- ポンド円はなぜ「急反発」が多いのか:値動きの正体を先に理解する
- 急反発の「種類」を分ける:同じ反発でも勝ちやすさが違う
- 急反発を「事前に匂わせる」3つの条件:ここがオリジナリティ
- エントリー設計:急反発は「点火後に乗る」が基本
- 具体例:よくある「殺人通貨のV字」を2パターンで再現する
- 損切りと建玉管理:ポンド円は「幅を広げる」のではなく「量を落とす」
- 利確の考え方:固定pipsではなく「回収ポイント」を使う
- 「急反発の罠」を避ける:やらないほうがいい局面を明文化する
- 時間帯の使い分け:ポンド円は「ロンドン」が主戦場になりやすい
- チェックリスト:エントリー前に10秒で確認する項目
- 検証のやり方:ポンド円は「同じ条件の反発」を100本集める
ポンド円はなぜ「急反発」が多いのか:値動きの正体を先に理解する
ポンド円(GBP/JPY)が「急落→急反発」を繰り返しやすい最大の理由は、ボラティリティ(値動きの荒さ)と流動性のムラが同時に存在するからです。値動きが荒いだけなら他の通貨でも起こりますが、ポンド円は「荒いのに薄い時間帯がある」「指標や要人発言の一撃がでかい」「円側のリスクオフ/オンの影響も重なる」という三重苦が重なります。
急反発は、単に「安くなったから買われた」ではありません。多くは、次の3つが連鎖して起きます。
①ロスカット連鎖(下げの加速)→②売り方の利確とショートカバー(反発の点火)→③追随買い(反発の伸長)です。つまり、急反発は「反射神経で買う」より、ショートカバーが入りやすい条件を見抜いて、反発の“点火後”に乗るほうが再現性が上がります。
急反発の「種類」を分ける:同じ反発でも勝ちやすさが違う
ポンド円の反発は、見た目が似ていても中身が違います。ここを分けないと、運ゲーになります。実戦的に、次の3タイプに分類します。
タイプA:ニュース・指標起点のV字
英指標(CPI、雇用、賃金、PMI)や英中銀(BoE)発言、米指標でドル円が跳ねた結果として起きるV字です。瞬間的なスプレッド拡大が出やすく、初心者が最も事故りやすい反発です。狙うなら「初動」ではなく、第一波が落ち着いた後の“二段目”が基本になります。
タイプB:流動性の薄い時間帯のヒゲ反発
東京早朝やNY後半など、板が薄い時間帯にストップを刈ってから戻る動きです。値は戻ることもありますが、再び刈られやすい。狙う場合は、時間帯そのものを条件に組み込み、損切り幅を広げるのではなくポジションを軽くする設計が必須です。
タイプC:トレンド継続型の押し目反発
上位足(日足・4時間)で上昇トレンドが明確なとき、短期の下げが「押し目」として回収されて反発するパターンです。勝ちやすさはこのタイプが最上です。初心者はまずこれだけを狙うだけでも成績が安定します。
急反発を「事前に匂わせる」3つの条件:ここがオリジナリティ
急反発は“突然”に見えますが、直前に共通した匂いがあります。価格だけではなく、ボラティリティと時間帯と戻りの強さを組み合わせます。
条件1:5分足ATR(または直近の平均値幅)が急増し、同時に「下げの伸びが鈍る」
例えば、5分足で直近20本の平均実体が8pips程度だったのに、直近5本で20〜30pipsの実体が連発する。これは投げが出ているサインです。ここでさらに重要なのが、新安値を更新しているのに、ローソクの終値が安値から離れてくること。下ヒゲが目立ち始めたら、売りの燃料が尽きかけています。
条件2:ラウンドナンバー+直近高安の“合わせ技”
ポンド円は心理的節目(例:190.00、189.50、189.00など)で注文が偏りやすい。さらに、前日安値やロンドン時間の安値が近いと、ストップ狩りの対象になります。
狙い目は「節目を一瞬割って戻す」ではなく、割った後に“戻りの継続”が確認できる局面です。具体的には、節目割れ後に5分足で2本連続陽線、もしくは1分足で高値更新が2回続くなど、「戻りが続く形」を待ちます。
条件3:VWAP(または短期移動平均)を回復した後に押しても割れない
反発が本物かどうかは、戻りの途中で“押し”が入ったときに崩れないかで判断します。急反発の最初の上げはショートカバーで作れますが、二段目は“買いの意思”が必要です。
そこで使えるのが、当日VWAPまたは1分足の20EMA/5分足の20EMAです。急反発後に一度押して、VWAP近辺で止まって再上昇するなら、二段目が伸びやすい。
エントリー設計:急反発は「点火後に乗る」が基本
急反発は、底をピンポイントで当てるゲームにすると、期待値が崩れます。代わりに「点火確認→押し目→二段目」に分解します。
手順(テンプレ)
①下げの加速(大陰線・下ヒゲ増加)を確認
②戻りの点火:1分足で直近高値を更新(最低1回)
③押し目待ち:戻りの途中で必ず一度押すまで待つ
④押し目が浅い(戻りの半値以内)+VWAP/EMA付近で反発を確認
⑤押し目の安値割れで撤退(損切り)
このテンプレの良いところは、損切り位置が明確で、反発が弱いときは押し目が深くなって勝手に見送れる点です。最初の点火で飛び乗ると、スプレッド拡大や一瞬の戻りで振り落とされがちですが、押し目を待てば、撤退線が作れます。
具体例:よくある「殺人通貨のV字」を2パターンで再現する
チャートがなくても再現できるよう、値動きの“文章”で例を作ります。
例1(タイプC:上位足上昇トレンドの押し目反発)
・4時間足:20EMAの上、押し目ごとに切り上げ。直近高値を更新した後の調整。
・当日:東京時間にじわ下げ→ロンドン序盤で下げ加速。189.50(節目)を割って189.35までヒゲ。
・観察:5分足で大陰線のあと、下ヒゲ陽線が出る。1分足で直近高値(189.55)を2回更新。
・エントリー:189.60付近で点火確認後、189.52まで押して止まる(VWAP近辺)。再上昇で成行買い。
・損切り:押し目安値189.50割れ(-10pips程度)。
・利確:最初は固定幅ではなく、直近戻り高値(189.90)までを第一目標。勢いがあれば190.00で一部利確、残りは5分足20EMA割れで撤退。
ポイントは、「189.50割れ」で恐怖が最大化し、売りが走った後に、VWAP回復→押しで割れない、という“二段目の条件”が揃っていることです。ここで上位足が上なら、反発の継続確率が上がります。
例2(タイプA:指標後の乱高下、二段目だけ拾う)
・NY時間:米指標でドル円が急落→円高連動でポンド円も急落。スプレッドが一瞬で普段の2〜3倍。
・初動:1分足で50pips下げて、次の1分で35pips戻す(典型的な往復ビンタ)。
・やること:ここでは触らない。スプレッドが落ち着き、1分足の実体が通常に戻るまで待つ。
・第二局面:5分足が一度落ち着き、VWAPを回復。そこから押し目が入ってVWAPを試すが割れず、1分足で高値更新が再開。
・エントリー:高値更新の再開(ブレイク)で入る。損切りは押し目安値割れ。
・利確:戻りのターゲットは「指標前の価格帯の手前」。全部戻る前提にしない。
この例で重要なのは、指標直後の第一波を捨てることです。初心者が負けるのは、動いた瞬間に飛びついて、スプレッドと滑りに焼かれるからです。二段目は地味ですが、損切り設計ができます。
損切りと建玉管理:ポンド円は「幅を広げる」のではなく「量を落とす」
ポンド円で破綻する典型は、損切りを広げて耐えることです。荒い値動きの銘柄ほど、損切りを広げると「いつか戻る」に見えて、戻らない瞬間に致命傷になります。ここは冷徹に設計します。
基本ルール
・損切り幅は「構造」で決める:押し目安値、VWAP割れ、直近の1分足安値など
・値幅に合わせて数量を変える:ATRが平常の1.5倍なら、数量は2/3以下に落とす
・時間損切りを入れる:反発狙いは“勢い”が命。エントリー後に想定時間(例:10〜20分)で伸びないなら撤退
特に時間損切りは効きます。反発が本物なら、エントリー後すぐに利益方向に走りやすい。走らないなら、ただの戻りで終わる確率が上がります。
利確の考え方:固定pipsではなく「回収ポイント」を使う
初心者が陥るもう一つの罠は、利確を「+20pipsで機械的に」と固定してしまうことです。ポンド円は状況でボラが変わるので、固定幅は合いません。
代わりに、市場参加者が利益確定しやすい地点を回収ポイントにします。
回収ポイントの候補
・直近の戻り高値(1分足・5分足のスイング高値)
・ラウンドナンバー(例:190.00)
・当日高値/安値
・急落の起点(売りが始まった価格帯)
実務的には、分割利確が相性が良いです。第一目標で半分を落として心拍数を下げ、残りは「5分足のトレンドが壊れるまで」引っ張る。これだけで、急反発の“伸び”を取りこぼしにくくなります。
「急反発の罠」を避ける:やらないほうがいい局面を明文化する
勝ちやすい局面を探すより、負けやすい局面を排除するほうが、結果は安定します。ポンド円は特にこれが効きます。
避ける局面1:週末クローズ前(NY後半)の新規
週末は窓開けリスクがあり、急反発狙いが「窓で即死」することがあります。持ち越し前提の戦略と混ぜない。
避ける局面2:ロールオーバー前後(スプレッド拡大)
FXは日付を跨ぐタイミングでスプレッドが広がりやすい。急反発は損切りがタイトになりがちなので、ここでのスプレッド拡大は致命傷になりやすい。
避ける局面3:重要指標の直前〜直後(第一波)
勝てる人がいるのは事実ですが、再現性が低い。狙うなら、二段目以降に限定。
時間帯の使い分け:ポンド円は「ロンドン」が主戦場になりやすい
ポンド円の急反発は、ロンドン時間に最も形が出やすい傾向があります。理由は単純で、ポンドの本隊が動き、流動性が増えるからです。
逆に東京時間は、材料が薄いと「じわ下げ→突然ヒゲ」など、薄い動きが出やすい。初心者が急反発を狙うなら、ロンドン序盤〜NY序盤に集中したほうが、統計的にマシになります。
チェックリスト:エントリー前に10秒で確認する項目
最後に、急反発狙いの“事故率”を下げるためのチェックリストを置きます。全部満たさなくていいですが、満たすほど勝率は上がります。
(A)環境認識
・上位足(4時間/日足)は上昇トレンドか?(タイプCを優先する)
・重要指標の直後ではないか?(第一波は捨てる)
・スプレッドは平常か?(拡大していたら見送る)
(B)点火の確認
・下げの加速のあと、下ヒゲや終値の戻りが出たか?
・1分足で直近高値更新が起きたか?(最低1回)
(C)押し目の質
・押しが浅いか?(戻りの半値以内)
・VWAP/EMAで止まって再上昇したか?
・損切り位置(押し目安値割れ)が明確か?
検証のやり方:ポンド円は「同じ条件の反発」を100本集める
ここまで読んでも、最終的に利益に直結するのは“自分の手法として固定すること”です。そのためにやるべきは、ポンド円の反発を思い出で語るのではなく、同じ条件の反発だけを集めて検証することです。
具体的には、次の条件でスクショを100本集めます。
・ロンドン時間(またはNY序盤)
・5分足で下げの加速(平均値幅の1.5倍以上)
・点火(1分足高値更新)→押し目→再上昇が出たものだけ
その上で、損切り幅、利確の回収ポイント、分割比率、時間損切りの有無を変えて、勝ちパターンを固めます。ポンド円は荒いからこそ、ルールを固定した瞬間に「荒さ」が武器になる通貨です。


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