「新月・満月アノマリー」は、月の満ち欠け(新月・満月)に合わせて株価や為替などのリターン傾向が変わる、という仮説です。オカルトに見えますが、扱い方はシンプルです。信じる/信じないではなく、統計で“効きやすい局面”を切り分け、期待値があるときだけ使う。これが実戦での正しい距離感です。
本記事は、初心者でも再現できるように、(1)アノマリーの仕組み、(2)検証の考え方、(3)実戦のルール設計(株・FX・暗号資産での具体例)、(4)失敗パターンと回避策、までを一気通貫で解説します。
- 新月・満月アノマリーとは何か:まず定義を固める
- なぜ偏りが出るのか:オカルトにしないための仮説
- 検証の最低ライン:個人が陥る典型的な罠
- 実戦の考え方:アノマリーを“トリガー”ではなく“フィルター”にする
- 具体例1:日本株(指数/大型株)での“新月窓の押し目買い”
- 具体例2:FX(ドル円)での“満月窓のボラ上昇をスキャルピングに利用”
- 具体例3:暗号資産(ビットコイン)での“新月窓×資金流入”の組み合わせ
- アノマリーを破壊する3つの局面:ここでは使わない
- 実装のコツ:カレンダーを自動化し、判断コストを下げる
- 資金管理:アノマリー戦略が破綻する本当の理由
- 上達ロードマップ:30日で形にする
- まとめ:月齢は“相場のリズム”として使うと強い
- もう一段深く:統計の見方(勝率・期待値・分散)を最低限だけ押さえる
- 自分で検証する手順:Excelだけでできる最小構成
- 月齢×他のアノマリー:相性が良い組み合わせ、悪い組み合わせ
- “効いているように見える”最大の原因:データスヌーピングを潰す
- 実戦テンプレ:3つの“運用モード”を決めるだけで迷いが消える
- よくあるQ&A:新月・満月アノマリーの誤解を潰す
- チェックリスト:エントリー前に5秒で確認する項目
- ケーススタディ:満月窓で“勝ち逃げ”するだけで成績が変わる
- 最後の上級テク:VIXやIVと併用して“効くときだけ”使う
- トレード日誌:月齢を“言い訳”にしないための一行メモ
新月・満月アノマリーとは何か:まず定義を固める
アノマリーは「統計上、繰り返し観測される偏り」です。新月・満月アノマリーを実務で扱うには、まず“イベント窓”を定義します。例として次のように固定すると検証がブレません。
定義例A(シンプル):新月日を0日として前後3営業日(-3〜+3)を「新月窓」、満月日を0日として前後3営業日を「満月窓」。
定義例B(トレード向き):新月の翌営業日寄り〜+5営業日引けを「新月上昇窓」、満月の翌営業日寄り〜+5営業日引けを「満月調整窓」。
市場(日本株/米株/FX/暗号資産)で営業日の概念が異なります。暗号資産は24/7なので「UTC基準の日足」など時間帯を固定してください。時間帯がズレると、同じ新月でも結果が変わってしまいます。
なぜ偏りが出るのか:オカルトにしないための仮説
月齢そのものが価格を動かす、というより、月齢が人間の行動・リスク許容度・情報処理に影響し、それが集合体として需給に現れる、という筋の良い仮説が現実的です。実戦上、重要なのは「因果の証明」ではなく「条件が揃うと偏りが強まる」ことです。
よくある仮説は3つです。
(1)センチメント仮説:満月付近は覚醒度が高まり、リスクを取りやすい/衝動的になる、といった心理学・生体リズムの議論があります。これが短期のボラ拡大や利益確定の加速と結びつく可能性がある。
(2)カレンダー同期仮説:月齢は約29.5日周期で、月末/月初の資金フロー(積立・リバランス)と“たまたま”同期しやすい。つまり月齢そのものより、月間資金フローの周期が主因で、月齢は観測窓として機能している。
(3)ニュース集約仮説:重要イベント(雇用統計・CPI・FOMCなど)が月内の特定週に偏ると、月齢イベント窓にリスクイベントが重なりやすくなる。すると「満月=下がる」ではなく「満月窓=イベントが多い=荒れる」という形で偏りが出る。
この3つのどれが当たっているかは市場ごとに違います。重要なのは、“月齢だけ”で張らず、資金フローやイベントと重なったときだけ使うことです。
検証の最低ライン:個人が陥る典型的な罠
アノマリー検証でよくある失敗は、都合の良い期間だけ切り取って「効く」と結論づけることです。最低限、次を守ると再現性が上がります。
(1)期間を分ける:過去10年で検証→直近2年で検証→直近6か月で再検証、のように“後半で確認”します。暗号資産はレジームが変わりやすいので、3〜5年+直近1年の二段構えが現実的です。
(2)手数料とスリッページを入れる:日足でやるなら、株は片道0.1〜0.3%程度(人による)、FXはスプレッド、暗号資産は取引所手数料+成行の滑りを仮定し、期待値がそれを上回るかで判断します。
(3)母集団を増やす:個別株1銘柄だけで結論を出さない。指数(TOPIX、S&P500)や、銘柄群(大型/小型、グロース/バリュー)に広げ、偏りが“市場構造”なのか“銘柄固有”なのか切り分けます。
(4)最大損失(DD)も見る:平均リターンがプラスでも、最大ドローダウンが大きい戦略は継続できません。アノマリーは連敗期が必ず来るので、損失を限定できる設計が必須です。
実戦の考え方:アノマリーを“トリガー”ではなく“フィルター”にする
新月・満月は、単独で売買トリガーにすると破綻しやすいです。おすすめは逆で、普段使っている手法の“採用/見送り”を決めるフィルターとして使います。
例:あなたが「押し目買い」を得意とするとします。新月窓は押し目買いを“採用しやすい期間”、満月窓は“利確を前倒しする期間”という具合です。これなら、月齢が外れても致命傷になりにくい。
具体例1:日本株(指数/大型株)での“新月窓の押し目買い”
前提:日経平均やTOPIXは、海外要因(米金利・ドル円)でギャップが出やすい。よって、寄り付きで飛びつかず、「前日安値割れ→下ヒゲ→引けで戻す」のような“反転の形”を待つ設計が向きます。
ルール例(シンプル版)
観測:新月日±3営業日(新月窓)。
エントリー条件:新月窓の中で、(1)前日比マイナスで寄る、(2)前日安値を一度割る、(3)その後戻して当日終値が前日終値に近づく(例:-0.2%以内)──この“下で投げが出て吸収された”形を確認。
買い:翌営業日寄りで分割エントリー(半分)→当日高値更新で残り半分。
損切り:直近安値(新月窓で付けた安値)の1〜1.5%下。
利確:満月窓に入る前に半分利確、満月窓で高値更新が止まったら残り利確。
この設計の狙いは明確です。新月窓で下に振られたところを拾い、満月窓では“強欲にならずに軽くする”。月齢を「売買の理由」にせず、「ポジション調整のリズム」に使っています。
具体シナリオ(イメージ)
例えば、TOPIXが3日続落し、4日目が新月窓のど真ん中。寄り付きは弱いが、午前中に投げが出て下ヒゲ、引けで戻す。翌日、米株が小反発して日本もギャップアップ。ここで全力ではなく、半分だけ入れて“勝ちやすいときにだけ攻める”。そして満月窓が近づいたら、同じ上昇でも「伸びきった分」を回収する。これが“アノマリーの使い方”です。
具体例2:FX(ドル円)での“満月窓のボラ上昇をスキャルピングに利用”
FXは株よりも短期のノイズが強い一方、指標・要人発言でボラが跳ねます。満月窓を「方向」ではなく「荒れやすさ」として捉えると、戦い方が決まります。
ルール例(ボラ狙い)
観測:満月日±2営業日(満月窓)。
前提フィルター:当日に重要指標(雇用統計/CPI/FOMCなど)がある、または直前に金利が急変している(米2年金利が日中に大きく動いている)ときだけ実行。
戦術:レンジブレイクではなく、急騰・急落の“反転だけ”を狙う。具体的には、5分足でボリンジャーバンド(±2σ)を一気に突き抜け、次の足で内側に戻ったら逆方向へ小さく入る。
利確/損切り:利確は短く(数pips〜十数pips)、損切りも同程度。満月窓では伸びを取りに行かず、ボラの“往復”から小さく抜く。
ポイントは、満月窓を「トレンドが出る」と決め打ちしないことです。むしろ、イベントが重なる満月窓は“振り回し”が起きやすい。だから伸びを夢見ず、反転の確度が高い瞬間だけ取る。これなら初心者でもルール化しやすい。
具体例3:暗号資産(ビットコイン)での“新月窓×資金流入”の組み合わせ
暗号資産で月齢を使うなら、必ず資金流入の代理指標を合わせます。代表例はステーブルコイン時価総額、取引所への入出金、ETFフローなどです(入手できる範囲で十分)。
ルール例(新月窓×フロー)
観測:新月日±4日(暗号資産は休日がないため、暦日で固定)。
フィルター:ステーブルコイン時価総額が直近2週間で増加基調、または取引所のステーブルコイン残高が増えている(=買い余力が市場に来ている)ときだけ。
エントリー:日足で安値を切り下げないまま、4時間足で高値を更新したら分割でロング。新月窓の中は“押し目を拾う”発想で、上に走ったら追わず、押したら足す。
手仕舞い:満月窓に入ったらレバレッジを落とす、または半分利確。暗号資産は週末に薄くなりやすいので、満月窓×週末が重なる場合はさらに軽くします。
暗号資産は「アノマリーが効く/効かない」以前に、流動性レジームで勝敗が決まります。月齢は、資金流入があるときの“リズム合わせ”として使うのが合理的です。
アノマリーを破壊する3つの局面:ここでは使わない
どんなアノマリーも万能ではありません。特に新月・満月は、次の局面で簡単に崩れます。
(1)大きなマクロ転換:利上げ/利下げ局面の転換、インフレ再燃、信用不安など。トレンドが強すぎると月齢の偏りはノイズになります。
(2)急変イベントの直撃:地政学、金融機関の破綻、規制ショック。こういう日は月齢よりニュースが支配します。
(3)低流動性の極端:年末年始、祝日前、週末の薄い時間帯。値が飛びやすく、ルール通りの損切りが機能しません。
したがって、運用上は「使わない日」を先に決めておくべきです。やらないルールがあるだけで成績は大きく安定します。
実装のコツ:カレンダーを自動化し、判断コストを下げる
初心者が最初にやるべきは、月齢を“調べる手間”をなくすことです。やることは2つだけ。
(1)新月・満月の日付リストを用意:Webの月齢カレンダーを参照し、年初に一覧を作って手帳やカレンダーに登録。
(2)イベント窓を色分け:「新月窓=青」「満月窓=赤」など、チャートを開く前から“モード”が分かる状態にします。これだけで、衝動的なトレードが減ります。
さらに一歩進めるなら、あなたが使う指標(移動平均、RSI、ボリンジャーなど)に加えて、月齢窓で“利確/損切りを早めるか遅らせるか”だけを決める。複雑なロジックは不要です。
資金管理:アノマリー戦略が破綻する本当の理由
アノマリーで負ける人の多くは、月齢の当たり外れではなく、ポジションサイズの過大で破綻します。偏りはあっても、連敗は必ず起きます。だから資金管理が本体です。
初心者向けの現実的な目安は、1回のトレードで資金の0.5〜1%を失う設計です。例えば100万円なら、損切り幅を計算して、損失が5,000〜10,000円に収まる数量にします。これだけで「続けられる戦略」になります。
上達ロードマップ:30日で形にする
ステップ1(1週目):今年の新月・満月をカレンダーに登録。窓を定義(±何日か)して固定。
ステップ2(2週目):自分が普段使う1つの手法(押し目買い/戻り売り/ブレイクなど)を決め、月齢窓で「採用/見送り」だけを追加。
ステップ3(3週目):過去1年分だけで良いので、窓内の成績を手で振り返る(勝率・平均損益・最大連敗)。数字が出れば迷いが減ります。
ステップ4(4週目):サイズを小さく実運用。うまくいった/いかなかったの原因を「月齢」ではなく「エントリーの形」「損切り位置」「イベント重なり」で分類。
この順序なら、アノマリーが合わないと分かっても損失は小さく、別の戦略に移行できます。
まとめ:月齢は“相場のリズム”として使うと強い
新月・満月アノマリーは、単独の売買シグナルにすると再現性が落ちます。一方で、いつも使う手法のフィルターとして使えば、衝動売買を抑え、利確・損切りのリズムを作れます。
最後に重要な一言だけ。勝つ人は、アノマリーを信仰しません。検証し、条件が揃ったときだけ淡々と使います。ここを守れば、新月・満月はあなたの「ルールを守るための補助輪」になります。
もう一段深く:統計の見方(勝率・期待値・分散)を最低限だけ押さえる
アノマリーは「平均がプラス」でも儲かるとは限りません。実戦で必要なのは、勝率と損益比(平均利益÷平均損失)、そして分散(ブレの大きさ)です。ここを雑にすると、良い期間だけを見て“効いている気分”になり、サイズを上げた瞬間に崩れます。
勝率:新月窓でエントリーした取引のうち、プラスで終わった割合。60%あっても1回の損失が大きいと負けます。
平均損益(期待値):1回あたりの平均損益。期待値がプラスでも、手数料とスリッページを引いた後にプラスでないと意味がありません。
最大連敗:アノマリーは連敗期が“必ず”あります。最大連敗が10回なら、資金管理が弱いと心理的に撤退します。撤退した直後に偏りが復活し、最悪のタイミングになります。
初心者におすすめの判断基準は、難しい統計検定ではなく、次の3点セットです。
(A)期待値が手数料の2倍以上:手数料0.2%想定なら、期待値0.4%程度が欲しい。
(B)最大ドローダウンが許容範囲:資金が10%減ると精神的に続かないなら、その戦略はあなたにとって不適格です。
(C)直近でも同方向の傾向:古い期間だけ良いのは危険。直近1年で“弱くても”同方向なら、フィルターとして使う価値があります。
自分で検証する手順:Excelだけでできる最小構成
プログラミングができなくても検証できます。やることは「新月・満月の日付」「価格データ」「窓のリターン」を結びつけるだけです。
手順1:新月・満月の日付一覧を作る(年単位でOK)。
手順2:対象の価格データ(日足の終値)を用意する。株は指数、FXは終値、暗号資産はUTC基準など時間を固定。
手順3:各新月日・満月日に対して、窓の開始日と終了日を決める(例:翌日〜+5日)。
手順4:窓のリターン=(終了日の終値/開始日の終値 – 1)を計算し、一覧に並べる。
手順5:平均、中央値、勝率、最大連敗、最大DDを算出する。
ここで重要なのは中央値です。平均は外れ値(1回の暴騰)で歪みます。中央値がプラスかどうかを見ると、偏りが“広く薄く効いている”のか、“たまたま大当たりがあっただけ”なのかが分かります。
月齢×他のアノマリー:相性が良い組み合わせ、悪い組み合わせ
新月・満月は「月内のリズム」なので、同じく月内フローに起因するアノマリーと相性が良い傾向があります。逆に、短期のノイズが支配する手法とは相性が悪いことが多い。
相性が良い例:月初の機関投資家買い、配当再投資、リバランス(指数入替)、ウィンドウドレッシング。これらは“月の節目”で動く資金フローなので、月齢窓がフィルターとして機能しやすい。
相性が悪い例:分足の板読み・超短期HFT逆利用など。こうした領域はミクロ構造が支配し、月齢の偏りは埋もれます。
実戦的な結論はシンプルです。あなたがやるべきは、月齢窓を「資金フロー系の戦い方」と組み合わせることです。
“効いているように見える”最大の原因:データスヌーピングを潰す
アノマリー研究で一番危ないのは、パラメータをいじり過ぎて偶然の当たりを拾うことです。例えば「±2日がダメで±3日が良い」「新月は翌日から、満月は当日から」など、条件を探し始めると無限に調整できます。すると必ず良い設定が見つかりますが、それは再現しません。
回避策は3つです。
(1)窓幅は固定:最初に決めたら半年は変えない。
(2)市場を変えて同様の傾向が出るか:日本株で良いなら米株でも“弱く”出るか。全く出ないなら偶然の可能性が上がります。
(3)アウト・オブ・サンプル:検証期間と運用期間を分ける。運用で崩れたら潔く捨てる。ここができる人だけが生き残ります。
実戦テンプレ:3つの“運用モード”を決めるだけで迷いが消える
新月・満月を使う最大の価値は、迷いを減らすことです。次の3モードに分けると運用が整います。
モード1(新月窓=攻め):押し目買いを採用しやすい。利確は引っ張り過ぎないが、通常よりは強気。
モード2(満月窓=守り):ポジションを軽くし、逆指値をタイトに。勝ちを守る。
モード3(窓外=通常):普段のルール通り。月齢を意識しない。
これだけで「今日はどうする?」の判断コストが劇的に下がります。初心者にとって、判断コストは最大の敵です。
よくあるQ&A:新月・満月アノマリーの誤解を潰す
Q1:新月は必ず上がる? 満月は必ず下がる?
いいえ。そういう決め打ちは危険です。偏りがあっても確率論であり、外れる回が必ずあります。方向よりも“リズム”として使うほうが強いです。
Q2:個別株でも使える?
使えますが、個別要因が強いので指数やセクターETFのほうが検証しやすいです。個別株でやるなら、まず指数で癖を掴み、同じ設計を大型株に移すのが無難です。
Q3:窓は何日が最適?
“最適化”しないのが最適です。±3日や±4日など、一般的な幅で固定し、相場環境で使う/使わないを切り分けてください。
Q4:結局、これだけで儲かる?
それは期待しないほうが良いです。月齢は単体のエッジではなく、あなたの手法の精度を上げる補助輪です。フィルターとして運用し、資金管理で勝つのが現実解です。
チェックリスト:エントリー前に5秒で確認する項目
最後に、実際の売買でブレないためのチェックリストを置きます。月齢窓に入っても、これを満たさないなら見送る。これが成績を守ります。
(1)今日は新月窓/満月窓/窓外のどれか?(モードが決まる)
(2)重要イベントはあるか?(雇用統計/CPI/FOMC/決算集中など。あるならサイズを落とす)
(3)上位足はトレンドかレンジか?(日足が強い下落トレンドなら押し目買いは難しい)
(4)損切り位置は論理的に置けるか?(“なんとなく”の損切りは破綻する)
(5)損失が資金の1%以内に収まる数量か?(数量が先ではなく、許容損失が先)
ケーススタディ:満月窓で“勝ち逃げ”するだけで成績が変わる
例えば、あなたが普段「上昇トレンドの押し目買い」をしているとします。多くの初心者は、含み益が出ても「もっと伸びる」と思って利確を遅らせ、結局戻されます。ここで満月窓を“利確前倒しのトリガー”にするだけで、成績が安定します。
具体的には、満月窓に入ったら、(1)利確を通常の半分の距離にする、(2)逆指値を建値+αに上げる、(3)新規エントリーは半分のサイズにする。これだけです。方向予測ではなく、ポジション管理を機械化する。この効果は想像以上に大きいです。
アノマリーの価値は「当てること」ではありません。当てようとして破綻する行動を、先回りで潰すことです。新月・満月はそのための、分かりやすい“合図”になります。
最後の上級テク:VIXやIVと併用して“効くときだけ”使う
もしあなたが指数やオプション指標を見られるなら、月齢窓の採用条件に「ボラティリティ」を入れると精度が上がることがあります。例えば米株ならVIXが中立レンジ(高すぎず低すぎない)にあるときだけ新月窓の押し目買いを採用する、といった具合です。VIXが極端に高い局面は恐怖が支配し、月齢よりも流動性が支配します。逆に極端に低い局面は小さなニュースで急変しやすい。中立域だけを狙うことで、アノマリーの“ノイズ比率”を下げられます。
トレード日誌:月齢を“言い訳”にしないための一行メモ
最後に、運用で必ず効く小技です。約定したら日誌に1行だけ書きます。「新月窓で押し目買い(根拠:下ヒゲ+出来高増)」「満月窓なので利確前倒し(根拠:伸び鈍化)」のように、月齢の他に必ずチャート上の根拠を添える。これだけで、月齢を理由に雑なトレードをする癖が消えます。


コメント