「再エネ政策が追い風になる」と報道が出た直後、関連銘柄の出来高が急増し、数分〜数十分で一気に値が飛ぶ――日本株のデイトレでは典型的な“材料+需給”の局面です。初心者がここでやりがちな失敗は、ニュースを見てから慌てて飛びつき、天井で掴むこと。逆に、プロっぽい人は「何が材料で、誰が買っていて、どこで崩れるか」を短時間で構造化し、期待値のある場面だけを取ります。
この記事では、再エネ政策報道(例:補助金拡充、固定価格買取の見直し、送電網投資、洋上風力の入札条件、GX推進、自治体の太陽光義務化、蓄電池支援など)をトリガーに、出来高急増が出た銘柄を初動で順張りする手順を、具体例ベースで徹底的に解説します。ポイントは「ニュースの質」「テーマの連想ゲーム」「板・歩み値・出来高の“本物度”」「VWAPや節目を使った逃げ道設計」です。
- この戦略が機能する理由:再エネニュースは“連想買い”を起こす
- まず押さえる前提:再エネ“政策”ニュースの強弱を見分ける
- 銘柄の選び方:ニュース→テーマ地図→最初に動く“核”を探す
- 出来高急増の“本物”を定義する:数字でルール化する
- エントリーの基本形:3つの入り方で迷いを減らす
- 板と歩み値の見方:初心者が見るべきは“連続性”だけ
- 利確と損切り:ニュース順張りは“降りる技術”が9割
- 具体例:架空銘柄「グリーン電力システム(仮)」で1日の流れを追う
- 初心者がつまずくポイントと対策
- 監視リストの作り方:再エネテーマは“関連の幅”で勝てる
- 検証のやり方:初心者でもできる“後追いバックテスト”
- 実戦用チェックリスト:朝の5分で準備する
- まとめ:再エネニュース順張りは“構造化”で初心者でも再現できる
- 資金管理:1回の負けを小さく固定すると継続できる
- 時間帯のクセ:寄り付き・10時台・後場寄りで戦い方を変える
- 急騰後の危険サイン:勝っているときほど見るべき3つ
- 注文方法:成行が正解とは限らない
この戦略が機能する理由:再エネニュースは“連想買い”を起こす
政策ニュースは、企業業績の単発IRよりも波及範囲が広いのが特徴です。たとえば「送電網投資」なら、電線・ケーブル、変圧器、建設、電力システム、系統用蓄電池まで連想が伸びます。ニュースを見た投資家は、まず“分かりやすい”代表銘柄を買い、次に「次に来るのはどこ?」と連想を辿ります。ここで出来高が急増すると、短期勢(デイトレ、アルゴ、信用回転)が参入し、需給が自己増幅します。
ただし、自己増幅は永遠には続きません。需給の燃料は、①新規買いの流入、②ショートの買い戻し、③上で掴んだ人の損切り買い戻し、④指数連動やテーマETF/投信の機械的買い、など。燃料が切れると一瞬で逆回転します。だから、この戦略の本質は「上がる銘柄を当てる」ではなく、燃料が入っている間だけ乗り、切れたら即降りることです。
まず押さえる前提:再エネ“政策”ニュースの強弱を見分ける
初心者が最初にやるべきは、ニュースの強弱を3段階で分類することです。ここを外すと、どれだけ板読みが上手くても勝ちづらいです。
強い(A):政府方針・閣議決定・予算/補助金の具体化・制度変更の方向性が明確、金額や期限が示される、複数メディアで同時報道。市場参加者の「確度」が高く、連想買いが継続しやすい。
普通(B):検討・方向性・報道ベースで詳細不明、関係者コメント、将来の可能性。材料としては動くが、値幅は出る一方で失速も早い。
弱い(C):SNSの噂、解釈が必要、既出の焼き直し、個別企業の“再エネ参入検討”のような曖昧な話。出来高は出ても持続しにくい。
この分類は、慣れるまで「Aだけを狙う」でも十分です。トレードは“やることを減らす”ほど勝率が上がります。
銘柄の選び方:ニュース→テーマ地図→最初に動く“核”を探す
再エネニュースで動く銘柄は、①テーマの核(代表銘柄)、②周辺(サプライチェーン)、③飛び道具(低位株・仕手化しやすい小型)に分かれます。初心者が最初に狙うべきは①か②です。③は値幅は魅力でも、板が薄くスプレッドが広く、損切りが滑りやすいからです。
具体的な“テーマ地図”の作り方を示します。ニュースを見たら、まず紙に3行だけ書きます。
1行目:政策の対象(例:系統用蓄電池支援)
2行目:直接の受益者(例:蓄電池メーカー、PCS、EPC、電力会社)
3行目:周辺の受益者(例:電線、変圧器、建設、素材、保守)
ここで重要なのは「自分が理解できる範囲で十分」ということ。完璧な産業分析は不要です。デイトレは“理解の速さ”が武器です。
出来高急増の“本物”を定義する:数字でルール化する
「出来高が増えた気がする」では再現性がありません。初心者ほど、数字でルール化してください。ここでは、デイトレで使いやすい定義を3つ提示します。
定義①:寄り後5分足出来高が直前5本平均の3倍超
寄り付き後、最初の5分足(9:00〜9:05)の出来高が、直前5本平均(前日後場の同時間帯や、当日寄り前の気配形成中の出来高が取れる場合は除外)に対して3倍以上。短期勢の参入が明確。
定義②:1分出来高が“平常時の上限”を突破
過去20営業日の1分足出来高の上位5%を“上限”として、当日その上限を連続で突破。アルゴや大口の関与を疑うシグナル。
定義③:出来高増と同時にスプレッドが縮む
板が厚くなり、気配が安定する(成行が増えるのに、売り買いの間隔が広がらない)。これは“投機の薄板”ではなく、参加者が増えた状態。
特に①は、TradingViewや各証券アプリでも把握しやすく、初心者に向きます。
エントリーの基本形:3つの入り方で迷いを減らす
ニュース直後は値動きが速く、判断が遅れると高値掴みになります。そこで、エントリーは3パターンに固定します。状況に応じて選ぶだけにすると、迷いが減ります。
パターンA:寄り付き直後の初動ブレイク
条件:Aクラスのニュース+寄り後出来高急増+板が厚い。
やり方:前日高値や寄り付き直後の高値を、出来高を伴って上抜けた瞬間に成行(または1〜2ティック上の指値)で入る。
狙い:最初の“走り”を取りにいく。
注意:入った直後に戻るのは普通。戻りを許容する幅(損切り)を事前に決めないと持てない。
パターンB:押し目(VWAP/節目)からの再加速
条件:初動で伸びた後、利確で一度押すが、出来高が極端に死なない。
やり方:VWAP付近、またはブレイクした価格帯(支持線)まで押して止まったら入る。5分足で下ヒゲ→次の足で高値更新、のような“再加速の合図”を待つ。
狙い:高値掴みを避け、損切り幅を小さくする。
注意:押し目が深くなると“初動終了”の可能性。VWAPを明確に割り、戻りが鈍いなら撤退。
パターンC:出来高の2回目ピークで追随
条件:最初のブレイクは逃したが、板・歩み値が強く、押しから再び出来高が増え始める。
やり方:1分足出来高が再び膨らみ、歩み値で同サイズの成行買いが連続する局面で追随。
狙い:トレンドが“再点火”したところだけ取る。
注意:2回目ピークは天井になりやすい。利確は速く。
板と歩み値の見方:初心者が見るべきは“連続性”だけ
板読みは奥が深いですが、初心者がいきなり全てを理解する必要はありません。見るべきは“連続性”です。具体的には次の3点だけで十分です。
①成行買いが連続するか:歩み値で成行買いが一定時間(例:20〜60秒)途切れずに続くか。単発の大口より、連続性の方がトレンドを作ります。
②売り板が補充されるか:上がっているのに売り板が薄いままなら上に行きやすい。逆に、上で売り板が毎回“復活”するなら、上値で待っている人が多い(利確・戻り売り)。
③約定しても下がらないか:成行買いが入っても価格が伸びない、むしろ同じ価格で“吸収”されるなら危険。上で誰かが受けている可能性がある。
板読みは「当てる」ではなく「危ない兆候を早く見つけて逃げる」ために使う、と割り切ると上達が早いです。
利確と損切り:ニュース順張りは“降りる技術”が9割
順張りの利益は、上昇が続く時間に比例します。しかしニューストレードは“続く時間”が短いことが多い。だから、ルールはシンプルにして、機械的に実行できる形にします。
損切りの基準(どれか1つに固定)
・エントリーの根拠が崩れたら即撤退(例:VWAP割れが5分足終値で確定)
・直近押し安値割れ(パターンBなら押し目の底割れ)
・固定幅(例:エントリー価格から-0.7%)※銘柄の値動きに合わせ調整
利確の基準(段階利確がおすすめ)
・最初の利確:直近高値更新後に1分足で勢いが鈍ったら、半分利確(利益を確定して心理を安定)
・残り:VWAPからの乖離が+3%超で出来高が減少し始めたら手仕舞い、または5分足で陰線が2本続いたら撤退
初心者は「全部を天井で売ろう」とすると失敗します。半分利確→残りは伸びたらラッキー、くらいが現実的です。
具体例:架空銘柄「グリーン電力システム(仮)」で1日の流れを追う
ここからは、架空の銘柄で“朝のニュースから手仕舞いまで”を再現します。数字は例なので、あなたの監視銘柄のボラに合わせて置き換えてください。
前提:朝8:30に「系統用蓄電池の補助金を拡充、導入目標を前倒し」という報道。複数メディアで確認でき、内容も具体的(A判定)。関連として、PCSメーカー、電線、建設、再エネEPCが連想される。
9:00〜9:05(寄り)
気配は前日比+6%。寄り直後の5分足出来高が、直前平均の4倍。板は厚く、スプレッドは1ティック。歩み値は成行買いが連続。ここで「強い初動」と判断。
エントリー(パターンA)
寄り後の高値を更新し、前日高値も同時に突破。成行で入る。損切りは「5分足でVWAP割れ確定」または「直近押し安値割れ」。
9:06〜9:15(伸びる)
上昇中に一度押すが、出来高は極端に落ちない。売り板が補充されてもすぐ食われる。ここで“燃料がある”と判断し保有継続。
9:16〜9:25(最初の利確)
1分足で高値更新はするが、更新幅が小さくなり、出来高もピークアウト気味。ここで半分利確。残りは建値近辺にストップを引き上げ、負けない形にする。
9:26〜9:40(押し目)
利確が出てVWAP近辺まで押す。しかしVWAPを割らず、下ヒゲ→次足で高値更新。ここで残りを追加するのではなく、初心者は“見送る”のも手。欲張りは負けやすい。
9:41〜10:00(2回目の山)
出来高が再び増え、同サイズ成行買いが連続。パターンCの局面だが、2回目ピークは天井になりやすい。ここは利益が残っている分だけ追随し、5分足陰線2本で撤退、と決めておく。
結果
半分は初動で確定利益。残りはトレンドが続く間だけ保持し、陰線連続で撤退。天井を当てなくても、ルールで利益を積み上げられる。
初心者がつまずくポイントと対策
つまずき①:ニュースが“既出”だった
対策:同じテーマが数日前から騒がれていないか、前日までのチャートで既に上げていないかを確認。すでに5日で+30%などなら、初動ではなく“終盤”の可能性が高い。
つまずき②:出来高は出たが板が薄い(滑る)
対策:板が薄い銘柄は、損切りが計画通りにならない。初心者は「出来高が多い大型/中型」から始める。スプレッドが広い銘柄は避ける。
つまずき③:上がった後に“押し”を待てず飛びつく
対策:パターンB(押し目)を練習する。VWAPまで待てるだけで、損切り幅が小さくなり、精神的にも安定する。
つまずき④:利確が遅い
対策:半分利確を固定ルール化。「高値更新後に勢いが鈍ったら半分」と決めると、結果が安定する。
監視リストの作り方:再エネテーマは“関連の幅”で勝てる
再エネは関連が広い分、当日どこに資金が向かうかは流動的です。そこで、事前に監視リストを作っておくと有利です。おすすめは「核10銘柄+周辺20銘柄」の30銘柄体制。毎朝ニュースが出てから探すと間に合いません。
作り方は簡単です。再エネのサブテーマ(太陽光、風力、蓄電池、送電網、水素、EV充電、電力需給、カーボンクレジット)ごとに、代表銘柄を2〜3個ずつ挙げ、関連を芋づる式に追加します。銘柄名を暗記する必要はありません。“分類”だけ覚えておけば、ニュースが出た時に瞬時に候補が出せます。
検証のやり方:初心者でもできる“後追いバックテスト”
この手法は、過去検証がやりやすいのが利点です。やり方は、過去の再エネ政策ニュースの日を検索し、その日の寄り〜前場だけを見返します。見るべきは3点だけです。
①ニュースが出た時間(寄り前か、寄り後か)
②出来高急増が最初に出た銘柄はどれか(核か周辺か)
③どのポイントで“燃料切れ”になったか(VWAP割れ、出来高ピークアウト、板の買い厚消失)
検証は「勝てたか」より「ルール通りならどこで入ってどこで降りたか」を記録するのが重要です。勝ち負けは相場次第ですが、ルールはあなたが改善できます。
実戦用チェックリスト:朝の5分で準備する
最後に、実戦で使える最小チェックリストを文章でまとめます。朝、ニュースを見たら次の順で判断してください。
1) そのニュースはA/B/Cどれか。A以外なら無理しない。
2) テーマ地図を3行で書き、核と周辺の候補を出す。
3) 寄り後5分で出来高急増が“数字で”確認できる銘柄だけ残す。
4) 板が薄い銘柄は捨て、スプレッド1ティック中心にする。
5) エントリーはA/B/Cの3パターンから選ぶ。迷うなら見送る。
6) 損切り基準を先に置く(VWAP割れ確定 or 押し安値割れ等)。
7) 半分利確を前提に、残りは伸びたらラッキーで運用する。
まとめ:再エネニュース順張りは“構造化”で初心者でも再現できる
再エネ政策ニュース直後の出来高急増は、短期需給が一方向に偏りやすく、デイトレの題材として優秀です。勝つために必要なのは、難しい指標ではなく、①ニュースの強弱を分類し、②銘柄を核/周辺で選別し、③出来高急増を数字で定義し、④入る形を3つに固定し、⑤降りるルールを先に決めること。これだけです。
最初は「Aニュース+板が厚い銘柄+押し目(VWAP付近)だけ」など、条件を絞りましょう。勝ち方は一つで十分です。再現性のあるプロセスを作れれば、相場が変わっても適応できます。
資金管理:1回の負けを小さく固定すると継続できる
初心者が最優先で整えるべきは、エントリー技術より資金管理です。ニュース順張りは勝率が高そうに見えますが、1回の急落で数回分の利益が飛ぶことがあります。そこで「1回のトレードで許容する損失」を先に決めます。
実務的には、口座資金の0.3〜0.7%を上限にするのが無難です。たとえば資金100万円なら、1回の許容損失は3,000〜7,000円。損切り幅が-0.7%なら、建玉は約40万〜100万円相当ではなく、許容損失÷損切り幅で逆算します。数字で決めると、相場が荒れてもブレません。
また、ニュース直後は値幅が広がりやすいので、同じ銘柄でも時間帯で“適正ロット”が変わります。寄り直後はロットを半分にし、ボラが落ち着いたら通常ロットに戻す、という運用も有効です。
時間帯のクセ:寄り付き・10時台・後場寄りで戦い方を変える
同じ再エネニュースでも、動き方は時間帯で変わります。寄り付きは短期勢が集中し、値が飛びやすい反面、フェイクも多い。10時台は一度落ち着き、押し目の精度が上がる。後場寄りは昼休み中のPTSや先物の動きで流れが変わりやすい。初心者は、まず寄り付きの1回勝負にこだわらず、10時台の押し目(パターンB)を主戦場にするのも合理的です。
後場寄りは、昼休み中にニュースが追加で出たり、SNSで再拡散されて再点火することがあります。一方で、前場で上げ切った銘柄は“戻り売りの在庫”が増えており、後場は伸びにくいことも多い。後場で入るなら、前場高値を更新する出来高の再増加が必須条件です。
急騰後の危険サイン:勝っているときほど見るべき3つ
利益が乗っている時ほど、チャートを見る目が甘くなります。急騰局面での危険サインを、チェック項目として固定しておくとミスが減ります。
①出来高が増えずに高値更新だけする:買いが細り、上で掴んだ人の利確だけが残りやすい。
②上髭が連発し、次の足で取り返せない:高値での売り圧が強い。
③板の買い厚が“突然”消える:見せ板やアルゴの撤退で、流動性が一気に落ちる。
この3つのどれかが出たら、残り玉は守りに入ります。具体的には、建値にストップを置く、または5分足終値でVWAPを割ったら即撤退、など。利確は“遅すぎる”より“早すぎる”方が、長期的に安定します。
注文方法:成行が正解とは限らない
「初動は成行」と言われがちですが、初心者が成行を多用すると、思った以上に不利な価格で約定しやすいです。おすすめは、状況で使い分けることです。
ブレイク直後:1〜2ティック上の指値(飛びつき防止)。約定しなければ見送る。
押し目:支持線近辺に指値を置き、刺さらなければ追わない(損切り幅を守る)。
利確:板が薄くなったら成行、厚いなら指値でも良い。利確は“確定”が最優先。
この戦略はチャンスが多いので、取り逃がしを恐れないことが重要です。取り逃がしより、無計画な飛びつきの方が致命傷になります。


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