「サポートラインで反発したら買う」──この一言は有名ですが、実際に勝ちやすい形に落とし込むには“反発の根拠”と“逃げ道(損切り)”を同時に設計する必要があります。サポートで入る最大のメリットは、上手くいけば損切り幅を小さくできることです。逆に、根拠が曖昧なまま線に触れただけで入ると、サポート割れの「一段下」を何度も食らって資金が削れます。
この記事では、投資初心者でも再現できるように、サポートライン近辺でのエントリーをルール化し、損切りを浅くしながら期待値(長期で資金が増える確率)を高める手順を具体例込みで解説します。個別銘柄の推奨は行わず、どの銘柄でも応用できる判断基準に集中します。
- 1. サポートラインの本質:線ではなく「買いが集まるゾーン」
- 2. 初心者がまず引くべきサポートは3種類だけ
- 3. “触れたら買い”を卒業:反発確認の3点セット
- 4. 損切りを浅くするコア:損切りは「サポートの下」ではなく「反発が否定された場所」
- 5. エントリーの3パターン:あなたはどれを使うべきか
- 6. 具体例で理解する:日足サポート×15分足で入る
- 7. 「損切りが浅い=勝ちやすい」ではない:期待値で考える
- 8. 失敗パターンを先に潰す:初心者がやられやすい6つの落とし穴
- 9. 「反発確認」をさらに精度上げる補助指標:見すぎない範囲で3つ
- 10. エントリー前のチェックリスト(文章で運用する)
- 11. 練習の手順:いきなり実弾を打たない
- 12. まとめ:サポート反発は「小さく負けて大きく勝つ」の入口
- 13. ロット計算の具体例:損切り幅から逆算して「退場しない」
- 14. 反発確認の時間軸:日足で方向、下位足でタイミング
- 15. “割って戻す”の見極め:ダマシと本物の差は「戻り方」に出る
- 16. 利確の現実解:分割利確と“建値ストップ”で伸ばす
- 17. 市場環境でルールを切り替える:レンジとトレンドで同じ反発は別物
- 18. FX・暗号資産への応用:24時間市場では「時間帯」と「流動性」を条件に足す
- 19. 最後に:この手法で“儲けるヒント”は、入らない局面を言語化すること
1. サポートラインの本質:線ではなく「買いが集まるゾーン」
まず誤解を解きます。サポートラインは“1本の線”ではなく、実務上は幅のある価格帯(ゾーン)です。理由は単純で、参加者が全員同じ価格で注文を出すことはなく、また板・スプレッド・約定の滑りで体感価格がズレるからです。
したがって、初心者がやりがちな「1円でも割れたらアウト」「ちょうど線に触れたらイン」という発想は危険です。勝ちやすいのは、ゾーンの中で“売りの勢いが弱まり、買いが優勢に転じたサイン”を確認してから入るやり方です。
2. 初心者がまず引くべきサポートは3種類だけ
ラインを引きすぎると判断がブレます。最初は次の3種類だけで十分です。
(A) 直近の押し安値(スイング安値)
上昇トレンド中にできた押し目の安値。ここは「買い方が守りたい価格帯」になりやすく、最も基本です。
(B) 過去に何度も止まった水平帯
チャートを左に見て、2回以上止まった価格帯。参加者の記憶が残り、再び注文が集まりやすいです。
(C) ギャップ窓の下限・上限(窓埋めの起点)
窓が開いて上げたなら“窓の下限”は押し目の目安になりやすい。窓は多くの参加者が意識します。
この3つに共通するのは「そこで反応した事実が過去にある」ことです。根拠の薄い斜め線(チャネル)を最初から多用すると、引き方の自由度が高すぎて再現性が下がります。
3. “触れたら買い”を卒業:反発確認の3点セット
サポート付近で入る際に、最低限そろえたい確認条件を「3点セット」として固定します。どれも初心者が目視で確認できます。
① いったん割り込み(または刺さり)→すぐ戻す
サポートゾーンを一瞬下に抜けても、終値ベースや直後の足で戻す動き。売りが走った後に“投げが出尽くした”可能性を示します。これがないまま上で止まっているだけだと、まだ売りが残っていて下に抜けやすい。
② 反転足(下ヒゲ、包み足、ピンバー)の出現
下ヒゲが長い=下で買いが入って押し戻した。包み足=直前の弱さを否定している。形だけで決めないにせよ、反発の「絵」があるのは強いです。
③ 出来高の変化(増えるか、売りの出来高が枯れる)
反発局面で出来高が増えるなら「買いが入った」可能性が高い。逆に出来高が急に枯れて下げ止まるなら「売りが尽きた」可能性がある。どちらでも良いですが、“何も起きていない”のが一番危険です。
この3点セットの狙いは、サポートが“守られた事実”を確認してから入ることです。触れた瞬間に入るのは「予想」、確認してから入るのは「観測」です。初心者は観測に寄せたほうが生存率が上がります。
4. 損切りを浅くするコア:損切りは「サポートの下」ではなく「反発が否定された場所」
損切りを浅くできるかどうかは、損切り位置の決め方で9割決まります。よくある失敗は「サポートラインの少し下に置く」だけ。ゾーン幅やノイズを無視すると、頻繁に狩られます。
おすすめは次の2択です(どちらか1つに固定すると迷いません)。
方式A:反転足の安値割れで損切り
反発確認②で出た反転足(下ヒゲ足など)の“安値”が割れたら、反発は否定されたと判断します。ここは論理的で、損切りが浅くなりやすい。
方式B:直近の最安値(スイング安値)割れで損切り
少し余裕を持たせたいとき。サポートゾーンの「最後の砦」を割れたら撤退。方式Aより損切りは広がるが、狩られにくい。
初心者はまず方式Aで練習し、損切りが連発する場合のみ方式Bに切り替えるのが合理的です。どちらにせよ、損切りは「ここを割れたら自分のシナリオが崩れる」というシナリオ否定点で置きます。
5. エントリーの3パターン:あなたはどれを使うべきか
反発を確認した後、どこで入るかで成績がブレます。初心者は以下の3パターンのどれかに固定すると改善が早いです。
パターン1:反転足の確定で成行(保守)
反転足が確定した瞬間に入ります。メリットは“だまし”を減らしやすい。デメリットは最安値で買えないのでリスクリワードは少し悪化します。
パターン2:反転足の高値ブレイクで順張り(安全寄り)
反転足が出た後、その高値を超えたら入る。買いが実際に優勢になった瞬間を取る形です。初心者が最も再現しやすい一方、置いていかれることもあります。
パターン3:反転足の半値~押し戻しで指値(攻め)
反発確認後に少し押したところを指値で拾う。リスクリワードは良くなるが、約定しない・再下落に巻き込まれる可能性が増えます。
最初はパターン2が無難です。上手い人ほど「安く買う」より「間違いを減らす」ほうに価値を置きます。損切りを浅くしたいならなおさら、だましを減らすべきです。
6. 具体例で理解する:日足サポート×15分足で入る
ここからは例で手順を固定します。たとえば、ある銘柄が上昇トレンド中で、日足の押し安値付近に下落してきたとします(押し目買い局面)。
Step1:日足でサポートゾーンを決める
直近押し安値が1000円で、過去にも1000~1010円で止まった回数があるなら、ゾーンを1000~1010円程度に設定します(幅を持たせる)。
Step2:15分足に落として反発確認3点セットを見る
価格が1005円まで下がった後、1000円を一瞬割って998円をつけたが、15分足の終値が1006円で戻した。さらに下ヒゲが長い。出来高もその足だけ増えた。ここで「守られた」と判断。
Step3:エントリー(パターン2)
反転足の高値が1012円なら、1012円を上抜けたら買い。損切りは反転足の安値998円割れ(方式A)。リスク幅は約14円。
Step4:利確の設計
利確は“なんとなく”が一番危険です。初心者は次の順で決めると迷いません。
・第一利確:直近戻り高値(例:1040円)
・第二利確:上昇トレンド継続ならトレーリング(移動平均割れ、直近安値割れ等)
この例だと、損切り14円に対して第一利確が28円(1012→1040)なら、リスクリワードは2:1。勝率が50%でも期待値がプラスになりやすい設計です。
7. 「損切りが浅い=勝ちやすい」ではない:期待値で考える
損切りが浅いほど良い、というのは半分だけ正解です。浅すぎる損切りは“狩られやすさ”を増やし、勝率を落とします。重要なのは、
期待値=(勝つ確率×平均利益)−(負ける確率×平均損失)
がプラスになること。損切りを浅くする目的は「負けを小さくする」だけでなく、「小さな損切りで済む局面だけを選ぶ」ことで勝率も守ることです。だからこそ反発確認が重要になります。
8. 失敗パターンを先に潰す:初心者がやられやすい6つの落とし穴
(1) 下落トレンドでサポート反発を狙う
下落トレンドは「サポートがサポートにならない」ことが多い。まず上位足でトレンド確認(移動平均の向き、安値更新の有無)を必須に。
(2) サポートが近すぎる(ノイズの中)
1分足・5分足だけで引いたサポートは騙しが多い。初心者は日足か60分足でサポートを引き、15分足以下でタイミングを取る二段構えが安定します。
(3) 出来高を見ずに入る
出来高が薄いと、反発が一瞬で終わって再下落しやすい。最低限「反発足で何かが起きたか」を確認する。
(4) 損切りを入れない/入れられないサイズで入る
損切りが浅い戦略ほど、逆行時の“想定外”が致命傷になる。ロットは「損切り幅×ロット=許容損失額」で決める。
(5) 利確が遠すぎて現実的でない
リスクリワードを良くしたいあまり、到達しない利確を置く。まずは“直近戻り高値”など、達成可能な利確から始める。
(6) ブレイクと反発を混同する
サポート反発は「守られる」前提。サポート割れブレイクは「守られない」前提。戦略が逆です。両方を同じルールで扱うと破綻します。
9. 「反発確認」をさらに精度上げる補助指標:見すぎない範囲で3つ
補助指標は増やしすぎると逆効果です。初心者が見てプラスになりやすいのは次の3つだけです。
① 移動平均線(20EMAや25MA)との位置関係
サポート反発で入るなら、上位足で価格が移動平均の上にあるほうが成功率が上がりやすい。下にあるなら、反発は戻り売りに潰されやすい。
② VWAP(デイトレなら特に)
サポートで反発しても、VWAPが上にあると上値が重くなりやすい。逆にVWAPを回復すると“買い優勢”が確認しやすい。
③ RSI(30割れ→戻り)
万能ではありませんが、売られすぎからの戻り局面で反発確認の後押しになる。ただしRSIだけで逆張りするのは危険です。
10. エントリー前のチェックリスト(文章で運用する)
初心者ほど、トレード前に短いチェックリストを読み上げるだけで成績が改善します。紙に書いても良いです。
・上位足は上昇(またはレンジ)で、下落の連続安値更新ではないか?
・サポートは「過去に止まった事実」があるゾーンか?
・反発確認3点セットのうち、少なくとも2つは出ているか?(理想は3つ)
・損切りは方式AかBで明確に置けるか?(数字で言えるか)
・第一利確はどこか?到達可能か?
・損切り額に対して、利確幅は最低でも1.5倍以上あるか?
このチェックが1つでも曖昧なら、見送るのが正解です。見送る勇気が“損切りの浅さ”と同じくらい重要です。
11. 練習の手順:いきなり実弾を打たない
再現性を上げるには、練習の順番が重要です。初心者におすすめの手順は以下です。
Step1:過去チャートで「反発確認3点セット」を100回探す
エントリーはしなくていいので、サポート付近で反発した箇所だけを集めます。成功例・失敗例の両方を見ます。
Step2:損切り位置(方式A/B)を毎回書く
「ここを割れたら否定」という場所を言語化する癖をつけます。
Step3:第一利確まで届いたかを検証する
直近戻り高値を利確とした場合に届く割合を数えます。ここで自分の市場(銘柄)に合うか分かります。
Step4:小さいロットで実運用
損切りが“実際にできる”かが最大の壁です。ロットを小さくして、損切りボタンを押す練習を優先します。
12. まとめ:サポート反発は「小さく負けて大きく勝つ」の入口
サポートライン付近の反発確認は、初心者が身につけるべき最重要スキルの一つです。理由はシンプルで、損切りを浅くできる構造を持ちやすいからです。ただし、その前提は「反発した事実を確認する」「損切りをシナリオ否定点に置く」「利確を現実的に設計する」の3点が揃っていること。
派手な手法よりも、こうした地味な設計が長期的に資金を守ります。まずはラインを引きすぎず、反発確認3点セットと損切り方式A/Bを固定し、同じ型を繰り返してください。型が固まった後に、板や歩み値などの上級要素を足すと、判断の精度が上がります。
13. ロット計算の具体例:損切り幅から逆算して「退場しない」
損切りを浅くする戦略は、ロット管理とセットで完成します。ロットを適当に決めると、1回の損切りで心理が崩れ、次の良いチャンスでルールを守れなくなります。
ここではシンプルに、1回のトレードで許容する損失を「資金の0.5%」と仮定します。資金が100万円なら、1回の損失上限は5,000円です。先ほどの例で損切り幅が14円なら、株数は次で計算できます。
株数=許容損失額 ÷ 損切り幅
株数=5,000 ÷ 14 ≒ 357株
実際は単元株があるので300株や400株に丸めます(丸めた結果、許容損失を超えるなら下げる)。これを毎回徹底すると、負けが続いても資金が急減しにくくなり、練習期間を確保できます。初心者の最大の敵は「良い手法を身につける前に、資金かメンタルが尽きること」です。
14. 反発確認の時間軸:日足で方向、下位足でタイミング
サポート反発は、時間軸の分業が効きます。おすすめの組み合わせは次のいずれかです。
・日足(サポート)×15分足(反発確認):スイング寄りのデイトレに強い
・60分足(サポート)×5分足(反発確認):純デイトレ向き
・4時間足(サポート)×15分足(反発確認):FXや暗号資産にも応用しやすい
ポイントは、上位足のサポートは強いが、反発の形は下位足にしか出ないことです。日足の1000円は強くても、15分足では「一度割って戻す」などのプロセスが必要になります。上位足だけで入ると損切りが広がりやすく、下位足だけで入るとだましが増えます。二段構えが最もバランスが良いです。
15. “割って戻す”の見極め:ダマシと本物の差は「戻り方」に出る
サポートを一瞬割って戻す動きは強力ですが、だましもあります。見極めで使えるのが「戻り方」です。
本物になりやすい戻り方
・割れた直後に勢いよくゾーン内へ戻る(数本の足で戻す)
・戻した後、すぐに再度売られても安値を更新しない
・戻しの足で出来高が増える(買いが入っている)
だましになりやすい戻り方
・戻りが弱く、ゾーン上限まで戻せない
・戻した後に出来高が減り、ジリジリ下げて再度割る
・戻しが“単なるショートカバー”っぽく、上値で売りが待っている
初心者は「戻した」だけで満足しがちですが、勝ちやすいのは「戻した上で、もう一度守られた」形です。具体的には、反発足の後に押しても安値を割らない“二段反発”を待つと精度が上がります(ただし遅れるので、回数は減ります)。
16. 利確の現実解:分割利確と“建値ストップ”で伸ばす
サポート反発は、当たると伸びる一方、途中で揉むことも多いです。初心者が伸ばし切れない理由は「含み益が消える恐怖」で早売りするからです。これを仕組みで解決するのが分割利確です。
おすすめの型(例)
・第一利確:直近戻り高値で半分利確(利益を確定し、心理を安定)
・残り半分:損切りを建値(エントリー価格)か小さな含み益位置へ引き上げる
・第二利確:上位足の次の抵抗帯、またはトレーリングで追随
こうすると「最悪でも勝ちトレードにできる」状態を早めに作れます。伸びた場合の利益も取り逃しにくい。分割が面倒なら、まずは“第一利確→建値ストップ”だけでも効果があります。
17. 市場環境でルールを切り替える:レンジとトレンドで同じ反発は別物
サポート反発は、レンジとトレンドで成功パターンが変わります。
トレンド相場(押し目買い)
サポート反発は“再加速”になりやすい。VWAPや移動平均を回復すると伸びやすい。利確は引っ張る価値がある。
レンジ相場(下限反発)
反発しても上限で止まりやすい。利確はレンジ上限を第一目標にして、欲張りすぎない。逆に、サポート割れブレイクが出たら逆方向の戦略に切り替える必要がある。
初心者は相場環境を無視して同じ利確を置きがちです。レンジで「青天井」を期待するのは不利です。まずは“どの箱(レンジ)の中にいるか”を上位足で確認してください。
18. FX・暗号資産への応用:24時間市場では「時間帯」と「流動性」を条件に足す
FXや暗号資産にもサポート反発はそのまま使えます。ただし、24時間市場は時間帯で流動性が大きく変わり、だましの質が変わります。
FX
ロンドン・NYの重なる時間帯はブレイクや反発が“本物”になりやすい一方、東京時間の薄い局面はヒゲが出やすい。反発確認③(出来高)を直接見づらい場合は、代わりに「ローソク足の勢い(実体の大きさ)」「スプレッドの広がり」を条件に追加すると良いです。
暗号資産
週末に薄くなりやすく、急落→急反発が多い。サポート反発は機能しやすいが、ニュースや清算連鎖でサポートを簡単に貫通することもある。損切りは必ず置き、ロットを抑える。反発確認は「割って戻す」+「次の足で安値更新しない」の二段構えが有効です。
19. 最後に:この手法で“儲けるヒント”は、入らない局面を言語化すること
サポート反発は、勝つトレードよりも「負けるトレードを避ける」ほうが成績に直結します。だから、検証ノートには“入った理由”だけでなく、次も見送るための“入らなかった理由”を書いてください。
例:
・上位足が下落トレンドで、サポートは初回接触だった(反発の信用が薄い)
・反発足は出たが出来高が伴わず、戻りが弱かった(だましの典型)
・損切り幅が広く、許容損失内に収まるロットが小さすぎて旨味がなかった
この「見送る理由」が蓄積されるほど、サポート反発は武器になります。派手なテクニックより、地味なルールの積み重ねが資金曲線を右肩上がりにします。


コメント