金利スワップが示す「市場の利下げ・利上げ予想」:金利カーブを先読みして資産配分に活かす方法

債券・金利

「次の利上げ(利下げ)はいつか」「どこまで金利が動くのか」。この問いに対して、ニュースや要人発言だけを追いかけると、どうしても後追いになります。市場参加者の“集合知”が最も速く、かつ数値として表れる場所が金利スワップです。金利スワップ(特にOIS)は、将来の短期金利(政策金利に近い金利)を市場がどう見積もっているかを連続したカーブとして可視化します。

本記事では、金利スワップを「当て物の予想」ではなく、ポジション設計と資産配分のリスク管理に落とし込むための実践的な読み方を扱います。数式は最小限にしつつ、実務で使う見方(カーブの形状、シフト、スプレッド)を具体例で説明します。

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  1. 金利スワップとは何か:まず“何を交換しているのか”を理解する
    1. OIS(Overnight Index Swap)
    2. IRS(一般的な固定-変動スワップ)
  2. なぜスワップを見ると「将来の金利」が読めるのか
  3. 初心者がまず見るべき3本のカーブ:短期・中期・長期
    1. ① 1年(1Y)付近:政策金利の“直近パス”
    2. ② 2〜5年:金融政策の“到達点”と景気観
    3. ③ 10年(長期):インフレ・財政・需給の世界
  4. カーブ変化を「4つの型」で覚える:シフト・スティープ化・フラット化・バタフライ
    1. 1) 平行シフト(Parallel shift)
    2. 2) スティープ化(Steepening)
    3. 3) フラット化(Flattening)
    4. 4) バタフライ(Butterfly)
  5. “市場が織り込む将来金利”を読み解くコツ:単年金利ではなく「差分」を追う
    1. コツ①:1週間・1か月の変化幅で見る
    2. コツ②:2Y-10Y、1Y-5Yなど“傾き”を定点観測する
    3. コツ③:政策会合の前後で“短期だけが動く”かを見る
  6. 具体例で理解する:3つの典型シナリオ
    1. シナリオA:インフレ指標が強く、1Y〜5Yが急上昇(フロントエンド主導)
    2. シナリオB:景気後退懸念で5Y〜10Yが低下(長期主導のフラット化)
    3. シナリオC:利下げ期待が後退して10Yが上昇(再インフレ型スティープ化)
  7. 為替(特にドル円)と金利スワップ:金利差の“期待値”を読み替える
  8. 株式投資家が金利スワップを使う“3つの具体的メリット”
    1. メリット①:イベント前後のリスク量を調整できる
    2. メリット②:セクターローテーションの方向が読みやすい
    3. メリット③:ヘッジの判断が定量化できる
  9. データの取り方:初心者でもできる“観測ルーチン”
    1. ステップ1:見る指標を固定する
    2. ステップ2:変化幅を記録する(レベルではなくΔ)
    3. ステップ3:イベントカレンダーと重ねる
  10. スワップの“落とし穴”:初心者が誤解しやすいポイント
    1. 落とし穴①:スワップ=政策金利ではない(プレミアムが混じる)
    2. 落とし穴②:相関は永遠ではない(局面転換で壊れる)
    3. 落とし穴③:短期だけ見て長期を無視すると、急変時に破綻する
  11. スワップ情報を“投資行動”に変換する:初心者向けチェックリスト
    1. チェック1:金利変化が「短期主導」か「長期主導」かを分ける
    2. チェック2:カーブの“型”を当てはめる
    3. チェック3:自分の保有資産が“どの金利”に弱いかを棚卸しする
    4. チェック4:ヘッジは“コスト”として設計する
  12. まとめ:金利スワップは“相場の台本”を先に読めるツール
  13. もう一段深く:OISから「何回利上げ(利下げ)を織り込むか」をざっくり推定する
    1. 概算の考え方:1年OISの変化を「25bp何回分か」に換算する
    2. 会合日が近い国ほど短期OISは敏感に動く
  14. 日本円金利の見どころ:短期は政策、長期は“需給と制度”の影響が濃い
    1. 視点①:短期(翌日物〜1年)は政策スタンスの“温度感”
    2. 視点②:10年付近は国債需給と投資家行動が効く
    3. 視点③:米金利のショックが“輸入”される経路を意識する
  15. 今日から作れる簡易ダッシュボード:3画面で十分
    1. 画面1:米国1Y/2Y/10Y(スワップまたは国債)と2Y-10Y
    2. 画面2:日本10年と短期指標(翌日物〜1年)
    3. 画面3:自分のポートフォリオの金利感応度メモ

金利スワップとは何か:まず“何を交換しているのか”を理解する

金利スワップは、ざっくり言えば固定金利と変動金利を交換する契約です。代表的には以下の2系統があります。

OIS(Overnight Index Swap)

OISは、変動側が翌日物金利の複利(平均)に連動します。米国ならSOFR、日本円ならTONA(無担保コール翌日物)、ユーロなら€STRといったリスクフリーに近い指標です。OISは信用リスクの混入が相対的に小さいため、政策金利の将来パスの観測に適しています。

IRS(一般的な固定-変動スワップ)

IRSは、変動側がターム物(例:3M/6M)参照金利に連動することが多く、銀行信用や流動性の要素が混じりやすいという特徴があります。近年は参照金利改革で、米国はLIBORからSOFRへ移行しましたが、“OIS=政策金利に近い”という軸は覚えておくと整理が楽です。

なぜスワップを見ると「将来の金利」が読めるのか

スワップ金利は、契約期間にわたる将来の変動金利(翌日物金利など)の期待値と、そこに乗る各種プレミアム(不確実性、需給、ヘッジ需要)を反映して決まります。重要なのは、スワップは“市場参加者が本気でヘッジ/投機をする価格”であり、アンケートや解説記事とは違って、ポジションの損益が直結する点です。

例えば「1年OIS」が上昇している局面は、市場が「今後1年の平均短期金利は以前より高くなる(利上げが前倒し、あるいは利下げが後ずれ)」と織り込んでいる可能性が高い、という読みが成り立ちます。

初心者がまず見るべき3本のカーブ:短期・中期・長期

金利スワップは満期(1M、3M、1Y、2Y、5Y、10Y…)が並びます。最初から全部を見ると混乱するので、以下の3つを固定で観測してください。

① 1年(1Y)付近:政策金利の“直近パス”

1Yは「次の数回の会合」を含むため、利上げ/利下げのタイミングの前倒し・後ずれが最も出やすい領域です。短期金利の思惑が外れると、ここが一気に動きます。

② 2〜5年:金融政策の“到達点”と景気観

2〜5年は「どこまで上げる/下げるか(ターミナルレートや底の水準)」を反映しやすい領域です。景気後退の織り込みが強いと、2〜5年が先に低下し、短期よりも深く下がることがあります。

③ 10年(長期):インフレ・財政・需給の世界

10年は、短期政策だけでなく、インフレ期待、国債需給、財政赤字、海外投資家のヘッジ需要など“構造要因”が混じります。短期の発言で動くこともありますが、基本は中長期テーマの鏡です。

カーブ変化を「4つの型」で覚える:シフト・スティープ化・フラット化・バタフライ

カーブは毎日形が変わりますが、変化をパターン認識すると判断が速くなります。

1) 平行シフト(Parallel shift)

短期〜長期がほぼ同じだけ上がる/下がる。インフレ指標の大きなサプライズなど、金利水準そのものの見直しが起きた時に出やすいです。資産配分では、債券全般が同方向に振れやすく、デュレーション管理が焦点になります。

2) スティープ化(Steepening)

長期が相対的に上がる、あるいは短期が相対的に下がって、傾きが急になる。典型例は、景気回復期待や財政拡張で長期金利が上がる局面、または利下げが先行して短期が下がる局面です。株式は「成長期待で上がるスティープ化」なら追い風ですが、「財政・インフレで長期が跳ねるスティープ化」だとバリュエーション圧迫が出ます。

3) フラット化(Flattening)

短期が上がる、または長期が下がって傾きが緩む。利上げ局面の進行、あるいは景気後退懸念で長期が買われる時に起きます。逆イールドが深まる局面はこの延長線です。株は「金融引き締め・景気減速」の匂いが強く、ディフェンシブやキャッシュ比率の議論が増えます。

4) バタフライ(Butterfly)

中期(2〜5年)が相対的に大きく動き、短期・長期はそれほど動かない。市場が「利上げはするが長期的には景気を冷やす」といった政策の“効き方”を再評価するときに出やすいです。初心者が見落としがちですが、実は最も情報量が多い型です。

“市場が織り込む将来金利”を読み解くコツ:単年金利ではなく「差分」を追う

ニュースで「金利は○%」だけ見ると、どれだけ織り込みが変化したかが分かりません。スワップは差分で見るのが基本です。

コツ①:1週間・1か月の変化幅で見る

例えば1Y OISが「先週比で+0.20%」なら、短期政策の見方が大きく変わった可能性があります。ここで重要なのは、方向よりも変化の速さです。速い変化はポジションの巻き戻し(ショートカバー/ロング解消)を誘発しやすく、他資産(株、為替)にも連鎖します。

コツ②:2Y-10Y、1Y-5Yなど“傾き”を定点観測する

傾きは景気観の変化を表現します。たとえば2Y-10Yが急速に縮小したなら、短期の引き締め(または長期の景気懸念)が強まった、という整理ができます。初心者は「どの年限を見るか」で迷いますが、まずは2Y-10Yを固定で追えば十分です。

コツ③:政策会合の前後で“短期だけが動く”かを見る

会合前に1Yだけが上がり、10Yは動かないなら「利上げは織り込むが、長期のインフレ/成長は見直していない」。逆に10Yまで連れて動くなら「長期の世界観が変わった」可能性があります。ここが資産配分の分岐点です。

具体例で理解する:3つの典型シナリオ

シナリオA:インフレ指標が強く、1Y〜5Yが急上昇(フロントエンド主導)

例として、CPIが市場予想を上回り、「次回会合で利上げの確率が急上昇」した状況を想像してください。このとき、1Y〜2Yが最も強く反応し、5Yも連れ高になりやすい。10Yは上がる場合もありますが、上昇が鈍いならカーブはフラット化しやすいです。

この局面での実務的な見方は、「株が下がった/為替が動いた」より先に、1Y・2Yの跳ね方が“無理筋”かどうかを確認することです。短期が跳ねすぎると、数日後に“織り込み過ぎの調整”が入り、逆方向に巻き戻ることがあります。初心者がやりがちなのは、ニュースを見て遅れて追いかけ、短期金利のピーク近辺でポジションを取ってしまうことです。

シナリオB:景気後退懸念で5Y〜10Yが低下(長期主導のフラット化)

例えば、雇用や景況感が急に悪化し、企業収益見通しが下方修正される局面。市場は「近い将来利下げが必要になる」と考えやすく、2〜5年が低下し、10年も買われます。短期(直近会合)は高止まりしても、将来の平均金利が下がる織り込みが強まるため、カーブはフラット化します。

資産配分の観点では、ここで重要なのは「債券が上がる」ではなく、株・クレジットのリスクが“後から”顕在化しやすい点です。金利が下がる=安心、ではありません。むしろ「景気悪化が金利低下を呼んでいる」なら、株の下落の本丸はこれから、ということもあります。スワップは“先に警告を鳴らす”ことが多いので、株だけ見ていると取り逃がします。

シナリオC:利下げ期待が後退して10Yが上昇(再インフレ型スティープ化)

例えば、インフレが再加速し、財政拡張や供給制約が意識される局面。市場は「利下げは簡単ではない」「長期の物価上昇率が高止まりする」と見て、10年スワップが上がりやすい。短期はそれほど上がらず、カーブはスティープ化します。

このタイプは、株式の中でも金利感応度が高いグロースに厳しく、逆に資源・バリュー・インフレヘッジが相対的に強くなりがちです。ただし、ここでも「どの程度のスティープ化か」を数値で追うのが重要です。感覚で語ると事故ります。

為替(特にドル円)と金利スワップ:金利差の“期待値”を読み替える

ドル円は金利差に敏感ですが、現物の政策金利差だけでなく、将来の金利差の期待値が効きます。ここでスワップが役に立ちます。

実践的には、米国の1Y OISと日本円の1Y OIS(あるいは短期スワップ)を見て、「1年先までの平均短期金利差」が拡大/縮小しているかを追います。金利差が縮小方向に動き始めると、為替は“材料が揃う前”にピークアウトすることがあります。逆に、金利差拡大が再加速しているのにドル円が伸びないなら、ポジションが偏っている(あるいはリスクオフで円買いが強い)可能性が出ます。

株式投資家が金利スワップを使う“3つの具体的メリット”

メリット①:イベント前後のリスク量を調整できる

決算よりも、CPIや雇用統計、政策会合が相場の“地盤”を動かします。スワップが短期で急変しているなら、イベントのボラティリティが上がっている合図です。株だけ見て「静かだから大丈夫」と判断すると、翌日ギャップでやられます。

メリット②:セクターローテーションの方向が読みやすい

金利上昇(特に長期)が進む局面では、割引率の影響でグロースが弱くなりやすい。逆に景気後退型の金利低下では、ディフェンシブや高配当が相対的に強くなりやすい。スワップカーブはその“どちらの金利低下か(リスクオンか、リスクオフか)”を見分ける材料になります。

メリット③:ヘッジの判断が定量化できる

「不安だからヘッジしたい」は曖昧ですが、「2Y-10Yが過去○か月の下限に接近し、1Yが急騰している」は定量的です。ヘッジはタイミングが命で、曖昧な感情で入るとコストだけ払って終わります。

データの取り方:初心者でもできる“観測ルーチン”

スワップデータはプロ向け端末が有利ですが、初心者でも代替は可能です。重要なのは「毎日同じ指標を同じ方法で見る」ことです。

ステップ1:見る指標を固定する

まずは以下に絞ってください。

  • 米国:1Y・2Y・5Y・10YのSOFR OIS(または近い指標)
  • 日本:1Y・5Y・10Yの短期〜中期のスワップ/国債金利(入手しやすいもので代替)
  • 傾き:米国2Y-10Y(毎日)

“全部”は不要です。定点観測が目的です。

ステップ2:変化幅を記録する(レベルではなくΔ)

スプレッドや傾きは、レベルより変化幅が効きます。スプレッドが「今日-昨日」でどう動いたか、週次でどう動いたかを記録します。Excelでもメモでも構いませんが、観測の継続が勝ち筋です。

ステップ3:イベントカレンダーと重ねる

政策会合、CPI、雇用統計、重要な国債入札などの前後で、どの年限が動いたかを確認します。これを繰り返すと、「このイベントはフロントエンドを動かしやすい」「これは長期に効く」と体感で分かります。

スワップの“落とし穴”:初心者が誤解しやすいポイント

落とし穴①:スワップ=政策金利ではない(プレミアムが混じる)

スワップは期待値だけでなく、需給や不確実性のプレミアムが乗ります。特に長期は“タームプレミアム”に近い要素が乗りやすく、政策金利の見通しだけで説明できない動きが出ます。よって「スワップが上がった=政策金利が上がる」は短絡です。正しくは「市場が要求する固定金利が上がった」です。

落とし穴②:相関は永遠ではない(局面転換で壊れる)

金利と株、金利と為替の関係は、局面で変わります。例えば“インフレ恐怖”の局面では金利上昇が株にマイナスになりやすい一方、景気回復局面では金利上昇と株高が同時に起きることもあります。だからこそ、スワップを「答え」ではなく「状況認識の入力」として使うのが合理的です。

落とし穴③:短期だけ見て長期を無視すると、急変時に破綻する

短期は分かりやすいですが、長期が静かに動くときほど危険です。長期がジリジリ上がる局面は、気づいた時にはバリュエーションや資金調達コストに効いてきます。最低限10年は定点観測してください。

スワップ情報を“投資行動”に変換する:初心者向けチェックリスト

最後に、スワップを見た後にやるべき判断を、チェックリストとして文章で整理します。ここが“儲けるヒント”に直結します。

チェック1:金利変化が「短期主導」か「長期主導」かを分ける

短期主導なら、直近イベント(統計/会合/発言)の織り込みの揺れです。数日〜数週間の短期戦になりやすく、ポジションは軽く、損切りルールを明確に。長期主導なら、世界観(インフレ/財政/成長率)の見直しです。セクター配分や通貨配分を考えるフェーズになります。

チェック2:カーブの“型”を当てはめる

平行シフトか、スティープ化か、フラット化か、バタフライか。型が決まると、株式のどの因子(バリュー/グロース、景気敏感/ディフェンシブ)が動きやすいかを推測できます。推測の精度は100%でなくてよいですが、意思決定の軸ができます。

チェック3:自分の保有資産が“どの金利”に弱いかを棚卸しする

例えば、長期金利に弱いのは高PERグロース、REIT、長期債。短期金利に弱いのは、借入金利が変動で効く企業、金融の一部、レバレッジ戦略など。自分のポートフォリオを「短期金利ショック」「長期金利ショック」に分解して、どちらに脆いかを把握すると、ヘッジの方向が明確になります。

チェック4:ヘッジは“コスト”として設計する

ヘッジは当てるものではなく、保険料です。スワップの急変は保険料(オプションIVなど)も上げます。だからこそ、イベント前にスワップが騒がしいなら、ヘッジを厚くするのではなく、ポジションサイズ自体を落とすという選択肢が現実的です。初心者ほど、ヘッジ商品を複雑にするより、サイズ調整が効きます。

まとめ:金利スワップは“相場の台本”を先に読めるツール

金利スワップは、将来の短期金利の織り込みを数値で示します。大切なのは、スワップを「予想」ではなく「状況認識とリスク量の調整」に使うことです。1Y・2Y・10Yと2Y-10Yを定点観測し、カーブ変化を4つの型で捉え、イベントと重ねる。これだけで、ニュースの後追いから一段抜け出せます。

明日からは、相場の値動きに反応するのではなく、スワップが示す“市場の台本”を先に見て、ポジションの置き方を変えてください。結果として、無駄なエントリーが減り、勝率ではなく期待値が改善します。

もう一段深く:OISから「何回利上げ(利下げ)を織り込むか」をざっくり推定する

初心者でもできる“ざっくり推定”を紹介します。厳密な計算は専門ツールが必要ですが、投資判断の材料としては概算で十分な場面が多いです。

概算の考え方:1年OISの変化を「25bp何回分か」に換算する

中央銀行の政策変更は25bp(0.25%)刻みが多い、という前提を置きます(常にそうとは限りませんが、目安にはなります)。たとえば米国の1Y OISが、数日で+0.50%上がったとします。このとき市場は「今後1年の平均短期金利」を0.50%押し上げるほどの見直しをした、と解釈できます。25bp刻みなら、単純換算で“2回分”の上方修正です。

もちろん現実には、利上げの“時期”が前倒しになるだけで平均が上がることもありますし、利下げの開始が後ろ倒しになって平均が上がることもあります。ですが、変化を回数感に落とすと、ニュースの言葉よりも体感が掴みやすくなります。

会合日が近い国ほど短期OISは敏感に動く

会合が近いと、1M〜3M、あるいは1Yのフロント部分が動きやすい。逆に会合が遠いと、同じ材料でも2Y〜5Yが先に動くことがあります。従って「どの年限が動いたか」をセットで見ないと、読み違えます。

日本円金利の見どころ:短期は政策、長期は“需給と制度”の影響が濃い

日本は、海外(特に米国)よりも、長期金利に需給・制度要因が色濃く出ることがあります。初心者が押さえるべき視点は次の3つです。

視点①:短期(翌日物〜1年)は政策スタンスの“温度感”

TONA連動の短期指標や短期スワップは、政策変更の思惑が出たときに動きます。ここが動くのに株が反応しないなら、まだ市場全体に織り込まれていない可能性があります。逆に、短期が動かないのに株だけが騒がしいなら、単なるテーマ物色やノイズの可能性が出ます。

視点②:10年付近は国債需給と投資家行動が効く

日本の10年は、保険・年金・銀行の需要や、海外勢のヘッジ需要で動くことがあります。特に海外投資家は為替ヘッジコストも絡むため、金利だけで説明できない動きが起きます。だからこそ、日本円の長期は「政策が全て」と決めつけず、需給の変化(入札、需給イベント、ポジション偏り)を併せて観測すると精度が上がります。

視点③:米金利のショックが“輸入”される経路を意識する

米国のスワップ/国債金利が急変すると、世界の割引率が変わります。日本は国内要因が静かでも、海外要因で長期金利が動き、株のグロース/バリューの力学が変わることがあります。国内ニュースだけ追うと見落とします。

今日から作れる簡易ダッシュボード:3画面で十分

情報過多になるのが最大の敵です。初心者は「これだけ見れば判断できる」型を作るべきです。おすすめは3画面です。

画面1:米国1Y/2Y/10Y(スワップまたは国債)と2Y-10Y

米国金利は世界のベンチマークです。ここが静かなとき、他市場の大きなトレンドは出にくい。逆にここが動くときは、株も為替も“巻き込まれる”可能性が上がります。

画面2:日本10年と短期指標(翌日物〜1年)

日本株中心の投資でも、金利の地盤が変わるとセクター評価が変わります。特に銀行、REIT、内需ディフェンシブは金利の影響が大きいので、ここは外せません。

画面3:自分のポートフォリオの金利感応度メモ

銘柄ごとに「長期金利に弱い/強い」「短期金利に弱い/強い」をメモし、金利変化が出たらまずこのメモを見て、売買ではなく優先的に点検する銘柄を決めます。これだけで、感情の売買が減ります。

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