PTS出来高急増を武器にする:夜間で翌日の主役銘柄を絞り込む実践手順

株式投資

夜にスマホで株価を見ていたら、普段は静かな銘柄なのにPTS(夜間取引)だけ出来高が膨らみ、価格も動いている。こういう場面に出会うと「明日はこの銘柄が来るのでは?」と期待します。実際、翌日の寄り付きでランキング上位に出てくる“きっかけ”は、前夜のPTSでの異常な出来高に現れることが少なくありません。

ただし、PTSは日中の立会市場と違い、板が薄く、スプレッドが広がりやすく、少しの成行で価格が飛びます。出来高が増えたように見えても、実は少数の参加者が往復しただけというケースもあります。初心者が「PTSで上がった=明日も上がる」と短絡的に飛びつくと、翌日の寄り付きで高値掴みをしやすい領域です。

この記事では、PTS出来高急増を“ギャンブル”にせず、翌日の監視・エントリー計画に落とし込むための具体的な運用手順を解説します。ポイントは、①出来高急増を「材料の確度」と「需給の質」に分解して評価すること、②翌日寄り付きまでの時間を使ってシナリオを複数用意すること、③PTSでは無理に勝負せず“情報優位”だけを取りに行くことです。

スポンサーリンク
【DMM FX】入金
  1. PTS出来高急増とは何か:日中の出来高と同じ感覚で扱うと危険
  2. まず結論:PTSで“仕込む”より、PTSで“絞り込む”ほうが勝ちやすい
  3. PTS出来高急増の主因は4種類:原因別に翌日の値動きが変わる
  4. 夜間スクリーニングの手順:たった3ステップで翌日の監視リストを作る
  5. ステップ1:PTS出来高ランキングから「普段との差」を拾う
  6. ステップ2:材料チェックは“本文を全部読む”より「一次ソースの有無」を確認する
  7. ステップ3:翌日の“型”を決めて、エントリー条件を文章で書く
  8. 具体例:3つのよくあるケースを“翌日の戦略”まで落とし込む
  9. ケース1:上方修正がPTSで拡散、出来高も価格も素直に上昇
  10. ケース2:ニュース不在なのにPTS出来高が急増、価格はジワ上げ
  11. ケース3:PTSで一瞬だけ出来高が跳ね、価格が飛んだ後に戻る
  12. 偽シグナルの判定:PTS急増を“本物”にする3条件
  13. エントリーの基本:PTSでは指値のみ、翌日立会では“初動確認→少量”
  14. 利確・損切りの決め方:初心者は「時間」と「価格」の二重ルールが効く
  15. 翌朝の最終チェック:寄り付き前に見るべき5項目
  16. 初心者がやりがちな失敗と対策
  17. 上級者の視点を少しだけ:PTS急増は「翌日の注文簿の形」を予告する
  18. まとめ:PTS出来高急増は“翌日の準備”に使うと期待値が上がる

PTS出来高急増とは何か:日中の出来高と同じ感覚で扱うと危険

出来高は「その価格帯で、どれだけ売買が成立したか」を示します。日中の立会市場では参加者が多く、板が厚いので、出来高の増減が比較的“市場全体の総意”に近い形で表れます。

一方PTSは、取引参加者が限定されやすく、同じ出来高でも意味合いが変わります。例えば、日中なら1万株の出来高は軽い値動きで吸収される銘柄でも、PTSでは板が薄ければ数千株で価格が数%飛ぶことがあります。つまり「出来高の絶対量」よりも、「その銘柄の普段のPTS出来高に対して何倍か」「どの価格帯で約定が集中したか」「スプレッドがどれくらいか」が重要です。

また、PTSには“見えにくい歪み”があります。日中の主戦場ではないため、価格の発見機能が弱く、ニュースに対する反応が過敏に出たり、逆に無反応だったりします。だからこそ、PTS出来高急増は「翌日の注目度の先取りシグナル」として価値がある一方、エントリーは翌日まで待つほうが期待値が高くなりやすい、という立ち位置を理解しておくべきです。

まず結論:PTSで“仕込む”より、PTSで“絞り込む”ほうが勝ちやすい

タイトルに「夜間に仕込む」と入れましたが、初心者にとって最も再現性が高いのは、PTSで無理にポジションを作ることではなく、PTSの異変を使って翌日の主役候補を絞り込むことです。理由はシンプルで、PTSはスプレッド負け・約定しない・想定外に滑る、といった“取引コストの事故”が起きやすいからです。

では「仕込む」は完全にダメなのかというと、そうではありません。仕込む価値があるのは、①材料が強く、②翌日の寄り付きでギャップアップが想定され、③なおかつPTSの板がそれなりに厚く、④自分の許容損失内で“指値で”入れる場合に限られます。ここまで条件を絞ると、実際に仕込める場面は多くありません。そのため、まずはPTSを“スクリーニングとプラン作りの時間”として使う運用が現実的です。

PTS出来高急増の主因は4種類:原因別に翌日の値動きが変わる

PTSで出来高が急増する原因は、大きく4種類に整理できます。原因を当てにいくと、翌日のシナリオ精度が上がります。

1)ニュース起点(適時開示・業績・提携・受注など)
ニュース直後にPTSが動く典型パターンです。材料の強さは「売上や利益への影響が数値で出ているか」「継続性があるか」「市場が好きなテーマか(AI、半導体、インバウンド等)」で評価します。ニュース起点は翌日も注目されやすい一方、PTSで飛びすぎると寄り天になりやすい点が罠です。

2)需給起点(大口の玉移動・踏み上げ準備・自社株買い観測など)
ニュースが見当たらないのに出来高だけ増える場合、需給要因の可能性があります。翌日の寄り付きでさらに買いが続くこともあれば、PTSで動かして日中で逃げる“釣り上げ”もあります。需給起点は見極めが難しいので、初心者は翌日寄り付きの板と初動を見てから参加したほうが安全です。

3)指数・先物の影響(地合い変化の先取り)
米国指数の急変や先物の動きで、関連銘柄がPTSで動くことがあります。例えば米株で半導体が強い→国内の関連銘柄にPTSで買いが入る、といった連動です。これは「個別材料」ではないため、翌日朝の先物が反転すると簡単に崩れます。エントリーするなら、翌朝の指数先物を確認してからが基本です。

4)単純な薄板(流動性が薄く、少額で価格が動く)
出来高急増に見えても、実際は取引参加者が少なく、数回の約定で株価が上下しているだけのケースです。これは翌日に続かないことが多く、寄り付きで売りが出ると一気に崩れます。初心者が最も踏みやすい地雷なので、後述する“偽シグナル判定”で避けます。

夜間スクリーニングの手順:たった3ステップで翌日の監視リストを作る

ここから実践です。夜の作業は長くやるほどブレます。作業時間は20〜40分に固定し、同じ手順で機械的に絞り込むのがコツです。

ステップ1:PTS出来高ランキングから「普段との差」を拾う

まず、PTSの出来高ランキング(もしくは出来高急増銘柄)を上から確認します。ここで重要なのは“ランキング上位=買い”ではなく、「その銘柄の平常時PTS出来高に対して、何倍に増えているか」です。

具体的には次のように判断します。

・普段のPTS出来高がほぼゼロ〜数百株なのに、今夜は数万株→異常度が高い
・普段からPTSでも数十万株出る大型株が、今夜も数十万株→異常度は低い(通常運転)
・普段は数千株なのに、今夜は10倍以上→監視候補

ここでは「異常度が高いものだけ」メモします。最大でも10銘柄まで。多いほど翌朝の行動が散漫になります。

ステップ2:材料チェックは“本文を全部読む”より「一次ソースの有無」を確認する

初心者がやりがちなのは、SNSの投稿やまとめサイトの見出しで判断することです。これは誤情報を踏む確率が上がります。夜の材料チェックは、深掘りよりも「一次ソースがあるか」を確認するだけで十分です。

一次ソースとは、企業の適時開示、決算資料、プレスリリース、取引所の公表情報などです。一次ソースが見つからないのにPTSが動いている場合は、需給・薄板・噂の可能性が高いので、翌朝は“監視だけ”に格下げします。

逆に一次ソースがあり、内容が明確にポジティブ(例えば上方修正、増配、自社株買い枠の拡大、主力製品の大型受注など)なら、翌日の寄り付きで注目される確率が上がります。ただし、材料が強いほど「寄り付きで買いが殺到→寄り天」も増えるため、次のステップで値動きの型を決めます。

ステップ3:翌日の“型”を決めて、エントリー条件を文章で書く

勝てる人は、銘柄よりも「明日どう動いたら参加するか」を先に決めています。PTS急増銘柄は朝の値動きが速いので、その場で考えると遅れます。夜のうちに、最低2つのシナリオを書いておきます。

例えば次のように、数字と条件で書きます。

シナリオA(強材料のギャップアップ想定)
・寄り付きが前日終値+3〜8%で始まる
・最初の1分で高値更新できず、出来高だけ増えて上髭→見送り(寄り天警戒)
・寄り後5分でVWAP上に復帰し、押し目が浅い→1回目の押しを指値で拾う

シナリオB(薄板・需給の可能性)
・寄り付きが高くても、最初の2〜3分で板がスカスカなら参加しない
・前日高値を明確に抜けてから出来高が伴うなら、ブレイクのみ小さく参加
・逆に前日終値を割ったら、当日は触らない(需給崩れ)

このように文章化すると、翌朝の迷いが減り、焦って飛びつく回数が激減します。

具体例:3つのよくあるケースを“翌日の戦略”まで落とし込む

ケース1:上方修正がPTSで拡散、出来高も価格も素直に上昇

夜に適時開示で上方修正が出て、PTSで出来高が増えながら価格が段階的に上がるケースです。ここでの罠は、PTSで上がりすぎた後の翌朝「寄り天」です。

実務的には、翌朝の寄り付きで追いかけ買いをしないルールが重要です。具体的には「寄って最初の押しを待つ」「高値更新できないなら見送る」「VWAPを基準に買い方が生きているか確認する」という手順になります。上方修正は材料として強い一方、短期資金が集まりやすく、初動で利確も出ます。最初の5〜15分で方向感が決まるので、そこで“買いが継続する形”だけを拾うのが合理的です。

ケース2:ニュース不在なのにPTS出来高が急増、価格はジワ上げ

材料が見当たらず、しかし出来高は増え、価格はじわじわ上がる。これは需給起点の可能性があります。翌日は寄り付きでさらに買われる場合もあれば、寄り付きが天井で崩れる場合もあります。

このケースで初心者が勝ちやすいのは「寄り付き後、出来高が日中市場に引き継がれているか」を確認してから入る戦略です。具体的には、寄り付きから5分で出来高が普段の同時刻より明らかに多い、かつ上値を更新しているなら“本物”の確率が上がります。逆に、寄ってから出来高が急減し、板が薄く、上下に振れるだけなら“PTSだけの盛り上がり”だった可能性が高く、撤退するのが正解です。

ケース3:PTSで一瞬だけ出来高が跳ね、価格が飛んだ後に戻る

板が薄い銘柄でよくあるパターンです。少しの成行で価格が跳ね、出来高も“急増”に見えます。しかし、戻りも早い。これは翌日に続かないことが多く、初心者が触る価値は低いです。

見分け方はシンプルで、「約定が連続しているか」「スプレッドが極端に広いか」「同じ価格帯で何度も往復していないか」を見ます。飛んだ後にすぐ戻り、しかも出来高がその後続かないなら、翌朝は監視から外すか、触るとしても“寄り付きの売り一巡後のリバウンド”だけに限定します。

偽シグナルの判定:PTS急増を“本物”にする3条件

PTS出来高急増を翌日の注目銘柄に格上げする条件を、初心者向けに3つに絞ります。

条件1:価格が一方向に段階的に動いている(階段状)
薄板で飛んで戻るのではなく、複数の価格帯で約定が積み重なっているか。これは参加者が複数いるサインです。

条件2:出来高が“瞬間”ではなく、一定時間続いている
一瞬のスパイクではなく、10〜30分以上にわたって約定が出ているほうが翌日に繋がりやすいです。

条件3:翌日に繋がるストーリー(材料またはテーマ)がある
一次ソースの材料がある、またはその銘柄が注目テーマに位置する。ストーリーがないと、翌朝の資金が他へ移ります。

この3条件を満たさない銘柄は、「PTSで騒がれただけ」で終わることが多いので、手を出さないほうがトータルで勝率が上がります。

エントリーの基本:PTSでは指値のみ、翌日立会では“初動確認→少量”

初心者の事故が最も多いのが、PTSでの成行買いです。板が薄いと、成行は想定より高値で約定し、買った瞬間に含み損になります。PTSでポジションを取るなら、必ず指値に限定し、約定しないなら諦める、という姿勢が必要です。

翌日の立会市場で入る場合も同じで、寄り付き直後は値動きが荒いので、最初の1〜3分の“方向の確認”をしてから入るほうが安全です。具体的には、寄り付きで高値更新→押しても前日終値を割らない→出来高が増えて再度高値更新、というように、買いが継続する形だけを拾います。

利確・損切りの決め方:初心者は「時間」と「価格」の二重ルールが効く

PTS急増銘柄は朝の動きが速いので、利確・損切りが曖昧だと一瞬で崩れます。初心者向けに実用的なのが、時間ルールと価格ルールの併用です。

時間ルール例
・寄り付き後15分以内に高値更新できないなら撤退
・前場中に伸びなければ、持ち越しはしない(翌日は別材料が出るため)

価格ルール例
・前日終値割れで損切り(ギャップアップ狙いの前提が崩れる)
・VWAPを明確に割れて戻せないなら撤退(短期資金が抜けた可能性)

この二重ルールは、裁量の迷いを減らし、初心者が最も苦手な“損切りの遅れ”を防ぎます。

翌朝の最終チェック:寄り付き前に見るべき5項目

PTSで候補を作ったら、翌朝は寄り付き前に最終確認します。ここを飛ばすと、夜の情報が陳腐化したまま突っ込むことになります。

1)先物・為替の地合い(全体がリスクオフなら個別も伸びにくい)
2)同テーマの関連銘柄が動いているか(資金がセクターに入っているか)
3)気配値の位置(前日終値からの乖離が大きすぎないか)
4)板の厚さ(上に売り板が分厚いなら上値が重い)
5)寄り付きの出来高予想(気配の更新が活発か)

これらを見て「夜のシナリオがまだ有効か」を再判定し、有効ならシナリオ通りに、無効なら潔く見送ります。見送る判断ができるほど、翌日の収益は安定します。

初心者がやりがちな失敗と対策

失敗1:PTSで上がったからと成行で飛びつく
対策:PTSは指値のみ。約定しなければ翌日まで待つ。

失敗2:材料を読まず、SNSの煽りだけで判断する
対策:一次ソースの有無だけ確認。見つからないなら需給扱いで格下げ。

失敗3:翌朝の地合いが悪いのに“昨日の期待”で買う
対策:寄り付き前に先物・為替を確認し、地合い悪化なら監視だけにする。

失敗4:利確が遅れ、朝の急落を食らう
対策:時間ルール(寄り後15分)と価格ルール(VWAP、前日終値)をセットで運用。

上級者の視点を少しだけ:PTS急増は「翌日の注文簿の形」を予告する

最後に、少しだけ上級者の考え方を紹介します。PTS出来高急増は、翌日の板や注文の偏りを“先に作っている”場合があります。例えば、夜間に買いが集まった銘柄は、翌朝の寄り付き前から「成行買い」や「寄り成買い」が溜まりやすく、寄り付きが高くなりやすい。逆に夜間で飛ばした銘柄は、翌朝は利確売りが待ち構えやすい。つまり、PTSは翌朝の需給の下地です。

初心者がここまで読む必要はありませんが、「PTSで出来高が増えた=翌朝の注文の偏りが生まれる可能性がある」と理解するだけで、寄り付きの急変動に驚きにくくなります。

まとめ:PTS出来高急増は“翌日の準備”に使うと期待値が上がる

PTSの出来高急増は、翌日の注目銘柄を早期に発見できる強力なヒントです。一方で、PTSは流動性が薄く、成行は危険で、誤情報も混ざります。だからこそ、夜は「絞り込み」と「シナリオ作成」に集中し、翌朝は地合いと初動を確認してから参加する。これが初心者でも再現できる、最も堅実な運用です。

今夜からは、PTSを見た瞬間に買うのではなく、“候補→原因→翌日の型→条件”の順で落とし込んでみてください。翌朝の判断スピードと精度が上がり、無駄な負けが減っていきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました