- 結論:海運株は「運賃(=市況)」を先読みできた人が勝つ
- まず押さえる:BDIは何を表し、何を表さないか
- 銘柄の仕分け:あなたが触るべき海運株はどのタイプか
- スイングの基本設計:『BDIの変化率』で売買ルールを作る
- 具体例:BDIが上昇に転じた“初動”だけを取りに行く
- 逆に危ない局面:BDI急騰後の“高値圏”での買い
- 初心者が勝ちやすい『二段階シナリオ』:指数→株→決算で確定させる
- チェックリスト:スイングの前日に見るべき材料(5分で終わる)
- リスク管理:海運株で破綻しやすい3つの落とし穴
- 初心者向けの実践プラン:30日で『BDI連動スイング』を体に入れる
- まとめ:BDIは『市況の風向き』、売買は『株価の構造』で決める
- もう少し深掘り:なぜ運賃は『急に上がって、ゆっくり下がる』のか
- BDIを使うときの実務:どのデータをどう記録するか
- トレードの歩き方:『指数→株→板』の順に見ると迷いが減る
- ケーススタディ:架空チャートで学ぶ『エントリーから利確まで』の一連
- ポジションサイズの決め方:初心者は『損失額』から逆算する
- BDI以外の補助線:海運株の『追い風/向かい風』を増やす
- 最後に:この手法の限界と、向いている人・向かない人
- よくある質問:初心者が詰まりやすいポイントを潰す
- 監視リストの作り方:海運株を『指数感応度』で並べ替える
- 出口戦略の精度を上げる:『利確→再エントリー』を前提にすると伸びる波に乗れる
- 注意:この手法は万能ではない(想定外のギャップに備える)
結論:海運株は「運賃(=市況)」を先読みできた人が勝つ
海運株は、企業の努力よりも「運賃市況」で利益が決まる局面が多い業種です。運賃が上がれば、船を増やしてもすぐには追いつかず利益が跳ね、運賃が下がれば固定費が重く利益が急減します。だから株価も、一般的な製造業より景気循環に鋭敏です。
この市況を初心者でも追いかけやすい形に圧縮した指標がバルチック指数(BDI)です。BDIは現物の海上運賃の代表的な指数で、特に鉄鉱石・石炭・穀物などの『ばら積み(ドライバルク)』輸送の地合いを映します。海運株のうち、ドライ船比率が高い会社はBDIの波を受けやすく、株価にも反映されやすい。ここを理解すると、ニュースの断片に振り回されずにスイングが組み立てられます。
まず押さえる:BDIは何を表し、何を表さないか
BDIは『実需の運賃』寄りで、株価の材料になりやすい
BDIは『今日は運賃が上がった/下がった』という実務的な価格情報に近い性質を持ちます。株価指標のように期待だけで動くのではなく、荷主と船主が交渉して決まる運賃の集合です。よって、需給が締まると短期間で跳ねやすく、悪化するとだらだら下がりやすい。
ただしBDI=海運株ではない(ここで初心者が誤解する)
- BDIは主にドライバルク。コンテナ船(海運大手の主力の場合が多い)やタンカーの市況とは別物。
- 海運会社は為替(ドル建て運賃×円換算)、燃料(バンカー価格)、ヘッジ、契約期間(スポット/長期)で損益感応度が変わる。
- 指数は世界平均。特定航路に偏る会社、特定サイズの船が多い会社は『指数とズレる』ことがある。
したがって、BDIを『海運株の万能スイッチ』として使うのではなく、どの銘柄に効きやすいかを先に仕分けします。ここがオリジナリティのポイントで、スイングの勝率が大きく変わります。
銘柄の仕分け:あなたが触るべき海運株はどのタイプか
1) ドライ比率が高い:BDI直結型(指数連動を狙いやすい)
ドライ船比率が高い会社は、BDI上昇局面で利益の上振れ期待が立ちやすく、株価が先回りしやすいです。特にスポット契約が多い、あるいは短期契約が多い場合は、市況変化が早く損益に乗りやすい。
2) コンテナ中心:別の運賃指標・需給要因が主役(BDIは補助)
コンテナは指数体系が異なり、港湾混雑、船腹供給、アライアンス再編、運賃同盟の動きなどが効きます。BDIが強くてもコンテナが弱ければ株価は伸びません。
3) タンカー中心:原油・精製品、OPEC、地政学の影響が主役(BDIはほぼ無関係)
タンカーはドライとは荷物も契約慣行も異なります。BDIで判断するとミスりやすい代表です。
スイングの基本設計:『BDIの変化率』で売買ルールを作る
初心者がいきなり『指数が上がったから買う』とすると、だいたい天井を掴みます。理由は簡単で、株価は指数の“水準”より先に“変化”を織り込みやすいからです。そこで使うのが変化率とトレンドの組み合わせです。
見るべきは3つだけ:①短期変化 ②中期トレンド ③ボラ(振れ幅)
- ①短期変化:直近5営業日のBDI変化率(急騰/急落の把握)
- ②中期トレンド:20営業日(約1か月)の移動平均に対して上か下か(市況の地合い)
- ③ボラ:過去20日での最大下落幅・最大上昇幅(損切り幅の設計に使う)
この3点を同時に見ると、『上がっているけど伸び切っている相場』と『下がり続けた後の反転初動』が分けられます。
具体例:BDIが上昇に転じた“初動”だけを取りに行く
狙い:運賃の底打ち→船主優位の再来を株価が先読みする局面
手順は次の通りです。数字は例で、実際はあなたの監視銘柄の値動きに合わせて調整します。
- ステップ1:BDIが20日移動平均を上抜け、かつ5日変化率がプラスに転じる(『悪い流れが終わった』を確認)
- ステップ2:海運株側は、株価が25日移動平均を上抜け、出来高が平常時より増えていることを確認(資金流入の有無)
- ステップ3:エントリーはブレイク当日ではなく、翌日〜3日以内の押し目(前日高値の半分程度までの戻り)で分割する
ここで大事なのは、BDIの上抜け“初日”に飛びつかないことです。指数は速報性が高い一方、株は先回りで動いて『当日に最も勢いが出る』ことが多い。勢いの最中に買うと、翌日に利確が出て逆行しやすい。だから押し目で拾う設計にします。
損切りは『BDIの再下落』ではなく『株価の構造崩れ』で切る
初心者がやりがちなのは、BDIが少し下がっただけで慌てて投げることです。指数は日々ぶれます。重要なのは、株価側が『上昇トレンドを維持できない』形に変わったかどうか。
- 損切り基準の例:エントリー後に株価が25日移動平均を終値で明確に割り込み、翌日も戻せない(2日連続で弱い)
- 補助:出来高が増えた下落(売りが本気)なら撤退を早める
- 指数は確認用:BDIも20日移動平均を再び割り込み始めたら『市況の追い風が消えた』として撤退判断を後押し
逆に危ない局面:BDI急騰後の“高値圏”での買い
見分け方は『上昇の角度』と『株価の先行』
BDIが短期間で急騰したとき、市況は良いのに海運株が伸びないことがあります。これは『株が先に織り込んでしまった』サインになり得ます。
- BDIの5日変化率が極端(例:+20%超)なのに、株価は高値更新せず横ばい→買い疲れ
- 株価が先に大陽線を連発していて、BDIの上昇が後追い→材料出尽くしになりやすい
- 決算や配当などイベント直後にBDIが上がる→株はイベントで動き終わっている可能性
この局面で新規買いをするなら、上昇継続ではなく“押し目の浅さ”を確認します。押しても出来高が減り、下値が切り上がるならまだ強い。押し目で出来高が増えて下抜けるなら、そこで撤退です。
初心者が勝ちやすい『二段階シナリオ』:指数→株→決算で確定させる
海運株は決算でガラッと見方が変わります。だからスイングは『①指数で方向を仮説化→②株価で資金流入を確認→③決算で現実を確認』の三段階にすると事故が減ります。
①指数(BDI)で方向を仮説化
BDIの中期トレンドが上向きなら追い風、下向きなら向かい風。まずはここで“買いを考えてよい季節”かを判断します。
②株価で資金流入を確認(先回りの動き)
株価が移動平均を上抜け、出来高が増えるなら資金が入っています。BDIが良くても株が動かないなら、理由がある(別市況、ヘッジ、需給悪化、イベント消化など)と考えます。
③決算で現実を確認(短期の出口戦略)
決算後に『想定より運賃が利益に乗っている』と市場が判断すれば、次の波が伸びます。逆に運賃が良くてもコスト増や為替で相殺されると、BDIが高くても株は下がります。決算跨ぎはリスクが高いので、初心者は跨がないか、跨ぐならポジションを極小にするのが無難です。
チェックリスト:スイングの前日に見るべき材料(5分で終わる)
- BDI:20日移動平均より上か下か、直近5日変化率はどうか
- 燃料(バンカー)価格:急騰していないか(コスト圧迫)
- 為替(ドル円):急な円高になっていないか(円換算利益の圧迫)
- 同業他社の株価:セクターで資金が入っているか(単独材料か)
- カレンダー:決算日・配当権利・指数リバランスなど、需給イベントが近くないか
このチェックが“面倒”に見えるかもしれませんが、慣れると本当に5分です。海運株は市況の波が大きい分、事前チェックを怠ると損失も大きくなりがちです。
リスク管理:海運株で破綻しやすい3つの落とし穴
1) レバレッジをかけて『市況逆回転』を食らう
海運はボラが大きいので、信用取引やレバレッジ商品で張ると、少しの逆行で撤退させられます。初心者はまず現物か、資金のごく一部で小さく試すべきです。
2) 指数だけ見て、会社ごとの事情を無視する
同じ海運でも、契約形態・船齢・保有船のサイズ構成・為替ヘッジ・配当方針で評価が変わります。BDIに反応しない銘柄は、BDIの波に乗っていないだけです。
3) 決算跨ぎでギャップを食らう
決算はギャップ(窓)が発生しやすく、逆方向に飛ぶと損切りが効きません。跨ぐなら小さく、跨がないなら決算前に一旦利確して“材料の不確実性”を下げるのが合理的です。
初心者向けの実践プラン:30日で『BDI連動スイング』を体に入れる
第1週:指数と株価のズレを観察するだけ
いきなり売買せず、BDIと監視銘柄の値動きを毎日メモします。『BDIが上がっても株が動かない日』『株が先に動く日』を見つけるのが目的です。
第2週:エントリー条件を固定し、紙トレードで検証
『BDIが20日MA上抜け+株価が25日MA上抜け+出来高増』など、条件を一つに固定します。条件を増やしすぎると永遠に判断できません。
第3週:小さく実弾、分割エントリーと損切りだけ徹底
利益最大化は後回しです。分割で入る、ルール通りに損切りする、この2つだけ守って“再現性”を作ります。
第4週:利確ルールを導入(伸びる波だけ残す)
- 利確案A:直近高値を更新できず陰線が増えたら半分利確
- 利確案B:株価が5日移動平均を終値で割ったら利確
- 伸びる波は残す:上昇が続く限り残りはトレーリング(切り上げた安値を割ったら撤退)
海運株は『大きく取れるときは本当に大きい』一方で、雑に握ると利益を全部吐き出します。だから半分利確+残りを伸ばす形が、初心者でも精神的に崩れにくいです。
まとめ:BDIは『市況の風向き』、売買は『株価の構造』で決める
BDIは、海運株の背景にある運賃市況をシンプルに把握するための強力な補助線です。ただし、指数の水準だけで売買すると遅れます。使うべきは変化率とトレンド、そして銘柄の仕分けです。
最後にもう一度要点を整理します。①BDIが効く銘柄(ドライ比率)を選ぶ。②BDIは中期トレンドと短期変化率で読む。③エントリーは押し目、損切りは株価の構造崩れで行う。これだけで、ニュースに振り回されるトレードから脱出できます。
もう少し深掘り:なぜ運賃は『急に上がって、ゆっくり下がる』のか
ドライバルク運賃が跳ねやすい理由は、船の供給が硬いからです。船は発注してもすぐ増えません。造船所の枠、納期、資材価格、規制対応(環境規制など)で時間がかかります。一方、需要側は景気や在庫サイクルで短期間に変わります。需要が少し増えただけでも、余っている船が一気に消えると運賃は急騰します。
逆に下げ局面は、荷物が減っても船はすぐ減りません。運賃が下がっても船主は『少しでも稼働させたい』ので競争が起き、徐々に下がります。ここが株価の値動きに似ていて、上げは速く下げは遅い。だからスイングは『初動で乗って、鈍化したら降りる』が基本設計になります。
BDIを使うときの実務:どのデータをどう記録するか
毎日見るのは“終値”だけでよい(分足は不要)
BDIは株と違って分足が重要ではありません。まずは日次終値を記録するだけで十分です。メモは紙でもスプレッドシートでも構いません。重要なのは『同じ方法で、同じ時間軸で』記録し続けることです。
初心者用の記録フォーマット(例)
- BDI終値、BDIの20日MA、5日変化率(%)
- 監視銘柄の終値、25日MA、出来高(平常比)
- メモ:為替が急変したか、燃料が急騰したか、決算が近いか
この3行が揃うだけで、あなたの売買判断は“説明可能”になります。説明できる判断は、修正もしやすい。逆に、感覚だけの判断は改善ができません。
トレードの歩き方:『指数→株→板』の順に見ると迷いが減る
短期売買で迷う原因は、見ている情報が多すぎることです。海運株のスイングでは順番を固定します。
- ①指数(BDI):今は追い風か逆風かを決める
- ②株価(日足):資金が入っているかを確認する
- ③板・歩み値:エントリーの“位置”を整える(最後に見る)
板を先に見ると、目の前のノイズに反応してしまいます。まずは大きい流れ(指数)→次に市場参加者の意思(株価)→最後に執行(板)です。
ケーススタディ:架空チャートで学ぶ『エントリーから利確まで』の一連
前提:BDIが底打ちして上昇転換、株価が遅れて追随する場面
ここでは数字を置いて、判断の流れを具体化します。架空の例ですが、意思決定の型はそのまま使えます。
例:BDIが1,200→1,260→1,310と上昇し、20日MA(1,250)を上抜け。5日変化率は+8%。この時点で『逆風が弱まり、追い風になり始めた』と仮説を立てます。
監視している海運株Aは、2,000円付近で横ばいだったが、2,060円で25日MA(2,040)を上抜け。出来高は平常の1.8倍。ここで“資金流入あり”と判断します。
エントリー:押し目の分割で平均取得を整える
上抜け当日に成行で飛びつくのではなく、翌日以降に押すのを待ちます。例えば2,060円→2,030円→2,050円のように押した場面で、2,035円と2,045円で2回に分けて買う。平均2,040円前後に揃えます。
損切り:『押し目』が『下落』に変わったら撤退
損切りは“気分”でなく構造で決めます。例えば25日MAを終値で割り込み、翌日も戻せないなら撤退。価格で言えば1,980円など、明確にラインを置きます。損失を小さく固定できれば、次の波で取り返せます。
利確:伸びる波だけ残す(半分利確+トレーリング)
上昇が続いて2,200円まで来たら、まず半分利確して心理的な安全を作ります。残りは、直近安値を切り上げる限り保有し、例えば2,150円の安値を終値で割ったら撤退。こうすると『大きく取れる波』にだけ参加できます。
ポジションサイズの決め方:初心者は『損失額』から逆算する
初心者が崩れる最大の理由は、エントリーの精度ではなくサイズ過大です。まずは“いくらまでなら負けてよいか”を決め、その損失額から株数を逆算します。
計算の例(シンプル版)
例:1回のトレードで許容する損失を1万円、損切り幅を60円とします。すると株数は 10,000円 ÷ 60円 ≒ 166株。端数を切って100株にする。これで損切りしても大きく崩れません。
この方式のメリットは、銘柄が変わっても運用が安定することです。海運株は値動きが荒いので、固定株数でやると損失が膨らみます。
BDI以外の補助線:海運株の『追い風/向かい風』を増やす
為替(ドル円)
運賃はドル建てで語られやすい一方、日本株の損益は円換算です。円高が急に進むと、運賃が良くても利益見通しが削られ、株価が重くなります。BDIが上昇でも株が鈍いときは、為替が逆風になっていないかを確認します。
燃料(バンカー価格)
燃料が上がるとコストが増えます。運賃に転嫁できるかは需給次第です。需給が緩い局面では転嫁できず、利益が削られます。BDIの反転初動では“燃料の急騰”がリスク要因になりやすいので、チェックリストに入れます。
中国・資源国の景況感(雑にでよい)
ドライバルクの荷物は資源と穀物です。細かい統計を追う必要はありませんが、『中国の景気が弱い』『鉄鉱石需要が鈍い』といった大きいニュースは、BDIの上昇が続くかどうかの背景になります。指数が上がっているのに背景が弱いときは、短期波だけ狙って早めに降りる判断が合理的です。
最後に:この手法の限界と、向いている人・向かない人
BDI連動のスイングは、海運という“市況産業”の特徴を利用する戦略です。向いている人は、毎日5分の記録を続けられる人、ルール通りに損切りできる人、決算跨ぎを避けられる人です。
向かない人は、材料が出たらすぐ飛びつきたくなる人、含み損を放置しがちな人、レバレッジをかけて一撃を狙う人です。海運株は波が大きい分、雑な運用は致命傷になります。
しかし、ルールをシンプルにして“初動だけ”を取りに行けば、初心者でも再現性を作れます。BDIはそのための良い補助線です。
よくある質問:初心者が詰まりやすいポイントを潰す
Q1. BDIが上がっているのに株が下がります。どっちを信じる?
短期では株価を優先します。理由は、株価は『将来の利益と需給』を含めて動くからです。BDIは現時点の運賃で、株価は“次の四半期・次の決算”を先に織り込みます。株が下がるなら、どこかに逆風(為替、燃料、契約形態、需給悪化、決算リスク)がある可能性が高い。BDIは追い風確認に使い、エントリー/撤退は株価の構造で決めるのがブレません。
Q2. BDIは毎日見ないとダメ?
理想は毎日ですが、最低でも週3回で十分です。重要なのは“同じ頻度で”見ること。飛び石で見ていると変化率が把握できず、結局はニュースに引っ張られます。まずは平日夜に5分だけ、という習慣が最強です。
Q3. 海運株は配当が高いから長期保有でもいい?
配当だけで判断すると危険です。海運は利益が市況で変わるので、配当水準も変わり得ます。高配当は魅力ですが、市況が悪化すれば減配リスクがあります。長期保有をするなら『配当』ではなく『市況サイクルを跨げる価格』で買う必要があります。初心者がまず取り組むなら、サイクルの初動を狙うスイングのほうが設計が簡単です。
Q4. 指数が急落した日に慌てて損切りすべき?
慌てる必要はありません。指数の急落はノイズの場合もあります。あなたの損切り基準(株価の移動平均割れなど)に到達したかを淡々と確認します。ただし、株価側も同日に出来高増で崩れるなら『需給が逆回転した』可能性が高いので、そこで素直に撤退します。
監視リストの作り方:海運株を『指数感応度』で並べ替える
最後に、実務で役立つ小技を紹介します。監視している海運株を“BDI感応度”で並べ替えると、銘柄選びが速くなります。
- ステップ1:過去3〜6か月で、BDIが大きく動いた局面を2つ選ぶ(上げ局面/下げ局面)
- ステップ2:その期間に、各銘柄がどれくらい動いたか(上昇率/下落率)をメモする
- ステップ3:BDI上昇で強い銘柄、BDI下落で弱い銘柄を上位に置く(感応度が高い)
- ステップ4:感応度が低い銘柄は『別要因で動く』として、BDI戦略の対象から外す
これだけで、『BDIが上がったのに動かない銘柄』を無理に触らなくなります。初心者の負けは“触らなくていい銘柄を触る”ことから始まるので、この並べ替えは効果が大きいです。
出口戦略の精度を上げる:『利確→再エントリー』を前提にすると伸びる波に乗れる
海運株の上昇局面でありがちな失敗は、利確が遅れて利益を吐き出すことです。逆に、利確が早すぎて“本命の上昇”を取り逃がすこともあります。これを同時に解決する考え方が『利確したら終わり』ではなく、『一度利確して、条件が揃えば再エントリーする』発想です。
具体的には、上昇が続いている間は半分利確でリスクを落とし、残りはトレーリングで追随します。いったんトレーリングで降りた後、BDIが上向きを維持し、株価が再び25日MAを上抜け、出来高が戻ってきたら“再エントリーの権利”が復活します。
こうして『何回かに分けて取る』設計にすると、1回の売買に完璧を求めなくてよくなり、初心者でも運用が安定します。
注意:この手法は万能ではない(想定外のギャップに備える)
海運株は、地政学リスク、規制、事故、突発的な政策変更などでギャップが発生することがあります。どんなに良いルールでも、窓を伴う急変には弱い。だからこそ、①サイズを小さくする、②決算や大イベント前は軽くする、③損切りを前提にする、の3点が最優先です。

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