相場の転換点で勝率を上げる「REITのNAV割安戦略」—個人投資家のための実装ロードマップ

ETF・ファンド

本稿は「REITのNAV割安戦略」を、机上の空論ではなく、個人投資家が再現できる形に分解し、運用に落とすための手順を提示します。ポイントは「当たる予想」を作ることではありません。相場のレジーム(環境)が変わったときに、損失を限定しつつ、優位性のある局面にだけリスクを載せる設計です。

多くの人が失敗する理由は単純で、(1)テーマの説明を読んで終わり、(2)売買のトリガーが曖昧、(3)サイズが雑、(4)損切り・撤退条件がない、の4点です。この記事はこの4点を潰します。

スポンサーリンク
【DMM FX】入金

このテーマで狙うべき「利益の源泉」を定義する

投資テーマを扱うとき、最初にやるべきは「何が起きたら、どの資産が、なぜ上がる(または下がる)のか」を一行で言える形にすることです。ここが曖昧だと、ニュースに振り回されて過剰売買になります。

「REITのNAV割安戦略」を利益の源泉に分解すると、だいたい次の3つのドライバーに落ちます。

①価格(バリュエーション):金利・割引率・リスクプレミアムの変化で、同じ利益でも株価が変わる。

②キャッシュフロー(業績):景気・物価・コスト・需要で利益率や成長率が変わる。

③需給(ポジショニング):ETFフロー、先物建玉、ヘッジ需要、強制ロスカットなどで短期が歪む。

あなたが取るべきは「自分が強いドライバー」だけです。たとえば業績予測が苦手なら、需給の歪みとリスク管理で勝負すべきです。

まず作るべきは「3つのシナリオ」—当てに行かない

相場は「一つの正解」に収束しません。だから当てに行くほど負けやすい。ここでは、必ず3シナリオで設計します。

シナリオA(ベース):市場が織り込む中心ケース。価格は緩やかに推移しやすい。

シナリオB(順風):テーマが素直に効き、リスク資産が伸びる局面。利益が大きいが過熱も起きやすい。

シナリオC(逆風):市場が裏切られ、逆回転が起きる局面。ここでの損失を小さくするのが勝率の源泉です。

重要なのは、シナリオを文章で書いたら必ず「観測できる指標」に落とすことです。観測できないシナリオは運用不能です。

観測指標を5つに絞る—多すぎると判断が遅れる

指標は多いほど良さそうに見えますが、現実には「理由はいくらでも作れる」状態になり、負けトレードを正当化します。ここでは最大5つに絞ります。

おすすめの型は以下です(具体的な数値はあなたの市場・商品に合わせて微調整します)。

①金利・割引率の代理変数:米国なら米2年/10年、実質金利(TIPS)、OIS、など。日本ならJGB利回りやスワップ。

②インフレ/景気の代理変数:CPI、賃金、PMI、クレジットスプレッド、など。

③リスクオン/オフの温度計:VIX、ハイイールドスプレッド、ドルインデックス、など。

④需給:先物建玉、ETFフロー、投資家ポジショニング(CFTCなど)、出来高。

⑤相関の崩れ:いつも連動するものが連動しない「異常」を検知する。

この5つで「A/B/Cのどれに近いか」を毎週(短期なら毎日)判定します。

商品選定:理屈より「再現性」と「コスト」で選ぶ

個人投資家は、プロと同じ商品を同じ条件で触れません。だからこそ「再現性」を優先します。選定の優先順位は次です。

(1)スプレッドが狭い:取引コストが見えにくいほど、成績は劣化します。

(2)構造が素直:ロールコストや複利減価が大きい商品は、短期専用に切り分ける。

(3)ヘッジが作れる:単体で持つより、ヘッジとセットで意思決定できるものを優先。

具体例として、同じテーマでも「現物ETF」「先物連動ETF」「レバETF」「個別株」のどれを使うかでリスク特性が激変します。あなたの運用期間(数日・数週間・数か月・数年)に合わせて「持てる器」を選ぶのが先です。

ポジション設計:結論は「2階建て」—コアとタクティカルを分ける

多くの人が、テーマに確信を持つと一撃で当てに行きます。これは危険です。対策は「2階建て」です。

コア(守りの基礎):長期で持ってもストレスが少ない商品(低コストETF、分散、ヘッジ付きなど)。

タクティカル(攻めの上乗せ):短期の需給・ボラで利益を狙う。撤退条件が明確なものだけ。

この分離で、外してもコアがポートフォリオを壊しにくくなり、勝てる局面でだけタクティカルを厚くできます。

サイズ管理:勝てる人は「いつも同じリスク量」で張る

サイズ管理は、上手い下手が最も出る部分です。価格予想より重要です。ここでは再現しやすいルールを提示します。

ルール1:1トレードの最大損失を固定する(例:総資産の0.5%〜1.0%)。

ルール2:損切り幅を先に決め、逆算して数量を決める(数量を先に決めない)。

ルール3:相関が高い資産は「同じポジション」と見なす(似たものを多重に持たない)。

具体例を出します。もし「REITのNAV割安戦略」に関連して、株式ETFと同業セクターETFと個別株を同時に買っているなら、あなたは分散しているつもりで、実際は同じリスクを3倍にしている可能性が高い。ここを自覚できるだけで成績が変わります。

エントリー:ニュースではなく「条件の揃い」をトリガーにする

ニュースは説明であってトリガーではありません。トリガーは、シナリオ判定の結果としての「条件の揃い」です。

実務的なエントリーの型は2つだけです。

型A:ブレイクアウト—レジーム転換の初動を拾う。損切りは浅く、回転が速い。

型B:押し目/戻り—トレンドが確認できた後に、良い価格で入る。損切りはやや広いが勝率が上がる。

「どちらが正しい」ではなく、あなたの性格と市場に合わせて固定します。混ぜるほどブレます。

撤退条件:利確より先に「撤退」を決める

多くの人が利確ルールばかり探しますが、先に決めるべきは撤退です。撤退の型は3つに限定します。

(1)価格撤退:想定した損切りラインに到達したら問答無用で撤退。

(2)時間撤退:テーマが効くまでの「猶予期間」を超えたら撤退(例:2週間・1か月)。

(3)前提撤退:シナリオ判定がA→Cに変わったら撤退(指標が裏切ったら撤退)。

撤退条件が明確だと、「損切りを迷う時間」がゼロになります。これが長期的な期待値を上げます。

よくある失敗パターンと、具体的な回避策

失敗1:テーマに惚れて、反証を見ない。回避策は「逆風シナリオCのチェック」を毎週必ずやること。

失敗2:関連銘柄を増やして分散した気になる。回避策は「相関で束ねてサイズを計る」こと。

失敗3:ボラが上がってから慌ててヘッジを買う。回避策は「保険は平時に少量」—必要なときに高い保険を買わない。

失敗4:含み益が出るとサイズを増やして崩れる。回避策は「増やすのはシナリオが改善したときだけ」。含み益を理由にしない。

実装テンプレ:週1回のチェックと、日々の行動を固定する

勝てる人は、判断を減らす設計をしています。ここではテンプレを提示します。

週1回(30分):指標5つでA/B/C判定 → コア比率を微調整 → タクティカルの有無を決める。

毎日(5分):価格トリガー到達の確認 → ルール通りに発注/撤退。

「毎日多くの情報を読む」ほど勝つわけではありません。行動を固定し、ミスを減らすほど勝率は上がります。

具体例:小さく始めて、検証しながら厚くする

最後に、個人投資家が最短で上達する進め方です。

ステップ1:最小サイズで3か月運用(損益より「ルール遵守率」を記録)。

ステップ2:勝てた局面・負けた局面を「シナリオA/B/C」で分類(負けの原因がシナリオミスか運用ミスか切り分ける)。

ステップ3:改善点は1つだけ直す(指標を増やさない、ルールを複雑化しない)。

ステップ4:ルールが固まったらサイズを段階的に増やす(一気に増やすと破綻する)。

このプロセスを踏めば、「REITのNAV割安戦略」は単なる読み物ではなく、あなたのポートフォリオに組み込める戦略になります。

まとめ:勝つための要点は3つだけ

1)テーマをシナリオに分解し、観測指標で判定する。

2)コアとタクティカルを分け、サイズをリスク基準で固定する。

3)撤退条件を先に決め、迷う時間をゼロにする。

この3つを守る限り、短期のノイズに負けにくくなり、勝てる局面でだけリスクを取れるようになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました