合、利回り頼みの計画になり、相場が悪い時期にメンタルが崩れやすくなります。

2)リスク(下振れ)シミュレーション(暴落耐性を作る)

次に重要なのが下振れの確認です。平均利回りだけで計画すると、暴落局面で「思ったより増えていない」→「やめる」という最悪の行動が起きます。下振れを見るには、次の2段階が現実的です。

段階A:固定利回りの複数ケース
年率+6%(強気)、+3%(中立)、0%(弱気)、-2%(厳しめ)などを並べ、最終額と途中経過を比較します。ここでの狙いは、“期待”ではなく“耐えられる現実”を把握することです。

段階B:年ごとにリターンがブレるケース
実際の市場は毎年ブレます。平均が同じでも、順番が変わるだけで結果が変わります(特に取り崩し期)。この現象は「シーケンス・リスク」と呼ばれます。後述する簡易モンテカルロで、順番の違いを再現できます。

3)出口(取り崩し)シミュレーション(老後の難所)

積立期は「入金」が強い味方ですが、取り崩し期は逆に、暴落が直撃すると資産が早く減りやすくなります。ここも平均利回りだけで見ないことが重要です。

最低限、次の2つを比較してください。

定額取り崩し:毎月一定額を引き出す(生活費向け)
定率取り崩し:資産の一定割合を引き出す(資産寿命を伸ばしやすい)

おすすめは、生活費の一部を「定額」、残りを「定率」に分けるハイブリッドです。相場が悪い年は定率部分が自然に減り、資産の延命に効きます。

前提の置き方:数字を適当に置くと全部崩れる

期待リターンは「資産配分」から作る

よくある失敗は、「全世界株だから年7%」のように雑に置くことです。リターンは商品名ではなく中身の資産配分で決まります。例えば、株式100%と株式70%+債券30%では、期待リターンもブレも変わります。

初心者向けの実務的な置き方は次の通りです。

・株式100%:年率+4%〜+6%(中立)
・株式70%+債券30%:年率+3%〜+5%(中立)
・株式50%+債券50%:年率+2%〜+4%(中立)

重要なのは、複数ケースで比較することです。ひとつの数字に依存しない設計が、結果として継続率を上げます。

ブレ(ボラティリティ)を入れると「現実の怖さ」が見える

利回りが同じでも、値動きが大きい資産は途中で含み損が深くなります。積立は安いときに多く買える一方で、心が折れやすい。だから、あなたの性格に合うブレの大きさを見つけるのが重要です。

株式は年によって大きく上下し、債券は比較的ブレが小さい傾向があります。シミュレーションでは、株式100%の“下振れ”を見て耐えられないなら、資産配分を落とす判断が合理的です。これはリターンを捨てるのではなく、継続できるリスク量に最適化する行為です。

手数料は「確実に負ける要素」なので最優先で管理する

リターンは不確実ですが、手数料はほぼ確実に差が出ます。信託報酬が年0.5%高いだけでも、長期では効きます。しかも複利で効くのは“運用益”だけでなく“コスト”も同じです。

シミュレーションに入れるべきコストは次の3つです。

①信託報酬(年率)
②売買コスト(ETFなら売買手数料・スプレッド、投信なら間接コスト)
③税金(課税口座の場合。NISAやiDeCoは扱いが異なる)

特に投信の信託報酬は、同じ指数に連動する商品でも差があります。長期では「コストの低い優等生」を選び、迷う時間を削る方が期待値が上がります。

インフレを入れないと「名目で増えた気になる」

最終額が2,000万円でも、物価が上がっていれば購買力は下がります。これを無視すると、計画が過大評価になります。インフレを入れる簡易法は2つです。

方法A:実質利回りで計算する
名目利回り5%、インフレ2%なら、実質利回りはおおむね3%として計算します(概算)。

方法B:将来の生活費をインフレで増やす
いま月20万円の生活費が、インフレ2%で20年後にいくらか。これを取り崩しシミュレーションに反映します。

具体例:月3万円・20年の積立を「現実的に」評価する

例として、月3万円を20年積み立てるケースを考えます。元本だけなら3万円×12×20=720万円です。ここに運用益が乗りますが、問題は「途中でどんな局面が起きるか」です。

ケース設計(4シナリオ)

・強気:年率+6%(手数料控除後の概算)
・中立:年率+4%
・弱気:年率+2%
・厳しめ:年率0%

この4つで最終額を見比べると、“入金が主役”なのか、“運用益が主役”なのかが分かります。積立初期はほぼ入金が主役、後半は運用益が主役になりやすい。ここを理解していると、後半に入ったときに「利回りが少し違うだけで最終額が大きく変わる」現象を冷静に受け止められます。

途中の暴落(例えば-30%)を入れると判断が変わる

さらに現実的にするなら、積立中に一度大きな下落を入れます。例えば、10年目に-30%下落して翌年以降に回復する、という仮定です。

積立の良いところは、暴落で“安く買える”ことですが、実際は暴落時に積立額を維持できない人が多い。だから、シミュレーションでは次の質問を自分に投げます。

・評価額が一気に-30%になっても、積立額を維持できるか。
・むしろ増額したいのか、怖くて減額しそうか。
・その行動は家計に無理がないか。

この問いへの回答が、資産配分や積立額の妥当性を決めます。つまり、シミュレーションは性格診断でもあるわけです。

あなた専用のシミュレーターを作る手順(Excel/スプレッドシート)

ステップ1:入力項目を固定する(迷いを減らす)

まず入力するセルを固定します。おすすめは以下です。

・開始年月、終了年月(または年数)
・毎月積立額、ボーナス月増額(任意)
・期待リターン(年率)、手数料(年率)
・インフレ率(任意)
・取り崩し開始年齢、取り崩し額(定額)または取り崩し率(定率)

ここまで決めたら、以降はパラメータだけ変えて比較します。比較できないシミュレーターは、ただの計算機で終わります。

ステップ2:月次の複利を実装する

年率を月率に変換して月次で回します。概算なら「月率=年率÷12」でも良いですが、丁寧にやるなら「(1+年率)^(1/12)-1」です。手数料も同様に月次化して差し引きます。

月末残高の基本形は次です。

残高(当月)= 残高(前月)×(1+月次リターン-月次コスト) + 当月入金

これで「固定利回りの到達シミュレーション」が完成します。

ステップ3:下振れを入れる(簡易モンテカルロ)

次に、年ごとのブレを入れます。Excelでも簡易的にできます。

・年率リターンの平均(例:4%)とブレ(例:年15%)を置く
・RANDBETWEENやNORMINV等で年次リターンを乱数生成
・年次リターンを12カ月に均して月次に反映する(粗いが実用)
・これを100回〜1,000回繰り返し、最終額の分布を見る

見るべきは「平均」よりも、下位10%(悪い方)です。下位10%でも許容できる設計なら、暴落に強い計画です。

ステップ4:取り崩しを入れて資産寿命を見る

積立が終わったら、入金をゼロにして、逆に取り崩し(マイナス入金)を設定します。取り崩しは次の形で実装できます。

・定額:当月入金を「-取り崩し額」にする
・定率:当月入金を「-(前月末残高×取り崩し率/12)」にする

取り崩し期のシミュレーションは、開始直後の暴落に弱いので、積立期以上にモンテカルロの価値があります。

よくある失敗パターンと、数字での潰し方

失敗1:利回りを高く置いて、入金が足りない

「年7%で回るなら月2万円でいける」といった設計は、相場が数年停滞するとすぐ崩れます。対策はシンプルで、ゼロ利回りでもある程度形になる入金に寄せることです。利回りは“上振れ”として扱うと、精神的に強いです。

失敗2:コストを軽視して“確実な負け”を積む

同じ指数に連動する商品で、信託報酬が高い方を選ぶ合理性は薄いです。シミュレーションに信託報酬を入れ、差を金額で見える化すると迷いが消えます。コストは毎年確実に引かれます。ここは感情ではなく数字で決める領域です。

失敗3:暴落時に積立を止める(最大の損失)

積立は「安いときに買う」仕組みですが、暴落時に止めたら“安いときに買う権利”を捨てます。シミュレーションで、暴落時の評価額の落ち込みを事前に見て、自分が耐えられる下落幅を把握してください。耐えられないなら、資産配分を落とす方が合理的です。

失敗4:出口設計がなく、取り崩しで詰む

積立期の成功体験のまま「老後も年4%で回る」と置くと危険です。取り崩し期はシーケンス・リスクが直撃します。対策は、①生活防衛資金(短期資金)を別枠で確保、②取り崩しを定額+定率で分ける、③暴落年は取り崩しを少し絞るルールを決める、の3点です。

シミュレーションの精度を上げる“現実パラメータ”

生活防衛資金と分ける(投資を継続するための土台)

シミュレーションは投資口座だけで完結させない方がうまくいきます。生活費の数カ月〜1年分など、あなたが安心できる現金(または短期資産)を先に確保し、その上で積立額を決める。これが暴落時の継続率を上げます。

収入変動・教育費などの“イベント”を入れる

現実には、転職・育休・家購入・教育費などで入金が変わります。シミュレーションでも、例えば「3年目から積立を2万円に落とす」「10年目に臨時出費で一時停止」などを入れてみてください。ここで致命傷になるなら、積立額の設定が攻め過ぎです。

リバランスを入れる(資産配分を守る仕組み)

株と債券を組み合わせる場合、相場で比率が崩れます。年1回などのルールで比率を戻すリバランスは、リスク管理の要です。シミュレーションに厳密に入れなくても、少なくとも「比率が崩れたら戻す」運用方針を決めておくと、過度なリスクを抱えにくくなります。

意思決定のチェックリスト:数字が出たら次に何を決めるか

シミュレーションを回したら、次の順で意思決定します。

①下位10%の結果でも、計画が破綻しないか(生活が回るか)
②暴落時の最大含み損が、感情的に耐えられる範囲か
③手数料を下げる余地はないか(同一指数で低コストへ)
④出口設計(取り崩し)を置いたとき、資産寿命に余裕があるか
⑤インフレを考慮した生活費で見ても、ギャップがないか

この5つを通った計画は、派手さはなくても強いです。積立は一発逆転ではなく、継続が勝ち筋です。だからこそ、シミュレーションで「続けられる構造」に寄せる価値があります。

まとめ:シミュレーションは“未来予想”ではなく“継続の設計”

つみたてシミュレーションの本質は、未来を当てることではありません。あなたの家計・性格・目標に対して、無理のない入金耐えられるリスク、そして出口までのルールを事前に決めることです。数字で見える化すると、暴落のニュースにも振り回されにくくなります。

今日やるべき最初の一歩は、難しいモンテカルロではなく、「ゼロ利回りでも積立でどこまで届くか」を出すことです。そこから、利回り・コスト・インフレ・出口を一つずつ現実に寄せていけば、あなた専用の計画になります。

NISA・iDeCo・課税口座でシミュレーションの作り方が変わるポイント

NISAは「非課税メリット」を過大評価しない

NISAは運用益が非課税になるため、シミュレーション上は有利に見えます。ただし、ここでやりがちなミスは「非課税だからリスクを上げても平気」と考えることです。非課税はあくまで“税金が引かれない”だけで、価格変動リスクは変わりません。シミュレーションでは、税率を0%にする一方で、下振れの幅はそのままにしてください。

また、積立枠・成長枠をどう配分するかも重要です。積立枠は継続性重視、成長枠は「ボーナス投入」や「一括投入」を使いがちなので、シミュレーションでは入金パターンを分けて比較すると判断が締まります。

iDeCoは「拠出・受取のタイミング」をセットで見る

iDeCoは拠出時に所得控除があるため、実質的な“追加リターン”を得られる構造です。ただし、受取時の課税(退職所得控除や公的年金等控除の枠との兼ね合い)で手取りが変わります。厳密な税計算までやらなくても、シミュレーションでは次の2点を入れるだけで実務的になります。

①拠出時:節税分を「積立に回す」ケースと「生活に使う」ケースを分ける
②受取時:一時金/年金の受け取り方を想定し、取り崩し設計に反映する

節税分を積立に回せる人は、同じ拠出額でも到達が早くなります。逆に生活に吸収されるなら、効果は薄まります。自分の家計行動を前提に置くことが重要です。

課税口座は「税引後」で見る(見た目の数字に騙されない)

課税口座では売却益や分配金に課税されます。ここでのコツは、細かい税計算に溺れないことです。実務上は、運用益に対して税率をざっくり反映し、“税引後の資産増加”で比較するだけでも意思決定の質は上がります。特に出口(取り崩し)では、売却時に税金が発生すると手取りが減りやすいので、取り崩し額を“手取りベース”で設計すると現実的です。

「積立が続く人」のシミュレーションは、数字より運用ルールが上手い

ルール1:積立額は「固定費化」して触らない

積立が続かない最大の理由は、相場を見て積立額をいじってしまうことです。積立額は家計の固定費として扱い、原則変更しない。変更するとしても「昇給したら+5,000円」「固定費が下がったら+1万円」のように、相場ではなく家計イベントでルール化します。シミュレーションも同じで、相場を当てるより、家計に沿った入金ルールを作った方が結果が安定します。

ルール2:暴落時の行動を“先に”決める

「下がったら買い増しする」と口では言えても、実際に-30%の画面を見ると手が止まります。だから、行動を先に決めます。例えば、次のような形です。

・評価額が-20%なら積立は維持(絶対停止しない)
・-30%なら増額は“家計が黒字の範囲で”最大+20%まで
・-40%なら、増額ではなく「生活防衛資金の厚み」を再確認し、精神的に耐えられる範囲だけ維持

重要なのは、増額を義務にしないことです。増額できない自分を責めると、次に“全部やめる”につながります。維持できれば勝ちです。

ルール3:年1回だけ見直す(毎日見ると壊れる)

積立は高頻度で見直すほど成績が良くなるわけではありません。むしろ、感情が介入して売買が増え、コストとミスが増えます。シミュレーションの結果を活かすなら、見直し頻度を年1回に固定し、確認する項目も決めてしまうのが合理的です。

よくある質問(初心者がつまずくポイントを先回り)

Q:シミュレーションの利回りは何%にすればいい?

A:ひとつに決めないのが正解です。中立(例:+4%)に加え、弱気(例:+2%や0%)を必ず置いてください。下振れケースでも破綻しない設計に寄せると、結果として継続しやすくなります。

Q:一括投資と積立、どちらが有利?

A:期待値だけで言えば一括が有利になりやすい一方、心理コストが大きいです。重要なのは「続く方」です。シミュレーションでは、一括ケースと積立ケースを並べ、最大ドローダウン(最大の含み損)を比較してください。含み損に耐えられないなら、理屈で一括を選ぶと高確率で途中離脱します。

Q:暴落をシミュレーションに入れても意味ある?

A:あります。暴落を入れる目的は、最終額を当てるためではなく、“その画面に耐えられるか”を事前に確認するためです。耐えられないなら、資産配分や積立額を調整するべきサインです。

目標別テンプレ:あなたのゴールから逆算する3モデル

モデルA:まずは「教育費・住宅」など10年以内の目標がある人

10年以内に使うお金は、株式100%で攻めるとタイミングが悪い年に大きく減り、計画が壊れます。シミュレーションでは、目標金額に対して「元本+低リスク運用」でどこまで近づけるかを先に確認し、リスク資産は“上振れ枠”として小さく持つ方が安定します。具体的には、目標の半分以上を現金・短期債などで確保し、残りを株式・バランス型で積み立てるイメージです。

モデルB:老後資金が主目的で、20年以上の時間がある人

時間がある場合、積立の主戦場は「長期の複利」ですが、途中の暴落が避けられません。シミュレーションでは、株式比率を高めたケースと、株式+債券のケースを並べ、最大含み損回復までの年数を比較してください。回復期間が長いほど心理的負荷が高いので、あなたが耐えられる範囲に比率を合わせるのが正解です。

モデルC:FIREやサイドFIREを狙い、取り崩しが早い人

取り崩しが早い場合、資産形成より「資産寿命」が重要です。シミュレーションでは、取り崩し開始直後に暴落が来る最悪ケースを必ず入れます。その上で、生活費のうち固定費部分は債券・現金などで数年分確保し、変動費部分をリスク資産から取り崩す設計にすると、資産が尽きる確率を下げられます。

最後に:あなたが今日作るべき“最低限の1枚”

ここまで読んで「難しそう」と感じたなら、最初は1枚で十分です。スプレッドシートに、①毎月積立額、②年数、③利回り(0%、2%、4%の3列)だけを置き、最終残高を出してください。これで“利回り頼み度”が見えます。次に手数料とインフレを入れる。最後に取り崩しを入れる。順番を守ると挫折しません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました