オーバーとアンダーの逆転で読む反転シグナル:板と歩み値で転換点を特定する方法

テクニカル分析
スポンサーリンク
【DMM FX】入金

この記事で扱う「オーバー/アンダー」とは何か

短期売買でよく聞く「オーバー」「アンダー」は、板(気配値)に出ている注文の偏りを雑に言い表した言葉です。現在値の上側に厚い売り注文が並んでいる状態をオーバー、下側に厚い買い注文が並んでいる状態をアンダーと呼びます。厳密な定義が市場で統一されているわけではありませんが、実戦では「どちら側に“壁”があるか」を把握するための用語として使うと理解が早いです。

ポイントは、板は“心理”ではなく“注文”の集合だという点です。注文が多い側は価格を押し返しやすく、少ない側は抜けやすい。ただし板はキャンセルも多く、見せ板もあります。したがって、板だけで結論を出すのではなく、歩み値(約定の連なり)とセットで「実際に食われているか」「誰が主導しているか」を確認するのが勝ち筋です。

なぜ「逆転」が反転の予兆になりやすいのか

上がり続けた相場が天井を付けるとき、典型的には「買いの勢いが鈍る→売りが増える→上がらないのに買いが残る→失望売りが出る」という順番になります。板に置き換えると、上側の売りが厚くなり(オーバー化)、下側の買いが薄くなる(アンダーが弱る)方向です。

ここで重要なのが「逆転」です。たとえば上昇中に、突然アンダー(下の買い壁)が分厚くなり、オーバー(上の売り壁)が薄くなる。これは“次の上昇余地”を示すこともありますが、天井圏では逆に「買い壁が支えるから安心」という錯覚を呼び、上で売り抜ける側に有利な環境を作ることがあります。逆に下落中にオーバーが薄くなりアンダーが厚くなるのは、投げが止まり、下で拾う主体が増えた合図になりやすい。

要するに、逆転とは「需給の重心が移動した」サインです。重心が移動した直後は、少ない出来高でも価格が動きやすく、短期トレーダーの“狩り場”になります。

板の読み方:初心者が最初に見るべき3点

初心者が板で迷う原因は、見える情報が多すぎることです。最初は次の3点だけに絞ってください。

① 近い価格帯の厚み:現在値から上下2〜5ティック程度の注文量(株なら値幅、FXならpips)を比較します。遠い板は意味が薄いです。

② 厚みの“連続性”:1枚だけ厚い壁は撤退しやすい。複数価格帯にわたり厚いなら、本気度が上がります。

③ 壁が動くか(置き直し):価格が近づくと壁が上に逃げる(売り)/下に逃げる(買い)なら、見せの可能性が上がります。逆に、食われても同価格帯に置き直されるなら、意志が強い注文です。

歩み値とセットで「本物の逆転」を見抜く

板の逆転には2種類あります。見せの逆転と、約定を伴う逆転です。勝率を上げるには後者だけを狙います。

歩み値で見るべきは「同じ価格帯での連続約定」と「成行の偏り」です。具体的には、上昇中に上の売り壁が食われていくなら買いの成行が強い。一方、板ではアンダーが厚いのに、下方向へ成行売りが連発してアンダーがどんどん削られるなら、その買い壁は“支えきれない”か“見せ”です。

結論として、逆転をエントリーの根拠にするなら「壁が厚い」ではなく「壁が食われた後に残る/置き直される」まで確認します。ここができるだけで、初心者の無駄打ちは激減します。

具体例①:上昇トレンド終盤の「オーバー優勢化」からの反転売り

想定シナリオ:材料で急騰した中小型株。寄り付き後に出来高が一巡し、上値が重くなり始めた局面です。

手順は次の通りです。

1) 直近高値付近の売り壁を確認:高値から1〜3ティック上に厚い売りが並び、さらに上にも連続して厚みがあるとき、オーバーが強いと判断します。

2) 高値トライの歩み値を観察:高値に近づくたびに買い成行が弱くなり、約定が途切れる、または同価格での約定が連続しないなら、買いが継続していません。

3) アンダーの“崩れ方”を見る:下の買い壁が厚く見えても、下方向への成行売りで簡単に削られるなら、反転の準備が進んでいます。ここで重要なのは「厚い=強い」ではなく「削られた後に戻るか」です。

4) 逆転の確定条件:高値を更新できない状態で、上側に売りが積み上がり、下側の買いが薄くなる(または買い壁が削られ続ける)。この状態になったら、次の安値割れ(直近の押し安値)でショート(または手仕舞い)を検討します。

初心者がやりがちなのは「高値=売り」と短絡することです。実際は高値更新の可能性もあるので、歩み値で買いが弱いこと買い壁が支えられていないことの2点が揃って初めて“反転の優位性”が出ます。

具体例②:下落トレンド終盤の「アンダー優勢化」からの反転買い

想定シナリオ:指数が弱く、主力株も売られている全面安。個別の好材料銘柄も連れ安で叩かれている局面です。

1) 直近安値の下に買いが厚く並ぶ:安値のすぐ下に連続した買い注文が出て、アンダーが強く見える状態。

2) しかし、最初は疑ってよい:下落局面の買い壁は見せが多いです。したがって「売り成行がぶつかっても崩れない」ことを確認します。

3) セリングクライマックスの気配:歩み値のスピードが急に上がり、大きめの成行売りが連発しても価格が下がらない(下ヒゲが出る)とき、投げが吸収されている可能性が高い。

4) 逆転の確定条件:売りが続いているのに安値を更新できず、上側の売り壁が薄くなる/上側を買いが食い始める。板がアンダー優勢に変わるだけでなく、上方向の約定が増えることが重要です。

この局面の買いは「底当てゲーム」になりがちです。安全側に倒すなら、底の最安値で買うのではなく、一度反発して押したところ(押し目)でアンダーが支える形を待ちます。勝率が上がります。

「逆転」を手法に落とす:エントリー条件の作り方

再現性のために、条件を文章ではなく“チェック項目”として固定します。初心者向けに、最低限の型を提示します。

反転売り(天井付近)

・直近高値更新に2回以上失敗(同水準で跳ね返される)
・高値付近の売り壁が連続して厚い(オーバー化)
・買い成行の連続約定が減少(歩み値が鈍る)
・押し安値を割った瞬間に、下の買い壁が薄い/削られやすい

反転買い(底付近)

・直近安値更新に失敗(下げ止まりが発生)
・安値付近の買い壁が連続して厚い(アンダー化)
・売り成行がぶつかっても価格が下がらない(吸収)
・上側の売り壁が薄くなり、買い成行が上を食い始める

これだけで十分です。細かい条件を増やすと、初心者は判断が遅れて逆に負けます。

損切りと利確:初心者が破綻しないための設計

反転狙いは“当たれば大きい”一方で、“外れたら速い”のが特徴です。損切りを曖昧にすると一撃で崩れます。ここはルール化が必須です。

損切り位置:反転買いなら「直近安値の下に数ティック」、反転売りなら「直近高値の上に数ティック」。板の壁を根拠にするなら、壁が崩れた時点で撤退します。壁が崩れているのに祈るのは最悪です。

利確の考え方:初心者は利確を欲張りすぎて、せっかくの反転利益を吐き出します。まずは「直近の戻り高値/押し安値」など、目に見える節目までで分割利確します。残りは建値ストップにして伸ばす。これが一番ラクで、メンタルも守れます。

見せ板・アルゴ・フェイクアウトへの対処

板読みの最大の敵は、見せ板とフェイクアウト(だまし)です。対処法はシンプルで、「板ではなく約定を信じる」ことです。

・厚い壁が一瞬で消える:見せの可能性が高いので、エントリー根拠にしない。
・壁が食われる前に逃げる:その壁は市場を止める意志が弱い。
・食われても置き直される:本気度が高い可能性。歩み値と合わせて評価。
・ブレイク直後に逆流:だましの典型。ブレイクしたのに出来高が増えない、歩み値が続かない場合は撤退を優先。

“逆転”を狙うときこそ、だましが増えます。市場参加者が多い時間帯(寄り付き直後、引け前、指標直後)ほど、条件を厳しめにするのが安全です。

時間帯と銘柄選び:逆転が機能しやすい環境

逆転が機能しやすいのは、流動性があるのに方向感が切り替わる瞬間です。具体的には以下が狙い目になります。

・株:寄り付き後10〜30分(初動が出て一巡した後)、後場寄り(12:30付近)、引け前の需給調整
・FX:ロンドン入り(日本時間16〜18時目安)、NY序盤(21〜23時目安)、重要指標の直後
・暗号資産:流動性が厚い時間帯(米国時間)や大型ニュース後

銘柄は「板が薄すぎない」「歩み値が追える」ものに限定します。薄い銘柄は壁が本物でも、スリッページで負けます。

初心者向け:最短で上達する練習方法

板読みは“見て覚える”系のスキルです。ただし、闇雲に眺めても伸びません。次の手順で練習すると速いです。

1) 事後検証で「逆転の瞬間」を切り出す:当日のチャートで反転した場所を見つけ、同時刻の板・歩み値を記録します(スクショで十分)。

2) 逆転前後10分だけ見る:前後を広げると情報過多になります。最初は限定してパターンを覚えます。

3) 3パターンに分類:①本物の吸収(壁が機能)、②見せ(消える)、③だまし(ブレイク失敗)。この分類ができれば、実戦での迷いが減ります。

まとめ:オーバー/アンダー逆転は「約定で確定」する

オーバーとアンダーの逆転は、反転の“候補”を早めに教えてくれる便利な手掛かりです。しかし、板だけで決め打ちすると見せ板にやられます。勝つための最重要ポイントは、歩み値で「食われ方」と「置き直し」を確認してから仕掛けることです。

初心者は、条件を増やすより「同じ型を100回見る」方が伸びます。この記事のチェック項目をそのまま使い、事後検証→実戦の順に繰り返してください。派手な魔法はありませんが、板と歩み値を“同じ言語”で読めるようになると、トレードの無駄打ちは確実に減ります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました