赤字テック(営業赤字・フリーキャッシュフロー赤字の成長企業)は、相場が強い局面では「売上成長=正義」で評価されやすい一方、金利上昇やリスクオフで資金調達環境が悪化すると、業績より先に資金繰りが詰みます。ここで重要なのは、黒字化の「夢」を語れるかではなく、黒字化までの道中で現金が尽きない設計になっているかです。
本記事では、決算資料に載っている数字だけで、赤字テックの生存条件(倒れない条件)を点検するフレームワークを提示します。個別銘柄の推奨ではなく、判断の型を作ることが目的です。
- 赤字テックが突然死するメカニズム:損益計算書よりキャッシュフロー
- 最重要指標:キャッシュ・ランウェイ(残存時間)を自分で計算する
- 赤字の質を分解する:『成長のための赤字』と『構造赤字』
- 金利とバリュエーション:赤字テックは『割引率ショック』に弱い
- 資金調達の選択肢を読み解く:増資・転換社債・借入の順番
- 『黒字化』の現実的な道筋:3つのレバーで検証する
- 具体例で理解する:赤字テックの『倒れ方』3パターン
- チェックリスト:決算1回で『倒れにくさ』をスコアリングする
- 投資としての『勝ち筋』:赤字テックは2種類に分ける
- 運用ルール例:初心者が事故を避けるための『定量ルール』
- 深掘り:数字で読む『希薄化の痛み』と許容ライン
- 深掘り:赤字テックの『コスト構造』を読み替える
- 深掘り:『市場が閉じた』と仮定したストレステスト
- まとめ:赤字テックは『物語』ではなく『生存確率』で選別する
- 実践:決算資料だけでできる『簡易モデル』の作り方
- 具体的な計算例:架空の赤字SaaSで『生存条件』を点検する
- 業界別の注意点:『赤字でも強い』が成立しやすい領域・しにくい領域
赤字テックが突然死するメカニズム:損益計算書よりキャッシュフロー
赤字テックの失敗は、最初にPL(損益)ではなくCF(キャッシュフロー)に出ます。売上が伸びていても、在庫・前払・売掛金の増加、採用強化、広告投下、設備投資などで現金が流出し続ければ、バランスシートの現金がゼロに近づきます。
致命傷は「資金調達できないこと」ではなく、資金調達ができるとしても極端な希薄化や高利の負債しか選べなくなることです。株価下落→増資条件悪化→希薄化→さらに株価下落、という負の循環が起きます。
まず見るべき3つの数字
- 手元現金(現金及び現金同等物):何か月持つかの分母になります。
- フリーキャッシュフロー(FCF):事業が現金を燃やしている速度を示します。
- 流動負債と短期借入:期限が短い返済圧力があるかを見ます。
最重要指標:キャッシュ・ランウェイ(残存時間)を自分で計算する
赤字テックを評価する最短ルートは、キャッシュ・ランウェイ(現金が尽きるまでの期間)の把握です。式は単純です。
ランウェイ(月)=手元現金 ÷ 月次ネットキャッシュアウト
月次ネットキャッシュアウトは、直近四半期の営業CF+投資CF(=FCF相当)を月割りするだけで近似できます。四半期FCFがマイナス3億ドルなら、月次アウトは約1億ドルです。手元現金が10億ドルならランウェイは約10か月です。
ここでのポイントは、会社が発表する「黒字化見通し」ではなく、市場が閉じても生き残れる期間を想定することです。私は最低でも18~24か月の余裕がない赤字テックは、環境が悪いときに選択肢が急減すると考えています。
ランウェイ計算の落とし穴:一時的なCF改善に騙されない
売掛金の回収や支払サイトの延長で、四半期だけ営業CFが改善することがあります。これは持続しません。チェック方法は2つです。
- 四半期ごとの営業CFを4~8四半期並べて、改善が継続かを確認する。
- 運転資本(売掛金・在庫・買掛金)の増減が、CFの改善要因になっていないか注記で確認する。
赤字の質を分解する:『成長のための赤字』と『構造赤字』
同じ赤字でも、意味が違います。生存可能な赤字は、ユニットエコノミクスが成立していて、追加投資を止めれば赤字が縮むタイプです。危ない赤字は、売上を伸ばすほど赤字が増えるタイプです。
ユニットエコノミクス点検:1顧客あたりで儲かるか
初心者でも見やすい指標は、SaaSなら粗利率、CAC回収期間、NRR(売上継続率)です。ECや物流系なら注文あたり貢献利益、マーケットプレイスならテイクレートと販促比率が中心になります。
- 粗利率:高いほど固定費吸収が効き、黒字化しやすい。
- CAC回収期間:短いほど資金ショートしにくい。長期なら調達依存が増える。
- NRR:既存顧客の拡大が効くなら、新規獲得コストへの依存が下がる。
会社が都合の良い指標だけ出す場合があります。補助線として、売上に対する販売管理費(特に販売マーケ費)の比率が、時間とともに下がっているかを見ます。下がらないなら「規模の経済」が働いていない可能性があります。
金利とバリュエーション:赤字テックは『割引率ショック』に弱い
赤字テックの株価は、遠い将来のキャッシュフローへの期待が大きい分、割引率(長期金利、リスクプレミアム)の変化に敏感です。金利が上がると、同じ成長率でも理論価値が下がります。
だからこそ、投資判断は『バリュエーションが安いか』だけでなく、『資金調達に依存しない形に移行できるか』が肝です。バリュエーションは市場が決めますが、資金繰りと単位収益は企業の選択で改善できます。
資金調達の選択肢を読み解く:増資・転換社債・借入の順番
赤字テックの資金調達は、通常、株式(増資)→転換社債→借入の順に厳しくなります。環境悪化時はこの順番が逆転し、希薄化または高コスト負債のどちらかを飲む局面になります。
増資(エクイティ)で見るべきこと
- 希薄化率:発行株数の増加が既存株主の持分をどれだけ薄めるか。
- 調達額の用途:成長投資か、単なる延命か。
- 株価水準:株価が低いほど同じ調達額でも希薄化が大きい。
特に注意したいのは、株価が下落した状態での大型増資です。『業績は良いが資金が必要』という説明でも、調達後の1株価値が毀損されると長期回復が難しくなります。
転換社債(CB)で見るべきこと
転換社債は一見、希薄化を先送りできる便利な手段ですが、実質的には将来の希薄化予約です。転換価格、コール条項、ヘッジ(転換裁定)による売り圧力など、株価の上値を抑えやすい構造が入ることがあります。
CBは『株価が上がる前提』で設計されがちです。株価が上がらないと、返済・借換の圧力が残ります。『CBを出せた=安心』ではなく、条件を読んでください。
借入で見るべきこと:コベナンツと返済スケジュール
赤字企業の借入は、コベナンツ(財務制限条項)が本体です。現金残高、売上成長、EBITDAなどの条件を割ると、早期返済を求められます。返済期限が近い短期債務が多いと、景気悪化時に詰みます。
初心者がやりがちなミスは、総負債の大きさだけで判断することです。重要なのは、期限の短さと条件の厳しさです。
『黒字化』の現実的な道筋:3つのレバーで検証する
赤字テックの黒字化は、魔法ではなく、レバーの組み合わせです。以下の3つで分解すると検証しやすいです。
- 粗利率の改善:原価、クラウド費用、物流コスト、サポート効率など。
- 固定費の抑制:採用停止、組織の階層削減、開発ロードマップの取捨選択。
- 成長率の調整:伸びを少し落としても、資金ショート回避を優先できるか。
重要なのは、『成長率を落としてでも生き残れる』かです。市場が強いときは成長至上主義になりますが、環境が悪いときは資金繰りが最優先です。経営がこの切り替えをできない会社は危険です。
具体例で理解する:赤字テックの『倒れ方』3パターン
パターン1:広告依存でCACが跳ね上がり、成長と同時にバーンが拡大
典型は、D2Cやフードデリバリーなど、獲得競争が激しい分野です。最初は広告効率が良く伸びますが、競合参入でCACが上がり、販促費が売上成長を上回ると、売上が伸びるほどFCFが悪化します。
見抜き方は単純で、売上に対する広告宣伝費比率が下がっていないこと、粗利率が上がっていないこと、解約率が改善していないことです。数字が改善していないのに『ブランド投資』で説明する会社は要注意です。
パターン2:プロダクトは良いが、契約サイクルが長く運転資本で詰む
B2Bでも起きます。大企業向けの案件は契約が長く、導入までにコストが先に出ます。売上は伸びているのに、売掛金が膨らみ、営業CFがマイナスのまま、という状態です。
この場合、PLでは成長に見えても、CFの悪化が先行します。注記でDSO(売掛金回収日数)の悪化や、未収収益の増加がないか確認します。
パターン3:金利上昇で借換ができず、CB・社債の壁が来る
2022年以降に多かったパターンです。低金利でCBを出した企業が、株価下落で転換されず、満期返済や高コスト借換が現実になります。資金が尽きる前に大幅なコスト削減や増資を迫られ、株価はさらに下がります。
ここで見るべきは、満期の集中と、返済原資が事業CFで賄えるかです。『満期までに株価が戻る』は投資家の願望で、計画ではありません。
チェックリスト:決算1回で『倒れにくさ』をスコアリングする
ここからは、あなたが実際に銘柄を点検するときの手順です。1回の決算で完璧に判断する必要はありません。まず事故を避けるための下限基準を作ります。
ステップ1:ランウェイの即計算(最優先)
- 手元現金を確認し、直近四半期FCFを月割りしてランウェイを出す。
- 18か月未満なら『調達イベントが近い』と見なす。
- 運転資本要因でCFが良く見えていないか、注記で裏取りする。
ステップ2:粗利率と販管費比率で『黒字化レバー』の有無を見る
- 粗利率が低いなら、規模拡大しても利益が出にくい。改善余地(クラウド最適化等)が語れるか。
- 販管費比率が下がっているか。特に販売マーケ費の効率が改善しているか。
- 売上成長が鈍化しても、費用が同じ速度で減る設計か(固定費が重すぎないか)。
ステップ3:資金調達の『次の一手』を推定する
- 既存の借入・CB・社債の満期と条件を確認する。
- 株価水準と時価総額から、同額調達した場合の希薄化インパクトを概算する。
- 調達の用途が成長投資か、返済・延命かを見極める。
ステップ4:経営の行動で判断する(言葉より行動)
- 採用計画、広告投下、設備投資の抑制が実際に数字に出ているか。
- ガイダンスが保守的か。無理な強気を維持していないか。
- ストックベース報酬の増加が過度でないか(見えにくい希薄化)。
投資としての『勝ち筋』:赤字テックは2種類に分ける
赤字テックを投資対象として扱うなら、私は次の2種類に分けるのが実務的だと思います。
タイプA:資金調達に依存しない黒字化が見える(生存+成長)
このタイプは、粗利率が高い、NRRが強い、販管費比率が下がるなど、黒字化のレバーが見えます。株価が下がっても、時間が味方になりやすい。投資家としては、短期の株価変動よりも、指標改善のトレンドを追う戦略が取りやすいです。
タイプB:資金調達で延命しながら、景気循環の追い風を待つ(ハイリスク)
こちらは、製造・ハード寄り、設備投資が重い、競争が激しいなどで、黒字化が遠い傾向があります。相場が強い時は爆発しますが、資金調達環境が悪い時に急落しやすい。扱うなら、ポジションサイズ管理と撤退ルールが必須です。
運用ルール例:初心者が事故を避けるための『定量ルール』
最後に、初心者向けに『守りのルール』を提示します。目的は利益最大化ではなく、致命傷(資金ショート由来の急落)を避けることです。
- ランウェイが18か月を切ったら、調達イベントを前提にリスクを再評価する(持ち続ける理由を定義し直す)。
- 四半期ごとにFCFが改善していないのに、成長率だけが鈍化したら警戒する(悪い減速)。
- 希薄化が続く銘柄は、1株あたり指標(売上/株、FCF/株)の改善が伴うかだけを見る。
- 決算後に『資金調達の必要性』が示唆されたら、条件が出る前にシナリオを作る(最悪ケースを先に想定)。
- 単一銘柄に依存しない。赤字テック枠はポートフォリオ全体で上限比率を決める。
赤字テックは、当たれば大きい一方、外れると早い世界です。生存条件を点検し、最悪ケースで退場しない設計にしておくことが、結果的にチャンスを増やします。
深掘り:数字で読む『希薄化の痛み』と許容ライン
希薄化は、株数が増えるだけでなく、将来のリターンの取り分が減るという意味です。初心者は『増資=悪』と決めつけがちですが、正しくは増資の使い道が、1株あたり価値を増やすかで判断します。
実務では、次の2つを同時に見ます。
- 発行済株式数の増加率(希薄化率):過去数年でどれだけ増えたか。
- 1株あたり売上・粗利・FCFのトレンド:株数増加を上回って伸びているか。
たとえば売上が年率50%で伸びていても、株数が年率30%で増えているなら、1株あたり売上の伸びは約15%程度に落ちます。これでは株価が伸びにくい。逆に、株数の増加が小さく、1株あたり売上が高成長なら、増資が『成長の前借り』として機能している可能性があります。
許容ラインは銘柄ごとですが、私の目安は『株数が毎年二桁で増え続ける企業は、相当強い成長とマージン改善がないと報われにくい』です。特にストックベース報酬(株式報酬)が増え続けると、表面上の増資がなくても希薄化が進みます。
深掘り:赤字テックの『コスト構造』を読み替える
PLの費用科目は会社により分類が違い、比較しにくいことがあります。そこで、初心者でもブレずに点検できる読み替えを使います。
- 売上総利益(粗利):プロダクトの収益力。ここが弱いと厳しい。
- 研究開発費:未来への投資。削りすぎると競争力が落ちるが、優先順位付けは可能。
- 販売マーケ費:成長ドライバー。ここが太いほど景気悪化に弱い。
- 一般管理費:組織の重さ。売上成長に対して過剰なら改革余地がある。
ポイントは、どの費用が『変動費』で、どの費用が『固定費』かです。変動費が多いなら、成長を少し落とすだけでバーンを減らせます。固定費が重いなら、リストラや拠点統廃合など痛みを伴う改革が必要です。決算資料の人員数推移、オフィスコスト、クラウド費用の注記などから推測できます。
深掘り:『市場が閉じた』と仮定したストレステスト
本当に役に立つのは、強気相場ではなく危機局面の想定です。次のように仮定して、数字を置きます。
- 売上成長率が半分に落ちる(顧客の投資抑制、広告単価低下など)。
- 粗利率が数ポイント悪化する(値引き、クラウド単価上昇、返品増など)。
- 資金調達は12か月できない(市場が閉じる)。
この条件でもランウェイが延びるなら、かなり強い体質です。逆に、売上が少し鈍化しただけでFCFが急悪化するなら、レバレッジ(固定費の重さ)が高いと判断できます。
ストレステストは、完璧な予測ではありません。目的は『どの変数に弱いか』を掴むことです。弱点が分かれば、決算で見るべき指標が明確になります。
まとめ:赤字テックは『物語』ではなく『生存確率』で選別する
赤字テックの最大の落とし穴は、未来の物語が魅力的であるほど、現実の資金繰りリスクを見落としやすい点です。まずランウェイ、次にユニットエコノミクス、最後に調達条件。この順番で点検すると、初心者でも致命傷を避けやすくなります。
投資のリターンは、優れたアイデアではなく、生き残った企業に残ります。あなたの分析も同じです。まず退場しないための型を作り、そこからリスクを取る範囲を決めてください。
実践:決算資料だけでできる『簡易モデル』の作り方
エクセルでDCFを作らなくても、赤字テックの倒れにくさは概ね評価できます。ポイントは、未来を当てるのではなく、必要な条件を満たしているかを確認することです。ここでは5つのステップで簡易モデルを作ります。
ステップA:売上成長率の『減速余地』を見積もる
直近の成長率が高くても、それが続く保証はありません。そこで、過去8四半期の売上成長率を並べ、トレンドを見ます。『高い成長率が維持』ではなく、徐々に減速しているのが普通です。減速しても成り立つコスト構造かを次で確認します。
ステップB:粗利率が『下限』を割らないかを確認する
粗利率は、業界・ビジネスモデルでレンジが決まります。SaaSなら高粗利が期待できますが、物流・決済・ハードは低くなりがちです。重要なのは、粗利率が下がったときに黒字化が遠のかないかです。直近四半期が良くても、過去数年でブレが大きいなら、ストレス時に悪化しやすいと見ます。
ステップC:営業費用の『売上連動度』を推測する
販売マーケ費が売上と連動して増減できるなら、環境悪化で支出を止められます。一方、開発・本社費用が重いと、短期に削れません。人員数の推移、従業員一人当たり売上、販売マーケ費の売上比率をセットで見ると、固定費の重さが見えます。
ステップD:バーン倍率(Burn Multiple)で資金効率を測る
SaaS投資家がよく使う指標にバーン倍率があります。概念は『成長のためにどれだけ現金を燃やしているか』です。厳密でなくてよいので、以下で近似できます。
バーン倍率(近似)=(期間のネットキャッシュアウト)÷(同期間の売上増加額)
たとえば四半期で現金が5億円減り、売上が1億円増えたなら倍率は5です。倍率が高いほど、成長のコストが重い。相場が良い時は許容されますが、資金が高くなると急に評価されにくくなります。倍率が低下傾向にあるかが重要です。
ステップE:黒字化の『最短距離』を計算する
最短距離とは、成長を犠牲にしてでも、バーンを止める場合にどれくらいで黒字化し得るかです。やり方は単純で、販管費のうち裁量費(広告、外注、採用)を仮に減らした場合の営業損益を計算します。会社が具体的に『コスト削減プラン』を示しているなら、その数字が現実的かを検証します。
具体的な計算例:架空の赤字SaaSで『生存条件』を点検する
架空の例で流れを示します。あなたが決算資料でやることは、これと同じです。
例:手元現金600億円。直近四半期のFCFはマイナス120億円(=月次マイナス40億円)。この時点でランウェイは約15か月です。18か月を切っているので『調達イベントが近い』と判定します。
次に粗利率。粗利率70%で、販売マーケ費が売上の45%、研究開発費が30%、一般管理費が20%だとします。合計で95%なので、営業利益率はマイナス25%程度です。ここで重要なのは、販売マーケ費が売上連動で減らせるかです。
もし販売マーケ費を売上比45%→30%まで落としても、売上成長率が50%→25%に落ちる程度で済むなら、黒字化は見えてきます。逆に、成長を維持するために45%が必要なら、資金調達依存が強いと判断します。
最後に希薄化を概算します。時価総額が3,000億円で、追加で600億円調達したいなら、単純計算で約20%の希薄化が起こり得ます。これを許容できるほど、1株あたり売上・粗利が伸びる見通しがあるかが判断軸です。
業界別の注意点:『赤字でも強い』が成立しやすい領域・しにくい領域
赤字テックと一括りにすると危険です。ビジネスモデルで生存条件が変わります。ざっくり整理します。
成立しやすい:高粗利・継続課金・解約が低い
高粗利で継続課金なら、顧客が積み上がるほど将来の収益が安定します。重要なのは、解約率が上がったときの耐性です。経済が悪化すると、顧客は席数削減やダウングレードをします。NRRが急低下していないかを追います。
成立しにくい:低粗利・競争が激しい・販促依存
低粗利で販促依存のモデルは、資金が高い局面で苦しくなります。競争が激しいほど値引きが起き、粗利が削れます。『スケールすれば勝てる』が本当に成立するのか、過去の同業の結末も参照しながら慎重に見ます。
中間:ネットワーク効果が立ち上がるまでが地獄
マーケットプレイスなどは、ネットワーク効果が立ち上がるまで赤字が続きます。成功すれば強い一方、立ち上がらないと永久赤字です。KPI(出品者数・購入頻度・リピート率)が改善しているかを、売上より先に見ます。


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