短期トレード戦略の設計と検証:祝日前の薄商いでの振られを逆手に取る(テーマ#185)

株式投資

採用テーマ:#185 祝日前の薄商いでの振られを逆手に取る

本稿は、短期トレードで「再現性」を作るための設計図です。アイデア自体は一行で言えても、実際に収益へ落とすには、条件の言語化、執行の順番、撤退基準、例外処理、そして検証が必要です。ここではテーマ#185を、誰が見ても同じ判断になりやすいルールへ分解し、実際の板・歩み値・出来高の見方まで具体化します。

なお、短期売買は損失リスクが大きく、約定・スリッページ・急変動の影響も強い領域です。必ず小さく試し、想定外の値動きには機械的に撤退できる形にしてください。

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1. このテーマが機能しやすい「市場構造」

短期戦略が機能するかは、チャート形状よりも「注文フローの偏り」と「流動性の段差」で決まります。テーマ#185の核は、あるタイミングで需給が一方向に偏ったあと、参加者の入れ替わり(利確・損切り・新規参入)により、次の数分〜数十分で方向性が出やすい点にあります。

たとえばGU/GDや寄り直後の出来高急増、PTS由来の需給、指数主導のフローなどは、板の厚みが突然変わり、歩み値に同方向の成行が連続しやすくなります。ここで重要なのは「なぜその場面で一方向の成行が出るのか」を説明できることです。説明できる現象は、条件を固定しやすく、検証で改善もしやすいからです。

2. 戦略の骨格:エッジを4つのブロックに分解する

テーマ#185をそのまま実行すると、曖昧さが残り、裁量の塊になります。そこで、以下の4ブロックに分解します。

(A) 監視ユニバース:どの銘柄を対象にするか(時価総額、出来高、値幅、材料の種類)。

(B) トリガー:エントリーを許可する「発火条件」。出来高、板、歩み値、価格帯、時間帯。

(C) 執行:成行/指値、分割、許容スリッページ、約定確認。

(D) 撤退:損切り、利確、時間切れ、条件崩れ。ここが弱いと期待値が崩壊します。

3. 監視ユニバースの作り方:最初に「流動性」で足切りする

初心者が最初にハマるのは、値動きだけで銘柄を選ぶことです。短期では値動きよりも「逃げられるか」が重要です。最低限、次の足切りを推奨します。

・当日出来高が一定以上(例:前場時点で50万株以上、または売買代金10億円以上)。
・板が極端に薄い銘柄は除外(特にストップ付近で飛ぶ銘柄)。
・値幅が出ているがスプレッドが広い銘柄は除外(約定コストが期待値を食う)。

加えて、テーマ#185がPTSや指数、材料に絡む場合は、そのフローが入りやすい銘柄群(例:指数寄与度上位、半導体、銀行、値嵩、材料株)に絞ると、無駄な監視が減ります。

4. トリガーの定義:数値条件+目視条件を「順番」で組む

トリガーは、数値だけで作ろうとするとノイズが増え、目視だけだと再現性が落ちます。現実解は「先に数値で候補を絞り、最後に目視で落とす」です。以下は汎用テンプレです。

4-1. 数値条件(スクリーニング)

例として、以下のように3段階で絞ります。

条件1:値幅(例:前日比±3%〜±12%の範囲に限定。極端な値幅は事故が増える)

条件2:出来高ショック(例:5分足出来高が直前5本平均の3倍以上、または1分足で急増)

条件3:価格帯の意味(例:VWAP、前日高安、ラウンドナンバー、寄り後高安など「参加者が見ている線」付近)

4-2. 目視条件(板・歩み値で最終確認)

目視は「主観」になりやすいので、観察ポイントを固定します。

・歩み値:同方向の成行が連続しているか。ロットが揃っているか(アルゴ臭)。
・板:一段上(下)に壁があるか、壁が食われる速度は速いか。
・スプレッド:仕掛けた瞬間にコストが膨らまないか。
・ティックの飛び:薄板で飛んでいるだけの動きではないか。

5. 執行の具体:成行は「許可条件」を作って使う

短期では成行が必要な局面がありますが、無条件に成行を使うと、最悪の価格で約定し続けます。そこで、成行は次の条件を満たすときだけ許可します。

・直近の歩み値が連続(例:同方向に3〜5連続)で、かつ板の上(下)の厚みが一定以上ある。
・スプレッドが許容範囲(例:価格帯に応じて1〜3ティック以内)。
・仕掛ける価格帯が「抜けたら走りやすい」線である(寄り後高値、前場高値、VWAP回復など)。

それ以外は指値(または指値を置いてから成行へ切替)にして、コストを固定します。短期の勝敗は、方向当てより約定コストで決まる場面が多いです。

6. 撤退設計:損切りは「価格」+「時間」+「条件崩れ」の三点セット

損切りを価格だけにすると、ノイズで刈られます。時間だけにすると、下落トレンドで耐えてしまいます。条件崩れだけだと、逃げ遅れます。三点セットで設計します。

(1) 価格の損切り:直近の意味ある安値/高値(1分〜5分)を明確に割ったら撤退。
(2) 時間の損切り:仕掛け後○分以内に想定方向へ伸びない場合は撤退(例:3〜5分)。
(3) 条件崩れ:歩み値の成行連続が止まり、反対方向の成行が優勢になったら撤退。

この三点は「どれか一つ」ではなく「いずれかが発生したら撤退」にすると、事故が減ります。

7. 具体例:当日のシナリオを分解して再現する

ここでは、テーマ#185の典型パターンを、時系列で分解します。銘柄名は仮にA社とします。

9:00〜9:10:寄り付き後、5分足で出来高が急増。歩み値に同方向の成行が連続し、板の上に薄い抵抗があるが、食われる速度が速い。
判断:ここは「初動の勢い」を確認するフェーズ。いきなり飛びつかず、次の押しやブレイクを待つ。

9:10〜9:20:最初の押し。価格がVWAP/寄り後押し安値の近くまで戻るが、出来高はピークアウト。戻り局面で売りの成行が弱く、板の下に買いが積み上がる。
仕掛け:押し目で分割エントリー(例:2回に分ける)。最初は指値、約定が遅れるなら許可条件を満たした時だけ成行。

9:20〜9:30:再加速。直近高値を更新する瞬間は板が薄くなりやすい。抜ける瞬間はスリッページが出るので、事前に半分利確し、残りはトレーリングで伸ばす。
利確:固定利確(例:+0.8%)と、伸びた分の追随利確(高値更新が止まったら手仕舞い)を併用。

8. テーマ#185を「条件化」する:テンプレを作って運用する

運用のコツは、毎回ゼロから考えないことです。以下のテンプレに落とすと、迷いが減ります。

監視条件:売買代金/スプレッド/値幅/材料の有無/指数連動の有無

エントリー許可:出来高ショック+価格帯(VWAP/前日高安/ラウンド)+歩み値連続+板の厚み

禁止条件:ストップ付近の飛び、板が1ティック飛び連続、スプレッド拡大、急なニュースでギャップ拡大

撤退:直近安値割れ、3〜5分伸びない、歩み値が反転

9. 検証のやり方:勝率より「平均損益」と「分散」を見る

短期は勝率が高くても、1回の事故で崩れます。検証では勝率より、次の3点を見ます。

平均利益平均損失(R倍:利確幅/損切り幅)
最大損失(連続負け、ギャップ、急落時の想定)
執行コスト(スリッページ+手数料で期待値が消えていないか)

検証手順は、(1)チャート上で条件に合う場面を100件拾う→(2)エントリーと撤退をテンプレで当てはめる→(3)「例外ケース」を分類する、が最短です。例外ケース(飛び、材料、板薄、指数急変)を切るだけで、成績が改善することが多いです。

10. 初心者がやりがちな失敗と、対策

失敗1:条件を盛りすぎる
フィルタを増やすほど見つからず、結局裁量になります。最初は3条件に絞り、失敗を分類してから追加します。

失敗2:利確が近すぎて伸びを捨てる
固定利確のみだと、トレンド日に取り逃がします。半分固定+半分追随の二段構えが現実的です。

失敗3:損切りが曖昧で耐える
短期で耐えは禁物です。価格・時間・条件崩れのいずれかで必ず撤退できる形にします。

失敗4:1回の大勝ちでロットを上げて事故る
短期は分散が大きいので、ロットは「直近50回」の平均損失から逆算します。1回の結果で変更しません。

11. 実戦導入のステップ:小さく始めて、ログで改善する

いきなり資金を入れるのではなく、次の順序が安全です。

① 1週間はエントリー条件だけを監視し、スクショで記録(板・歩み値・チャート)。
② 次に最小ロットで実行し、約定コストと撤退の癖を把握。
③ 30〜50回のログから、負けパターン上位3つを禁止条件にする。
④ そのうえで、利確/損切りの比率(R倍)を調整する。

ログは、エントリー理由を一文で書ける形にしてください。「出来高ショック+VWAP+歩み値連続」など、条件語だけで再現できることが重要です。

12. まとめ:テーマ#185を「運用できる形」に落とす

テーマ#185は、見た目のパターンを追うのではなく、注文フローの偏りを条件化して取りに行く発想が要です。勝ち筋は「(1)銘柄選別で事故を減らす」「(2)トリガーを数値→目視の順で固定する」「(3)撤退を三点セットで機械化する」「(4)例外をログで削る」の4点に集約されます。

短期は、1つの完璧なルールより、運用で壊れないルールが価値を持ちます。小さく試し、データで改善し、勝ち方より「負け方」を先に固めてください。

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