騰落レシオの限界値で読む「行き過ぎ」―逆張りの勝率を上げる実践ルール

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騰落レシオとは何か:まず「市場の体温計」を正しく理解する

騰落レシオ(Advance-Decline Ratio)は、一定期間における「値上がり銘柄数」と「値下がり銘柄数」の比率から、市場全体の過熱感や冷え込みを測る指標です。多くのテクニカル指標が価格そのものを加工して作るのに対し、騰落レシオは“値動きの広がり(市場参加の厚み)”を見ます。指数が上がっているのに、実は少数の大型株だけで押し上げているのか、それとも幅広い銘柄が一斉に上がっているのか──ここに騰落レシオの価値があります。

計算はシンプルです。例えば「25日騰落レシオ」なら、直近25営業日の値上がり銘柄数合計を、同期間の値下がり銘柄数合計で割り、100を掛けたものです。値上がりが多ければ100を超え、値下がりが多ければ100を下回ります。市場が熱い・冷たいを一目で捉えられる反面、「限界値(行き過ぎ水準)」を誤解すると、逆張りで早すぎるエントリーを連発して資金を削ります。この記事の目的は、騰落レシオの“限界値”を、単なる数字の暗記ではなく、運用ルールとして落とし込めるようにすることです。

「限界値」とは何か:固定の数字ではなく、行動が偏った状態のこと

騰落レシオで語られる「限界値」は、厳密な意味では“ここを超えたら必ず反転する魔法の数字”ではありません。実態は、参加者の売買行動が同じ方向へ偏り、「買うべき人が買い尽くした」「売るべき人が売り尽くした」可能性が高い状態を数値化したものです。つまり限界値は、反転そのものを保証するのではなく、反転が起きやすい地合いに入ったことを示すサインです。

この解釈が重要です。なぜなら、過熱したままさらに過熱する相場(バブル型の上げ)もあれば、売られすぎたままさらに投げ売りが続く相場(信用収縮型の下げ)もあるからです。限界値は「確率」を上げる道具であって、「当て物」ではありません。ここを押さえた上で、限界値を“トリガー”ではなく、“準備完了の合図”として使うのが実務的です。

まず押さえるべき2つの騰落レシオ:6日と25日を分けて考える

日本市場でよく参照されるのは、短期の「6日騰落レシオ」と中期の「25日騰落レシオ」です。ざっくり言うと、6日は“短期の息切れ”、25日は“地合いの過熱/冷え込み”を示します。両者を同一視すると、逆張りのタイミングがぶれます。

6日騰落レシオは、ニュースやイベントで一時的に買い(または売り)が集中したときに跳ねやすい指標です。一方、25日騰落レシオは、相場全体のトレンドが一定期間継続した結果として積み上がります。たとえば、決算期に上方修正が相次いで6日が急騰しても、25日はまだ中立ということが普通に起きます。このとき、6日だけを見て逆張りすると、トレンド途中で逆らう形になりやすいのです。

限界値の現実的な目安:数字の“暗記”ではなく“条件付きで使う”

一般に語られる目安として、25日騰落レシオは120〜130超で過熱70〜80割れで売られすぎといった水準が使われます。6日騰落レシオは短期なので振れが大きく、150〜170超で短期過熱50〜60割れで短期売られすぎといった議論がされます。ただし、これを無条件に適用するのは危険です。

そこで、私は「限界値は3段階で判定する」というルールを推奨します。①水準(どこまで行ったか)、②速度(どれくらい急に行ったか)、③地合い(指数トレンドとボラティリティ)です。水準だけの逆張りは、最も負けやすい逆張りです。逆張りが機能するのは、“行き過ぎた上で、失速の兆候が出た”ときです。

限界値を「勝てる逆張り」に変える:水準×速度×地合いの三点セット

①水準(Level):たとえば25日が125を超えた、6日が170を超えた、などです。ただしこれは「準備完了」。

②速度(Speed):例えば25日が100→125へ10営業日以内に急上昇したなら、買いが加速した可能性が高い。逆に、時間をかけてじわじわ125まで上がったなら、トレンドの持続力が強いケースが多い。速度が速いほど、反動も速い傾向があります。

③地合い(Regime):指数が上昇トレンドでボラティリティが低い局面は、過熱の“粘り”が強い。逆に、ボラティリティが高く、日々の上げ下げが荒い局面は、過熱が反転に直結しやすい。ここを無視して逆張りすると、上昇トレンドに踏まされます。

実践上は、限界値到達を見たらすぐ売るのではなく、「失速サイン」を待つのが合理的です。失速サインは、たとえば次のようなものです。指数が高値更新できなくなる、寄り天が増える、上昇日の値上がり銘柄数が減る(幅が縮む)、大型株だけで指数が保たれる、などです。騰落レシオは“幅”を見る指標なので、同じ幅の情報(値上がり銘柄数の減少)と相性が良いのがポイントです。

具体例:25日騰落レシオが125超でも反転しない相場の典型

典型例は「指数主導の上げ」ではなく「幅広い銘柄の循環的な上げ」が起きている局面です。例えば、決算が良かった業種から買われ、次に出遅れ業種へ資金が回り、さらにテーマ株へ回る──このように内部で回転しながら上げる相場は、騰落レシオが高止まりしやすい。限界値に達しても、買い手が分散しているため、いきなり崩れません。

この局面で逆張りをするなら、対象は「市場全体」ではなく「上げ疲れたサブセクター」に絞る方が勝率が上がります。例えば、半導体関連が先に走り過ぎ、同時に25日も高い。ここで指数全体のショートを建てるのではなく、半導体の中でも短期急騰して需給が薄い銘柄を、出来高減少や上ヒゲ連発などの失速サインで狙う。これが“騰落レシオを使った、的を絞った逆張り”です。

具体例:25日騰落レシオが80割れでも下がり続ける相場の典型

もう一つの典型は、信用不安や金融ショックのような「リスクオフの連鎖」です。この局面では、売られすぎでも投げが続きます。理由は単純で、価格ではなく“資金繰り”が売りの原因になっているからです。損失補填、追証回避、ポジション圧縮など、強制的な売りは指標の行き過ぎを無視します。

この局面で逆張りするなら、騰落レシオよりも先に「投げが終わった兆候」を見る必要があります。具体的には、出来高の急増と長い下ヒゲ(投げの吸収)、指数のギャップダウンからの切り返し、VIXなど恐怖指標のピークアウト、クレジット市場の落ち着き、などです。騰落レシオは、それらが整った後に「買いの優位性を確認する補助」になります。順序が逆だと負けます。

逆張りの“入口”は3パターン:即逆張り、分割逆張り、反転確認後

騰落レシオの限界値を使う逆張りには、入口の設計が重要です。私は次の3パターンに整理して使い分けます。

パターンA:即逆張り(上級者向け)。限界値到達で小さく入る。勝てる局面もありますが、踏まされやすい。やるなら損切りを極小にし、リスクリワードを取りに行く形に限定します。

パターンB:分割逆張り(実務向け)。限界値到達を「第1弾」、さらに行き過ぎが進んだら「第2弾」、反転兆候で「第3弾」。平均取得単価を相場の振れに合わせる設計です。初心者でもルール化しやすい。

パターンC:反転確認後(初心者向け)。限界値到達後に、指数の反転や幅の改善を待って入る。エントリーは遅くなるが、勝率は上がりやすい。騰落レシオは「反転が起きる土壌」を示し、トリガーは価格で引くのが安全です。

「限界値」を定量化する:自分の市場に合わせて“しきい値”を作る

ここからがオリジナリティの核心です。限界値は、市場(日本株、米株、暗号資産)、銘柄群(大型、グロース、小型)、期間(6日、25日)で変わります。最も簡単で効果が高いのは、過去データから「上位/下位パーセンタイル」で限界値を定義する方法です。

例えば、過去3年の25日騰落レシオの分布を取り、上位10%を“過熱ゾーン”、下位10%を“冷え込みゾーン”とする。すると、「125が限界」ではなく、「直近環境での上位10%水準が限界」という形になります。相場のボラティリティが上がれば分布も変わるため、固定値より現実に合いやすい。初心者でも、証券会社サイトやマーケットデータサイトで騰落レシオの推移を眺め、どの辺が“天井圏”“底値圏”として機能しているかを目視で確認できます。まずは目視→次に定量化、の順が挫折しにくいです。

“失速サイン”をルール化する:騰落レシオ単体から卒業する

騰落レシオ単体で完結させると、逆張りは不安定になります。必要なのは、失速サインの明文化です。ここでは、初心者でもチェックしやすい3つに絞ります。

サイン1:指数が高値更新できない(または安値更新できない)。過熱時に高値更新が止まったら、買いの勢いが落ちた可能性が高い。売られすぎ時に安値更新が止まったら、投げが弱まった可能性が高い。

サイン2:値上がり銘柄数の減少。指数が同程度でも、値上がり銘柄が減っているなら、上げが細っている。騰落レシオの“幅”と一致するため、信頼度が高い確認です。

サイン3:出来高の変化。過熱局面で出来高が減り始めると、上げの燃料切れが近い。売られすぎ局面で出来高が急増して長い下ヒゲが出ると、投げが吸収された可能性が高い。

この3つのうち、最低2つが揃ったらエントリー、というルールにすると、限界値到達だけの早漏れをかなり減らせます。

逆張りの具体的な売買ルール例:日本株の指数と個別の両方に対応

ここでは、実際に運用しやすいルールを例示します。細部はあなたの時間軸に合わせて調整してください。

ルール例(過熱→調整を狙う):①25日騰落レシオが上位10%ゾーンに入る(目安125超) ②6日騰落レシオが160超 ③TOPIXが直近高値を更新できず、2日連続で上ヒゲが出る ④値上がり銘柄数が3日平均で減少に転じる。ここで、指数ショートではなく、過熱が目立つ業種内の“高値掴みされやすい銘柄”を対象に、短期の戻り売り(または利確)を実行します。損切りは直近高値超え、利確は5日移動平均やボリンジャー中心線など、明確な水準を使います。

ルール例(売られすぎ→反発を狙う):①25日騰落レシオが下位10%ゾーン(目安80割れ) ②指数がギャップダウンから切り返し、日足で下ヒゲが長い ③出来高が急増 ④翌日、値上がり銘柄数が増加に転じる。ここで、いきなり全力で買うのではなく、分割で入ります。第1弾は小さく、翌日以降の反転継続で第2弾、第3弾。損切りは下ヒゲの安値割れ。利確は戻りの節目(直近の下落の半値戻しなど)を使います。

「踏み上げ」と「踏まされ」を分ける:空売り視点での注意点

過熱局面での逆張り(売り)で最大の敵は踏み上げです。踏み上げとは、空売り勢が損切りさせられて買い戻しを強制され、上昇が加速する現象です。騰落レシオが高い局面は、参加者の買いが優勢であることを意味します。つまり踏み上げが起きやすい土壌でもあります。

踏み上げを避ける実務的な方法は、「売る対象を指数ではなく、買われすぎ銘柄の中でも需給が弱いものに限定する」ことです。具体的には、短期で急騰したのに信用買い残が積み上がっている、出来高が細っている、株価が上に走った割に業績の材料が弱い、などです。市場全体が強いときに指数を売るのは、初心者には難易度が高い。騰落レシオは“相場全体の状態”を示すので、売買対象の選別とセットで初めて武器になります。

騰落レシオを「利確の合図」に使う発想:勝ちやすいのはこちら

逆張りというと「売りから入る」「底で買う」といったイメージが強いですが、初心者にとっては、騰落レシオを“利確の合図”にする方が実装しやすく、成績が安定しやすいです。なぜなら、利確は「利益が乗っている状態」で行うため、心理的負担が小さいからです。

例えば、あなたが上昇トレンドの中で押し目買いをして利益が出ているとします。そこで25日騰落レシオが過熱ゾーンに入り、6日も急騰してきたら、「ここから上もあるが、過熱で調整が入りやすい」と判断し、利益の一部を確定する。全部売る必要はありません。半分利確、残りはトレーリングストップで伸ばす。この運用は、相場が強いときに“売りで踏まされる”失敗を避けつつ、過熱を活かしてリスクを落とせます。

騰落レシオ×資金管理:逆張りは「当てる」より「耐える」が重要

逆張りの本質は、短期的には逆行しやすいポジションを持つことです。したがって、テクニカル以前に資金管理が結果を決めます。ここでは、初心者向けに3つだけ徹底する項目を示します。

①分割を前提にする:限界値到達で全力投入しない。第1弾は“様子見”。逆行したら第2弾を検討、反転兆候で第3弾。これだけで心理が安定します。

②損切り水準は価格で決める:騰落レシオがさらに行き過ぎるから、という理由で損切りを遅らせない。損切りは「直近高値/安値の更新」など、明確な価格条件に固定します。

③利確は段階的に:逆張りは反発の初動で利が出やすい一方、伸びにくいことも多い。最初の利確を早めに置き、残りを伸ばす設計が合理的です。

日常運用のワークフロー:毎朝5分で“過熱/冷え込み”を点検する

最後に、騰落レシオを日々の投資判断に落とし込む手順を示します。複雑な分析を毎日やる必要はありません。ポイントは「同じ手順で継続する」ことです。

ステップ1:25日騰落レシオが過熱ゾーン/冷え込みゾーンに入っているかを確認します。入っていなければ、無理に逆張りテーマを探さない。

ステップ2:6日騰落レシオで短期の行き過ぎを確認します。25日が過熱で、6日も過熱なら「利確・警戒」。25日が冷え込みで、6日も冷え込みなら「反発待ちの準備」。

ステップ3:指数の日足で、反転兆候(高値更新停止、下ヒゲ、出来高)を確認します。兆候がなければ“待つ”。逆張りは待てない人が負けます。

ステップ4:個別に落とす場合は、過熱なら「伸び切った銘柄」、冷え込みなら「投げが出たが事業は崩れていない銘柄」を候補にします。騰落レシオは“市場全体”の温度なので、銘柄選別で精度が決まります。

まとめ:騰落レシオの限界値は「エントリーの合図」ではなく「準備完了の合図」

騰落レシオの限界値は、単独で売買を決めるスイッチではありません。水準に加えて、速度と地合いを見て、失速サインを待つ。これだけで、逆張りの負けパターン(早すぎる逆張り、踏み上げ、投げ売りの途中で拾う)を大幅に減らせます。

さらに、逆張りの“攻め”だけでなく、“利確の合図”として使うと、初心者でも実装しやすく成績が安定します。騰落レシオは、相場の熱を客観的に見せてくれる指標です。感情で売買しがちな局面ほど、淡々と温度計を見てルールを実行する──そのための道具として、限界値を扱ってください。

p-nuts

お金稼ぎの現場で役立つ「投資の地図」を描くブログを運営しているサラリーマン兼業個人投資家の”p-nuts”と申します。株式・FX・暗号資産からデリバティブやオルタナティブ投資まで、複雑な理論をわかりやすく噛み砕き、再現性のある戦略と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ実践できること、そして迷った投資家が次の一歩を踏み出せることを大切にしています。

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