RSIダイバージェンス×トレンドフィルターで狙う暗号資産スイング戦略の完全ガイド

テクニカル分析

本稿では、RSIのダイバージェンストレンドフィルター(移動平均線・ATR)を組み合わせ、ビットコインやイーサリアムなど暗号資産で再現性を高めるスイング戦略を、セットアップから検証、実運用まで通しで解説します。裁量の余地を最小化し、初心者でも追従可能な具体的手順に落とし込みます。

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戦略コンセプト

価格はトレンド中に推進と押し・戻りを繰り返します。トレンドの減速や転換の初期兆候としてよく観測されるのがオシレーターのダイバージェンスです。本戦略は、明確な上昇(または下降)トレンドが出ている銘柄のみを対象に、押し目(戻り)終盤で出る弱い逆行シグナル(RSIダイバージェンス)を、トレンド方向へ再合流する起点として活用します。

対象市場と時間軸

対象はBTC/USDT, ETH/USDTなど主要ペアです。時間軸は4時間足を基準とし、日足で上位トレンドを確認します。4時間足は日中の値動きノイズを均しつつ、エントリー頻度と保有期間(数日〜2週間)のバランスが良いです。

インジケーター設定

RSI(14)

期間14、従来の70/30は使わず、直近252本(約6ヶ月)のRSI分布から80パーセンタイル/20パーセンタイルを閾値として算出します(例:上位閾値=RSIの80%点)。これによりボラティリティ体質が異なる銘柄・相場局面でも適応的に機能します。

移動平均線

EMA200とEMA50を使用します。EMA50 > EMA200で上昇トレンド、EMA50 < EMA200で下降トレンドの基本フィルターとします。

ATR(14)

ストップ幅と利益確定のガイドに使います。ATRは価格水準に依存せず、相対的なボラティリティを反映します。

ダイバージェンスの定義

上昇トレンドにおける強気ダイバージェンス:価格が直近安値を更新または同値圏(Wボトム含む)で、RSIがより高い安値を付ける。これにより売り圧の減衰を示唆します。下降トレンドでは逆(弱気ダイバージェンス)。

エントリー・エグジット条件(上昇トレンドのロング例)

事前条件

4時間足でEMA50 > EMA200、かつ日足でも価格がEMA200上に位置。出来れば日足のEMA50も上向きであることが望ましいです。

シグナル検出

押し目局面でRSIが下落し、価格が直近安値近辺を試す中、RSIが前回安値より高いRSI値を示したらダイバージェンス候補。

トリガー

候補発生後、ローソク足が直近の短期レジスタンス(例:押し目中のスイング高値、または短期トレンドライン)を終値で上抜けした足の次足始値で成行買い。またはブレイクレベルに指値(ストップ注文)を置いてブレイク時に自動約定。

ストップ

エントリー足の直近安値の少し下、もしくは1.5×ATR。ヒゲに刈られにくい水準を優先します。

手仕舞い

2分割利確
第一目標=+1.0×ATRで半分利確。第二目標=+2.0×ATRで残りを利確。あるいは第二目標到達前にEMA50を終値で下抜いたら全決済。加えて含み益が+1.0×ATRに到達したらストップを建値+0.2×ATRに引き上げ、損益分岐を超えて保護します(トレーリング)。

下降トレンドのショート条件

上記の上下を反転します。EMA50 < EMA200、日足でも弱気基調、戻り局面で価格が直近高値を試す間にRSIがより低い高値を付け、短期サポート割れをトリガーに成行売り。ストップは直近高値上/1.5×ATR、利確は+1.0×ATRと+2.0×ATRで分割。

実例シナリオ(BTC/USDT・仮想)

前提:4時間足でEMA50>EMA200、価格はEMA50上。押し目で価格が68,200→67,000まで下落、前回押し目のRSI底が31、今回が34と切り上げ。押し目中のスイング高値67,800上抜けで次足始値67,820で買い。ATR=1,200。

  • 初期ストップ:67,820−1.5×1,200=66,020
  • 第一利確:67,820+1.0×1,200=69,020で半分利確
  • ストップ引き上げ:含み益+1,200到達で建値+240に上げ=68,060
  • 第二利確:+2.0×ATR=70,220で全決済、平均利益約+1,800相当

上記は数値例であり、実相場ではスプレッド/スリッページ・手数料を考慮します。

資金管理(ロット計算)

1トレードのリスクは口座資金の0.5〜1.0%に限定します。例:資金100万円、リスク1%=1万円、ストップ幅1,800ドル相当なら、ロット=(許容損失額/ストップ幅)で算出します。暗号資産のレバレッジ口座でも同様の計算で実効レバレッジを管理します。

エッジの補強(オリジナル要素)

1) 適応的RSI閾値

固定の70/30ではなく、直近252本のRSI分布から80/20パーセンタイルを毎バー更新して用います。過熱/売られ過ぎの定義が相場体質に順応します。

2) ボラティリティ連動の分割エグジット

ATRが上昇している局面では利確目標を1.2×/2.4×ATRに拡大、低下時は0.8×/1.6×ATRに縮小。目標の固定化を避けます。

3) ファンディングレート・フィルター(先物)

先物を使う場合、ロングはプラスファンディング上限ショートはマイナスファンディング上限に偏り過ぎる時間帯を回避するルールを追加すると、コスト悪化と極端な片寄り相場の踏み上げを緩和できます。

4) 出来高確認

トリガー足で出来高が直近20本平均を1.2倍以上上回ることを条件に加えると、ダマシを減らせます。

検証手順

  1. 銘柄:BTC/USDT, ETH/USDT。期間:直近2〜3年。時間軸:4時間足。
  2. インジケーター:RSI14、EMA50/200、ATR14。RSI閾値は分布に基づく80/20。
  3. ルールを厳密にコード化(手動でも良いが、条件誤差を避ける)。
  4. 手数料(片道0.05%など)とスリッページ(平均0.5〜1ティック)を織り込み。
  5. 資金管理:リスク1%/トレード、分割利確とトレーリングを含む。
  6. 指標:勝率、平均損益(R)、PF、最大DD、SQN(期待値/標準偏差×√トレード数)。

想定される落とし穴

  • 逆張り化:ダイバージェンスはトレンド減速の合図ですが、トレンドの崩壊保証ではない。必ずトレンド方向への再合流ブレイクをトリガーにします。
  • 指標過多:RSIとEMA、ATRに絞る。条件を増やし過ぎるとシグナルが枯渇し、過剰最適化に陥ります。
  • 高レバレッジ:損切り幅が広がるボラティリティ期にレバレッジを固定すると破綻しやすい。リスク一定でロット調整。
  • 重大イベント:CPIやFOMC、半減期や大型アップグレード直前はギャップ・急変動が起きやすい。保有縮小や新規回避のルールを持ちます。

日足の上位環境認識

4時間足だけでなく日足での位置関係を確認します。価格が日足EMA200上なら買い優位、下なら売り優位。レンジ環境ではダイバージェンスのダマシが増えるため、日足のトレンド判定を第一フィルターに据えます。

具体的な運用フロー

  1. 毎朝と夜にスクリーニング(4時間足・日足)。EMA位置関係とRSI分布の更新を確認。
  2. 候補銘柄の押し・戻りを監視し、ダイバージェンス候補を記録。
  3. 短期レジスタンス/サポートの価格を事前にメモし、ブレイクでトリガー。
  4. エントリーと同時にストップ注文、2段階の指値利確をセット。
  5. 第一利確到達でストップを建値+αに引き上げ。
  6. 週末に勝ち負けのRを集計し、ルール逸脱を点検。

よくある質問

Q. RSIの期間は14固定で良いですか?

A. 開始は14が無難です。銘柄特性により8〜21の範囲で微調整しても構いませんが、同時にRSI閾値を分布ベースにすることで期間依存度を下げます。

Q. 時間軸は4時間が最適ですか?

A. 1時間足だとノイズが増え、日足だとシグナル頻度が低下します。まず4時間で慣れ、資金・性格に合えば時間軸を調整してください。

Q. 先物での運用は?

A. 同じルールで可能ですが、資金管理は証拠金残高ベースで厳格に。ファンディングコストや強制ロスカット規約を必ず確認してください。

発展:レンジ局面の取り扱い

EMA50とEMA200が絡み合い、価格がその周囲で往復する時期はノートレードを基本とします。どうしても参加する場合は、日足の水平帯でのみ小さく試し、利幅も小さく設定します。

チェックリスト(運用前)

  • 上位(日足)トレンドは明確か
  • 4時間足でEMA50/200の並びは適正か
  • 押し・戻り局面でRSIダイバージェンスが出ているか
  • 出来高は直近平均比で増加しているか
  • エントリー水準・ストップ・利確の価格を事前に決めたか
  • 1トレードのリスクは口座の1%以内か

まとめ

RSIダイバージェンス単体はダマシもありますが、トレンドフィルター出来高ATRベースの利確・損切りを組み合わせることで一貫性が高まります。裁量を排し、チェックリストと資金管理を徹底することで、初心者でも運用可能なスイング戦略になります。

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