- この記事で得られること
- まず押さえる:不動産投資は“事業”であり“金融商品”でもある
- 利回りの種類と“見る順番”
- 収支を分解する:家賃は“売上”、返済は“原価”ではない
- 具体例:同じ表面利回りでも結果が激変する
- 初心者が作るべき“物件判断シート”の項目
- 物件選定の実務:立地より“需要の正体”を見る
- 管理会社の選び方:投資成績の半分はここで決まる
- 修繕と資金繰り:CFが黒字でも“詰む”理由
- 融資の考え方:金利より“返済の形”が効く
- 出口戦略:買う前に“売り方”を決める
- 失敗パターン集:初心者が避けるべき地雷
- 初心者向け:購入までの具体的ステップ
- まとめ:不動産投資は“計算×運用×出口”の三科目
- 補講:数字の作り方(テンプレ)
- 補講:家賃を上げる“現実的”な方法
- 補講:金利上昇への備え(2020年代以降の必修)
- 補講:売却で損しないための“3つの準備”
- よくある質問(初心者がここで止まる)
- 最後に:最初の1件で“勝ち癖”をつける
この記事で得られること
不動産投資は、株や投資信託と違って「買った瞬間に勝ちが確定」する世界ではありません。逆に言うと、数字の作り方とリスクの潰し方を理解すれば、再現性の高いキャッシュフロー設計ができます。
この記事では、初心者がつまずきやすい「利回りの罠」「融資と返済の見え方」「空室・修繕の扱い」「出口での損益」を、計算の形に落として説明します。読み終わったときに、物件の良し悪しを自分の電卓で判断できる状態をゴールにします。
まず押さえる:不動産投資は“事業”であり“金融商品”でもある
不動産投資は、家賃収入を得る事業です。入居者対応、管理会社、修繕、税金など、運用の手触りがあります。一方で、融資(レバレッジ)を使い、金利と返済で収益が変わる点では金融商品でもあります。
初心者が失敗しやすいのは、次のどちらかに偏るからです。
- 事業として見ない:空室・修繕・募集費用を軽視し、表面利回りだけで買う
- 金融として見ない:金利上昇、返済比率、繰上げ返済、出口価格の変動を織り込まない
以降は「事業のPL(損益)」と「融資のCF(キャッシュフロー)」を分けて考えます。
利回りの種類と“見る順番”
表面利回り:入口ではなく“広告”
表面利回り(グロス利回り)は、年間家賃収入 ÷ 物件価格。広告に載りやすい数字ですが、経費も税金も空室も無視します。判断材料としては弱いです。
実質利回り:経費を引いた“運用利回り”
実質利回り(ネット利回り)は、(年間家賃収入 − 年間経費)÷(物件価格+購入諸費用)。最低でもここまで計算します。
年間経費の代表例は以下です。
- 管理委託料、共用部清掃、設備点検
- 固定資産税・都市計画税
- 火災・地震保険
- 修繕(大規模修繕の積立を含む考え方が重要)
- 空室期間の家賃ゼロ、募集費(AD/仲介手数料)
キャッシュ・オン・キャッシュ(CoC):投資家が本当に欲しい指標
初心者が最短で“感覚”を掴むなら、CoCを使うのが早いです。CoCは、年間の手残りキャッシュフロー ÷ 自己資金です。自己資金とは頭金+諸費用など、最初に自分が出したお金。
例:自己資金300万円で購入し、年間の手残りCFが30万円ならCoCは10%です。株式の配当利回りで考えるより、投資家視点に近い指標になります。
収支を分解する:家賃は“売上”、返済は“原価”ではない
不動産の収支を混乱させる最大の原因は、ローン返済を経費のように扱うことです。会計上、返済のうち元金部分は資産の減少で、費用ではありません(利息は費用)。しかし投資家にとって重要なのは、会計利益より手元キャッシュです。
そこで、収支を次の3段階で見ます。
- 運営純収益(NOI):家賃収入 − 運営費(管理費、税、保険、修繕、空室等)
- 税引前キャッシュフロー:NOI − 年間の利息 − 年間の元金返済
- 税引後キャッシュフロー:上記から所得税・住民税などの影響を考慮(個人の状況で変動)
初心者はまず、NOIと税引前CFまでを“固い見積り”で作れるようにしましょう。
具体例:同じ表面利回りでも結果が激変する
ここから、数字で腹落ちさせます。単純化のため税金の影響は後回しにします。
ケースA:表面利回り8%の区分マンション(見た目は良い)
購入価格1,500万円。家賃月10万円(年120万円)。表面利回り8%。
しかし、区分は「管理費・修繕積立金」が重く、空室や募集費も効きます。
- 管理費+修繕積立金:月2.5万円(年30万円)
- 固定資産税等:年8万円
- 火災保険:年1万円
- 空室・募集費:年10万円(空室1か月+仲介手数料想定)
運営費合計:49万円。NOIは120−49=71万円。
ここにローン返済が乗ります。例えば金利2.0%、期間30年、借入1,350万円(頭金150万円)だと、年間返済はざっくり約60万円台(元利合計)になります。すると税引前CFは、71−返済60=約11万円。表面利回り8%でも、手残りは薄い。
ケースB:表面利回り8%の小規模アパート(運用で強くできる)
購入価格3,000万円。家賃月20万円(年240万円)。表面利回り8%。
アパートは修繕を自分で織り込む必要がありますが、管理費の固定コストが相対的に軽く、賃料の改善余地も作りやすい。
- 管理委託:家賃の5%(年12万円)
- 固定資産税等:年25万円
- 火災保険:年3万円
- 修繕積立(将来に備えた自分ルール):年20万円
- 空室・募集費:年20万円(退去1戸想定)
運営費合計:80万円。NOIは240−80=160万円。
金利2.0%、期間30年、借入2,700万円(頭金300万円)なら年間返済は約120万円台。税引前CFは160−120=約40万円。同じ表面利回りでも、構造次第でCFが大きく変わります。
要点は、表面利回りではなく、NOIと返済の関係で勝負が決まるということです。
初心者が作るべき“物件判断シート”の項目
ExcelやスプレッドシートでOKです。見ている項目が揃えば、判断がブレません。最低限は以下です。
①収入:家賃は“満室”ではなく“稼働率”で置く
初心者は満室想定で計算しがちですが、現実は退去が必ず起きます。稼働率95%など、最初から欠損を入れると耐性が上がります。エリアや物件タイプにより妥当水準は変わりますが、まずは95%で置くと、甘い物件が炙り出されます。
②運営費:固定費と変動費に分解
固定費(税、保険、共用部固定コスト)と、変動費(募集費、修繕)を分けます。変動費は“平均化”します。例えば、外壁塗装や屋上防水など数十万円〜数百万円の支出を、年割りで積み立てた形にするイメージです。
③融資:返済比率(DSCR)を見る
投資家の安全性指標として、DSCR(Debt Service Coverage Ratio)が使えます。DSCR=NOI ÷ 年間返済額。ざっくり1.2以上あると安全余地が増えます。1.0を下回る物件は、空室が出た時点でCFが赤字化しやすいです。
④ストレステスト:空室と金利上昇を同時に当てる
現実に厳しいのは、悪いことが“同時に起きる”ことです。例えば、稼働率90%に悪化+金利が1%上昇、というストレスをかけて、CFが耐えるか確認します。ここを通る物件は、メンタル負荷が段違いに軽くなります。
物件選定の実務:立地より“需要の正体”を見る
「立地が良い」は便利な言葉ですが、初心者ほど抽象語で判断してしまいます。需要の正体を分解すると、判断が具体化します。
需要は3つ:人口・所得・用途
- 人口:増減よりも、流入の要因(大学、工場、病院、オフィス)を確認
- 所得:家賃負担率(目安として手取りの25〜30%)に収まる価格帯か
- 用途:単身、ファミリー、学生、法人契約など、誰が借りるのか
例えば“駅近ワンルーム”でも、大学移転で学生需要が消えると急に空室率が上がります。逆に、駅から遠くても大きな工場があり社宅需要が強いエリアは、安定します。
供給の読み方:新築が増える場所は賃料が削られる
賃貸市場は、需要だけでなく供給で決まります。新築供給が多いエリアは、築古の賃料が下がりやすい。初心者は“いまの家賃”を未来も続く前提で置きがちですが、賃料は下がる前提で見積もる方が安全です。
管理会社の選び方:投資成績の半分はここで決まる
不動産投資の運用は、管理会社との共同作業です。特に初心者は、管理会社の良し悪しで体感の難易度が変わります。
良い管理会社の見極め質問
面談や電話で、次の質問を投げてください。回答が具体的なら合格ラインです。
- この物件タイプの平均成約期間は何日か。繁忙期・閑散期でどう変わるか。
- 賃料を下げずに決めるとき、具体的に何をやるか(写真、募集媒体、内見導線、設備提案)。
- 退去が出たとき、原状回復の見積りはどの範囲まで分解して出せるか。
- 入居審査の基準と、滞納リスクへの対応(保証会社の使い分けなど)。
管理委託料だけで選ぶと、後で高くつく
管理委託料が安い会社は魅力的に見えますが、募集力や対応品質が弱いと、空室が増えて結局損します。“コスト”ではなく“売上(稼働率)を守る投資”として、管理を位置づけてください。
修繕と資金繰り:CFが黒字でも“詰む”理由
不動産投資は、月々のCFが黒字でも、まとまった修繕支出で資金繰りが詰むことがあります。初心者が最も痛い目を見るポイントです。
初心者が用意しておくべき“修繕バッファ”
目安として、区分なら「半年〜1年分の支出」、アパートなら「100万円〜数百万円」など、物件規模に応じた現金バッファが必要です。理由は単純で、給湯器・エアコン・屋上防水などが、ある日まとめて壊れるからです。
修繕は“見積りの質”が9割
修繕の見積りは、同じ工事でも金額差が大きい領域です。複数社から相見積もりを取り、内訳(材料・工賃・諸経費)を確認します。管理会社任せにすると割高になるケースもありますが、初心者が自力で全部やるのも危険です。最初は、管理会社の提案を受けつつ、相場感だけでも掴むところから始めましょう。
融資の考え方:金利より“返済の形”が効く
融資は不動産投資の成績を左右します。初心者が最初に見るのは金利ですが、実際には返済期間、元金据置、自己資金比率が手残りCFを決めます。
返済期間:長くするとCFが増え、短くすると元金が減る
返済期間を長くすると月々の返済が軽くなり、CFが出やすい。その代わり利息総額は増えます。短くすると月々が重くなりCFは減りますが、元金が早く減り、出口で安全になりやすい。どちらが正解ではなく、目的の違いです。
元金据置:最初の数年のCFを作るが、先送りである
元金据置(利息のみ支払い)は、初期CFを増やせます。ただし元金が減らないので、将来の出口で残債が重くなります。初心者が使うなら、据置期間中に修繕バッファを厚くし、賃料改善や入居安定を進めるなど、“時間を買う”使い方に限定してください。
出口戦略:買う前に“売り方”を決める
不動産投資の最終損益は、売却(出口)で決まります。初心者は購入時点の利回りばかり見ますが、出口の価格がブレると、数年分の家賃CFが一撃で吹き飛びます。
出口の主な3パターン
- 賃料改善して利回りを下げ、価格を上げて売る(バリューアップ型)
- 残債を減らし、借換え・保有で複利化する(保有継続型)
- 市況が良い局面で利益確定する(タイミング型)
初心者におすすめなのは、1つ目と2つ目を組み合わせた“平凡だけど強い”方針です。つまり、賃料と稼働率を改善しつつ、元金返済で残債を減らし、売っても保有しても勝てる状態に寄せる。
出口価格のざっくり算:キャップレート感覚
投資家が価格を見るとき、NOIと利回り(キャップレート)でざっくり評価することがあります。例えば、NOIが150万円でキャップレート6%なら、価格は150÷0.06=2,500万円というイメージです。地域・物件タイプでキャップレートの相場は変わりますが、NOIが上がると出口価格が上がりやすい、という関係が理解できます。
失敗パターン集:初心者が避けるべき地雷
①“利回りだけ高い”築古ワンルームを買う
管理費・修繕積立金が重く、滞納や入居者属性のリスクが混ざると、CFが消えます。出口で売れにくい場合もあります。
②サブリースで安心したつもりが、賃料改定で崩れる
サブリースは空室リスクを軽減する一方、賃料改定条項で収益が下がるケースがあります。契約条項を読まずに「保証」に飛びつくのは危険です。
③修繕を後回しにして、入居が決まらなくなる
設備の古さは、賃料ではなく稼働率に効きます。少しの設備更新で入居が改善することも多いので、費用対効果で考えます。
④“節税だけ”を目的にして、キャッシュが出ない
帳簿上の損失が出ても、返済でキャッシュが減ると資金繰りは苦しくなります。まずCFが出る構造を作り、その上で税務の最適化を考えるのが順番です。
初心者向け:購入までの具体的ステップ
ステップ1:投資目的を決める(CF型か資産拡大型か)
毎月の手残りを増やしたいのか、資産を拡大して将来売却益も狙うのかで、選ぶ物件と融資が変わります。
ステップ2:エリアを2〜3に絞り、家賃相場と成約の速さを調べる
賃貸サイトの募集家賃だけでなく、管理会社に「平均成約日数」や「決まる家賃帯」を聞くと精度が上がります。
ステップ3:簡易シートで30件をふるいにかける
最初から完璧な分析は不要です。稼働率95%、修繕積立を厚め、金利+1%で耐えない物件は最初から落とす。これだけで変な物件が激減します。
ステップ4:現地確認で“写真に写らないリスク”を潰す
周辺の空き店舗、夜の雰囲気、騒音、ゴミ置場、共用部の荒れは、入居の質に直結します。現地確認は投資の一部です。
ステップ5:指値と条件交渉で“勝てる価格”に寄せる
不動産は相対取引です。価格交渉、設備の修繕負担、引渡し条件などで、実質の利回りが変わります。交渉余地を前提に検討すると、勝ち筋が増えます。
まとめ:不動産投資は“計算×運用×出口”の三科目
不動産投資で成果を出す人は、特別な才能ではなく、三科目の合計点が高いだけです。
- 計算:NOI、DSCR、CoC、ストレステストで数字を固める
- 運用:管理会社と組み、稼働率と賃料を守り、修繕で商品力を維持する
- 出口:買う前に売り方を決め、NOI改善と残債減少で選択肢を増やす
この枠組みで物件を見れば、「なんとなく良さそう」ではなく「どこが強く、どこが弱いか」を言語化できます。次の一歩は、実際の物件情報を3件拾ってシートに入れ、同じ計算を回すことです。数字が回り始めると、不動産投資は急に“分かる世界”になります。
補講:数字の作り方(テンプレ)
年間収入(EGI)を作る
家賃(満室)×12か月をそのまま置くと、ほぼ確実に過大評価になります。次の形で置くと、現実に近づきます。
EGI=(満室家賃×稼働率)+駐車場・自販機などのその他収入
稼働率は物件の癖で変わります。単身ワンルームは退去頻度が高く、ファミリーは退去頻度が低い。築年が古いほど、設備要因で空室が伸びやすい。最初は一律95%で置き、慣れたらエリア・物件タイプ別に調整してください。
年間運営費(OPEX)を作る
運営費は「必ず出るもの」と「たまに出るもの」を混ぜると見えにくくなります。以下のように箱を分けると管理が楽です。
- 固定費:固定資産税、保険、共用電気、町内会費など
- 連動費:管理委託(家賃の%)、賃貸保証料の一部、更新事務など
- 空室・募集費:広告料(AD)、仲介手数料、クリーニング、鍵交換
- 修繕費:設備交換、外壁、防水、給排水など
ポイントは、修繕費と空室・募集費を“平均化”して年額に落とすことです。例えば、エアコン交換が10万円で7年に1回なら、年1.4万円。給湯器が20万円で12年に1回なら年1.7万円。こうして積み上げると、見積りの根拠が残ります。
NOIからキャッシュフローに落とす
NOIができたら、返済と保有コストでCFに落とします。
- 税引前CF=NOI − 年間返済(元利合計)
- 余裕度=NOI − 年間利息(利息だけなら耐えられるか)
元金返済は資産形成ですが、手元キャッシュを減らします。初心者は“元金が減るからOK”と考えがちですが、資金繰りが先です。元金が減っても現金が尽きたらゲームオーバーです。
補講:家賃を上げる“現実的”な方法
家賃アップは難易度が高いと思われがちですが、実際は「賃料を上げる」より「家賃を下げずに決める」方が重要です。稼働率を守れれば、投資の成績は大きく改善します。
募集写真と内見導線は、最も費用対効果が高い
賃貸はまず写真で選別されます。暗い写真、広角が効いていない写真、生活感が残る写真は致命的です。プロ撮影が数万円でも、空室が1か月短縮できれば回収できます。内見導線(鍵の受け渡し、内見可否のレスポンス)も、決まりやすさに直結します。
設備更新は“家賃アップ”ではなく“空室短縮”で回収する
例えば、温水洗浄便座、独立洗面台、モニターホン、宅配ボックスなどは、家賃アップよりも“決まりやすさ”に効きます。投資判断は次でできます。
回収月数=設備費用 ÷(空室短縮で守れた家賃)
家賃8万円の部屋で、設備更新5万円が原因で空室を1か月短縮できれば、5万円÷8万円=0.6か月で回収です。この視点があると、修繕・設備投資が怖くなくなります。
補講:金利上昇への備え(2020年代以降の必修)
金利は永遠に低いわけではありません。金利上昇局面で詰む人の共通点は「返済比率が高く、ストレス耐性が薄い」ことです。
金利上昇は“CFの減少”と“出口価格の低下”を同時に起こす
金利が上がると返済が増えます。さらに市場利回り(キャップレート)が上がりやすく、同じNOIでも価格が下がりやすい。つまり、保有中も出口もダブルで効きます。ここを理解すると、無理なレバレッジを避けやすくなります。
対策は3つだけ
- DSCRを確保:NOIが返済を上回る余裕を作る
- 固定金利や期間の設計:変動一択にしない(商品による)
- 現金バッファ:修繕と金利上昇を同時に受け止める
補講:売却で損しないための“3つの準備”
①資料を整備する(買い手が安心する)
レントロール、修繕履歴、賃貸借契約の写し、管理報告書、固定資産税の納税通知書など、買い手が確認したい資料を整理しておくと、売却時に交渉力が上がります。資料がないと、買い手はリスクを上乗せして安く指します。
②入居状況を“売却仕様”にする
売却の直前に空室が増えると、価格は下がりやすいです。退去が出たら早めに埋める、更新手続きを丁寧に進めるなど、稼働率を維持する運用が出口価格を守ります。
③売却コストを見積もる
仲介手数料、抵当権抹消、測量、場合によっては譲渡所得税など、売却にもコストがかかります。家賃CFだけを見て“儲かったつもり”にならないよう、売却の損益計算も必ず作ってください。
よくある質問(初心者がここで止まる)
Q:最初は区分と一棟(アパート)どちらが良い?
A:一般論で決めるのではなく、あなたの“許容できる運用”で決めます。区分は小さく始めやすい反面、管理費・修繕積立金が固定で重く、出口が狭いことがあります。アパートは運用で改善できる余地がある反面、修繕と管理の意思決定が増えます。まずは、1件目で学ぶコストを払える範囲から始めるのが現実的です。
Q:地方高利回りは危険?
A:危険というより、需要の読み違いが致命傷になります。地方でも、雇用の核があり、賃貸の需給が締まっているエリアは存在します。見るべきは“人口の増減”よりも“需要の源泉(大学・工場・病院・行政)”と“供給の増え方”です。
Q:現金はどれくらい残すべき?
A:物件規模と築年で変わりますが、目安は「最悪を同時に受ける」想定です。空室が伸びる+設備が壊れる+金利が上がる。この3つが同時に起きても持ちこたえる額を、最低限のバッファとして残してください。初心者は、投資に突っ込みすぎて現金が枯れやすいので、ここは保守的で構いません。
最後に:最初の1件で“勝ち癖”をつける
不動産投資は、1件目の経験がその後の成績を左右します。最初から大きく当てにいくより、小さく買って、数字を当て、運用で改善し、出口まで一回回す。この成功体験が最大の資産になります。
今回の枠組み(NOI→DSCR→ストレステスト→出口)で物件を見れば、見た目の利回りに振り回されません。次の行動はシンプルです。実際の物件を3つ拾い、同じテンプレで計算し、どこが弱いかを言語化してみてください。判断が急速に研ぎ澄まされます。


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