モーゲージ債の繰上返還率(CPR)で読む金利転換点――住宅ローン市場が先に示すリスクとチャンス

債券

「米国金利が動く前に、住宅ローン市場が“先に音を立てる”」。この現象を定量で捉えるのが、モーゲージ債(MBS)の繰上返還率です。とくに投資家が頻繁に使う指標がCPR(Conditional Prepayment Rate)で、住宅ローンが期限前に返済される(繰上返済・借り換え・住宅売却による返済など)スピードを年率で表します。

本稿では、CPRを「単なるMBSの内部指標」で終わらせず、金利転換点の先読み債券・株・FXのリスク管理、そして“期待していた値動きが出ない”局面の原因特定まで落とし込む方法を、初心者でも理解できるように段階的に解説します。一般論に留めず、現場で起きがちな勘違い(CPRが上がる/下がるときに何が起きているのか)を、具体的な数値例と行動手順で整理します。

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  1. モーゲージ債(MBS)と「繰上返済」という厄介な特徴
  2. CPR・SMM・PSA:用語を最短で整理する
    1. CPR(Conditional Prepayment Rate)
    2. SMM(Single Monthly Mortality)
    3. PSA(Public Securities Association)モデル
  3. 数値例:CPR6%は、月次でどれくらい元本が返るのか
  4. CPRが市場にとって重要な理由:MBSのデュレーションが勝手に変わる
  5. CPRを金利の先読み指標として使う:見るべき3つのドライバー
    1. 1)リファイナンス・インセンティブ(借り換え動機)
    2. 2)ハウジング・ターンオーバー(住宅売買による返済)
    3. 3)クレジットと制度要因(借り換えできない/しない)
  6. 典型パターンで覚える:CPRの「上がり方」で局面を判定する
    1. パターンA:金利低下でCPRが鋭く上昇(素直な借り換え相場)
    2. パターンB:金利低下なのにCPRが上がらない(ロックアウト/バーンアウト)
    3. パターンC:金利上昇でCPRが急低下(延命相場=デュレーション伸長)
  7. 投資に落とす:CPRを使った“3つの実践”
    1. 実践1:金利ショック前の“住宅ローン金利の硬さ”を検知する
    2. 実践2:MBS・金融株・REITの「説明できない弱さ」を原因分解する
    3. 実践3:債券ポートフォリオの「実効デュレーション」を毎月点検する
  8. データの読み方:CPRは「一つの数字」で見ない
    1. 落とし穴1:CPRは“プール”で違う(クーポン、ローン年齢、信用、地域)
    2. 落とし穴2:季節性(Seasonality)を無視すると誤判定する
    3. 落とし穴3:政策金利より“住宅ローン金利”を見ないとズレる
  9. 「CPRで金利転換点」を読むためのチェックリスト
    1. ステップ1:CPRの方向と速度(加速/減速)を確認する
    2. ステップ2:住宅ローン金利と“差”を見る
    3. ステップ3:住宅売買(ターンオーバー)と信用環境を補助線にする
    4. ステップ4:市場への波及(MBSスプレッド、長期金利、VIX)をセットで見る
  10. 具体的な“相場シナリオ別”の見立て(債券・株・FX)
    1. シナリオ1:利下げ観測は強いがCPRが上がらない
    2. シナリオ2:CPRが高クーポン帯から先に上がり始める
    3. シナリオ3:金利上昇でCPRが急低下し、MBSスプレッドも拡大
  11. まとめ:CPRは「金利そのもの」より先に“効いてくる”

モーゲージ債(MBS)と「繰上返済」という厄介な特徴

MBSは、住宅ローンの返済キャッシュフローを束ねて証券化したものです。投資家は利息と元本を受け取りますが、最大の特徴は元本の返り方が固定ではない点にあります。

国債なら満期まで基本的に元本は返ってきません(途中売却は別)。一方でMBSは、借り手が繰上返済した瞬間に、投資家へ元本が前倒しで返還されます。これが投資家にとっての“オプション”であり、金利が下がれば借り換えが増え、元本が早く返ってくる。金利が上がれば借り換えが減り、元本が返ってこない。つまり、金利の方向でキャッシュフローの形状が変わるのがMBSです。

この「繰上返済オプション」は、投資家にとってはコントロール不能なリスクで、金利の変化が同じでも、国債と違う値動き(ときに逆の体感)になります。ここを理解すると、CPRは単なる統計ではなく、市場の“隠れた利回り・デュレーション”を揺らす中枢変数になります。

CPR・SMM・PSA:用語を最短で整理する

まずは混乱しやすい用語を、投資判断に必要なレベルで押さえます。

CPR(Conditional Prepayment Rate)

1年換算の繰上返済率です。たとえばCPRが6%なら、「このペースが1年続くと仮定したとき、残元本の約6%が繰上返済で戻る」というイメージです。実際には月次データで観測されることが多く、月次のSMMから換算します。

SMM(Single Monthly Mortality)

月次の繰上返済率です。CPRとSMMの関係は次の式で結びつきます。

CPR = 1 − (1 − SMM)12

逆に、CPRからSMMを求めるなら、SMM = 1 − (1 − CPR)1/12です。投資家の会話では「CPRが何%」が多い一方、サービサーや詳細なレポートではSMMが出ることもあります。

PSA(Public Securities Association)モデル

PSAは、繰上返済がローンの経過月数に応じて立ち上がるという“標準カーブ”です。「100% PSA」が基準で、例えば「200% PSA」なら基準の2倍のスピードで繰上返済が進む、という相対表現になります。実務では、CPRの水準だけでなく、ローン年齢(ローンが開始して何か月か)によって同じCPRでも意味が変わるため、PSAのような曲線を参照します。

数値例:CPR6%は、月次でどれくらい元本が返るのか

直感が掴めないと運用に使えません。ここでシンプルな例を置きます。

残元本が1,000万円のMBSを想定し、CPRが6%だとします。SMMに直すと、SMM = 1 − (1 − 0.06)1/12 ≈ 0.515%程度です。つまり、毎月“残元本”の約0.5%が繰上返済で戻るペースです。

この0.5%は、元本が減るほど金額も減ります。初月は約5.15万円、2か月目は元本が減っているので少し小さくなる。CPRが上がると、この戻りが加速し、投資家は「受け取った元本をどの利回りで再投資するか」という再投資リスクを背負います。

ここで重要なのは、金利低下局面ほどCPRが上がりやすいため、金利低下で債券価格が上がる“良い局面”に、MBSでは「元本が返ってきてしまい、儲かる期間が短くなる」ことが起きます。これがMBS特有の“ネガティブ・コンベクシティ”の入口です。

CPRが市場にとって重要な理由:MBSのデュレーションが勝手に変わる

債券のリスク管理で中心となるのがデュレーションです。金利が1%動いたときに価格がどれだけ動くかを表す感度の目安になります。

国債は満期が固定なのでデュレーションの変化は比較的滑らかですが、MBSはCPRの変化でキャッシュフローが前倒し/後ろ倒しになり、デュレーションが“短くなったり長くなったり”します。これが市場全体に波及します。

金利が下がる局面:借り換え増 → CPR上昇 → 元本が早く返る → MBSのデュレーション短縮。投資家は予定より早く元本が返り、長期債のように儲け続けられない。

金利が上がる局面:借り換え減 → CPR低下 → 元本が返らない → MBSのデュレーション伸長。投資家は想定より長く金利リスクを抱え、価格下落の痛みが増えやすい。

この「デュレーションの自己増殖」があるため、MBSは金利ショック時にヘッジ需要を生み、国債市場の需給に二次波(ヘッジの買い/売り)を作ります。つまり、CPRはMBSだけではなく、長期金利のボラティリティにも間接的に効いてきます。

CPRを金利の先読み指標として使う:見るべき3つのドライバー

CPRが上がる/下がる背景を、金利以外も含めて整理します。実務では次の3つを分けて見ると、判断が速くなります。

1)リファイナンス・インセンティブ(借り換え動機)

借り換えは「今のローン金利より、新しいローン金利が十分に低い」場合に起きやすいです。ここで初心者がやりがちなのが、政策金利(FF金利など)だけを見て判断することです。住宅ローン金利は長期金利やMBSスプレッド、サービシングコスト、信用上乗せなどで決まり、政策金利と1対1では動きません。

たとえばFRBが利下げ局面でも、インフレ不安で長期金利が下がりにくいと、住宅ローン金利が想定ほど下がらず、CPRはあまり上がらないことがあります。逆に政策金利が据え置きでも、長期金利が急低下し、住宅ローン金利が先に落ちれば、CPRが先行して跳ねるケースもあります。

2)ハウジング・ターンオーバー(住宅売買による返済)

繰上返済は借り換えだけではありません。住宅の売却でもローンは返済されます。金利が高止まりすると住宅購入が減り、売買が冷え、売却由来の返済が減ってCPRが下がることがあります。逆に、景気が良く雇用が強い局面では、引っ越し・住み替えが増えてCPRが底上げされることがあります。

ここがポイントで、金利が高くても「売買が活発ならCPRがそれほど落ちない」ことがある。つまりCPRは、金利だけでなく景気循環の情報も含みます。

3)クレジットと制度要因(借り換えできない/しない)

借り換えには信用審査があります。たとえば家計の信用状況が悪化したり、住宅価格が下がってLTV(借入比率)が高くなったりすると、金利が下がっても借り換えできず、CPRが上がりにくい。これを市場では“ロックアウト(締め出し)”的に捉えます。

制度変更や貸出基準の変化も同様です。金融機関が保守的になると、借り換えの通りが悪くなり、CPRの反応が鈍くなります。金利低下が起きてもCPRが伸びないときは、金利以外の要因(信用・LTV・審査)を疑うのが筋です。

典型パターンで覚える:CPRの「上がり方」で局面を判定する

運用で効くのは、CPRの水準そのものより、変化のパターンです。ここでは、よく出る3つの型を説明します。

パターンA:金利低下でCPRが鋭く上昇(素直な借り換え相場)

長期金利も住宅ローン金利も下がり、借り換えが一斉に走る局面です。MBSのデュレーションが急に短くなり、MBS投資家は「想定より早く元本が返る」ため、利回りの出る再投資先が不足しがちになります。MBSスプレッドの動きが不安定になることもあります。

投資家の実務対応としては、MBSに限らず、債券ポートフォリオの“実効デュレーション”が想定より短くなる可能性があるため、金利ヘッジを過剰にかけないよう注意します。金利低下に対して国債ほど恩恵が出ないことも織り込みます。

パターンB:金利低下なのにCPRが上がらない(ロックアウト/バーンアウト)

金利が下がっているのにCPRが反応しないのは、強い示唆があります。代表は2つです。

ロックアウト:信用・LTV・審査で借り換えができない層が増えている。これは家計の脆弱化や住宅価格下落の影響を示唆します。

バーンアウト:過去に借り換えできる人は既に借り換えてしまい、残っているのは借り換えに鈍感な層。金利が下がっても追加の借り換え余地が小さく、CPRは上がりにくい。

この局面は「利下げ=すぐに家計が楽になる」という単純図式が崩れます。株やクレジットで景気敏感が先に戻っても、住宅関連が弱いまま、という組み合わせが出やすいです。

パターンC:金利上昇でCPRが急低下(延命相場=デュレーション伸長)

金利上昇で借り換えが止まり、CPRが落ちると、MBSの実効デュレーションが伸びます。するとMBS投資家のヘッジ需要(国債売り/スワップ払いなど)が増え、金利上昇が“増幅”されやすい構造ができます。

投資家目線では、金利上昇局面で「MBSの下落が想定より痛い」原因の多くがここにあります。単に利回りが上がったから買う、ではなく、CPR低下でリスク感度が上がっていることを織り込んでポジションサイズを決めるべき局面です。

投資に落とす:CPRを使った“3つの実践”

ここからが本題です。CPRを見て儲ける、というより「儲けやすい局面に寄せ、事故る局面を避ける」ための実務で効く使い方を提示します。

実践1:金利ショック前の“住宅ローン金利の硬さ”を検知する

あなたが米国債やドル円を触るなら、政策金利のニュースだけでなく、住宅ローン金利(実務的には30年固定)とMBSスプレッドの動きに注目すべきです。利下げ観測が強いのに住宅ローン金利が下がらず、CPRも反応しないなら、市場のどこかに「長期金利が落ちにくい理由(インフレ懸念、需給悪化、タームプレミアム上昇など)」が残っています。

このときの“ありがちな失敗”は、利下げ観測だけで長期債ロングやドル売りを厚くすることです。住宅ローン市場が冷えたままなら、家計の金利負担は軽くならず、景気の底入れが遅れる可能性が残る。つまり、マクロのシナリオに対して保守的に構える根拠になります。

実践2:MBS・金融株・REITの「説明できない弱さ」を原因分解する

金融セクターやREITが、金利低下のはずなのに冴えないことがあります。その理由のひとつが、MBSの繰上返済とヘッジ、そしてスプレッドです。CPRが急上昇すると、MBS保有者は元本が早期に戻り、再投資先が見つからない(利回りが出ない)ため、利回り商品の需給が歪みます。

逆に金利上昇でCPRが落ちると、MBSのデュレーションが伸び、ヘッジの売りが増えやすい。すると長期金利が想定より下がらず、REITや高配当の戻りが鈍くなる。こうした“連鎖”を説明できると、単なるテクニカルの負けを減らせます。

実践3:債券ポートフォリオの「実効デュレーション」を毎月点検する

個人投資家でも、債券ETFやバランス型投信を持つなら、金利変動に対する感度(実効デュレーション)を意識した方が良いです。MBS比率が高い商品は、金利局面で体感が変わります。

運用の具体例として、金利上昇局面で「債券が下がるのは当然」と片付けず、CPRの低下が重なってデュレーションが伸びていないかを疑う。もし伸びているなら、金利リスクの取り過ぎになっているため、同じ債券でも短期側やインフレ連動、キャッシュ比率などでリスクをならす選択肢が出てきます。

データの読み方:CPRは「一つの数字」で見ない

CPRは便利ですが、落とし穴も多いです。ここは投資家が損しやすい論点なので丁寧にいきます。

落とし穴1:CPRは“プール”で違う(クーポン、ローン年齢、信用、地域)

MBSは同じ「住宅ローン」でも、発行時期の金利水準(クーポン)、ローンの経過月数、借り手の信用、地域、物件種別などで反応が変わります。たとえば高クーポン(昔の高金利ローン)は、金利低下で借り換えインセンティブが強く、CPRが跳ねやすい。一方、最近の低クーポンは、金利が少し下がっても借り換え余地が小さく、CPRが動きにくい。

つまり、全体の平均CPRを見て「市場はこうだ」と断定すると外します。可能なら、少なくともクーポン帯別にCPRの差を見るべきです。平均が横ばいでも、高クーポンだけが跳ねているなら、金利低下の“初動”が始まっているサインになります。

落とし穴2:季節性(Seasonality)を無視すると誤判定する

住宅市場には季節性があります。引っ越しシーズンや学区、気候などで売買が偏ります。CPRにも季節性が乗るため、前月比だけで判断すると「急に変化した」と誤認します。投資判断では、少なくとも前年同月比や、季節調整された系列(入手できる範囲で)で確認するのが安全です。

落とし穴3:政策金利より“住宅ローン金利”を見ないとズレる

前述の通り、借り換えは住宅ローン金利で決まります。政策金利を見てCPRを予想するのは、距離が遠いです。あなたがマクロを触るなら、住宅ローン金利→CPR→MBSデュレーション→ヘッジ→長期金利、という伝播を頭に置くと、イベント時の読みが強くなります。

「CPRで金利転換点」を読むためのチェックリスト

ここまでの内容を、毎月の作業に落とす形にまとめます。難しいツールは不要で、ルール化が重要です。

ステップ1:CPRの方向と速度(加速/減速)を確認する

まずは3か月移動平均などでノイズを減らし、「上がっているのか」「下がっているのか」「変化が加速しているのか」を見ます。単月のブレに反応しないことが重要です。

ステップ2:住宅ローン金利と“差”を見る

現在の住宅ローン金利と、過去のローン金利(クーポン帯)との差を意識します。高クーポンの借り換え余地がどれだけあるか、低クーポンがどれだけ“動かない”か、をざっくりでいいので整理します。

ステップ3:住宅売買(ターンオーバー)と信用環境を補助線にする

CPRが動かない/動きすぎるときは、売買動向と信用条件を疑う。売買が冷えているなら売却由来の返済が減る。信用が締まっているなら借り換えが通らない。ここを分けると、CPRの読み間違いが減ります。

ステップ4:市場への波及(MBSスプレッド、長期金利、VIX)をセットで見る

CPRは単独ではなく、MBSスプレッドや長期金利のボラティリティとセットで意味を持ちます。金利が動いたのにMBSスプレッドが拡大しているなら、住宅ローン金利が下がりにくく、CPRが反応しない要因になりえます。逆にスプレッドが落ちれば、住宅ローン金利が先に落ち、CPRの加速が起きやすい。

具体的な“相場シナリオ別”の見立て(債券・株・FX)

最後に、CPRを起点にしたシナリオを3つ示します。ここは「こうなったら必ず儲かる」ではなく、ポジションの取り方を間違えないための設計図です。

シナリオ1:利下げ観測は強いがCPRが上がらない

見立て:住宅ローン金利が落ちていない、もしくは信用/審査で借り換えが進まない。景気の底入れは遅れる余地がある。長期金利が下がりにくく、リスク資産の戻りが“短命”になりやすい。

実務:急いでリスクを取りにいかず、反発局面はポジションを軽く、データで追認してから厚くする。ドル円なら金利差だけでなく、長期金利の硬さを重視する。

シナリオ2:CPRが高クーポン帯から先に上がり始める

見立て:住宅ローン金利の低下が実体経済に伝播し始めた初動。MBSデュレーションが短くなり、ヘッジ構造が変わる。金利低下の流れが続く可能性が上がる。

実務:金利低下のトレンドを追う際、国債やスワップは効きやすい一方、MBS比率の高い商品は値上がりが限定的になりやすい点を織り込む。株では住宅関連・金利敏感の“遅れていた部分”が動き出すか確認する。

シナリオ3:金利上昇でCPRが急低下し、MBSスプレッドも拡大

見立て:流動性/信用の不安が増し、住宅ローン金利が上がりやすい(=住宅市場に冷水)。MBSのデュレーション伸長でヘッジ売りが出やすく、長期金利がさらに不安定化する。

実務:レバレッジを落とし、損失拡大を防ぐ。金利上昇を“乗る”場合も、値動きが荒くなりやすい前提でサイズを抑える。リスク資産は反発しても戻り売りが出やすいと想定して戦う。

まとめ:CPRは「金利そのもの」より先に“効いてくる”

CPRは、住宅ローン市場の温度計であり、MBSのデュレーションを通じて国債市場の需給にも影響します。だからこそ、マクロや金利を見ている投資家ほど、CPRを“脇役”にせず、金利転換点の先行シグナルとして扱う価値があります。

実践の要点はシンプルです。CPRを単独の数字で見ないこと。住宅ローン金利、売買動向、信用条件、MBSスプレッドとセットで因果を組み立てること。そして「利下げ/利上げ」というニュースより、住宅ローン市場の実データで追認すること。これだけで、相場の読み違いと無駄なトレードが一段減ります。

次にやることは、毎月1回で構いません。CPRの方向と速度を記録し、住宅ローン金利とMBSスプレッドの変化と一緒に見てください。相場が荒れている局面ほど、住宅ローン市場は“遅行”ではなく“先行”として働きます。

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