ダブルボトムのネックライン超えで狙う底打ち後スイング:失敗パターンまで織り込む実戦手順

株式

ダブルボトムは「底を2回つけたから上がる」という単純な話ではありません。実際の相場では、2つ目の底(2nd bottom)が割れて形が崩れたり、ネックラインを一瞬だけ超えてから急落(だまし)したりします。勝ちやすいのは、“ネックラインを超えた後に、買いが継続できる地合いと需給の状態”が揃った局面です。

この記事では、初心者でも再現しやすいように、ダブルボトムを「形」ではなく手順(チェック→仕掛け→損切り→利確→再エントリー)として落とし込みます。株式(日本株・米国株どちらでも)を想定し、日足〜4時間足中心のスイング運用で解説します。

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ダブルボトムとは何か:本質は「売りの燃料切れ」と「買いの意思表示」

ダブルボトムは、下落相場で売り圧力が強い中、安値更新が止まり、同じ水準で2回止められることで形成されます。2回止まる理由は、典型的には次の3つです。

①投げ売り(損切り・追証)を吸収できる買いがいる:1回目の底で大口が拾い始め、2回目でも同水準で買い続けられる。

②売り方が利確し始める:下落で利益が乗った売り方が買い戻し、下値が固まりやすい。

③材料・金利・指数など外部環境が悪化しきり、追加の悪材料が出にくい:売りが枯れ、反発余地が出る。

この「売りが枯れた」状態をチャートで確認するのがダブルボトムですが、実際のエントリーの根拠になるのはネックライン超え=上値側で買いが勝ったという“意思表示”です。

まず覚えるべき用語:底とネックライン、右肩の役割

ダブルボトムで混乱しやすいのが、どこを底と見なし、どこをネックラインと定義するかです。最低限、次の3点を固定すると判断がブレません。

・1st bottom(1回目の底):下落の終盤でいったん止まった最安値付近。

・2nd bottom(2回目の底):再下落で同水準まで来たが、更新できず反発した安値付近。

・ネックライン:1st bottom→反発の戻り高値(中間高値)。ここを超えると、下落の「戻り売りゾーン」を突破したと解釈できる。

そして重要なのが右肩(ネックライン超え後の押し目)です。初心者が勝ちやすいのは「ネックラインを超えた瞬間」よりも、超えた後に押して“割れない”ことを確認してから入るパターンです。

勝率が上がる“良いダブルボトム”の条件:形よりも質を点検する

ダブルボトムを見つけたら、次のチェックを上から順に潰します。全部を満たす必要はありませんが、満たすほどだましが減ります。

1)時間:底形成に「日数」がある
1回目と2回目の底が近すぎる(例:2〜3日で2回底)と、ただのレンジで終わることが多いです。日足スイングなら、底→底が少なくとも1〜3週間程度あると、売りの整理(損切り・投げ)が進みやすくなります。

2)下落の勢いが弱まっている
ローソク足の実体が小さくなる、下ヒゲが増える、下落の角度が緩む、など。最も分かりやすいのは、下落途中は「大陰線+出来高増」だったのが、底付近では「下げても出来高が増えない」状態です。売りの追加燃料が少ないサインになります。

3)2回目の底の方が“下げにくい”
価格が同水準でも、2回目は下ヒゲで戻る、終値が高い、前日比で早くプラス転換する、など“下げにくさ”が出ます。ここが弱いと、ネックラインを超えてもすぐ崩れやすいです。

4)ネックライン超えに出来高が伴う
ネックラインを超えるのは、戻り売り勢・含み損勢の売りが集まる地点です。ここを超えるには買いのエネルギーが必要です。出来高が増えているなら「逃げたい売りを吸収した」可能性が高い。一方、薄商いでの超えは、少しの売りで押し返されやすくなります。

5)市場全体の地合いが追い風
個別だけでなく、指数(日経平均、TOPIX、S&P500など)が同時に底打ちしていると成功率が上がります。逆に指数が崩れている中で個別だけでダブルボトムを狙うと、外部要因で押し潰されやすいです。

エントリーは3種類:初心者ほど「遅く入って小さく負ける」設計にする

ダブルボトムの仕掛け方は主に3つあります。結論から言うと、初心者に向くのはBかCです。

A)2nd bottomの反発で早仕掛け(最も難しい)
2回目の底で反発し始めたところから入ります。損切りが近いのがメリットですが、2nd bottomが割れて失敗する確率が高く、初心者はメンタルが削られます。上級者の“拾い”です。

B)ネックライン超えのブレイクで順張り(中級)
ネックラインを終値で上抜け、または明確な実体で抜けたところで入ります。勢いが出ると伸びますが、上抜け直後はだましも多い。ここで入るなら、後述する「ブレイクの質チェック」と「損切りラインの固定」が必須です。

C)ネックライン超え後の押し目(右肩)で入る(初心者向き)
ネックラインを超えた後、いったん押してもネックラインを割らずに反発する“確認後”に入ります。入るのは遅くなりますが、だましを回避しやすい。損切り位置も比較的明確です。

具体例で理解する:架空の値動きで「B」と「C」を比較する

例として、ある銘柄が次のように動いたとします(価格はイメージ)。

・1st bottom:1000円で反発 → 戻り高値(ネックライン):1150円
・再下落して2nd bottom:1005円で反発
・上昇して1150円を超え、1170円で引けた(出来高も増加)

B(ブレイク仕掛け):1170円で買い。損切り候補はネックラインの少し下(例:1140円)。
メリット:強い上昇が続けば最初から乗れる。
デメリット:翌日に「上抜け失敗」で1140円を割ると、すぐ損切りになりやすい。

C(押し目仕掛け):上抜け後に1150円付近まで押して、再反発した1160円で買い。損切りは1140円。
メリット:上抜けが“本物”である確率が上がる。
デメリット:上抜け後に押しが浅く、そのまま上昇すると乗り遅れる。

初心者は「乗り遅れ」を嫌がってBに飛びつきがちですが、長期的に資金を残すなら、Cでだましを避ける方が向きます。スイングで重要なのは“ホームラン”より平均点を上げることです。

ブレイクの質チェック:ネックライン超えが「本物」かを見分ける

ネックライン超えを見たとき、次のどれかが揃うと成功率が上がります。

・終値で上抜け:ヒゲだけではなく、ローソク足の実体がネックラインより上にある。
・上抜け当日の出来高が、直近5〜20日平均より明確に多い:吸収が起きている可能性。
・上抜け後の翌日が“すぐ否定”されない:翌日に全戻し(上げた分を全部消す)だと、だましの典型。
・上抜け後にネックライン近辺で下げ止まる:押し目で買いが入るかが本番。

逆に危険サインは、上抜け当日に出来高が細り、終値がネックライン近くで終わるケースです。これは「上では買いが続かない」可能性が高い。翌日以降に売りが出ると崩れます。

損切りの置き方:形ではなく「シナリオ崩壊点」に置く

初心者が最も苦しむのは、損切りを“気分”で動かしてしまうことです。ダブルボトムはシナリオが明快なので、損切りも明快にできます。

基本案:ネックラインの少し下(直近の押し安値の下)
C(押し目)で入るなら、押し目が成立しない=ネックライン割れがシナリオ崩壊です。よって損切りはネックラインの下に固定します。幅は銘柄の値動き(ATR)で変わりますが、初心者はまず「ネックライン−1〜2%」程度を目安にし、価格変動が大きい銘柄は余裕を広げます。

注意:2nd bottom割れは“最終防衛ライン”だが遠い
2nd bottom割れに損切りを置くと、負け幅が大きくなりがちです。勝率は上がっても、1回の負けで資金が削られる。スイングは「小さく負ける」が基本なので、初心者はネックライン下の損切りが現実的です。

利確の置き方:目標は「次の売りが出る場所」を先回りする

利確も“気分”だと伸びるところを取り逃がします。ダブルボトムは、値幅計算がシンプルです。

値幅目標(クラシック):底→ネックラインの幅を、ブレイク地点から上に足す
例:底1000円、ネック1150円なら幅150円。ブレイク1150円から上に150円=1300円が第一目標。

ただし実戦では、1300円が綺麗に達成されるとは限りません。次のように分割します。

①第一利確:直近高値・節目・出来高の多い価格帯(例:過去に何度も止まった価格、キリ番)
②第二利確:値幅目標付近
③伸ばす部分:トレンドが続く限り保有

初心者が一番やりやすいのは、半分利確+残りは建値ストップです。例えば第一目標で半分利確し、残りは「買値(またはネックライン)」まで損切りを引き上げる。これで“負けない状態”を作ってから伸ばせます。

よくある失敗1:ダブルボトムに見えて、ただの下降トレンド継続だった

ダブルボトムの失敗で最も多いのは、「底を2回つけたように見えるが、実は下落トレンドの途中」だったケースです。見分けるポイントは、上値が切り下がっているかです。

ネックラインを引く前に、戻り高値が明確に切り下がっていると、戻り売りの勢力が強い状態です。この場合、ネックライン超えが起きても、上の売り圧が厚く、再び押し戻されやすい。こういう局面は、ダブルボトムよりも「下降トレンドラインの上抜け」まで待った方が堅いです。

よくある失敗2:ネックライン超えの“だまし”に飛びついた

だましは避けきれませんが、頻度を下げる工夫はできます。代表的なだましは次の2つです。

・薄商いブレイク:出来高が伴わず、上で買いが続かない。
・ニュース・決算の一時的な跳ね:材料出尽くしで翌日から売られる。

対策はシンプルです。終値での確定と、翌日の否定がないことを確認します。つまり、Bで入るなら「当日引けで判断」、Cで入るなら「押し目の反発を見てから」。これだけでも、無駄な負けが減ります。

よくある失敗3:押し目を待ちすぎて乗れない(機会損失)

Cは安全ですが、押しが浅い相場では乗れません。ここで“乗れない焦り”が出ると、次の銘柄で無理に飛びついてしまいます。

対策として、Cを基本にしつつ、代替ルールを用意します。例えば、上抜け翌日にギャップアップせずに始まり、前日高値を更新する動きが出たら小さく試す(ポジションの1/3だけ入る)など。こうすると、押し目が来ない強い相場にも最低限ついていけます。

マルチタイムフレームの使い方:日足で形、4時間足でタイミング

初心者は1つの時間足だけで判断しがちですが、ダブルボトムは時間軸を分けると精度が上がります。

・日足:ダブルボトムの全体像、ネックライン、値幅目標、地合い。
・4時間足(または60分足):ネックライン突破の勢い、押し目の止まり方、損切りの位置精度。

日足で「ここがネックライン」と決めたら、4時間足で「割れずに反発した瞬間」を探す。これがCのエントリー精度を上げるコツです。

ポジションサイズの決め方:負け幅を固定し、数量を後から決める

初心者は「いくら買うか」を先に考えますが、順番が逆です。まず決めるのは1回の損切りでいくら失うかです。

例:資金100万円で、1トレードの許容損失を1%=1万円に固定する。
買値1160円、損切り1140円なら差は20円。1株あたり20円損失。
許容損失1万円÷20円=500株(概算)が上限です。

この手順を守ると、だましを食らっても致命傷になりません。ダブルボトムは“勝率が高そう”に見える分、サイズを上げたくなりますが、サイズを上げるのは勝ちパターンが固まってからで十分です。

チェックリスト:エントリー前に最低限確認する10項目

最後に、実戦で迷わないためのチェックリストをまとめます。印刷して横に置く感覚で使ってください。

1. 1st bottomと2nd bottomの間に十分な時間があるか
2. 2nd bottomで“下げにくさ”が出ているか(ヒゲ・終値・戻り)
3. ネックラインをどこに引くか、一意に決められているか
4. ネックライン超えが終値で確定しているか
5. 出来高が増えているか(平均より明確に)
6. 指数・セクターの地合いは悪化していないか
7. エントリーはBかCか、事前に決めたルール通りか
8. 損切り位置はネックライン下(または押し安値下)に固定できるか
9. 許容損失から数量を逆算したか
10. 第一利確と、残りを伸ばすルールがあるか

まとめ:ダブルボトムは「入る形」ではなく「残る形」で判断する

ダブルボトムは見た目が分かりやすい一方で、形だけで入るとだましに遭いやすいパターンでもあります。勝率を上げる核心は、ネックライン超えの質と、超えた後に割れないこと(右肩)の確認です。

最初はC(押し目確認)で「遅く入って小さく負ける」設計にし、資金を残しながら経験を積むのが最短ルートです。相場は毎日チャンスが来ます。1回のトレードで勝ち切ろうとせず、手順で積み上げてください。

応用:ネックライン突破がギャップアップだった場合の扱い

ネックライン突破が「寄り付きから大きく上(ギャップアップ)」で始まることがあります。ニュースや指数の急騰で起きやすいですが、初心者はここで高値掴みしがちです。ギャップアップは強さのサインでもある一方、当日中に窓を埋める動きが出ると一気に損切りにかかります。

対策は2つです。①寄り付き直後に飛びつかない:最初の15〜30分で高値更新と押しを観察し、押しが浅いまま再上昇するなら小さく試す。②損切りを“ネックライン下”ではなく“当日の押し安値下”にする:ギャップが大きいとネックラインまで距離が出て、負け幅が膨らむためです。

例:ネックライン1150円を、1200円でギャップアップして開始。最初の押しが1185円で止まり再上昇するなら、1188〜1195円で少量エントリーし、損切りは1183円など押し安値の下に置きます。こうすると、窓埋めで一気に崩れたときも傷が浅くなります。

応用:一度利確した後の“再エントリー”で伸ばす方法

ダブルボトムは、ネックライン突破後にトレンドが出ると「押しては上がる」を繰り返しやすいパターンです。そこで、最初の利確で終わらせず、再エントリーの条件を決めておくと収益が安定します。

おすすめは、ネックラインを上回った状態での高値更新→浅い押し→再上昇という“上昇トレンドの基本形”に合わせることです。具体的には、(1)直近高値を終値で更新、(2)押しが直近の上昇の半値以内で止まる、(3)出来高が極端に落ちない、の3条件が揃えば再エントリーします。

利確後に「もう上がりすぎでは?」と感じても、トレンドが続く限りは機械的に追随する方が結果が出ます。逆に、再エントリーをするなら、トレーリングストップ(高値から○%下、または直近押し安値割れ)で撤退基準を明確にし、含み益を守ります。

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