実質金利で読む株式バリュエーション:PERの正体と「金利ショック」の見抜き方

株式

株式の話で「金利が上がるとPERが下がる」と言われます。これは半分だけ正しい理解です。実務的に効くのは、名目金利よりも実質金利(real rate)です。さらに言えば、実質金利が動く局面で、どの銘柄群のバリュエーションが崩れやすいかは、機械的なPER比較だけでは見抜けません。

本記事では、実質金利と株式バリュエーションの関係を、初歩から一気に実戦レベルまで引き上げます。単なる教科書の説明ではなく、「どの指標を見て」「どの順番で解釈し」「どのタイプの株が一番痛むのか」を、具体例とともに整理します。

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  1. 実質金利とは何か:名目金利との違いを10分で理解する
    1. 実質金利が上がる3つの典型パターン
  2. なぜ実質金利が株のPERに効くのか:割引率の直感
    1. “株のデュレーション”という考え方
  3. PERの正体:PERは「成長期待」と「割引率」の合成値
  4. 実質金利と株価の“相関”が崩れるとき:観測上の落とし穴
    1. 落とし穴1:期待インフレの急変で名目金利だけ見て誤る
    2. 落とし穴2:リスクプレミアムが暴れると、実質金利の影響が見えなくなる
    3. 落とし穴3:利益見通しの下方修正が主因のとき
  5. 実戦:実質金利で「どの株が危ないか」を分類する
    1. 1)将来利益依存のグロース:最も金利に弱い
    2. 2)高レバレッジ企業:金利上昇がPLに直接刺さる
    3. 3)ディフェンシブ高配当:相対的に強いが“債券化”に注意
  6. 実質金利の“観測指標”:初心者が見るべき3点セット
    1. 指標1:米10年実質金利(TIPS利回り)
    2. 指標2:10年BEI(期待インフレ)
    3. 指標3:クレジットスプレッド(リスクプレミアムの代理)
  7. ケーススタディ:同じ10年金利上昇でも結果が違う理由
    1. ケース1:名目金利上昇=実質金利上昇(引き締め局面)
    2. ケース2:名目金利上昇=期待インフレ上昇(景気・物価強め)
  8. 実務的な判断フレーム:3ステップで整理する
    1. ステップ1:金利上昇の内訳を分解する
    2. ステップ2:リスクプレミアム側が荒れていないか確認する
    3. ステップ3:自分の保有株を「デュレーション」で棚卸しする
  9. 具体例:個別銘柄の“金利耐性”を読むチェックリスト
  10. まとめ:実質金利は「PERの土台」、だから先に見る
  11. 上級編:実質金利×バリュエーションを「定量」で扱う最小セット
    1. エクイティ・リスク・プレミアム(ERP)を“ざっくり”推定する
    2. 「PERが崩れたのか」「EPSが崩れたのか」を分解する
    3. “グロースの金利感応度”を簡易に見る方法
  12. 実質金利ショック時の「失敗パターン」と回避策
    1. 失敗1:ナンピンの根拠が「良い企業だから」だけ
    2. 失敗2:名目金利ニュースに毎回反応して売買する
    3. 失敗3:金利上昇で全部を同じように処理する
  13. 投資アイデアの作り方:実質金利を“シナリオ”に落とす
    1. シナリオ1:実質金利が上昇トレンドを継続
    2. シナリオ2:実質金利がピークアウトし横ばい
    3. シナリオ3:実質金利が低下トレンドに転換
  14. 結論:実質金利は“相場の言語”、理解すれば説明と行動が揃う

実質金利とは何か:名目金利との違いを10分で理解する

名目金利は、国債利回りなどで観測される「見た目の金利」です。一方で、投資家が本当に気にしているのは、インフレを差し引いた購買力ベースのリターンです。これが実質金利です。

実質金利はざっくり名目金利 − 期待インフレで近似できます。期待インフレは市場が織り込む将来の物価上昇率で、米国だと10年国債と10年TIPS(物価連動国債)の利回り差(いわゆるBEI:ブレークイーブン・インフレ率)で推定されます。

ポイントは、株のバリュエーションに効くのは「金利が上がったかどうか」よりも、その上昇が実質金利由来なのか、期待インフレ由来なのかです。ここを区別できないと、同じ“10年金利上昇”でも、株価反応の違いを説明できません。

実質金利が上がる3つの典型パターン

実質金利の上昇は、次の3パターンで起きます。見分けることで「株にとって悪い上昇」か「意外と耐えられる上昇」かが分かります。

パターンA:金融引き締め(政策金利上げ・QT)
中央銀行が意図的に景気を冷やすと、名目金利が上がり、期待インフレが抑えられやすい。結果として実質金利が上がりやすい典型です。株にとっては割引率が上がるため、バリュエーション縮小が起きやすい。

パターンB:成長率の上方修正(景気の強さ)
景気が強いと資金需要が増え、金利が上がります。ただし期待インフレも同時に上がる場合があり、実質金利の上昇が限定的なら、株は「成長が強い」メリットで相殺されることがあります。

パターンC:インフレ沈静化の中で名目金利が残る(実質だけが上がる)
インフレが下がっているのに名目金利が下がらないと、計算上、実質金利が上がります。これは株にとって意外に厳しい局面です。景気は鈍っているのに割引率だけが高い、という形になりやすいからです。

なぜ実質金利が株のPERに効くのか:割引率の直感

株価は「将来キャッシュフローの現在価値」です。現在価値に直すときに使うのが割引率(ディスカウントレート)です。割引率が上がると、同じ将来利益でも現在価値が下がります。これがバリュエーション低下の本質です。

割引率は大雑把に、(実質金利)+(株式リスクプレミアム)で構成されます。リスクプレミアムは景気不安や信用不安で変動しますが、実質金利は「無リスクの土台」として全銘柄に広く影響します。

“株のデュレーション”という考え方

債券にデュレーションがあるように、株にも「金利感応度」があります。ざっくり言えば、利益が遠い将来に偏っている株ほど、金利上昇に弱い。これがグロース株が実質金利ショックで急落しやすい理由です。

例えば、いま利益が薄いが将来の市場拡大で10年後に大きな利益を出す企業は、10年後のキャッシュフローの現在価値で評価されがちです。実質金利が1%上がるだけで、10年後の価値は(単純計算でも)かなり目減りします。一方で、いま稼いで配当も出す企業は、近い将来のキャッシュフロー比率が高く、相対的に耐性が出ます。

PERの正体:PERは「成長期待」と「割引率」の合成値

PERは便利ですが、単体で見ると誤読します。PERは、成長率と割引率のバランスで決まるからです。直感的には次のように分解できます。

(高いPER)=(高い成長期待)×(低い割引率)
逆に、成長期待が同じでも割引率が上がればPERは落ちます。

実質金利が上がる局面でのポイントは、「企業の成長期待が崩れたからPERが下がった」のか、「成長期待は同じだが割引率が上がってPERが下がった」のかを切り分けることです。前者なら企業固有の問題で、後者なら市場環境の問題です。対策が変わります。

実質金利と株価の“相関”が崩れるとき:観測上の落とし穴

「実質金利とNASDAQは逆相関」などの言い回しがありますが、相関は固定ではありません。局面で切り替わります。崩れる典型パターンを押さえておくと、誤った確信を避けられます。

落とし穴1:期待インフレの急変で名目金利だけ見て誤る

名目金利が上がっても、それ以上に期待インフレが上がれば、実質金利は上がりません。この場合、株は“インフレ懸念”で揺れつつも、割引率ショックは限定的になり得ます。逆に名目金利が横ばいでも期待インフレが低下すると、実質金利は上がり、株が重くなることがあります。

落とし穴2:リスクプレミアムが暴れると、実質金利の影響が見えなくなる

金融危機や信用不安では、株式リスクプレミアムが急上昇します。これは実質金利よりも株価に効くことがあり、実質金利の説明力が下がります。こういう時に「実質金利が下がっているのに株が下がる」現象が起きます。割引率の“もう一方の部品”が跳ねているからです。

落とし穴3:利益見通しの下方修正が主因のとき

景気後退でEPS(利益)が下がると、PERが一定でも株価は下がります。この局面では実質金利の動きよりも、業績要因が支配的になります。実質金利だけ追っていると遅れます。

実戦:実質金利で「どの株が危ないか」を分類する

実質金利ショックでのダメージは一律ではありません。実際に起きやすい順に、代表的な分類を示します。

1)将来利益依存のグロース:最も金利に弱い

売上成長は強いが利益が薄い、または利益の大半が“数年先”に期待される企業群は、株のデュレーションが長く、実質金利上昇に弱い傾向があります。ここは「良い企業でも株価が下がる」ことが起きます。企業の質ではなく、割引率が主因だからです。

チェックの仕方は単純で、FCF(フリーキャッシュフロー)が現時点でどれだけ出ているか、そして営業利益率がいつ黒字化する想定かです。黒字化が遠いほど、割引率上昇の直撃を受けます。

2)高レバレッジ企業:金利上昇がPLに直接刺さる

実質金利上昇は、資金調達コストの上昇を通じて、企業の損益に直撃します。特に短期借入比率が高い、借換頻度が高い企業は注意です。バリュエーション以前に、利払い負担がEPSを削ります。

具体的には、決算資料の「平均調達金利」「満期分布」「固定金利比率」を見ます。ここを見ないと、同じセクターでも優劣が分かりません。

3)ディフェンシブ高配当:相対的に強いが“債券化”に注意

配当が安定している企業は、キャッシュフローの“近さ”という点で金利耐性が出ます。ただし、配当利回り狙いの資金が増えすぎると、その株は実質的に「債券の代替」として買われ、金利上昇局面で売られやすくなります。

判断のポイントは、配当利回りそのものではなく、配当の持続性(配当性向・FCFカバー率)と、増配余地(利益成長+資本効率)です。単に利回りが高いだけの銘柄は、金利上昇時に「より利回りの高い債券」に資金が移る形で逆風になります。

実質金利の“観測指標”:初心者が見るべき3点セット

ここから先は、見るべき指標を絞ります。情報過多にしません。最低限これだけ見れば、実質金利の環境認識ができます。

指標1:米10年実質金利(TIPS利回り)

米国株に影響が大きいので、まず米10年TIPSの利回りを押さえます。TIPS利回りは“実質の無リスク”の代表値です。これが上がるほど、グロースのバリュエーションに逆風になりやすい。

指標2:10年BEI(期待インフレ)

期待インフレは、名目金利上昇の内訳を分けるための必須項目です。名目金利だけ追うと、「実質が上がっているのか」「インフレ期待が上がっているのか」が分かりません。

指標3:クレジットスプレッド(リスクプレミアムの代理)

実質金利だけで説明できない局面は、だいたいスプレッドが動いています。代表的には米ハイイールドスプレッドなどです。これが拡大していると、株式リスクプレミアム上昇が進み、実質金利の影響が相対的に見えにくくなります。

ケーススタディ:同じ10年金利上昇でも結果が違う理由

ここでは、ありがちな2つのケースで“見え方”を作ります。実際の数値は時期で変わりますが、考え方は普遍です。

ケース1:名目金利上昇=実質金利上昇(引き締め局面)

政策金利上げやQTで名目金利が上がり、期待インフレが落ち着くと、実質金利が上がります。この局面では、グロースのPERが縮み、株式全体は「割引率の壁」にぶつかりやすい。指数レベルでは、長期金利上昇に敏感なハイテク比率の高い指数が弱くなりやすい一方、エネルギーや金融などが相対的に粘ることがあります。

ケース2:名目金利上昇=期待インフレ上昇(景気・物価強め)

景気が強く、期待インフレが上がって名目金利が上がる場合、実質金利はそれほど上がらないことがあります。この場合、株はインフレによるコスト圧力やマージン低下は気にしつつも、「成長の強さ」がバリュエーション低下を相殺することがあります。ここで名目金利だけ見て“危険”と判断すると、チャンスを捨てる可能性があります。

実務的な判断フレーム:3ステップで整理する

最後に、毎週の点検で使えるフレームを提示します。複雑そうに見えて、やることは3ステップです。

ステップ1:金利上昇の内訳を分解する

名目金利の変化を、実質金利(TIPS)と期待インフレ(BEI)に分けます。実質が上がっているなら、バリュエーション圧縮の圧力が強い。期待インフレが上がっているなら、コスト圧力・セクター選別の問題になりやすい。

ステップ2:リスクプレミアム側が荒れていないか確認する

スプレッドが拡大しているなら、株全体のディスカウントが進みやすく、実質金利だけの説明は通りません。ここを無視すると“逆相関が崩れた”と混乱しますが、実際には割引率の構造が変わっただけです。

ステップ3:自分の保有株を「デュレーション」で棚卸しする

保有株を、①将来利益依存(長デュレーション)、②現金創出(短デュレーション)、③レバレッジ高(調達コスト感応度高)に分類します。実質金利上昇局面では①と③が同時に痛みやすい。逆に実質金利が低下していく局面では、①が強くなりやすい。

具体例:個別銘柄の“金利耐性”を読むチェックリスト

最後に、個別銘柄を見るときのチェック項目をまとめます。箇条書きに見えますが、実際にはこの順序で資料を読むのが効率的です。

1)FCFが今出ているか
出ていないなら、将来利益依存が強く、実質金利上昇でバリュエーションが崩れやすい。

2)売上成長の“質”はどうか
値上げで伸びた売上か、数量で伸びた売上か。インフレ局面では意味が違います。

3)借入の構造
固定金利か変動金利か、満期はいつか。借換が近いなら金利上昇はPLに直撃します。

4)マージン(利益率)の防衛力
価格転嫁力がある業種は、インフレ局面でも利益が残りやすい。実質金利上昇でも「業績が強い」なら下落を緩和できます。

5)株主還元の余力
配当と自社株買いは、短期的に需給を支えます。ただし無理な還元は将来の投資余力を削るため、FCFとセットで確認します。

まとめ:実質金利は「PERの土台」、だから先に見る

株式バリュエーションを読むとき、実質金利を無視すると、PERの変化を“企業の良し悪し”と誤認しやすくなります。まずは金利変化を分解し、割引率の土台がどう動いたかを確認する。それから業績やセクターを見に行く。この順番にするだけで、解釈ミスが大幅に減ります。

実質金利は万能の予測ツールではありません。しかし、バリュエーションが崩れる局面の説明力が高い「上流の変数」です。毎週、TIPS利回りとBEIを眺める習慣を作るだけで、株の値動きが“理解できる範囲”に入ってきます。

上級編:実質金利×バリュエーションを「定量」で扱う最小セット

ここからは、数式アレルギーがあっても理解できる範囲で、定量化の入口だけ紹介します。狙いは「それっぽい解説」を卒業し、同じニュースでも自分の判断を一貫させることです。

エクイティ・リスク・プレミアム(ERP)を“ざっくり”推定する

ERPは厳密に測るのが難しいですが、運用上は「市場が株にどれくらい上乗せ利回りを要求しているか」を把握できれば十分です。代表的な簡易法が益回り(E/P)− 国債利回りです。E/PはPERの逆数です。例えばPERが20倍なら益回りは5%です。

ただし、ここで使う国債利回りは名目より実質のほうが直感に沿います。理由は、E/Pも本来は実質購買力ベースで比べたいからです。名目金利が上がっても期待インフレが同時に上がっている場合、実質で見た“上乗せ”はあまり変わらないことがあります。

「PERが崩れたのか」「EPSが崩れたのか」を分解する

指数が下がったとき、投資家が一番やるべき棚卸しはこれです。株価=EPS×PERなので、下落は必ず「EPSの下方修正」か「PERの低下」か、その両方です。

実質金利上昇局面では、まずPERが縮みやすい。景気後退局面では、EPSが縮みやすい。両者は似た下落に見えますが、次の反発の形が違います。PER低下主因なら、実質金利が落ち着くと戻りが早いことがあります。EPS低下主因なら、業績底打ち確認まで時間がかかります。

“グロースの金利感応度”を簡易に見る方法

難しいDCFをやらなくても、金利感応度の高い銘柄を簡易抽出できます。たとえば、①営業利益率がまだ低い、②研究開発費や販管費を先行投資として積んでいる、③株式報酬など非現金費用が大きい、④キャッシュフロー計算書で営業CFが安定していない、といった特徴を持つ銘柄は「利益の時間軸が遠い」傾向があります。

さらに実務では、“売上成長率の割にPERが高い”銘柄は、割引率の上昇で評価が落ちやすいことが多いです。高成長でも、既に期待が極端に先食いされているからです。

実質金利ショック時の「失敗パターン」と回避策

実質金利が動く局面で、個人投資家が損失を拡大しがちな癖があります。ここはメンタル論ではなく、構造として起きます。

失敗1:ナンピンの根拠が「良い企業だから」だけ

企業の質と株価は別物です。実質金利ショックでは、良い企業でもPERが縮むだけで株価が落ちます。このとき「企業が良いから」でナンピンすると、割引率が落ち着くまで長い時間を耐えることになります。根拠があるなら、“実質金利の上昇が止まる兆候”(TIPS利回りのピークアウトなど)とセットで考える方が事故が減ります。

失敗2:名目金利ニュースに毎回反応して売買する

名目金利の見出しは刺激が強いですが、内訳を見ないと売買の一貫性が崩れます。名目金利上昇が期待インフレ主因なら、実質ショックは弱いかもしれません。逆に名目金利が下がっても期待インフレがもっと下がれば、実質は上がります。名目の上下で一喜一憂するほど、売買は裏目に出やすい。

失敗3:金利上昇で全部を同じように処理する

実質金利上昇の影響は、セクター・財務・利益の時間軸で全く違います。例えば金融は金利上昇で利ざや改善が追い風になり得ますが、同時に信用コストも増え得ます。REITは金利上昇が逆風になりやすいが、賃料改定やインフレヘッジ特性で相殺される場合もあります。つまり「全部リスクオフ」ではなく、“どこが最もデュレーションが長いか”という順序が重要です。

投資アイデアの作り方:実質金利を“シナリオ”に落とす

最後に、実質金利を投資行動に落とすための、実務的なシナリオ作りを示します。これは“当てに行く予測”ではなく、先に分岐を用意して迷いを減らすための設計です。

シナリオ1:実質金利が上昇トレンドを継続

この場合、バリュエーションの天井は低くなります。グロースの「PER戻り」は起きても限定的になりやすい。銘柄選別としては、現金創出が強い、価格転嫁力がある、借入構造が安定している企業の優位が出やすい。指数に対しては、ハイテク集中より分散(セクターやスタイルの分散)が効きやすい局面です。

シナリオ2:実質金利がピークアウトし横ばい

実質ショックが止まると、PERの“過剰な縮み”が戻りやすいタイミングが出ます。ただし、EPSが同時に悪化しているなら戻りは鈍い。ここでやることは、PERとEPSのどちらが主因だったかを再点検することです。PER主因なら戻りが早い可能性がある。EPS主因なら、業績の底打ち確認が先です。

シナリオ3:実質金利が低下トレンドに転換

実質金利の低下は、割引率の土台が下がるので、長デュレーションの株に追い風になりやすい。ただし、低下理由が「景気後退の深刻化」であれば、EPS悪化が勝って株が上がらないこともあります。実質金利の低下を見て即座に強気になるのではなく、スプレッドや雇用・信用指標と組み合わせて判断するのが安全です。

結論:実質金利は“相場の言語”、理解すれば説明と行動が揃う

実質金利は、ニュースのノイズを除去して株の値動きを翻訳するための言語です。完璧に予測する必要はありません。むしろ、金利変化の内訳を分解し、割引率の土台がどう動いたかを把握するだけで、売買判断の一貫性が上がります。

もし最初にやるなら、毎週、①米10年TIPS利回り、②10年BEI、③クレジットスプレッドの3点を並べて見てください。その上で、自分の保有銘柄を「デュレーション」「レバレッジ」「価格転嫁力」で棚卸しする。この習慣が、バリュエーション崩壊の局面で一番効きます。

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