相対出来高RVOLの使い方|時間帯をそろえて本物の活況を測る

相対出来高RVOLを時間帯別に比較する架空の成人日本人女性アナリスト。AI生成イメージ。 日本株・短期売買

出来高が多い銘柄は注目されますが、午前10時の出来高を一日平均と比較しても、活況かどうかを正しく判断できません。相対出来高、RVOLは現在までの出来高を、過去の同じ時刻までの平均と比較する指標です。株価水準や発行株数が違う銘柄でも、普段の自分と比べて参加者が何倍いるかを測れます。

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基本計算は同時刻でそろえる

10時までの累積出来高が60万株、過去20日間の10時までの平均が30万株ならRVOLは2.0です。普段の2倍の速度で取引されています。前日一日出来高が100万株だから0.6と計算する方法では、残り時間を無視します。

寄り付き直後は出来高が集中し、昼は減り、大引けに再び増えます。5分ごとの累積曲線を過去平均と重ねれば、朝だけの活況か、一日を通して参加が続いているか分かります。比較期間は20日を出発点にし、決算翌日など異常日を含む場合の扱いを固定します。

現在と過去平均の累積出来高曲線からRVOLを計算する図解
図1:一日平均ではなく、同じ時刻までの累積出来高を比較する。

RVOLが示すのは注目度であって方向ではない

RVOL3.0でも、買いと売りが激しく衝突して価格が横ばいの場合があります。下落材料で売買が増えていることもあります。RVOLは市場参加の強さを示しますが、上昇サインではありません。方向は高値・安値、VWAP、レンジ離脱、指数との比較で決めます。

価格が高値を更新し、VWAP上を維持し、RVOLが2.5から3.0へ上昇するなら上昇への参加が続く候補です。価格が高値更新してもRVOLの伸びが鈍り、上ヒゲが増えるなら勢いの失速を疑います。水準と変化を併用します。

累積RVOLと区間RVOL

累積RVOLは朝から現在までを合計するため、寄り付きの大商いが午後まで影響します。9時台だけRVOL5でも、その後取引が止まれば午後の現在勢いを過大評価します。直近15分出来高を過去同時刻の15分平均と比べる区間RVOLを併用します。

累積RVOL2.8、直近15分RVOL0.7なら、朝の材料には注目が集まったものの足元では参加が減っています。累積2.0、区間3.0なら新しい注文が入り始めています。保有中の継続判断には区間、銘柄選別には累積を主に使います。

架空のブレイク例

10時時点で累積出来高90万株、同時刻20日平均36万株ならRVOL2.5です。株価は1,730~1,758円のレンジを終値で上抜け、直近15分RVOLは3.2、業種指数も高値更新とします。1,763円で買い、レンジ内の1,752円を無効化水準、滑り2円なら一株リスクは13円です。

許容損失8,000円なら615株ですが、100株単位で600株、計画損失7,800円です。2Rは1,789円です。日足抵抗が1,780円なら17円先、約1.31Rしかないため、利食い設計か取引自体を再検討します。高RVOLでも採算不足は解消しません。

累積RVOLと区間RVOLおよび損切り幅から株数を判断する図解
図2:参加の継続性を確認しても、最終的な株数は損失額から決める。

異常日を平均へどう入れるか

直近20日に決算翌日の出来高10倍が含まれると平均が引き上がり、通常日のRVOLが低く出ます。単純平均に加え中央値、上下10%を除いたトリム平均を比較します。どれを採用するかは検証前に固定します。

決算翌日を除外すると当日の決算銘柄を過大評価する場合があります。通常日モデルとイベント日モデルを分け、当日がどちらか分類する方法が実用的です。母集団を都合よく入れ替えません。

売買代金と浮動株を確認する

株価100円の100万株と株価1万円の100万株では投入資金が違います。出来高だけでなく売買代金を確認します。また浮動株が少ない銘柄では同じRVOLでも価格影響が大きく、値幅と滑りが増えます。

RVOLが高くても売買代金が自分の注文に対して小さいなら見送ります。予定注文金額を直近1分売買代金の1~5%以下にするなど、執行条件を設けます。板の飛びと実約定滑りも記録します。

寄り付き前ランキングの注意

気配段階の注文量は取消し可能で、実出来高ではありません。前日出来高比や気配数量で候補を作っても、寄り付き後5~15分の実約定でRVOLを更新します。特別気配でまだ約定していない銘柄を出来高ゼロとして通常銘柄と比較しません。

ニュース、決算、適時開示の有無を確認し、注目の理由を分類します。理由が分からなくても取引はできますが、予定外の開示や売買停止リスクを確認します。材料の強さを断定的な利益予測へ結びつけません。

相対出来高の低下を手仕舞いに使う

累積RVOLは合計なので急には下がりません。区間RVOLが2.5、1.6、0.8と低下し、価格も高値を更新できず、直近安値を割るなら、一部利食いまたは撤退候補です。出来高低下単独ではなく価格構造と合わせます。

一方、押し目で区間出来高が減ることは健全な場合があります。下落時0.7、再上昇時2.2なら売り圧力が弱く買い参加が戻った候補です。「出来高減=弱い」ではなく、どちらの価格移動で増減したかを見ます。

時間帯別の基準

9時5分は一つの大口約定でRVOLが急変するため、最低約定件数や売買代金を条件にします。昼休み明けは前場累積が残るので区間RVOLを重視します。大引け前は指数連動注文が増えるため、通常の材料継続と分けます。

時刻をそろえても曜日、SQ、月末で分布が変わります。まず単純な20日同時刻比から始め、十分な件数が集まってから曜日別などを検討します。条件を細分化し過ぎると標本が不足します。

検証方法

累積RVOL、区間RVOL、計算基準、材料分類、価格のVWAP位置、レンジ離脱、業種方向、エントリー、損益R、最大滑りを記録します。RVOL1.5~2、2~3、3以上で平均Rを比較します。

高いほど良いと仮定せず、極端なRVOLでは過熱と滑りが増えていないか見ます。過去50件でRVOL2~3の期待値が0.25R、3以上が0.08Rなら、後者を追わないルールも考えられます。手数料と滑りを必ず差し引きます。

日次運用

9時15分、10時、前引け、13時、14時30分など固定時刻でランキングを更新します。常時順位を追うと小さな変化で候補が入れ替わります。上位から流動性、材料、価格構造で5銘柄へ絞ります。

引け後にランキング上位のその後60分リターンを保存し、取引しなかった銘柄も調べます。RVOL条件が機会を増やしただけか、期待値を改善したかを確認します。

実行前チェックリスト

  • 同じ時刻までの過去出来高と比較したか
  • 累積と直近区間を区別したか
  • RVOLを方向サインにしていないか
  • 異常日の平均処理を固定したか
  • 売買代金と浮動株を確認したか
  • 価格構造と業種方向が一致するか
  • 滑り込みの株数を計算したか

予測出来高への換算

現在RVOLをそのまま大引けまで掛ける方法は、時間帯特性を無視します。過去平均累積曲線で10時までに一日出来高の35%が成立する銘柄なら、10時の60万株から単純予測は約171万株です。現在の参加速度が続く保証はないため、区間RVOLで更新します。

朝の材料で10時までに60%を消化する日なら、単純予測は過大になります。9時30分、10時、前引け時点の予測誤差を過去データで測り、時間が進むほど信頼度を上げます。予測値はランキング補助であり、株価方向を決めません。

価格効率と組み合わせる

出来高100万株で30円進む銘柄と、同量で3円しか進まない銘柄では注文の吸収度が違います。一定区間の価格変化を売買代金や出来高で割り、参加増加が価格へ効率よく伝わっているかを見ます。

RVOL3でも価格効率が低下し、高値更新幅が縮むなら供給が増えています。RVOL1.8でも少ない売買で高値を更新し、押しの出来高が減るなら需給が軽い可能性があります。量と価格反応を必ず対にします。

相場全体の活況を補正する

市場全体の売買代金が平常時の1.5倍なら、多くの銘柄でRVOLが上がります。個別RVOL2.0でも市場調整後は1.33相当です。TOPIX構成銘柄全体や同業種の中央値RVOLと比較し、個別固有の注目か全面的な活況かを分けます。

業種中央値1.2に対して対象3.0なら相対的にも強い参加です。業種全体3.0で対象3.1なら特別ではありません。個別、業種、市場の三層を表示すると、テーマ資金と銘柄固有材料を整理できます。

高RVOL後の押し目

初動で累積RVOL4まで上がり、その後の押しで区間RVOL0.8、再上昇で2.5へ戻るなら、売りが少なく買い参加が再開した候補です。高RVOLの大陽線を追うより、押しの量と再加速を待てます。

押しで区間RVOL3、安値を連続更新するなら利益確定だけでなく新規売りが強い可能性があります。初動の累積値に安心せず、直近区間と価格構造で保有を見直します。

株数と市場参加率

予定600株に対し直近1分約定が1万株なら参加率6%です。通常は処理可能でも、損切りが他者と集中すると滑りが増えます。直近最悪時の板厚と約定量から、許容参加率を決めます。

RVOLが高い日は流動性が増える一方、値動きも速くなります。出来高が多いから株数を増やすのではなく、価格ストップ幅と悪い側の滑りで計算します。流動性改善は計算後の上限確認に使います。

期待値の例

RVOL条件なしのブレイク100件が勝率39%、平均利益1.6R、平均損失0.95Rなら期待値は0.0445Rです。累積RVOL2以上かつ区間RVOL上昇の45件が勝率47%、平均利益1.7R、平均損失0.9Rなら0.322Rです。

ただし条件を作った期間だけで評価せず、別期間へ適用します。閾値1.8、2.0、2.2で結果が大きく変わらないか、取引数が不足しないかを確認します。手数料、滑り、未約定も差し引きます。

監視リストの採点例

累積RVOL2以上を2点、区間RVOL上昇を2点、VWAP同方向を2点、業種上位を2点、抵抗まで2R以上を2点として、8点以上だけ監視する方法があります。点数は銘柄数を減らす道具であり、発注は価格トリガー完成後です。

引け後に点数帯別の最大有利変動と最大逆行幅を保存します。高得点でも成績が同じなら、似た情報を二重評価している可能性があります。採点項目を増やさず、異なる相場で安定する最小構成を探します。

データ欠損への対応

売買停止や特別気配で約定がない時間をゼロ出来高として通常平均との差へ入れると、再開後のRVOLが歪みます。欠損日を除外するかイベント群へ分け、比較対象の日数も表示します。20日平均でも有効日が8日しかなければ信頼度を下げます。

まとめ

RVOLは普段の自分と比べて現在の参加者が何倍いるかを測る指標です。同時刻の累積出来高で選別し、区間RVOLで足元の継続性を確認します。方向は価格構造、実行可能性は売買代金と滑り、株数は許容損失から決めます。この役割分担により、単なる出来高ランキングを検証可能な短期売買フィルターへ変えられます。

p-nuts

お金稼ぎの現場で役立つ「投資の地図」を描くブログを運営しているサラリーマン兼業個人投資家の”p-nuts”と申します。株式・FX・暗号資産からデリバティブやオルタナティブ投資まで、複雑な理論をわかりやすく噛み砕き、再現性のある戦略と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ実践できること、そして迷った投資家が次の一歩を踏み出せることを大切にしています。

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