市場が「日経平均優位」から「TOPIX優位」に切り替わる局面では、値がさ株や半導体の寄与度ゲームよりも、幅広い銘柄に資金が回る“地合い”が出やすくなります。このとき強いのが、銀行・商社・保険・鉄鋼など、いわゆる低PBR(純資産倍率が低い)で、指数(TOPIX)への影響度もそこそこあるセクターです。
ただし、低PBRを「割安だから買う」という発想だけだと、動かない銘柄を抱えて時間を失います。本稿は、TOPIX優位相場において“指数主導の資金流入”を板・歩み値・出来高・指数の相関で可視化し、日中回転(デイトレ〜数日)で取りに行くための具体的な運用手順を、初心者でも再現できる形に落とし込みます。
- 1. なぜ「TOPIX優位」だと低PBRセクターが回しやすいのか
- 2. まず“地合い判定”をルール化する:TOPIX優位の定義
- 3. 銘柄選定は「低PBR」より“指数フロー受け”を優先する
- 4. 「指数フロー」を可視化する3つの観測点
- 4-1. TOPIX先物・指数ETFの動き(代替指標でOK)
- 4-2. セクター内の“連動”の強さ(群れで動くか)
- 4-3. 歩み値の質:同サイズ連続・板食いの連鎖
- 5. エントリーの基本形:押したらVWAPまで買う、戻ったら回す
- 5-1. 押し目買いのルール(例)
- 5-2. 回転のコアは「分割」と「出口の機械化」
- 6. 具体例:TOPIX優位日に「銀行」と「商社」を回すシナリオ
- 6-1. 銀行:寄り後の押し→VWAP反発を取る
- 6-2. 商社:相関が高い日に“群れ”で利を取る
- 7. 失敗を減らすフィルター:やってはいけない日
- 8. 損切りの具体化:指数回転の“想定外”はここで起きる
- 9. 初心者向けのトレーニング手順:いきなり回さない
- 10. よくある質問:低PBRなら何でもいいのか?
- 11. まとめ:TOPIX優位は「割安」ではなく「フロー」を取るゲーム
- 12. 監視画面の作り方:指数・セクター・個別を“同じ物差し”で並べる
- 13. さらに勝率を上げる「押しの質」チェック:3種類の押しを区別する
- 14. エントリーを“数字”に落とす:VWAP乖離と出来高の具体基準
- 15. 1日の回転回数の上限:やり過ぎが最大の敵
- 16. 実戦ウォークスルー:寄り付きから手仕舞いまでの意思決定
- 16-1. 寄り前(8:50〜9:00)
- 16-2. 寄り付き直後(9:00〜9:10)
- 16-3. 最初の押し(9:10〜9:40)
- 16-4. 利確(9:30〜10:30)
- 16-5. 想定外の下落(いつでも起きる)
- 17. よく効く改善ポイント:記録の取り方(勝ちパターンを再現する)
- 18. 最後に:この戦略で“狙わない”領域を決める
- 19. 応用:TOPIX優位の“終盤”でだけ効く引け前回転(上級者への入口)
- 20. 仕上げ:あなたのチェックリスト(これだけ守れば型になる)
- 21. よくある“罠”と対策:勝っているのに資金が増えない理由
1. なぜ「TOPIX優位」だと低PBRセクターが回しやすいのか
TOPIXは時価総額加重で、日経平均ほど値がさ株に偏りません。海外勢や年金、指数連動資金が動くとき、幅広い大型株に「同時に」注文が入りやすく、セクター内で似た形の上げ下げが出ます。低PBRセクターは、①構成銘柄数が多い、②売買代金が比較的安定、③ニュースがなくても指数フローで動く、という特徴があり、回転売買の土台として優秀です。
逆に、日経平均優位のときは、値がさ株(半導体、ハイテク)だけが動いて他が置いていかれがちで、低PBRセクターは“相対的に”動きません。つまり、あなたが狙うべきは「割安」ではなく「フロー(注文の流れ)」です。
2. まず“地合い判定”をルール化する:TOPIX優位の定義
曖昧な感覚で「今日はTOPIXが強い気がする」と言い出すと破綻します。以下のように、寄り前〜寄り後30分で判定を固定します。
地合い判定(例)
- 寄り付き〜30分で、TOPIXの上昇率が日経平均を上回る(例:TOPIX +0.40% / 日経 +0.10%)。
- 日経平均の上げ下げに対し、TOPIXの押しが浅い(1分足で見て、日経が陰線連発でもTOPIXが横ばい〜小反発)。
- セクター指数(銀行、保険、商社等)が同時多発的にプラス圏で推移する。
この3つのうち2つ以上が揃えば、当日は「TOPIX優位の回転日」と判断します。これで、無駄な日を排除できます。
3. 銘柄選定は「低PBR」より“指数フロー受け”を優先する
低PBRセクターといっても、同じように見えて癖が違います。回転売買で重要なのは、次の3条件です。
- 売買代金:日中の板が厚く、スプレッドが狭い(大型ほど有利)。
- 指数相関:TOPIXの1分足と同方向に振れやすい(遅行・先行の癖も見る)。
- 材料の“薄さ”:個別材料が強い日は良くも悪くも暴れ、回転の前提が崩れる(当日材料がない方が指数売買が効く)。
具体例として、銀行ならメガバンク、商社なら大手商社、保険なら大手損保・生保関連など。初心者はまず「板が厚い=逃げられる」銘柄から入るのが安全です。
4. 「指数フロー」を可視化する3つの観測点
4-1. TOPIX先物・指数ETFの動き(代替指標でOK)
個人がTOPIX先物のフローを完全に読むのは難しいですが、代替として「TOPIXの1分足」「主要ETFの板と約定」「セクターの同時性」を見ます。ポイントは、個別のチャートより“同時に動くか”です。
例:TOPIXが1分で+0.10%上がった瞬間、銀行・商社の代表銘柄がほぼ同時に上向き、歩み値に成行買いが増える。これが出る日は回転日です。逆に、TOPIXだけ上がっているのに銘柄が動かないなら、指数は別要因(先物の歪み)で、個別にフローが来ていません。
4-2. セクター内の“連動”の強さ(群れで動くか)
銀行なら、メガバンク3銘柄が同じタイミングでVWAPを上抜ける/同時に下げ止まる、商社なら大手5社が同時に反発、という“群れ”を確認します。群れができる日は、個別材料ではなく資金フローが主導しています。
4-3. 歩み値の質:同サイズ連続・板食いの連鎖
指数フローは、手動の裁量よりも「似たサイズの約定が連続」しやすい傾向があります。歩み値で、同じロット(例:5,000株、10,000株)が同方向に連続し、かつ板の厚みが再補充されるなら、アルゴ・指数連動の可能性が高い。これを“買いの質が良い”と定義します。
5. エントリーの基本形:押したらVWAPまで買う、戻ったら回す
TOPIX優位日は、個別材料での一方向トレンドというより、「指数が押したら全体が押し、指数が戻れば全体が戻る」波になります。そこで、初心者が最初に採用すべきは、VWAP(出来高加重平均価格)を軸にした押し目・戻りの回転です。
5-1. 押し目買いのルール(例)
- 当日、銘柄が寄り後に一度上昇している(買いが入っている証拠)。
- その後の押しで、VWAP付近、またはVWAPの少し上(0〜0.3%上)まで戻る。
- 押しの最中に出来高が減る(投げが一巡している)。
- 1分足〜5分足で下ヒゲ、または安値更新が止まる。
ここでエントリーし、利確は「直近高値の手前」または「上昇が鈍化して歩み値の買いが細る地点」。損切りはVWAPを明確に割れた後の戻りで切る(“戻り待ち”で傷を広げない)。
5-2. 回転のコアは「分割」と「出口の機械化」
回転売買の成否は、入口より出口にあります。初心者が負ける典型は、含み益を見て欲張り、指数の押しで利が消えるパターンです。対策はシンプルで、利確を分割します。
- 利確①:+0.3%〜+0.5%で1/2を落とす(“最低限の勝ち”を確保)。
- 利確②:残りは直近高値更新に失敗したら全て(欲張らない)。
- 伸びたら:VWAP乖離が+1.0%を超えたあたりから追わず、次の押し待ち。
これで、指数が押したときの取りこぼしが減ります。
6. 具体例:TOPIX優位日に「銀行」と「商社」を回すシナリオ
想定:寄り後30分でTOPIXが日経をアウトパフォーム。銀行セクター指数が堅調。大手商社も同時に強い。
6-1. 銀行:寄り後の押し→VWAP反発を取る
寄り直後に上昇して高値をつけ、その後指数が一度押して銀行も同時に下げる。ここで、歩み値の成行売りが一巡し、板の買い厚が戻ってくる。さらに、VWAP付近で下ヒゲが出る。これが“指数押しの底”の典型です。
エントリーはVWAP近辺。利確は直近高値の手前で半分、残りは高値更新失敗で全て。指数が再度押したら、次の銘柄に移るか、同銘柄の2回転目を狙う(ただし、出来高が枯れてきた後場は回転効率が落ちるため、無理に回さない)。
6-2. 商社:相関が高い日に“群れ”で利を取る
商社は、同セクターで似た形になりやすい日があり、その日は「1銘柄のシグナルが他銘柄の先行指標」になります。例えば、A社がVWAPを回復し、歩み値が同サイズ買い連続に変わったのを見て、B社・C社もほぼ同時に反発する。ここで、複数銘柄を監視し、最も板が素直な銘柄に入ります。
“群れ”が崩れたら撤退します。具体的には、TOPIXが横ばいなのに商社の1社だけ急落、あるいは材料ニュースで一社だけ独自に動き出したら、その日の商社回転は終了です。
7. 失敗を減らすフィルター:やってはいけない日
TOPIX優位に見えても、回転売買が機能しにくい日があります。以下は見送るべき典型です。
- イベント日:政策イベントや重要指標で指数が急変しやすい(押しが深く、VWAPが機能しない)。
- セクター材料の日:金融規制、決算集中、格付けなどで個別が暴れる(指数フローより材料が勝つ)。
- 出来高が薄い日:祝日前や海外休場で、板が薄く、スプレッドが広がる(回転のコストが増える)。
この見送りルールが守れるだけで、成績は一段上がります。
8. 損切りの具体化:指数回転の“想定外”はここで起きる
指数フローの回転では、「想定外=指数が崩れる」ことです。個別の悪材料より、指数の崩れが最大リスクになります。そこで損切りは、個別の形ではなく、指数と連動して決めます。
- TOPIXが直近安値を割れ、戻りが弱い(1分足で戻りが半分も戻らない)。
- 狙っているセクターが、TOPIXに対して逆行して下げ始める(相関崩れ)。
- 歩み値が成行売り連続に変わり、板の買いが“補充されない”。
この3つのどれかが出たら、VWAPやテクニカル以前に撤退。回転は“生存ゲーム”です。
9. 初心者向けのトレーニング手順:いきなり回さない
最初から実弾で回転を始めると、指数の癖に慣れる前に資金が削れます。次の順序で練習してください。
ステップ1:観測だけ(1週間)
寄り後30分でTOPIX優位判定→銀行・商社の代表銘柄が“群れ”で動くか観察。歩み値で同サイズ連続が出たかメモ。
ステップ2:1銘柄・1回転だけ(次の1〜2週間)
VWAP押し目1回だけ狙い、利確を分割。損切りは指数崩れで即。これだけで十分です。
ステップ3:同セクター2銘柄を監視(慣れてから)
群れの先行銘柄を合図に、板が素直な方へ入る。入った後は“利確先行”で回す。
10. よくある質問:低PBRなら何でもいいのか?
答えはNOです。低PBRは“候補条件”に過ぎません。回転売買に必要なのは、①指数フローが来るセクターであること、②板が厚く逃げられること、③当日材料で歪んでいないこと、です。低PBRでも出来高が薄い銘柄は、回転に向きません。
11. まとめ:TOPIX優位は「割安」ではなく「フロー」を取るゲーム
TOPIX優位の相場で勝率を上げるコツは、割安指標の解釈よりも、資金フローの可視化と、VWAPを軸にした機械的な回転です。やることは多く見えますが、実際は次の4点に収束します。
- 寄り後30分でTOPIX優位を判定する。
- 群れ(同時性)と歩み値の質で、指数フローの有無を確認する。
- VWAP押し目で入り、利確は分割、損切りは指数崩れで即。
- 材料日・薄商い日は見送る。
この型を守るだけで、「動かない割安株を抱える」失敗から卒業できます。次に伸ばすなら、セクター内の先行・遅行の癖を記録し、合図役の銘柄を見つけてください。回転は、観測→型→改善の順で強くなります。
12. 監視画面の作り方:指数・セクター・個別を“同じ物差し”で並べる
回転の実務(=実際の運用手順)で最も効くのは、監視画面の設計です。TOPIX優位日は、値動きの“原因”が個別ではなく指数フローにあるため、個別チャートだけ見ていると判断が遅れます。最低でも次の4枠を同時に見られるようにします。
- 指数枠:TOPIX、日経平均(できれば先物も)を1分足で表示。
- セクター枠:銀行、保険、商社(業種指数やセクターETF等)を1分足で表示。
- 候補銘柄枠:銀行2〜3銘柄、商社2〜3銘柄を同倍率・同時間足で表示。
- 板・歩み値枠:主戦場の1銘柄は板と歩み値を常時表示。
“同倍率・同時間足”が重要です。拡大率が違うと、押しの深さや反発の勢いを誤認し、回転の入口がブレます。
13. さらに勝率を上げる「押しの質」チェック:3種類の押しを区別する
押し目買いは万能ではありません。押しの中身を区別できると、不要なエントリーが激減します。
押しA:指数押し(狙うべき)
TOPIXが短時間で下げ、銀行・商社が“同時に”押す。歩み値は成行売りが一巡し、板の買いが再補充される。出来高は押し局面で減速しやすい。
押しB:セクター押し(慎重)
TOPIXは横ばいなのに銀行だけ押す、あるいは商社だけ押す。ニュースや金利、為替などの要因が絡みやすい。群れの崩れが見えたら、回転ではなく見送りが正解になりやすい。
押しC:個別押し(原則やらない)
TOPIXもセクターも崩れていないのに、1銘柄だけ急落。誤発注や材料、需給の偏りが疑われ、回転の前提が崩れる。
初心者は、押しAだけに限定してください。これが最短で勝率が上がるフィルターです。
14. エントリーを“数字”に落とす:VWAP乖離と出来高の具体基準
感覚で入ると再現できません。以下は目安ですが、基準を持つだけで精度が上がります。
- エントリーゾーン:VWAPの-0.1%〜+0.3%(銘柄の値動きが荒いほど幅を広げる)。
- 押し局面の出来高:直前5本(1分足)平均に対して0.6倍以下まで落ちると“投げ一巡”の可能性が上がる。
- 歩み値:成行売りが連続した後、同サイズ買いが2〜3回連続し始めたら反転のサイン。
- 板:買い板が厚く“見える”だけではダメ。約定しても買い板が補充される(吸収される)ことを確認。
ここで重要なのは、数値を絶対視しないことです。数字は「観測の起点」であり、最終判断は“指数と群れ”が揃っているかで決めます。
15. 1日の回転回数の上限:やり過ぎが最大の敵
TOPIX優位日はチャンスが多く見えるため、回転回数を増やしがちです。しかし、回転は取引コスト(スプレッド・手数料・滑り)との戦いでもあります。初心者は上限を決めてください。
- 午前:最大2回転(同一銘柄でも別銘柄でも合計2回)
- 午後:最大1回転(後場は流動性が落ちる日が多い)
- 合計:最大3回転
これ以上は、勝っても疲労とミスで相殺されやすい。回転は“少ない回数で勝率を上げる”発想が正解です。
16. 実戦ウォークスルー:寄り付きから手仕舞いまでの意思決定
ここでは、典型的なTOPIX優位日を想定し、時系列で何を見て、どう判断するかを具体化します。銘柄名は固定しません。あなたが監視している銀行2銘柄・商社2銘柄に置き換えて読んでください。
16-1. 寄り前(8:50〜9:00)
確認するのは「その日が指数フロー日になり得るか」です。寄り前気配で、銀行・商社の複数銘柄が似た方向(同じように強い/弱い)になっているかを見ます。個別材料で1銘柄だけ突出している場合、その銘柄は“回転候補から外す”のが無難です。
16-2. 寄り付き直後(9:00〜9:10)
最初の10分は、あなたが予想するよりノイズが多い時間帯です。ここは「方向当て」ではなく「同時性の確認」に徹します。TOPIXが上に振れた瞬間、銀行・商社が同時に跳ねるか。歩み値に成行買いが連続するか。ここで同時性が弱ければ、その日は回転日ではない可能性が上がります。
16-3. 最初の押し(9:10〜9:40)
回転で最も取りやすいのが、この時間の“指数押し”です。典型は、寄り後に一度上げた後、指数が一度押して全体が下がる動き。狙いはVWAP付近までの押しです。
エントリー手順は次の通りです。
手順
①TOPIXが押している(指数押しA)。
②銀行・商社が群れで押している(同時性)。
③狙い銘柄がVWAP付近へ接近。
④押しの出来高が減速し、歩み値の売り連続が鈍化。
⑤板の買いが補充され始めたのを確認してエントリー。
この順番を守るだけで、“落ちるナイフ”を掴みにくくなります。
16-4. 利確(9:30〜10:30)
利確は「上がったから売る」ではなく、「上がり方が変わったら売る」です。具体的には、歩み値の成行買いが細り、板の上に厚い売りが居座る、または高値更新を2回連続で失敗する。ここが分割利確のタイミングです。
利確①で半分を落とした後、残りを引っ張るかどうかは指数で決めます。TOPIXがなお堅調なら、残りは高値更新チャレンジに賭ける価値があります。TOPIXが横ばいに変わったら、残りも回収して次の押し待ちに切り替えます。
16-5. 想定外の下落(いつでも起きる)
指数フロー相場の怖さは、“理由が見えない押し”が突然来ることです。ここで耐えると回転は壊れます。撤退判断は、個別のチャート形状ではなく、次のシグナルで機械化します。
- TOPIXが直近安値を割って戻らない(戻りが弱い)。
- 狙いセクターがTOPIXに対して明確に劣後し始める。
- 歩み値が売り連続+板の補充なしに変わる。
このどれかが出たら、含み損が小さいうちに切る。それが回転の“運用”です。
17. よく効く改善ポイント:記録の取り方(勝ちパターンを再現する)
回転は経験値が資産になります。ただし、ただ見ているだけでは蓄積しません。最低限、次の5項目をトレードごとに記録してください。
- その日の地合い判定(TOPIX優位の根拠:どの条件が揃ったか)
- エントリー位置(VWAP乖離、時間、押しの種類A/B/C)
- 歩み値の状態(買い連続/売り連続、同サイズの有無)
- 利確・損切りの理由(高値更新失敗、指数崩れ等)
- 反省点(やり過ぎ、見送るべきだった等)
この記録を2〜3週間続けると、「あなたが勝てるTOPIX優位日」が言語化され、無駄なトレードが減ります。
18. 最後に:この戦略で“狙わない”領域を決める
回転売買は、やることを増やすほど成績が落ちます。次の領域は、意図的に捨ててください。
- 寄り直後の方向当て(ノイズが多い)
- VWAPから大きく乖離した追いかけ(戻りで削られる)
- 薄い銘柄・スプレッドが広い銘柄(コスト負け)
- 材料で暴れている銘柄(指数フローの前提崩れ)
TOPIX優位日は、“割安”の見立てではなく、フローと同時性に張る日です。やるべきことを絞り、観測→型→改善の循環を回せば、初心者でも着実に勝率を引き上げられます。
19. 応用:TOPIX優位の“終盤”でだけ効く引け前回転(上級者への入口)
初心者は基本的に前場メインで十分ですが、慣れてきたら「引け前だけ」狙う回転も有効です。理由は、指数連動フローが引けに寄る日があり、銀行・商社の大型株はその影響を受けやすいからです。ただし、やるなら条件を厳格にします。
- 前場から一貫してTOPIX優位が継続している(途中で崩れていない)。
- 後場も群れが保たれている(セクター内の連動が崩れていない)。
- 引け前にTOPIXが押した後、戻りが強い(買いが残っている)。
エントリーは「引け前の指数押し→VWAP近辺で反発」のみ。利確は欲張らず、引けまで引っ張る場合も、途中で板が急に薄くなったり、売り連続に変わったら即撤退します。引け前はスプレッドが一時的に広がることもあるため、“板が厚い銘柄限定”が必須です。
20. 仕上げ:あなたのチェックリスト(これだけ守れば型になる)
最後に、日々の運用で迷いを減らすため、チェックリストを提示します。トレードの前にこの順番で確認してください。
- ①寄り後30分でTOPIX優位か(条件2つ以上)。
- ②銀行・商社が群れで動いているか(同時性)。
- ③当日材料で歪んだ銘柄を避けたか。
- ④押しの種類は指数押しAか。
- ⑤エントリーはVWAP近辺か(乖離が大きすぎないか)。
- ⑥利確は分割する設計か。
- ⑦損切りは指数崩れで機械的に切る準備があるか。
- ⑧本日の回転回数上限を決めたか。
チェックリストを守るだけで、回転売買の最大の敵である「その場の思いつき」が排除されます。結果として、負けの原因が明確になり、改善の速度が上がります。
21. よくある“罠”と対策:勝っているのに資金が増えない理由
回転売買は勝率が高く見えても、資金が増えないケースがあります。原因はだいたい次の3つです。
罠1:利小・損大
小さく取れて満足し、想定外の指数崩れで1回の損切りが全てを吐き出す。対策は、損切りを指数崩れで即断し、損失幅を“最大でも-0.3%〜-0.6%程度”に収める発想です(銘柄の値動きに合わせて調整)。
罠2:回転し過ぎてコスト負け
勝っているのに、手数料と滑りで残らない。対策は、回転回数上限(合計3回転)と、板が厚い銘柄限定、スプレッドが広い瞬間は入らない、の3点です。
罠3:群れが崩れたのに戦い続ける
TOPIX優位でも、午後にかけて群れが崩れる日はあります。その日に無理に回すと、個別要因に巻き込まれやすい。対策は「群れが崩れたら終了」という撤退基準を持つことです。回転は“やめ時”が最大の技術です。


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