RSI30割れダイバージェンスで捉える反転初動:短期~スイングの実戦設計

テクニカル分析

相場は「売られすぎ」だけでは反転しません。下落トレンドの中でもRSIが30を割り続ける局面は普通にあります。反転初動を“確度高く”拾うには、価格の下げ方が弱まり、売り手の圧力が構造的に落ちたことを示すサインが必要です。その代表が、RSI(Relative Strength Index)のダイバージェンス(逆行現象)です。

本記事では、RSIが30以下の領域で発生するダイバージェンスを「反転の可能性が現実味を帯びる局面」として扱い、デイトレ~スイングで再現性を上げるための判断フローを、具体例と数値例で徹底的に解説します。単なる“チャートの見た目”から卒業し、入る理由・入らない理由を言語化できる設計に落とし込みます。

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  1. RSIの役割:価格ではなく「推進力(モメンタム)」を見る指標
  2. ダイバージェンスの定義:安値更新なのに、弱気の推進力が弱くなる
  3. なぜ「RSI30以下」でのダイバージェンスに意味があるのか
  4. まず結論:勝率を上げるための判断フロー(上から順に)
  5. ステップ1:前提環境を分類する(トレンド / レンジ / パニック)
  6. ステップ2:ダイバージェンスの“形”を規格化する
  7. ステップ3:「反転の起点」を価格行動で確認する(ここが勝敗)
  8. ステップ4:損切り位置を先に決め、逆算でロットを決める
  9. ステップ5:利確は“分割”が基本。逆張りは伸び切らないことが多い
  10. 具体例1:日本株(ギャップダウン→RSI30以下ダイバージェンス)
  11. 具体例2:FX(USD/JPY、RSIダイバージェンス+流動性の戻り)
  12. 具体例3:暗号資産(BTC、急落局面のダイバージェンスと清算の終わり)
  13. 「ダイバージェンスが機能しない」典型パターンと回避策
  14. 1)強い下落トレンドの途中:上位足が崩れている
  15. 2)流動性が薄い:板がスカスカ、スプレッドが広い
  16. 3)ニュース・指標の直前直後:価格が理屈で動かない
  17. 4)ダイバージェンスの“数合わせ”:山谷の取り方がブレる
  18. 実戦で効く“精度ブースター”3点セット
  19. ブースター1:乖離率(移動平均からの距離)で“戻り余地”を測る
  20. ブースター2:出来高の“ピークアウト”を確認する
  21. ブースター3:上位足のレジサポ帯と重なるか
  22. 検証のコツ:勝率ではなく「期待値」と「再現性」を見る
  23. まとめ:RSI30以下ダイバージェンスは“反転監視モード”のスイッチ

RSIの役割:価格ではなく「推進力(モメンタム)」を見る指標

RSIは、一定期間における上昇幅と下落幅のバランスから算出され、一般に0~100の範囲で推移します。多くの教科書では「70以上は買われすぎ、30以下は売られすぎ」と説明されますが、実戦ではこの理解だけだと負けます。なぜなら、トレンド局面では“買われすぎ・売られすぎが長く続く”からです。

RSIの本質は、価格が「どれだけ強く押されているか(推進力)」を測ることです。価格が下がっていても、下げの推進力が弱まっていれば、下落は同じように続きにくくなります。逆に価格が下がり続け、RSIも下がり続けるなら、売りの推進力が持続しているということです。

ダイバージェンスの定義:安値更新なのに、弱気の推進力が弱くなる

ダイバージェンス(強気)は、価格が直近安値を更新しているのに、RSIが安値を更新せず切り上がる状態を指します。言い換えると、価格は新安値だが「売りの推進力」は新安値ではない。売りの勢いが鈍っている、または買い戻し(ショートカバー)が内部で増えている可能性が高まります。

重要なのは、ダイバージェンスは“反転確定”ではなく“反転候補が生まれた”サインだという点です。ここを誤解すると、下落トレンドのど真ん中で逆張りして焼かれます。したがって、本記事ではダイバージェンスを「エントリー許可証」ではなく「監視を強めるトリガー」として位置づけ、次の確認条件(価格行動・流動性・時間軸)でふるいにかけます。

なぜ「RSI30以下」でのダイバージェンスに意味があるのか

RSIが30以下は、短期的に売りが優勢であることを示します。その領域で強気ダイバージェンスが出ると、「売りが優勢なのに、売りの推進力が弱まっている」という矛盾が生まれます。相場は矛盾が積み上がったところで転換しやすい。特に短期資金が多い銘柄・通貨ペア・暗号資産では、反転局面の“初動の短い爆発”が出やすく、スキャルピング~デイトレの期待値が取りやすくなります。

一方で、RSIが40~50での小さなダイバージェンスはノイズになりやすいです。トレンドの中の小休止で頻発し、トリガーとして弱い。だからこそ「RSI30以下」という条件が、ダイバージェンスを“使える形”に絞り込むフィルターとして機能します。

まず結論:勝率を上げるための判断フロー(上から順に)

ここからは、実務ではなく運用として使える“型”を提示します。ポイントは、ダイバージェンスを見つけた瞬間に飛びつかず、必ず同じ順序で判定することです。

ステップ1:前提環境を分類する(トレンド / レンジ / パニック)

同じRSI30以下のダイバージェンスでも、環境が違えば期待値が変わります。まずは以下の3分類で、自分がどこにいるかを決めます。

トレンド下落:戻り高値を切り下げ、移動平均(例:25日線や20EMA)が下向き。ここでの逆張りは難易度が高い。成功しても利幅は限定的になりやすい。

レンジ下限:過去に何度も反発している価格帯に接近。ここでのダイバージェンスは機能しやすい。

パニック(投げ):ギャップダウン、出来高急増、大陰線、板の薄さ、スプレッド拡大などが同時発生。ここは反転の“芽”が出やすいが、リスクも最大。損切り設計ができないなら触らないのが正解です。

ステップ2:ダイバージェンスの“形”を規格化する

目で見て「たぶんダイバージェンス」では再現性が出ません。次のように定義を固定します。

・価格:直近の押し安値(L1)を更新して新安値(L2)を付けている(終値でも安値でもよいが、どちらかに統一する)

・RSI:L1時点のRSIより、L2時点のRSIが高い(RSIの安値が切り上がる)

・条件強化:L2時点のRSIが30以下(ここが本テーマ)

さらに精度を上げるなら、L2の価格安値が“僅差の更新”であることが重要です。例えばL1が100円、L2が99円(-1%)のような小幅更新は、売りの推進力が枯れやすい。一方、L1が100円、L2が90円(-10%)のように深く掘ると、ダイバージェンスが出ても「まだ投げの途中」の可能性が残ります。

ステップ3:「反転の起点」を価格行動で確認する(ここが勝敗)

ダイバージェンスは“内部の弱まり”です。外に出るサイン、つまり価格行動が必要です。具体的には次のいずれかを待ちます。

A:直近の戻り高値を上抜く(最も再現性が高い)
下落中でも短い戻りがあります。その戻り高値(H)を上抜いたら、短期の構造が変わります。「安値更新→戻り→再下落」が崩れた瞬間です。遅く見えますが、むしろここで入る方が期待値は安定します。

B:安値圏での“下ヒゲ+出来高”(早いが難しい)
安値を割ったのに戻して引ける(下ヒゲ)。加えて出来高が増えるなら、吸収(買い)が入った可能性が高い。ただし、出来高増=買いとは限りません。投げ売りの出来高の可能性もあるため、次足のフォロー(高値更新など)をセットで見るべきです。

C:VWAPや短期MA(例:5分足VWAP)を回復して維持
デイトレなら有効です。VWAP上に定着できるなら、当日の平均コストが買い側に傾いたということ。VWAPを越えた瞬間ではなく、越えてから“戻し売りに耐える”ことが重要です。

ステップ4:損切り位置を先に決め、逆算でロットを決める

逆張りの損切りは「浅く」できるのが利点ですが、浅すぎるとノイズで刈られます。おすすめは次の2案です。

案1:L2(新安値)の少し下
最もシンプル。新安値を更新してしまったらシナリオ破綻、と割り切ります。個別株なら板・値幅制限も考慮し、少し下に置く余裕が必要です。

案2:反転確認の起点(H上抜け)からの“戻り押し”割れ
構造変化を確認して入る場合、起点が崩れたら撤退。勝率が上がりやすく、損切りの納得感が高いです。

ロットは「損切り幅×数量=許容損失」にするだけです。例えば1回の損失許容を口座の0.5%に固定し、損切り幅が2%なら数量を0.25倍にする。これをルール化すると、パニック相場でも破綻しません。

ステップ5:利確は“分割”が基本。逆張りは伸び切らないことが多い

逆張りは「当たれば大きい」と思われがちですが、下落トレンド中の反転は、戻り売りが出やすく伸び切らないことが多いです。だから分割利確が機能します。

例:
・第1利確:VWAP到達、または直近戻り高値手前(小さくても確定)
・第2利確:下落起点のギャップの半値戻し(株)、またはフィボ38.2%戻し(共通)
・残り:トレーリング(短期MA割れ、前の押し安値割れなど)

この設計だと「少し戻っただけで終わった」局面でも利益を残しやすく、精神的に安定します。

具体例1:日本株(ギャップダウン→RSI30以下ダイバージェンス)

想定:前日1000円で引けた銘柄が、悪材料で寄り付き950円(-5%)のギャップダウン。寄り付き直後に投げが出て930円まで下落(L1)。その後一度戻して960円(H)を付けるが、再び売られて920円(L2)を付けた。ここでRSIを5分足で見ると、L1時点RSIが18、L2時点RSIが24で切り上がっている(30以下)。

この時点で「反転候補」。しかし入らない。次に見るのは、960円(H)を超えられるかです。もし出来高が落ち着き、VWAPが955円付近にあり、価格がVWAPを回復してから押してもVWAPを割らず、最終的に961円を上抜けたなら、短期構造が変わった可能性が高い。

エントリー案:H上抜け(961円)で入り、損切りは押し安値(例:945円)割れ、またはL2(920円)割れのどちらか。前者は損切りが浅いが刈られやすい。後者は損切りが広いが生存率が高い。自分の時間軸に合わせて選びます。

利確案:まずVWAPからの乖離が縮んだところ(例:980円)で半分確定。残りは前日終値1000円付近で手仕舞いを検討。ギャップを埋め切るかは運次第なので、「到達したらラッキー」くらいの期待で良いです。

具体例2:FX(USD/JPY、RSIダイバージェンス+流動性の戻り)

FXは24時間で流動性の波があります。反転の初動は“時間帯”で成功率が変わります。例えば東京時間の薄い時間帯に突っ込んだ下げは、ロンドン勢参入で流動性が戻った瞬間に切り返すことがあります。

想定:USD/JPYが下落中。1分足でL1=148.200、RSI=16。いったん戻して148.420(H)。その後、欧州勢参入直前に148.150(L2)を付けたがRSIは22(切り上げ、30以下)。ここで「下げの推進力が弱い」ことは分かるが、スプレッド拡大やヒゲ乱舞のノイズが多いので、確認が必須です。

確認条件:
・148.420(H)を上抜ける
・上抜け後に148.350~148.380への押しで止まる(下げ止まり)
・押しでRSIが30を割り込み直さない(再び弱くならない)

これが揃えば、損切りは押し安値割れ(例:148.330)、利確は直近戻り高値群(例:148.650)や、上位足(5分足/15分足)の戻り抵抗で分割。FXは“すぐ戻ってすぐ止まる”ことが多いので、伸ばし過ぎない方が成績が安定します。

具体例3:暗号資産(BTC、急落局面のダイバージェンスと清算の終わり)

暗号資産はレバレッジ清算が起きると、短時間で急落し、同じくらい急反発します。RSI30以下のダイバージェンスは、この“売りの燃料(強制清算)”が一巡した可能性を示す場面で有効です。

想定:BTCが急落し、5分足でL1を更新。RSIが20まで低下。いったん戻すが再下落して僅かにL2を付けたところでRSIが26に切り上がる。出来高はL1時点がピークで、L2は出来高が落ちている。これは「投げ(清算)がピークアウト」している典型形の一つです。

ただし言い切れません。暗号資産は一度反発しても、もう一段の清算が来ることがあるため、最初の反発は“様子見ラリー”の可能性もあります。したがって、エントリーは「戻り高値の上抜け」または「VWAP回復→押しで維持」を待つのが安全です。損切りはL2割れ、利確は急落の起点(ギャップ相当の価格帯)手前で分割し、残りは短期MA割れで落とす。これが基本です。

「ダイバージェンスが機能しない」典型パターンと回避策

ここを押さえると、無駄な逆張りが激減します。

1)強い下落トレンドの途中:上位足が崩れている

日足や4時間足のトレンドが崩壊していると、5分足のダイバージェンスは“ただの小さな戻り”で終わりやすいです。回避策は、上位足の抵抗(例:25日線、前回の戻り高値)までを“利確目標の上限”と決め、深追いしないこと。あるいは、上位足でも同様の弱まり(例:日足RSIの切り上がり)が出てから仕掛ける。

2)流動性が薄い:板がスカスカ、スプレッドが広い

個別株の小型・低位株や、マイナーアルトはダマシが多いです。ダイバージェンスが出ても、板1枚で価格が飛び、損切りが滑ります。回避策は「スプレッドと板厚」を条件に入れること。たとえば、板の最良気配の数量が一定以上、スプレッドが価格の0.1%以内など、自分の市場に合わせて定量化します。

3)ニュース・指標の直前直後:価格が理屈で動かない

経済指標、決算、要人発言の直後は、ダイバージェンスよりも“情報”が価格を支配します。回避策は簡単で、イベント前後は取引サイズを落とすか、そもそもやらない。これはルールで縛るのが最も効果的です。

4)ダイバージェンスの“数合わせ”:山谷の取り方がブレる

安値(L1、L2)をどこに取るかが曖昧だと、都合の良いダイバージェンスを後付けで見つけるだけになります。回避策は、L1/L2の定義を固定すること。例:直近20本の中での最安値、または「安値更新の足の終値」など、機械的に決めます。

実戦で効く“精度ブースター”3点セット

ここからはオリジナリティとして、私が「RSI30以下ダイバージェンス」を運用する際に、意図的に組み合わせる3つの条件を紹介します。全部を満たす必要はありませんが、重なるほど期待値が上がります。

ブースター1:乖離率(移動平均からの距離)で“戻り余地”を測る

RSIが低いだけでは反転幅が読めません。そこで短期MA(例:20EMA)やVWAPからの乖離率を見ます。乖離が大きいほど、平均回帰の戻り余地がある一方、トレンドが強いと戻りが途中で止まります。目安として、デイトレではVWAP乖離が1.0~2.0%を超えてくると、短期の戻しが入りやすい市場が多いです(銘柄の特性で調整してください)。

ブースター2:出来高の“ピークアウト”を確認する

L1で出来高が最大、L2で出来高が減少し、かつRSIが切り上がる形は強いです。売りが一巡し、追加で叩く売りが減っている可能性が高い。逆にL2で出来高がさらに増えているなら、まだ投げが続いている可能性があるため慎重に扱います。

ブースター3:上位足のレジサポ帯と重なるか

ダイバージェンスが出ている場所が、過去に反発した価格帯(サポート)と重なっているか。これが強い。理由は単純で、過去に買いが入った価格帯は、再び買いが入りやすいからです。逆に何の節目でもない場所でのダイバージェンスは、ただの“息切れ”で終わることが多いです。

検証のコツ:勝率ではなく「期待値」と「再現性」を見る

初心者がやりがちな失敗は、「勝率が高い条件」を探して過剰最適化することです。RSIダイバージェンスは、相場環境で成績が変わります。したがって検証は次の観点が重要です。

・エントリー条件を固定し、100回分のサンプルを集める(同一市場、同一時間軸)
・平均利益、平均損失、損益比、最大連敗を確認する
・“見送った方が良かった局面”の共通点をメモする(イベント、流動性、上位足)

この作業で、「自分の市場で効くダイバージェンスの型」が手元に残ります。型ができると、相場が荒れても判断がブレません。

まとめ:RSI30以下ダイバージェンスは“反転監視モード”のスイッチ

RSI30以下での強気ダイバージェンスは、売りの推進力が弱まった可能性を示します。しかし、それだけで飛びつくのは危険です。必ず、価格行動(戻り高値上抜け、VWAP回復と維持、下ヒゲ+フォロー)で“外に出た”変化を確認し、損切りを先に決めてからロットを組み立てる。これが再現性の核です。

逆張りは「当てるゲーム」ではありません。「損失を小さく固定し、当たったときの回収でトータルをプラスにするゲーム」です。RSIダイバージェンスは、そのための有力な観測装置です。あなたの市場・時間軸・性格に合わせて、今日提示した判断フローを“固定化”し、淡々と検証し、運用に落とし込んでください。

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