ボリンジャーバンドスクイーズで狙うトレンド初動トレード戦略【株・FX・暗号資産】

テクニカル分析

ボリンジャーバンドは、多くのチャートソフトや証券会社のツールに標準搭載されている代表的なテクニカル指標です。その中でも「ボリンジャーバンドスクイーズ」は、相場が大きく動き出す直前の「エネルギーが溜まっている状態」を見つけるために非常に有効なシグナルです。本記事では、株・FX・暗号資産など様々なマーケットで使えるボリンジャーバンドスクイーズの考え方と、具体的なエントリー・決済戦略を、初心者でも実践しやすい形で詳しく解説します。

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ボリンジャーバンドスクイーズとは何か

ボリンジャーバンドは、移動平均線を中心に、その上下に一定の標準偏差(ボラティリティ)をバンドとして描いた指標です。価格がバンドの中に収まる確率は統計的にある程度想定されており、バンドの広がり・縮まりを見ることでボラティリティの変化を捉えることができます。

「スクイーズ」とは、ボリンジャーバンドの上下のバンド同士が近づき、全体としてギュッと縮まっている状態を指します。これは、相場のボラティリティが低下し、価格がレンジ内で小さく動いている時に発生します。多くの場合、このスクイーズ状態の後に、どちらか一方向への大きなトレンドが発生しやすいと言われています。

言い換えると、スクイーズは「大きく動く前の静けさ」を視覚的に捉えるためのサインです。トレンドの途中で振り回されるのではなく、トレンドの初動に乗りたいトレーダーにとって、とても重要な局面になります。

なぜスクイーズが重要なのか:ボラティリティとトレンドの関係

相場には「低ボラティリティの後に高ボラティリティが来る」という性質があります。長い時間、値動きが小さく抑えられていると、どこかのタイミングで参加者の売買が一方向に偏り、一気に価格が放出されることが多いです。このとき、エントリーを間違えなければ、比較的短時間で大きな値幅を取りにいくことができます。

ボリンジャーバンドスクイーズは、この「低ボラ→高ボラへの転換点」を視覚的に教えてくれます。特に、スクイーズ後にバンドが一方向に急激に拡大し、ローソク足がバンドの外側に飛び出すような動きが出たときは、トレンドの初動である可能性が高まります。

もちろん、すべてのスクイーズが必ず大きなトレンドに発展するわけではありません。しかし、ランダムにブレイクアウトを狙うよりも、スクイーズという「エネルギー蓄積のサイン」を条件に加えることで、無駄なエントリーを減らすことが期待できます。

ボリンジャーバンドスクイーズの基本的な見つけ方

一般的なボリンジャーバンドの設定は、期間20・偏差2(±2σ)です。特にこだわりがなければ、まずはこの設定で問題ありません。スクイーズを探す手順は次の通りです。

1. チャートにボリンジャーバンド(期間20・偏差2)を表示します。
2. 上下のバンドの幅が、直近の値動きと比べて明らかに狭くなっている箇所を探します。
3. ローソク足がバンド内で小さく収まり、ヒゲも含めてバンド幅の中に「窮屈に」詰まっているような状態を確認します。
4. その後、上下どちらかにバンドが開き始め、ローソク足が一方向に連続して動き出すポイントを注目します。

慣れてくると、チャートをざっと眺めるだけでスクイーズのポイントが自然と目に入るようになります。最初のうちは、過去チャートをさかのぼりながら「スクイーズ → トレンド発生」というパターンを何度も確認して目を慣らすとよいです。

株式市場での具体例:日足チャートでの順張り戦略

株式市場では、個別銘柄が決算や材料をきっかけに大きく動き出す前に、しばらく出来高も価格変動も落ち着いてスクイーズ状態になることがあります。この局面を狙ったシンプルな順張り戦略の例を紹介します。

例として、ある成長株の冷静な局面をイメージしてください。しばらく株価は50日移動平均線の近辺で横ばいが続き、ボリンジャーバンドもギュッと細くなっています。ローソク足も小さく、出来高も以前より減っています。この状態は、多くの市場参加者が様子見している「エネルギーの溜め込み期間」と捉えることができます。

ここから上方向へのトレンド初動を狙う場合、次のようなルールが考えられます。

1. ボリンジャーバンド(20・2σ)の幅が過去数十本と比べて明らかに狭くなっていること。
2. 終値が上側バンドを陽線で明確にブレイクしたら買いエントリー。
3. 直近安値またはスクイーズ期間のレンジ下限に損切りラインを設定。
4. バンドが再び横ばい・縮小し始めたタイミング、または価格が20日移動平均線を大きく割り込んだタイミングで利確。

このように、スクイーズ後の「最初のはっきりしたブレイク」を待ってからエントリーすることで、ダマシをある程度減らしながらトレンドの初動に乗ることを狙います。実際の銘柄で過去チャートを検証し、自分なりにルールを微調整していくことが重要です。

FX市場での具体例:レンジブレイクを狙うデイトレ

FXでは、ロンドン時間やニューヨーク時間の本格スタート前に、アジア時間でスクイーズが発生することがあります。特に、ドル円やユーロドルなどの主要通貨ペアでは、経済指標発表や要人発言の前に値動きが小さくなり、バンドが細くなる場面がよく見られます。

例えば、ドル円1時間足で、東京時間はほとんど方向感がなく、ボリンジャーバンドが細く絞られた状態だとします。ロンドン時間のスタートとともに出来高が増え、ローソク足が上側バンドを勢いよくブレイクした場合、スクイーズ後のトレンド初動として上方向の順張りが検討できます。

このときの基本的な戦略例は次のとおりです。

1. 1時間足でボリンジャーバンドがスクイーズしていることを確認。
2. ロンドン時間開始前後で、上側または下側バンドのどちらかに明確なブレイクが発生。
3. ブレイク方向に数pips抜けたところでエントリー。
4. 損切りはスクイーズ中のレンジ中央付近、もしくは反対側のバンド付近に設定。
5. 利確は直近の高値・安値や、一定のRisk/Reward比(例えば1:2など)に基づいて設定。

FXではスプレッドや短期的なノイズの影響もあるため、あまりに短い時間足(1分足など)でスクイーズを狙うとダマシが多くなります。最初は1時間足や4時間足など、ある程度の時間軸でパターンを検証することをおすすめします。

暗号資産市場での具体例:週足スクイーズからの大相場

暗号資産(仮想通貨)市場は、株やFXに比べてボラティリティが高く、トレンドが発生すると非常に大きな値幅が出ることがあります。その一方で、長期間にわたってボラティリティが極端に低下し、投資家から注目されなくなる「冬の時期」もあります。

例えば、ビットコインの週足チャートで、数か月〜1年以上にわたり価格が狭いレンジで推移し、ボリンジャーバンドがほとんど平行に近い形で細くなっている場面があります。このような長期スクイーズの後に起きるブレイクは、中長期の大相場の起点となることがあります。

暗号資産で週足スクイーズを使った中期戦略の例は次のとおりです。

1. 週足チャートにボリンジャーバンド(20・2σ)を表示。
2. バンド幅が過去数年と比較しても極端に狭い水準になっていることを確認。
3. 週足終値が上側バンドを明確にブレイクしたら、分割で買いエントリー。
4. 損切りはスクイーズ期間のレンジ下限、または週足ベースのサポートライン下に設定。
5. その後、バンドが大きく拡大し、トレンドが成熟するにつれて一部ずつ利確していく。

暗号資産は価格変動が激しいため、ポジションサイズやレバレッジ管理が特に重要です。同じスクイーズ戦略でも、株・FX以上にリスクコントロールを慎重に行う必要があります。

ダマシを減らすためのフィルター条件

ボリンジャーバンドスクイーズは強力なシグナルですが、それ単体だけで判断するとダマシも多くなります。精度を高めるためには、いくつかのフィルター条件を組み合わせるとよいです。

代表的なフィルター例は次のとおりです。

1. トレンド方向の確認:
  長期の移動平均線(例えば50日線や200日線)が上向きなら買い方向のブレイクを優先し、下向きなら売り方向のブレイクを優先する、といったルールです。これにより、長期トレンドと逆行するエントリーを減らせます。

2. 出来高の増加:
  株や暗号資産では、ブレイク時に出来高が明確に増えているかを確認します。エネルギーの解放には参加者が必要であり、出来高の伴わないブレイクはダマシになりやすいです。

3. 他のオシレーターとの組み合わせ:
  RSIやストキャスティクスなどのオシレーターで極端な買われ過ぎ・売られ過ぎでないこと、あるいはダイバージェンスが出ていないことを確認すると、反転リスクの高い局面を避ける助けになります。

4. 上位時間足での環境認識:
  例えば、1時間足でスクイーズを狙う場合でも、4時間足や日足で大きなサポート・レジスタンスにぶつかっていないかを確認します。上位時間足の重要ポイント直前でのブレイクは、反発に巻き込まれやすくなります。

具体的なトレードルール例(シンプル版)

最後に、初心者でも試しやすいシンプルなトレードルール例をまとめます。ここでは株のデイトレ〜スイングを想定していますが、FXや暗号資産にも応用可能です。

【インジケーター設定】
・ボリンジャーバンド:期間20、偏差2
・移動平均線:20日移動平均線、50日移動平均線

【買いエントリー条件】
1. ボリンジャーバンドが明らかにスクイーズしている(直近20〜30本程度と比べてバンド幅が狭い)。
2. 終値が上側バンドを陽線でブレイク。
3. 20日移動平均線が上向き、なおかつ価格が20日移動平均線より上にある。
4. 可能であれば、出来高が直近の平均より増加している。

【売りエントリー条件(空売り・ショート)】
1. ボリンジャーバンドがスクイーズ。
2. 終値が下側バンドを陰線でブレイク。
3. 20日移動平均線が下向き、価格が20日移動平均線より下にある。
4. 出来高が増加している。

【手仕舞い(利確・損切り)】
・損切り:スクイーズ期間中のレンジ中央〜反対側バンド付近に設定し、エントリー後に逆行した場合は機械的に切る。
・利確:
  1) Risk/Rewardが1:2以上になったら一部利確。
  2) 価格が20日移動平均線を大きく割り込んだ(買いの場合)/上回った(売りの場合)タイミングで残りを決済。
  3) バンドが再び縮まり始め、スクイーズに戻るような動きが見えたらポジションをクローズ。

このように、あらかじめルールを文字で書き出しておくことで、感情に左右されにくいトレード管理がしやすくなります。実際には、このルールをそのまま使うのではなく、自分の資金量や取引スタイルに合わせて条件を微調整し、過去チャートで検証してから実運用に移していくことが重要です。

リスク管理とポジションサイズの考え方

ボリンジャーバンドスクイーズ戦略は、トレンド初動にうまく乗れたときのリターンが大きい一方で、ダマシに遭遇した場合の損失も発生します。そのため、個々のトレードの勝ち負けよりも、「トータルで資金が増えていくか」を意識したリスク管理が欠かせません。

一般的には、1回のトレードで失っても良い資金量を口座残高の1〜2%程度に抑える考え方がよく用いられます。例えば、資金100万円であれば、1回のトレードで許容する損失額は1〜2万円程度にするイメージです。その範囲内に収まるようにロット数や株数を調整します。

スクイーズ戦略は、「大きく取れるときにしっかり伸ばし、ダメなときは小さく負ける」ことが鍵になります。損切りをためらわず、ルール通りに資金管理を続けることで、長期的なパフォーマンスの安定が期待できます。

まとめ:スクイーズは「チャンスの前触れ」を教えてくれる

ボリンジャーバンドスクイーズは、相場の「静けさ」と「動き出し」を一つのインジケーターで捉えられる便利なツールです。株・FX・暗号資産のいずれの市場でも応用可能であり、トレンドフォロー戦略の起点として非常に相性が良いです。

重要なのは、スクイーズそのものを当てもののように扱うのではなく、
・どの時間軸で見るか、
・どのマーケットで使うか、
・どのようなフィルター条件を加えるか、
・どのようなリスク管理ルールで運用するか、
を自分なりに明文化し、検証と調整を繰り返すことです。

まずは、過去チャートで「スクイーズ → ブレイク → トレンド」のパターンを探し、自分の目でその特徴をつかむことから始めてみてください。その上で、小さなポジションから実際のトレードに取り入れていけば、ボリンジャーバンドスクイーズは、トレンド初動を狙う強力な武器のひとつになってくれるはずです。

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