- この記事で扱うテーマ
- まず結論:勝ちやすい局面は「発生前」ではなく「発生直後〜二波」
- このテーマの価格形成メカニズム(“誰が何のために売買するか”)
- 初心者がやるべき準備:銘柄選びより“型”を作る
- 型A:オーバーシュートの逆張り(短期)
- 型B:二波(押し目・戻り)順張り(最も再現性が高い)
- 型C:レンジ化を見て撤退、別銘柄へ(損失回避の型)
- 具体例:エントリーから撤退までを“数字”で決める
- このテーマに強い「観測項目」:チャートだけだと負ける
- “儲けるヒント”の核心:あなたが取るのは材料ではなく「強制フローの跡」
- よくある失敗パターンと回避策
- 検証のやり方:再現性を“自分の数字”に落とす
- まとめ:このテーマで勝つ人がやっていること
- 応用:当日の板と歩み値で“足跡”を読む(難しいことはしない)
- 時間帯の癖:同じ形でも“勝率が変わる”
- 複数シナリオを用意する:上・下・横の3通り
- より具体的な“二波”の形:初心者でも判定できる3パターン
- 銘柄スクリーニングの現実的手順(10分で終わらせる)
- メンタルの現実:勝率より“連敗耐性”を設計する
- チェックリスト(エントリー直前に5秒で確認)
この記事で扱うテーマ
今回のテーマは「ビットコインの土日ボラティリティ」です。狙いは単なる用語解説ではなく、どこで誰が買わされ、どこで誰が投げさせられるのかを分解し、個人投資家でも再現できる形に落とし込むことです。証券市場閉場中の資金移動という背景があるため、値動きは「材料」よりも需給と執行の都合で動く場面が増えます。ここを理解できると、短期でも中期でも“勝ち筋”が見えるようになります。
まず結論:勝ちやすい局面は「発生前」ではなく「発生直後〜二波」
多くの初心者がやりがちなのは「ニュースを見て飛び乗る」ことです。しかし、このテーマは、初動で最も有利なのが機関や高速執行の参加者で、個人が同じ速度で勝負するのは不利です。個人が勝ちやすいのは、①発生直後の過剰反応(オーバーシュート)と、②その後に訪れる“二波”(押し目・戻り)です。
理由は単純で、初動は成行の連鎖でスプレッドが広がり、約定が滑り、損切りが遅れます。一方、二波は参加者の情報が揃い、板が厚くなり、再現性のある形が出ます。したがって、本記事では「二波で勝つ」ために必要な準備を中心に解説します。
このテーマの価格形成メカニズム(“誰が何のために売買するか”)
市場の値動きは、結局のところ「売りたい人」と「買いたい人」の量と急ぎ度で決まります。このテーマでは、売買の主体がだいたい次の4種類に分けられます。
①ルールで動く資金:指数連動、ルールベース、ヘッジ目的など“決められたとおり”に売買する層。価格よりも執行期限が重要です。
②裁量の機関:上の動きを読み、前後で建てて利ざやを取ります。
③短期勢(裁定・高回転):一時的な歪みや板の薄さを狙い、瞬間的に価格を動かします。
④個人:ニュース・チャート形状・SNSの盛り上がりに反応しやすく、損切りが遅れがちです。
ここで重要なのは、①のルール資金は“負けてもいい”のではなく、“価格を気にする余地が少ない”ことです。だからこそ、短期の需給ショックが起きます。個人はこのショックに巻き込まれるのではなく、ショック後の均衡回復を取りに行きます。
初心者がやるべき準備:銘柄選びより“型”を作る
この手のテーマは、銘柄選びを頑張るほど沼にハマります。なぜなら、同じテーマでも銘柄ごとに流動性・信用残・板の厚みが違い、体感が変わるからです。先に作るべきは「型」です。型とは、条件(フィルター)→エントリー→損切り→利確→撤退までの一連のルールです。
おすすめの型は次の3つです。
型A:オーバーシュートの逆張り(短期)
狙い:急変動で“やりすぎた方向”を、短い時間で取り返す動きを取る。
向いている銘柄:出来高が普段の2〜5倍に膨らみ、板が一時的に薄くなるもの。
注意:逆張りは“落ちるナイフ”になる。だから条件を厳格にします。
条件例:
・直近20日平均出来高の2倍以上
・当日レンジ(高値−安値)が直近20日平均の1.5倍以上
・終値が当日高値圏(または安値圏)に張り付かない(=反発の芽がある)
エントリー例:5分足で大陰線(または大陽線)後、次の足で包み足/下ヒゲが出たら、指値で半分入る。反発が続けば残りを追加。
損切り:直前の極値(安値/高値)を明確に割ったら即撤退。
利確:VWAP(出来高加重平均)回帰を第一目標、次に前日終値や節目価格。
ポイントは、逆張りの根拠を“気持ち”ではなくVWAP回帰や出来高の急増といった客観条件に置くことです。
型B:二波(押し目・戻り)順張り(最も再現性が高い)
狙い:初動の方向に沿って、押し目(上昇なら下げ、下落なら戻り)で入る。個人が一番取りやすいのはこれです。
条件例:
・日足でブレイク(高値更新/安値更新/重要線の突破)が発生
・その日の出来高が増えている(最低でも20日平均超)
・翌日〜数日で“押し目”が発生し、出来高が落ちる(売り圧/買い圧が一巡)
エントリー例:上昇なら、押し目で25EMA(短期移動平均)付近まで落ち、反発のサイン(陽線転換・下ヒゲ)で入る。下落なら、戻りで25EMA付近まで戻り、陰線転換で入る。
損切り:押し目の安値(戻りの高値)割れ。
利確:直近の高値更新が止まったら半分利確、残りはトレーリング(移動平均割れなど)。
“押し目で出来高が落ちる”のは超重要です。出来高が増えた押し目は、需給の悪化(大口の売り)が混ざっている可能性が高いからです。
型C:レンジ化を見て撤退、別銘柄へ(損失回避の型)
初心者が最初に身につけるべきは「負けない」ことです。勝ち方より、勝てない局面を避ける方が期待値が上がります。テーマが出ても、相場が次の状態なら“見送り”です。
見送り条件:
・出来高は増えたが、終値がレンジ内に戻る(ブレイク失敗)
・大きく動いた翌日から、値幅が急に小さくなる(ボラ収縮)
・指数や先物が逆方向に強く動き、個別が引っ張られる
この場合は「無理に取らない」。テーマは何度も起きます。1回を取り逃がしても、次を取りに行けばいいだけです。
具体例:エントリーから撤退までを“数字”で決める
初心者ほど、損切りと利確を感情で決めてしまいます。これを防ぐために、先に数字で決めます。例として、株の現物(または信用)で型B(二波順張り)をやるケースを示します。
前提:資金100万円、1トレードの許容損失は1%(=1万円)。
シナリオ:日足で上抜け、翌日に押し目。押し目安値を損切りラインにする。
計算:エントリー価格が2,000円、損切りが1,950円なら、1株あたりリスクは50円。許容損失1万円なので、建てられる株数は 10,000 ÷ 50 = 200株。
この“先に株数を決める”だけで、致命傷を防げます。逆に、雰囲気で1,000株買うと、同条件で5万円負けます。これが初心者が長く残れない理由です。
このテーマに強い「観測項目」:チャートだけだと負ける
チャートだけ見ていると、テーマの本質である「需給の偏り」を見逃します。初心者でも見られる観測項目を挙げます。
①出来高の異常:平均の何倍か。急増しているのに価格が伸びないなら“吸収”されている可能性。
②VWAP:当日中の平均取得コスト。価格がVWAPの上に戻れない(下に戻れない)なら、トレンドが継続しやすい。
③板の厚み:節目価格に大口の指値が見えるか。薄いなら急変動リスク。厚いなら押し目が機能しやすい。
④信用需給(株なら):買い残が膨らんでいるテーマは下落時に投げが連鎖しやすい。
⑤指数/先物の向き:個別テーマでも、指数の逆風が強いと勝率が落ちる。
“儲けるヒント”の核心:あなたが取るのは材料ではなく「強制フローの跡」
ここがオリジナリティとして一番伝えたい点です。テーマのニュースや材料それ自体を当てに行くと、情報勝負になり負けます。個人が取るべきは、ルール資金や短期勢が残した“足跡”です。足跡とは、急増した出来高、VWAP乖離、節目での吸収、押し目の出来高低下など、チャートに残る痕跡です。
材料は「きっかけ」に過ぎません。値動きの本体はフロー(誰がどれだけ、いつまでに)です。だから、本記事の型はすべて“フローの跡”に基づいています。
よくある失敗パターンと回避策
失敗1:初動の成行で飛び乗る
→回避:成行禁止。初動は見送る。入るなら押し目を待つ。
失敗2:損切りを後ろにずらす
→回避:損切りは注文と同時に置く。価格が触れたら理由を考えず撤退。
失敗3:利確が早すぎて伸びを逃す
→回避:半分利確+残りはトレーリング。全利確は“反転シグナル”が出てから。
失敗4:同じテーマで負け続ける
→回避:同一テーマの連敗は、条件が合っていない証拠。型C(撤退)を発動し、別銘柄・別機会へ。
検証のやり方:再現性を“自分の数字”に落とす
最後に、初心者でもできる検証手順を示します。これをやると、トレードが“運”から“作業”に変わります。
ステップ1:過去チャートで同テーマに近い動き(出来高急増+ブレイク)を20回探す。
ステップ2:型A/Bで入ったと仮定して、損切りと利確を固定(例:損切りは直近安値、利確はVWAP回帰+トレーリング)。
ステップ3:勝率、平均利益、平均損失、最大連敗、最大ドローダウンを計算。
ステップ4:負けたパターンを分類し、見送り条件(型C)を追加する。
重要なのは「勝つ工夫」より「負けない工夫」です。見送り条件を増やすほどトレード回数は減りますが、期待値が上がります。
まとめ:このテーマで勝つ人がやっていること
・材料ではなく、強制フローの足跡(出来高・VWAP・板)を見る
・初動は捨て、オーバーシュートか二波で勝負する
・損失上限(%)から株数を逆算し、損切りを先に置く
・勝てない相場は型Cで即撤退し、機会を待つ
この4点を守るだけで、初心者でも“事故”が減り、トレードが安定します。派手な一撃より、同じ型を淡々と回す方が長期の利益につながります。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
応用:当日の板と歩み値で“足跡”を読む(難しいことはしない)
板読みは玄人技に見えますが、初心者でも“見る場所”を固定すれば武器になります。ポイントは3つだけです。
①節目価格に不自然な厚みが出るか
株価なら「キリ番(2,000円、2,500円など)」、FXなら「00・50」、暗号資産なら「10,000/20,000など」に厚い指値が溜まりやすいです。この厚みは本当に買いたい/売りたい場合もあれば、見せ板的に“心理を誘導”する場合もあります。個人がやるべきは見抜くことではなく、厚みがある場所の手前で無理に成行をぶつけないことです。約定が滑りにくい場所まで待つ、という発想です。
②歩み値の連続性(約定の“リズム”)
勢いがある局面では、同じ価格帯で約定が連続します。逆に、勢いが失われると、約定が飛び飛びになり、同じ価格での連続約定が減ります。初心者が見てほしいのは、押し目局面でリズムが弱くなることです。これは「追随売りが一巡した」サインになりやすいです。
③VWAP近辺での攻防
VWAPは“当日参加者の平均コスト”です。価格がVWAPを上回って推移する日は、買い方が含み益の時間が長く、押し目買いが入りやすい。逆にVWAPの下で推移する日は、戻り売りが入りやすい。型A/Bどちらでも、VWAPを跨ぐ瞬間の失速/加速は、エントリー精度を上げます。
時間帯の癖:同じ形でも“勝率が変わる”
初心者が見落としがちなのが、時間帯です。例えば日本株なら、寄り付き直後は板が薄くなりやすく、アルゴの影響で急変動が起きます。一方、後場の寄りや大引けは、機関の執行が入りやすい。つまり、同じチャート形状でも勝率が変わります。
日本株の目安:
・09:00〜09:30:初動の罠が多い。型Aは小さく、型Bは押し目待ち。
・10:00〜11:00:方向が出やすい。二波が形成されることが多い。
・12:30〜13:00:後場寄りのギャップに注意。
・14:30〜15:00:大引けに向けた執行で“最後の一押し/一戻し”が出やすい。
この癖を使うなら、エントリーを「10時以降に限定する」「大引け前は利確優先」など、時間フィルターを型に組み込みます。これだけで無駄な負けが減ります。
複数シナリオを用意する:上・下・横の3通り
相場は予想を裏切ります。だから“当てる”のではなく、起きたらこうするを3通り作ります。例を示します。
上シナリオ:ブレイク継続。押し目で型B。利確は段階的。
下シナリオ:ブレイク失敗。VWAP割れで撤退、場合により型Aで短期逆張り(ただし小さく)。
横シナリオ:レンジ化。型C発動。次の機会へ。
これを事前にメモしておくと、含み損のときに思考停止しません。“横シナリオ”を最初から書くのがポイントです。相場は横が一番多いからです。
より具体的な“二波”の形:初心者でも判定できる3パターン
二波は抽象的に聞こえるので、判定の型を3つに絞ります。
パターン1:浅い押し目(強いトレンド)
・押し目が前日レンジの1/3以内で止まる
・押し目の出来高が急減
・VWAPの上を維持
→この場合、押し目が浅いので“乗り遅れ恐怖”が出やすく、再上昇が起きやすい。エントリーは小さく分割し、押し目の安値割れで即撤退。
パターン2:教科書的押し目(最も多い)
・前日上昇幅の38.2%〜61.8%程度まで押す(フィボの意識帯)
・押し目中は陰線が続くが、下ヒゲが増える
・終盤に陽線転換
→この場合は型Bの主戦場。損切りは押し目安値、利確は直近高値更新が止まるまで。
パターン3:深い押し目(需給の悪さが混ざる)
・押し目が深く、前日始値付近まで戻る
・出来高が押し目でも増える
→これは“強制売り”が残っている可能性が高い。初心者は見送った方が期待値が高いです。入るなら、日足で再度ブレイクするまで待つ。
銘柄スクリーニングの現実的手順(10分で終わらせる)
毎回チャートを何十枚も見ると疲弊します。作業化しましょう。
手順:
1) 前日比騰落率ランキングで上位/下位を確認(出来高もセット)
2) 出来高が急増している銘柄だけを抽出(普段の2倍以上)
3) その中で、日足が「レンジ抜け」か「重要線突破」のものだけ残す
4) 5分足で“二波が来そうか”だけを見る(押し目出来高が落ちるか)
5) 2〜3銘柄に絞って、上・下・横のシナリオを書いて待つ
やることは少ないですが、絞り込みが強いので無駄打ちが減ります。
メンタルの現実:勝率より“連敗耐性”を設計する
初心者は勝率を上げようとして、損切りを遅らせます。結果として破綻します。大事なのは、連敗しても致命傷にならない設計です。
具体的には、1回の許容損失を0.5%〜1%に固定し、同じ日に2連敗したら終了、と決める。これで“取り返そうとして傷を広げる”事故が消えます。期待値がプラスの型でも、連敗は必ず起きます。だから、連敗が起きる前提でルールを作るのがプロの考え方です。
チェックリスト(エントリー直前に5秒で確認)
最後に、実戦で使うチェックリストを置きます。これだけでミスが減ります。
・出来高は平均の何倍か?(最低2倍)
・VWAPの上か下か?(トレンド方向と一致)
・押し目/戻りで出来高は減っているか?(増えていたら警戒)
・損切りはどこか?株数は逆算したか?
・上・下・横のシナリオは書いたか?(横が多い)


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