前日終値ギャップ率で読む「窓埋め」初動判断の型:板・ニュース・値幅で勝率を上げる手順

取引手法

寄り付きで大きく「窓」が開くと、多くの初心者は反射的に「そのうち窓を埋めるだろう」と考えがちです。しかし窓埋めは“よく起きる現象”であって、“必ず起きる法則”ではありません。窓を埋めに行く日と、そのままトレンドが継続する日を分けるのは、運ではなく初動の読み方です。

この記事では「前日終値からのギャップ率」を起点に、寄り付き直後の判断を体系化します。指標はギャップ率だけでは不十分なので、ニュースの質、板と歩み値、最初の値幅(初動のボラ)を組み合わせて、エントリー可否を決める“型”に落とし込みます。対象は株・先物を中心に説明しますが、FXや暗号資産でも考え方は応用できます。

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窓(ギャップ)が生まれるメカニズムを先に理解する

窓は「市場が閉まっている間に、参加者の公正価格が大きく動いた」結果です。材料(決算・規制・要人発言・地政学・金利・指数先物)が出て、翌日の寄り付きで一気に価格が調整されます。つまり窓は“需給の歪み”と“情報の非対称”が一旦解消されるタイミングでもあります。

ここが重要です。窓埋めが起きやすいのは、寄り付きの価格が過剰で、最初の成行需要が一巡したあとに「妥当価格へ戻る力」が働くときです。逆に、窓がそのまま継続するのは、材料が強く、参加者が“戻り売り・押し目買い”を待つ暇もなくトレンドを伸ばすときです。

ギャップ率の定義:同じ「窓」でも強弱がある

ギャップ率は次のように扱うのが実務的です(細かい定義は証券会社やチャートで差がありますが、初動判断の目的なら十分です)。

ギャップ率(%)=(当日寄り付き価格 − 前日終値)÷ 前日終値 × 100

この数字が大きいほど「需給ショック」の度合いが強い。だからこそ、窓埋め狙いは“ギャップ率が大きいほど儲かる”ではなく、ギャップ率が大きいほど失敗するときの損失も大きい、が正解です。

窓埋めトレードで使う「3つの閾値」:初心者の迷いを消す

ギャップ率に“絶対の正解”はありません。ただ、初心者が最初に型を作るなら、次の3段階が扱いやすいです。市場や銘柄のボラティリティで微調整してください。

① 小ギャップ:±0.3%〜±0.8%
ニュースが弱いなら、寄り付き後に前日終値へ近づきやすい領域。ただし手数料・スプレッド負けしやすいので「最初の5分の値幅が狭い銘柄」に限定します。

② 中ギャップ:±0.8%〜±2.0%
窓埋め・継続どちらも起きる。初動判断が最も重要。この記事の主戦場です。

③ 大ギャップ:±2.0%以上
材料が強い可能性が高く、寄り付き直後の逆張りは危険。窓埋めは「一度さらに伸びてから、急速に巻き戻る」パターンが多い。初心者は基本的に“触らない”が期待値が高いです。

初動判断の結論:ギャップ率だけで入らない

窓埋めの可否は、ギャップ率に次の3要素を足して判定します。

(A)材料の質(ニュース強度):企業の“将来キャッシュフロー”が変わるニュースか、単なる思惑か。
(B)初動の需給(板・歩み値):寄り付き直後に“買い(売り)が買い(売り)を呼ぶ状態”かどうか。
(C)最初の値幅(初動ボラ):寄り付きから最初の3〜5分で、窓方向にさらに伸びるか、否定されるか。

この3つを短時間で見るために、初心者向けに“チェック順”を固定します。

チェック順①:ニュースを「3分類」して迷いを消す

寄り付き前に材料を読むとき、難しい分析は不要です。窓埋め向きかどうかを決めるだけなら、ニュースを次の3分類に分けるだけで十分です。

1)構造変化ニュース(窓継続寄り)
決算でガイダンスが大幅に上方修正、規制変更、M&A、業界再編、資金調達条件が極端、中央銀行の政策転換など。「翌日以降も評価が続く」タイプは窓が埋まりにくい。

2)一過性ニュース(窓埋め寄り)
短期イベント、単発の受注、噂、軽微な修正、需給要因(指数リバランス等)で説明が付くもの。市場が落ち着けば前日終値へ引き寄せられやすい。

3)解釈割れニュース(初動を見て決める)
数字は良いが織り込み済み、悪いが最悪は回避、など参加者の解釈が割れるもの。初動の板・歩み値で勝負が決まります。

チェック順②:板と歩み値で「大口の継続意志」を測る

板読みは難しいと思われがちですが、窓埋めの初動判断では見るポイントが少ないので初心者でも実装できます。ポイントは“厚さ”ではなく、厚さが残り続けるかです。

見るべきは次の2点だけ

(1)窓方向の成行が、寄り付き後も連続しているか
買いギャップなら成行買いが連続し、上の価格帯の売り板を次々に食う。これが続く限り、逆張りの窓埋めは危険です。

(2)節目価格で“吸収”が起きているか
例えば前日高値、ラウンドナンバー、VWAP近辺で、買い(売り)が吸収されて失速するか。吸収→失速が出たとき初めて窓埋めの期待値が上がります。

チェック順③:最初の5分足で「窓埋め型」か「継続型」かを判定する

初心者が最も再現しやすいのは、寄り付きから最初の5分で判定するルールです。次の2つの型に分けます。

継続型(触らない/順張りに切り替え)
・寄り付き後、窓方向にさらに伸びる
・出来高が増え、戻りが浅い
・5分足で陽線(買いギャップ)/陰線(売りギャップ)が大きい

窓埋め型(逆張り候補)
・寄り付き後の高値(安値)を更新できない
・節目で失速し、ヒゲが出る
・2〜5分の間に“窓方向の勢い”が明確に弱まる

ここで大事なのは、窓埋め型でも「すぐに前日終値まで戻る」わけではない点です。まずは“寄り付きの過剰”が否定されるかを見ます。否定が出たら、次に前日終値がターゲットになります。

具体例①:日本株の決算ギャップでやりがちな失敗と修正

例として、前日終値3000円の銘柄が、決算後に3100円で寄り付いたとします。ギャップ率は約+3.3%で“大ギャップ”です。初心者が「さすがに上げすぎ」と空売りを入れて焼かれる典型です。

この局面でまずやるべきは“触らない”判定です。決算の内容がガイダンス上方修正や利益率改善など、構造変化なら継続型になりやすい。寄り付き後の成行買いが継続し、前日高値やラウンドナンバー(3100、3200など)を飲み込むなら、窓埋めを待つべきではありません。

逆に、数字は良いが織り込み済みで、寄り付きで買いが一巡し、3100の節目で吸収→失速が出て、5分足で上ヒゲが長くなった場合は“窓埋め型”に近づきます。ただしこの場合も、いきなり前日終値を狙うより、まずは寄り付きのVWAP近辺までの戻りを第一目標にする方が安定します。

具体例②:指数主導のギャップは窓埋めが起きやすい

個別材料ではなく、先物主導で市場全体がギャップアップ/ギャップダウンする日は窓埋めが起きやすい傾向があります。理由は、指数のギャップは「夜間の先物で先に価格発見が進んでいる」ため、現物寄り付きでは過剰な成行が出やすく、その後に裁定・ヘッジ・利確で戻りが入りやすいからです。

この場合のポイントは、個別銘柄よりも、指数(先物)自体の最初の5分の形を優先して見ることです。指数が寄り付きからさらに走るなら、個別の窓埋め逆張りは連れ高・連れ安で負けやすい。逆に指数が寄り天(寄り底)になりやすい形なら、窓埋め候補銘柄を探す価値があります。

FXや暗号資産に応用するときの注意点

FXや暗号資産は24時間に近い取引時間なので「株ほど明確な窓」が毎日出るわけではありません。代わりに“流動性が落ちる時間帯”や“週末明け”で窓が出ます。応用のコツは、前日終値の代わりに東京クローズやNYクローズ、週末クローズなど、自分が基準にする時点を固定することです。

例えばドル円なら、週末クローズから月曜オープンのギャップ、ロンドン勢参入前後の急変などが対象になります。暗号資産なら、流動性が薄い時間帯の急騰急落、取引所の障害復旧直後などが“疑似ギャップ”になります。考え方は同じで、ギャップ率と初動の勢い否定をセットで見ます。

エントリーの型:初心者でも再現できる「2段階エントリー」

窓埋めは逆張りなので、最初から全力で入ると簡単に死にます。そこで初心者向けに、負けにくい型として「2段階エントリー」を推奨します。

第1段階:勢い否定の確認(試し玉)
・寄り付き直後の高値(安値)が更新できない
・節目で吸収→失速が出る
・1分足〜5分足で反転のローソク足が出る
この条件が揃ったら、まずは小さく入って“間違っていたらすぐ逃げる”前提で建てます。

第2段階:戻り(押し)で追加(本玉)
反転が本物なら、次に戻り(押し)が浅くなります。そこで追加します。ここで重要なのは、追加した瞬間に逆行したら即撤退できる位置にストップ(損切り)を置くことです。

損切りの置き方:窓埋めで最も重要なのは「損失の固定」

窓埋めは勝率が高く見える戦略ですが、負けるときに大きく負けやすいのが罠です。初心者がやるべきは、勝率よりも最大損失を先に決めることです。

実務的には、損切りは「寄り付き直後の高値(安値)の更新」で機械的に切るのがシンプルです。例えばギャップアップで空売りするなら、寄り付き後につけた高値を明確に更新したら撤退。理由は単純で、その時点で“継続型”に転んでいるからです。

また、ギャップ率が大きいほど値幅が広がるため、損切りを広げて耐えるのは逆効果です。耐えるほど“次の成行”が来て踏まれます。窓埋めは、当たったら早く含み益が出る局面だけを取りに行く戦略だと割り切ってください。

利確の考え方:前日終値は“最終ターゲット”、途中で分割する

窓埋めのゴールは前日終値に見えますが、実際は途中で失速することも多いです。そこで利確は分割が安定します。

利確①:VWAPや最初の押し戻りの到達
まずは寄り付きの過剰が解消される地点で一部利確。これで精神的に耐えやすくなります。

利確②:前日高値・安値の節目
窓が開いた方向と逆側の節目は、再度の攻防が起きやすい。ここでさらに一部利確。

利確③:前日終値(窓埋め完了)
最後に到達したら全て利確。ただし、到達直前で勢いが鈍れば“到達しない前提”で手仕舞う判断も必要です。

やってはいけない窓埋め:初心者が破産するパターン

次の条件がある日は、窓埋めの逆張りは見送りが賢明です。

・ギャップ率が大きい(±2%以上)うえに、材料が構造変化ニュース
・寄り付き後も成行が連続し、戻りが浅い(継続型)
・指数(先物)が同じ方向に強く走っている(市場全体の追い風/向かい風)
・スプレッドが広く、約定が飛ぶ(低流動性)

窓埋めは“負けない日を選ぶ”だけで成績が大きく改善します。勝ち方より、避け方が先です。

毎朝のルーチン:3分で終わる準備手順

初心者が継続して上達するには、毎回同じ手順で判断できる仕組みが必要です。次のルーチンを固定すると、迷いが減ります。

(1)寄り付き前:ギャップ率を計算し、±0.8%〜±2.0%の銘柄だけ候補にする
小さすぎる窓は手数料負けしやすく、大きすぎる窓は危険。まずは中ギャップだけに絞ります。

(2)ニュースを3分類し、構造変化なら候補から外す
難しい読解は不要。将来キャッシュフローが変わるかどうかだけ。

(3)寄り付き後:最初の5分で継続型/窓埋め型を判定
高値(安値)更新が続くなら見送り。節目で失速し、ヒゲが出れば候補。

(4)2段階エントリーと固定損切りで、1回のミスを軽くする
試し玉→追加、損切りは高値(安値)更新。これで致命傷を避けられます。

まとめ:窓埋めは「ギャップ率」ではなく「初動の否定」で勝つ

窓埋めトレードの本質は、前日終値へ戻る力を信じることではありません。寄り付きの過剰が、板・歩み値・最初の5分で否定された瞬間だけを取りに行くことです。ギャップ率は入口のフィルターに過ぎず、勝敗は初動の需給で決まります。

最後に、どれだけ型を整えても相場は不確実です。必ず小さなサイズで検証し、ルールを守れる形に落とし込んでください。継続すれば、寄り付きの混乱が“狙える局面”に見えるようになります。

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

p-nuts

お金稼ぎの現場で役立つ「投資の地図」を描くブログを運営しているサラリーマン兼業個人投資家の”p-nuts”と申します。株式・FX・暗号資産からデリバティブやオルタナティブ投資まで、複雑な理論をわかりやすく噛み砕き、再現性のある戦略と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ実践できること、そして迷った投資家が次の一歩を踏み出せることを大切にしています。

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