寄り付き5分の出来高急増で読む大口の初動:板・歩み値・VWAPで作るデイトレ判断フレーム

株式投資

株や先物の短期トレードで最も再現性が出やすいのは、「誰が本気で買い(売り)に来たか」を早い段階で見抜くことです。テクニカル指標は便利ですが、寄り付き直後の数分間は、チャートよりも需給(出来高・約定の質・板の変化)が先に答えを出します。

本記事では、寄付から5分間の出来高急増 大口のエントリーサインを「単なる出来高が多い」ではなく、大口の意思決定が市場価格に反映された瞬間として捉え、初心者でも実務(=実際の手順)として使える判断フレームに落とし込みます。特に日本株の寄り付き(9:00)における5分間は、個人の感覚勝負になりやすいので、観測項目と条件を固定して迷いを減らします。

スポンサーリンク
【DMM FX】入金
  1. なぜ「寄り付き5分」なのか:オープン直後は情報が最も非対称になる
  2. 出来高急増=買いサインではない:まず誤解を潰す
  3. 観測する3つのデータ:チャートより先に見る順番
  4. 「出来高急増」を定義する:曖昧さを排除して数値化する
  5. 大口のエントリーが起きた時に出やすい5つのサイン
  6. サイン1:寄り付き後に“押しても割れない”
  7. サイン2:歩み値のテンポが一定で、同方向の成行が続く
  8. サイン3:厚い売り板が「吸収される」か「引っ込む」
  9. サイン4:寄り付き5分の高値/安値がその日の重要な基準になる
  10. サイン5:VWAPを挟んだ攻防が“買い継続”か“処分”かを分ける
  11. 初動判断のための3つのシナリオ:同じ急増でも意味が変わる
  12. シナリオ1:GU(ギャップアップ)+急増=「買いの追撃」か「寄り天」か
  13. シナリオ2:GD(ギャップダウン)+急増=投げの終盤か、下落トレンドの再開か
  14. シナリオ3:寄り付きは横ばい+急増=「仕込み」か「分配」か
  15. 初心者向けの具体的エントリー設計:5分急増を“条件分岐”にする
  16. 型1:初動ブレイク追随(順張り)
  17. 型2:押し目吸収確認(順張りだが安全寄り)
  18. 型3:投げの終盤を拾う(逆張り)
  19. 銘柄選定のコツ:寄り付き急増が機能しやすい銘柄・しにくい銘柄
  20. リスク管理:寄り付き直後の「損切りが遅れる」を防ぐ
  21. よくある失敗パターンと対策
  22. 検証のやり方:手元で再現性を作る最短ルート
  23. 実戦チェックリスト:寄り付き5分で迷わないための確認順
  24. まとめ:出来高急増は“合図”ではなく“問い”

なぜ「寄り付き5分」なのか:オープン直後は情報が最も非対称になる

寄り付き直後の市場には、前日の引け後〜当日朝にかけての材料(決算、レーティング、海外指数、為替、先物、ニュース)が一気に織り込まれます。ここで主導権を握るのは、資金量の大きい参加者(機関、裁定、短期ファンド)です。

寄り付きから数分は、板が薄く、価格が一方向に走りやすい一方で、個人が追随した瞬間に反転も起きます。だからこそ「最初の5分」を観測単位として固定し、出来高の急増が“継続する意思”なのか“寄り天の燃料”なのかを分けます。

出来高急増=買いサインではない:まず誤解を潰す

初心者が最初にハマる罠は、「出来高が多い=上がる」と短絡することです。出来高は売買の合意量なので、必ず買いと売りが同量あります。重要なのは次の2点です。

①価格がどちらに動いたか(上昇・下落・横ばい)②どんな約定の仕方をしたか(成行が連続したか、板を食ったか、特定価格に吸収されたか)。出来高は“音量”で、方向は“メロディ”です。音量だけで曲は判別できません。

観測する3つのデータ:チャートより先に見る順番

寄り付き5分の判断は、以下の順番で見ると迷いが減ります。

1)気配・寄り付き値(寄り値):前日終値からの位置、GU/GDの幅、寄りの成立価格の妥当性。

2)歩み値(約定):連続成行、同値の大量約定、約定の速度(テンポ)。

3)板(気配・板厚):買い板/売り板の厚み、厚い板の出現と消失(見せ板の可能性も含む)。

多くの個人はチャートを先に見ますが、寄り付き直後はローソク足が未完成で情報量が少ないため、歩み値と板を先に見る方が合理的です。

「出来高急増」を定義する:曖昧さを排除して数値化する

急増と言っても銘柄ごとに出来高の基準が違います。そこで、同じ銘柄内で比較できるように、次のように定義します。

定義A(初心者向け):寄り付きから5分の出来高が「直近20営業日の寄り付き5分出来高の中央値」の3倍以上

定義B(より実戦的):寄り付きから5分の出来高が「直近20営業日の1日出来高中央値」の15%以上を占める。

定義Aは寄り付き特有の癖を捉え、定義Bは“その日全体の主役になり得るか”を測ります。どちらか一方でも十分ですが、両方満たすと“本気度”が上がります。

大口のエントリーが起きた時に出やすい5つのサイン

出来高急増に「大口の意志」を感じる場面には共通パターンがあります。ここでは、単なる活況と区別するためのサインを5つに分解します。

サイン1:寄り付き後に“押しても割れない”

寄り付き直後は一度利確・手仕舞いが出ます。大口が買いで入っている場合、押しが入っても重要価格(寄り値、前日高値、VWAP)を割りにくい特徴があります。

具体例:前日終値1,000円、当日寄り値1,050円(GU)。寄り直後に1,060円まで上げたあと、1,045円まで押して出来高が増えるのに、1,040円を割れずに反発。これは「押し目で吸収している」可能性が高い形です。逆に、出来高が増えながら1,040円を簡単に割るなら、“買いの強さ”は疑うべきです。

サイン2:歩み値のテンポが一定で、同方向の成行が続く

大口は一度に全量をぶつけず、アルゴで分割します。そのため、歩み値に一定間隔で同方向の成行が続くことがあります。例えば、買い成行が「1,051→1,052→1,053…」と板を食いながら進み、同時に出来高が積み上がる状態です。

ポイントは“速すぎない”ことです。個人の飛びつきが主体だと、突然テンポが速くなり、スプレッドが広がり、すぐ失速しやすい。大口主導の上げは、テンポが安定し、押しでまた同じテンポが再開されやすいです。

サイン3:厚い売り板が「吸収される」か「引っ込む」

上値に大きな売り板(例:1,080円に50,000株)が出た時、価格がそこで止まるかどうかが分岐点です。大口買いが強い場合、

(A)吸収型:売り板が残ったまま約定が積み上がり、最後に板が消えて上に抜ける。

(B)引っ込め型:売り板が先に消え、価格が軽く抜ける(見せ板の可能性もある)。

初心者は(B)を好みますが、再現性が高いのは(A)です。なぜなら、実際の売りを消化した証拠が残るからです。(B)はフェイクの可能性があり、抜けた直後に急落することもあります。

サイン4:寄り付き5分の高値/安値がその日の重要な基準になる

寄り付き5分のレンジは、その日の“意思決定レンジ”になりやすいです。大口が入った場合、価格はこのレンジを再訪した際に反応します。

具体例:9:00〜9:05の高値が1,120円、安値が1,080円。以降に1,150円まで上げた後、押しで1,120円付近に戻った時、出来高が増えて反発すれば「初動の買いが守っている」サインです。逆に1,120円を割り、出来高が増えながら下に抜けるなら、初動の買いは利確・撤退している可能性が上がります。

サイン5:VWAPを挟んだ攻防が“買い継続”か“処分”かを分ける

寄り付き直後に出来高が急増した場合、VWAPは早い段階で意味を持ちます。大口の平均取得価格に近くなるため、価格がVWAPを上で維持できるかが重要です。

実戦では、「VWAP割れで即損切り」ではなく、VWAP割れ後の戻りで再びVWAPを超えられるかを見ます。超えられずにVWAPが抵抗になって失速する場合は、“処分”の可能性が高まります。

初動判断のための3つのシナリオ:同じ急増でも意味が変わる

寄り付き5分の出来高急増は、背景で意味が変わります。ここでは実戦で頻出の3シナリオに分けます。

シナリオ1:GU(ギャップアップ)+急増=「買いの追撃」か「寄り天」か

GUして急増した場合、買いが強いように見えます。しかし、寄り付きは“買いたい人が買える瞬間”なので、むしろ天井になりやすい面もあります。判定は次の2点で絞ります。

判定軸(1)寄り付き直後に高値更新できるか:寄り直後に上を試してスッと更新できるなら追撃買いが入りやすい。更新できずに同値でモタつくなら危険。

判定軸(2)押しで出来高が増えるか:押しの局面で出来高が増え、価格が下げ渋るなら吸収。押しで出来高が減り、反発も弱いなら買いは継続していない可能性。

初心者は“上がっているから買う”ではなく、「押したのに割れない」を確認してから入る方が損切りを浅くできます。

シナリオ2:GD(ギャップダウン)+急増=投げの終盤か、下落トレンドの再開か

GDで出来高が急増すると「底打ち」と思いがちですが、下落トレンドの途中でも急増は起きます。ここでは“セリングクライマックス(投げの終盤)”を疑う条件を具体化します。

条件A:寄り付き5分で安値を付けた後、安値更新が止まり、下ヒゲが出る(1分足でも可)。

条件B:歩み値で大きな売り成行が出た直後、同値付近で大量約定が続き、価格がそれ以上下がらない(吸収)。

条件C:板で下に厚い買い板が出現し、売りを受け止める形になる(ただし見せ板の可能性もあるので、約定を伴うことが必須)。

3条件のうち2つ以上が揃えば、“投げの終盤”としての逆張りが成立しやすくなります。逆に、急増しながら安値更新が止まらないなら、単なる下落加速です。

シナリオ3:寄り付きは横ばい+急増=「仕込み」か「分配」か

価格があまり動かないのに出来高だけが膨らむことがあります。これは初心者にとって最も解釈が難しいですが、実は最もおいしい局面にもなり得ます。

仕込み型:売りが出ても同値付近で吸収し、安値が切り上がる。板の買い側が徐々に厚くなる。VWAPが価格の下に位置しやすい。

分配型:買いが入っても上値が重く、高値が切り下がる。上で大量約定が出るが抜けない。VWAPが価格の上に位置しやすい。

横ばいの時こそ、ローソク足より「高値・安値の切り上げ/切り下げ」と「VWAP位置」を見ると判定が早くなります。

初心者向けの具体的エントリー設計:5分急増を“条件分岐”にする

ここからは、実際にエントリーに落とすための型を示します。裁量の余地を減らすため、条件分岐の形にします。

型1:初動ブレイク追随(順張り)

狙い:大口の追撃が入った日に、寄り付きレンジ上抜けを取りに行く。

条件:寄り付き5分出来高が定義Aを満たす/5分高値を更新する動きが出る/更新時に歩み値のテンポが増し、板の売りが吸収される。

エントリー例:9:00〜9:05高値が1,120円。9:06〜9:10で1,121円を成行で抜け、出来高が増え続ける。→1,123〜1,126円で買い。

損切り:原則は「抜けたライン(1,120円)割れ」。ただし一瞬のヒゲで刈られやすいので、1,118円など少し下に置くか、1分足終値で判定する。

利確:最初はR(リスクリワード)固定が安定します。損切りが5円なら利確は10円(2R)を基準にし、勢いが強ければ半分利確+残りトレールでも良い。

型2:押し目吸収確認(順張りだが安全寄り)

狙い:飛びつきを避け、押しで大口が守るところを確認してから入る。

条件:寄り付き急増後、いったん押すが、寄り値または5分高値(抜けた場合はそのライン)付近で下げ止まり、押しの局面で出来高が増える(吸収)。

エントリー例:寄り値1,050円→上昇後1,070円→押しで1,055円まで。1,055円で売りが出るのに割れず、歩み値に同値大量約定。→1,058〜1,062円で買い。

損切り:吸収されたと見た価格帯の下(例:1,052円割れ)。

この型は勝率が上がりやすい一方、取り逃しも増えます。ただ初心者が口座を守りながら型を覚えるには最適です。

型3:投げの終盤を拾う(逆張り)

狙い:GD+急増で「売りが出尽くした」瞬間を狙う。

条件:前述のセリングクライマックス条件のうち2つ以上/安値更新が止まり、戻りで寄り付きレンジの半分以上を回復する。

エントリー例:寄り付き直後に980円まで急落(出来高急増)→同値で大量約定が続く→985円まで戻す。→986〜990円で買い、損切りは979円割れ。

注意:逆張りは“当たると大きい”が“外れると連続で削る”ので、ロットを半分以下にする。寄り付き直後の逆張りは特に小さく。

銘柄選定のコツ:寄り付き急増が機能しやすい銘柄・しにくい銘柄

同じ指標でも、銘柄特性で再現性が変わります。

機能しやすい:出来高が安定している大型・準大型、指数寄与のある銘柄、日中の板が厚い銘柄。理由は、板が厚く、約定のノイズが少ないためです。

注意が必要:低位株・材料株・IPO直後。出来高急増が“仕手化”や“短期資金の回転”によるものになりやすく、サインが騙しになりやすいです。ただし、これらはボラが大きいので、ルールを厳格にすれば取れる局面もあります。

リスク管理:寄り付き直後の「損切りが遅れる」を防ぐ

寄り付き5分は値動きが速く、損切りが遅れがちです。ここは技術より仕組みです。

(1)最初の1回は必ず小ロット:1回目のトレードは“市場の癖を測るための探り”と割り切る。勝っても負けても情報を買うイメージです。

(2)損切りは価格ではなく「仮説の否定」で決める:例えば「1,120円を守る」と仮説を立てたなら、守れなかったら切る。含み損が小さくても仮説が壊れているなら撤退です。

(3)同時に複数銘柄を触らない:寄り付きは情報処理量が多いので、初心者は1銘柄に集中した方が事故が減ります。

よくある失敗パターンと対策

失敗1:出来高急増だけで飛びつく→対策:必ず「価格が割れない(守る)」か「吸収(同値大量約定)」を確認してから入る。

失敗2:見せ板に騙される→対策:板の厚みではなく“実際に約定したか”を歩み値で検証する。板が消えただけなら証拠にならない。

失敗3:寄り天を追いかける→対策:GUの日は「最初の高値更新に失敗したら一旦様子見」をルール化。上で揉んでいる時の出来高増は“分配”の可能性がある。

失敗4:損切りが遅れてナンピンする→対策:寄り付き直後のナンピンは禁止。特に逆張りは“1回で切る”くらいで丁度いい。

検証のやり方:手元で再現性を作る最短ルート

再現性は「見る→当てる」ではなく、「条件→結果」の対応を積み上げて作ります。初心者におすすめの検証手順は次の通りです。

手順1:直近20営業日で、寄り付き5分出来高が急増した日だけを抽出する(証券会社の履歴でも、TradingViewでも可)。

手順2:その日の“9:05時点”で、価格が寄り値より上か下か、VWAPより上か下かを記録する。

手順3:9:30時点・10:30時点で同じことを記録し、「急増がトレンド継続に繋がりやすい条件」を自分の目で見つける。

この作業を10銘柄×20日やるだけで、急増の“当たり方”の癖が掴めます。ここで重要なのは、勝てるルールを一気に作ることではなく、負ける条件(やってはいけない形)を先に潰すことです。

実戦チェックリスト:寄り付き5分で迷わないための確認順

最後に、寄り付き直後に画面で確認する順番をチェックリスト化します。毎回これに沿えば、感情での飛びつきが減ります。

①前日終値からの位置:GU/GDの幅はどれくらいか。

②寄り値の後の値動き:高値更新できるか、押しても割れないか。

③歩み値の質:同方向成行が続くか、同値大量約定があるか、テンポは安定しているか。

④板の反応:厚い売り板は吸収されるか、消えるだけか。

⑤VWAP位置:価格はVWAPの上か下か、VWAPが支え/抵抗として機能しているか。

⑥エントリーと損切り:仮説は何か、否定ラインはどこか、ロットは適切か。

まとめ:出来高急増は“合図”ではなく“問い”

寄り付き5分の出来高急増は、勝ちを約束するサインではありません。それは「今、誰がどの価格帯で本気で売買しているのか?」という問いを市場が投げてきている状態です。答えは、価格の割れ方、歩み値の質、板の吸収、VWAPの位置に現れます。

初心者が最初に身につけるべきは、当てる技術よりも「やらない技術」です。出来高急増に反応しても、条件が揃わない日は見送る。これを徹底すると、トレードは驚くほど安定します。

p-nuts

お金稼ぎの現場で役立つ「投資の地図」を描くブログを運営しているサラリーマン兼業個人投資家の”p-nuts”と申します。株式・FX・暗号資産からデリバティブやオルタナティブ投資まで、複雑な理論をわかりやすく噛み砕き、再現性のある戦略と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ実践できること、そして迷った投資家が次の一歩を踏み出せることを大切にしています。

p-nutsをフォローする
株式投資
スポンサーリンク
【DMM FX】入金
シェアする
p-nutsをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました