米国CPI発表で動くドル円:発表直後の二択を読み切る実戦シナリオ

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米国CPI(消費者物価指数)の発表は、ドル円(USD/JPY)が「上に飛ぶ(ドル高・円安)か、下に飛ぶ(ドル安・円高)か」の二択になりやすいイベントです。普段はレンジでじわじわ動く時間帯でも、CPIだけは数十秒で値幅が出ます。つまり“当たれば大きい”のではなく、“外すと一瞬で致命傷”になりやすい局面でもあります。

この記事では、初心者が「雰囲気トレード」で焼かれないために、CPI当日に何を見て、どの順番で判断し、どこで撤退するかを、実際のチャートで起きがちな動きに沿って整理します。難しい経済学の講義ではなく、発表の前後5分〜30分に限定した“実戦の意思決定”に絞ります。

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まず押さえる:CPIは「物価」より「金利の再計算」を動かす

CPIという名前から「物価が上がった/下がった」という話に意識が向きがちですが、相場が反応する本丸は米金利見通し(利下げ・利上げの確率)の再計算です。CPIが市場予想より強い(インフレがしぶとい)なら「利下げは遠のく→米金利が上がりやすい→ドルが買われやすい」。逆にCPIが弱いなら「利下げが近づく→米金利が下がりやすい→ドルが売られやすい」。

ドル円は基本的に日米金利差の影響を強く受けるため、CPIの直後は「米国債利回り(特に2年・10年)」が同時に動き、その方向にドル円が追随しやすくなります。初心者がまず身につけたいのは、CPIの数字そのものよりも、“発表直後に金利がどっちへ跳ねたか”を確認してから動く発想です。

発表前の準備:やることは3つだけ

イベントトレードは、発表前に準備が終わっていないと勝ち目がありません。CPI当日は、次の3つだけを事前に固めます。

① どこまで動いたら「やり過ぎ」か(許容値幅)
ドル円は普段の時間帯でも1分で数pips動きますが、CPIでは一瞬で20〜50pipsが出ることがあります。あなたの口座サイズに対して、何pipsの逆行で撤退するかを先に固定します。ここが曖昧だと、発表直後のノイズに耐えられず“お祈り”になります。

② 取引するのは「発表直後」か「5分後」か
発表直後はスプレッドが拡大し、約定が滑り、逆指値も飛びます。初心者は「秒単位の初動」を取りに行くほど難易度が上がるため、基本は“初動を見送って、方向が固まった後の押し/戻り”に寄せた方が再現性が出ます。

③ その日の重要な“壁”を2本だけ引く
チャートに線を引きすぎると判断が遅れます。CPI当日は、最低限「直近の高値」「直近の安値」あるいは「前日高値・前日安値」など、市場参加者が見やすい水準を2本だけ選びます。発表後、値がそこを突き抜けたか、跳ね返されたかが意思決定の軸になります。

発表直後の“二択”を判定する:見る順番を固定する

初心者が最もやりがちな失敗は、発表直後のローソク足の勢いだけで飛び乗ることです。まず見る順番を固定します。

Step1:ドル円が一方向に走っているか
CPI直後は上下に振れてから決まることも多いです。1分足で「上ヒゲ下ヒゲが長い」状態は、方向が決まっていません。まずは実体が連続して同じ色(上昇なら陽線、下落なら陰線)になっているかを確認します。

Step2:米金利(可能なら2年)も同じ方向か
ドル円が上に飛んでも、米金利がついて来ないなら、単なる短期のフロー(ストップ狩り、薄商いの飛び)で終わることがあります。逆に、米2年金利が同方向へ跳ねているときは、利下げ確率の再計算が走っている可能性が高く、トレンドが延びやすいです。

Step3:重要水準(事前に引いた2本)を明確に抜けたか
発表直後の値動きは派手でも、重要水準を抜けられずに戻されると「行ってこい」になりやすい。初心者は、重要水準の上(下)に“居座った”のを確認してから入る方が事故が減ります。

典型パターン①:一方向に走る「素直なCPI」

最も分かりやすいのは、発表直後から一方向に走り、押し目(戻り)が浅いまま伸びるパターンです。この場合、勝ち筋は「初動の追いかけ」ではなく、最初の押し/戻りを待って、根拠を追加して入ることです。

買い(ドル高)例
・発表直後にドル円が急騰し、1分足で陽線が連続
・同時に米2年金利も上昇
・前日高値を上抜けて、その上で数分横ばい(ブレイク後の滞空)
このときのエントリーは「上抜けした瞬間」ではなく、上抜け後の軽い押し(例えば前日高値付近へのタッチ)を待ち、反発(下ヒゲや陽線の出現)で入ります。損切りは“押しの底”ではなく、前日高値を明確に割るなど、シンプルな否定ラインに置きます。

売り(ドル安)例
・発表直後にドル円が急落し、陰線が連続
・米2年金利も低下
・前日安値を下抜けて、戻りが浅い
この場合も同じで、下抜けの瞬間に飛び乗らず、戻り(前日安値付近までの戻し)を待って、戻りが止まったタイミングで売ります。

典型パターン②:上下に振ってから決まる「罠CPI」

CPIで多いのが、最初に上へ飛び、その直後に下へ叩き落とし、最後にどちらかへ走るパターンです。ここで初心者がやられる理由は2つです。

最初の飛びに反射で付いていく(スプレッド拡大+滑りで最悪の値段を掴む)
逆指値が飛ぶ(想定より大きく滑って損失が膨らむ)

このパターンは、最初の1〜2分を「観察」に徹し、“高値と安値のどちらを更新したか”で方向判定します。例えば、最初に上へ飛んだ後に下へ叩かれ、最初の安値を割っていくなら弱い。逆に、下へ叩かれても安値を割れず、再び高値を更新するなら強い。要するに「どちらのストップが本当に狩られたか」を見ます。

典型パターン③:「行ってこい」になりやすい条件

最初は派手に動いたのに、結局発表前の水準へ戻る“行ってこい”が起きやすい条件があります。初心者は、ここを避けるだけで生存率が上がります。

条件A:米金利がついて来ない
ドル円だけ飛んで、米2年・10年が鈍い場合、フロー主導で短命になりやすいです。

条件B:重要水準を抜けても、すぐに戻される
前日高値(安値)を抜けたように見えても、次の足で戻されるなら、ブレイクは未成立です。“抜けた後に滞空できるか”を待ちます。

条件C:発表直後のスプレッドが異常に広い
スプレッドが広い時間帯は、損切りの位置が実質的に広がり、期待値が崩れます。初心者はスプレッドが平常に近づくまで待つ方が安全です。

初心者のための“テンプレ”戦術:3分待ってからの押し戻り

「結局いつ入ればいいのか」を迷うなら、次のテンプレを使うとブレません。

テンプレ
1) 発表後3分はノートレード(スプレッドとノイズが落ち着くのを待つ)
2) その3分で、直近の高値・安値(発表後のレンジ)を確定させる
3) 高値更新+米金利上昇なら買い目線、安値更新+米金利低下なら売り目線
4) 1分足〜5分足で押し/戻りを待ち、否定ラインを固定して入る

この戦い方のメリットは、「二択の方向」だけを当てに行くのではなく、“方向+構造”(ブレイクと押し戻り)を揃えてから入れることです。結果として、損切りが機械的になり、感情が入りにくくなります。

数字の読み方:ヘッドライン、コア、前年比・前月比のどれを見る?

CPIにはいくつかの数字があります。初心者は全部を追う必要はありません。ポイントは市場がどれに反応しやすいかは、局面で変わるということです。

一般に注目されやすいのは、食品・エネルギーを除いたコアCPIです。短期では前月比(MoM)がサプライズになりやすい一方、トレンド把握では前年比(YoY)が見られます。発表直後の超短期では、細かい解釈をするよりも、ニュースヘッドラインが「予想比強い/弱い」とどちらに振れたか、そしてそれが米金利に反映されたかを優先した方が判断が速くなります。

“間違っても致命傷を避ける”リスク管理:損切りは値幅より条件で決める

イベント時は値幅ベースの損切りが機能しにくいことがあります。滑りや瞬間的なヒゲで、想定より大きく持っていかれるからです。そこで、初心者は損切りを「条件否定」で置きます。

条件否定の例(買いの場合)
・前日高値を上抜けて滞空したのに、再び前日高値を明確に割って定着した
・米2年金利が上がっていたのに、発表後に急低下へ転じた(同方向性が崩れた)
このように「自分が想定したストーリーが壊れたら撤退」と決めると、損切りが納得でき、引っ張りにくくなります。

利確の考え方:伸びる局面ほど“分割”が効く

CPIで方向が当たると値幅が出ます。ここで初心者が損をするのは、利確を欲張って“行ってこい”に巻き込まれるケースです。対策は単純で、利確も分割します。


・最初の利確:直近の大きい節目(キリ番、発表前の高安、東京時間の高安など)
・残り:トレーリング(直近の1分足〜5分足の安値/高値更新で追随)
「全部を天底で取る」発想を捨てると、結果的にトータルが安定します。

実例シナリオ:発表後15分までの動きを“脚本”化する

ここからは、実際に起きがちな流れを脚本として書きます。チャートを見ながら「この状況なら何を根拠にするか」を頭に入れると、当日の判断が速くなります。

シナリオA(ドル高・円安が続く)
0分:発表。ドル円が一気に上へ。スプレッドが広い。
1分:上下に振れつつも、陽線が優勢。
3分:スプレッドが落ち着く。米2年金利も上方向。
5分:前日高値を上抜けて滞空。
6〜10分:前日高値付近まで押すが割れない。下ヒゲが出る。
→ここで買い。損切りは前日高値割れ定着。利確はキリ番で一部、残りは押し安値割れまで追随。

シナリオB(罠:最初は上、結局下)
0分:発表。ドル円が上へ飛ぶが、米金利は鈍い。
1分:上の飛びの直後に急落。ヒゲだらけ。
3分:スプレッドが落ち着く。最初の安値を割る。
5分:前日安値に接近し、割って定着。米2年金利も下方向へ。
→この場合、最初の上昇はストップ狩りだった可能性が高い。前日安値への戻り売りを狙い、否定は前日安値を回復して定着。

“やってはいけない”チェックリスト:初心者がCPIで焼かれる行動

最後に、CPI当日にやらないことを明確にします。これを守るだけで、負け方が小さくなります。

・発表の秒単位で成行で飛び乗る(滑りとスプレッドで不利)
・根拠なしのナンピン(イベント時は戻らないことがある)
・損切りを「あと少し」にずらし続ける(瞬間的に拡大する)
・重要水準を引きすぎて判断が遅れる
・“ニュースの解釈”だけで入る(相場は織り込みと金利で動く)

まとめ:CPIのドル円は「方向」より「手順」が勝率を作る

CPIは派手に動くので、方向さえ当てれば勝てそうに見えます。しかし現実には、スプレッド拡大・滑り・ノイズで、方向が合っていても負けることがあります。だからこそ、初心者が優先すべきは「二択を当てる」ではなく、見る順番と入る場所を固定し、ストーリーが壊れたら撤退するという手順です。

ポイントは3つです。(1)発表直後は待つ(2)米金利と重要水準で方向を確認する(3)押し/戻りで入って条件否定で切る。この型を身につければ、CPIは「怖いイベント」から「再現性のある練習場」に変わります。

p-nuts

お金稼ぎの現場で役立つ「投資の地図」を描くブログを運営しているサラリーマン兼業個人投資家の”p-nuts”と申します。株式・FX・暗号資産からデリバティブやオルタナティブ投資まで、複雑な理論をわかりやすく噛み砕き、再現性のある戦略と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ実践できること、そして迷った投資家が次の一歩を踏み出せることを大切にしています。

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