大きな足のあとに小さな足が収まると、値動きが煮詰まって次に飛び出しそうに見えます。しかし、狭くなったことから上へ進む方向までは決まりません。内側の上限を超えても、大きな足の高値まではまだ距離がある場合があります。
この記事では、呼び名の曖昧さを最初に解消し、親足と内側の足の高安を別々に読みます。架空価格を使い、どこを超えたのか、どの出口ならいくら負担するかを整理します。形を見つけることと発注条件の成立を分けるのが目的です。
実体のはらみと高安の包含を区別する
はらみ足という言葉は、実体が前の実体へ収まる意味で使われる場合があります。一方、英語のinside barでは高安全体が前の高安に収まる意味で使うことがあります。記事やツールによって定義が違う可能性があるため、名前だけで条件を一致させません。
ここでは後の足の高値が親足の高値より低く、安値が親足の安値より高い状態を対象にします。同値を認めるかも明記し、この例では厳密に内側とします。実体だけが内側でヒゲが外へ出る足は、別の候補として扱います。
この定義を使うのは、有効性を保証するためではなく、観測対象を再現できるようにするためです。途中で成功例だけ同値を含め、失敗例は除外すると検証が偏ります。採用条件は結果を見る前に固定します。
親足の四本値を保存する
親足の高値1,040円、安値1,000円、後の内側の高値1,028円、安値1,014円とします。親足の値幅は40円、内側は14円です。比率は14÷40=35%。収縮した範囲を説明できますが、次の上昇確率を示す数字ではありません。
親足の色と内側の色は、包含条件とは別です。親が陽線、子が陰線でも、その逆でも、高安の関係は確認できます。色を条件に追加するなら別の項目として記録し、包含だけの結果へ混ぜないようにします。
時刻と足の長さも残します。1分足の親子と日足の親子では、対象の時間も値動きの性質も違います。一枚のきれいな日足の例を、日中の短い注文へそのまま転用しないことが大切です。

内側の上抜けは親足の突破ではない
1,030円で取引が成立すれば、内側の高値1,028円は上回っています。しかし親足の高値1,040円はまだ超えていません。上抜けという一語を使うと、どの範囲を突破したかを取り違えます。二つの上限を同時に表示します。
内側の突破から親足の高値までを狙う方法と、親足全体の突破を待つ方法は別です。前者は早く参加できますが、親の中で押し戻される場面も引き受けます。後者は確認が増える代わりに、買値が高くなる場合があります。
親足の上限で必ず売りが出るとも、必ず抜けるとも言えません。価格の過去の高値を観察点として使い、上値までの余白を測るだけです。参加者全員の心理をその線一本から断定しないようにします。
出口を内側へ置く場合
1,030円で買い、内側の安値の下1,012円を撤退目安、費用と滑りの想定2円、100株なら計画損失2,000円です。親足高値1,040円で売れた場合の費用後利益は800円。狭い形を見つけても、利益余地が十分とは限りません。
撤退を1,026円へ寄せれば負担600円へ小さくなりますが、内側の安値を見ていません。突破水準付近で早くやめる方法として設計するなら、その目的を別に書きます。予算に合う数字を作るためだけに根拠を交換しません。
小さい負担から大きな数量を持つと、通常の気配差や小さな振れで大量の株を処理する場合があります。見込みどおりに売れない損失も含めて、実際の平均約定を残します。狭いストップは損失の保証上限ではありません。
親足の下まで待つ場合
同じ1,030円買いでも、親足の安値の下998円まで待つなら、費用2円、100株で計画損失3,400円です。入口だけ内側の小さな足を使い、出口は大きな親足を使う設計になります。違う幅を組み合わせていることを自覚します。
一回予算2,000円なら、通常の100株単位では収まりません。内側の出口を使えばよかったと保有後に言うのではなく、発注前にどの仮説を取るかを選びます。親足の出口を採るなら、その金額を受け入れるか、候補から外します。
親足の幅40円を上へ足した目標を置く考え方もありますが、到達保証ではありません。高い目標を作るだけで、広い撤退の採算を良く見せないようにします。実際の高値や材料、監視できる時間も別に確認します。

内側の足が何本も続いたら
最初の親足の中に複数本が収まる場合、最初の親を維持する方法と、直前の足を新しい親へ更新する方法があります。どちらも定義できますが、結果が変わります。小さな足へ親を更新して幅を狭めるなら、最初の40円を使う方法と分けます。
一例として高安1,028円・1,014円の後に、1,024円・1,018円ができたとします。直前足を基準にすれば6円幅、最初の親なら40円幅です。1,026円は後者の範囲内で、最も小さい範囲の上抜けです。複数の上限のどれを使ったかを名前へ入れます。
更新を繰り返すほど幅は小さく見えますが、売り買いの気配差まで同じように小さくなるとは限りません。幅6円に対して気配差2円なら、その比重は大きくなります。図形の収縮と執行費用を一緒に確認します。
待機注文の期限を付ける
内側の上限へ買い条件を置き、下限へ別の条件を置く方法を検討するなら、片方が成立したときもう片方がどうなるかを理解する必要があります。連動機能が自動で整理するとは限りません。仕様を確認できない二方向の注文を重ねないようにします。
上側へ出る前に親足の下を割ったなら、元の買い計画が残るかを再評価します。古い買い指値が残ったまま戻ってきて成立すると、収縮の突破ではなく失敗後の回復へ参加する取引になります。前提が変わったら注文も点検します。
時間の期限も必要です。朝の小さな形を根拠にした注文が、午後まで残っていないかを確認します。形の有効期間を無制限にせず、自分が管理できる区間へ限定する方が記録もしやすくなります。
形成中の足を使った検証の問題
途中では内側へ収まっていても、その後高値や安値が更新されれば包含は消えます。確定足を使う条件なら、足が終わる前に親子関係が完成したことにしません。発注時点の情報を保存します。
完成後に最小の内側足を選び、その上限ぴったりで買えたとする例も注意が必要です。条件が完成してから注文できる価格は別です。突破してすぐ進んだ場合、表示された線で全量が成立した証拠はありません。
過去の画像だけでは順番や数量が分からない場合、仮想約定の制約を明示します。研究用の計算と、実売買の成果を混ぜないようにします。形が美しいことより、当時と同じ手順で判断できるかを重視します。
記録では三つの幅を残す
親足幅、内側幅、買値から撤退までの実効幅を別々に保存します。たとえば40円、14円、費用込み20円です。この三つは同じ数字ではありません。内側が小さいだけで資金負担も小さいと決めないためです。
実際の約定が1,034円へずれれば、同じ1,012円撤退の負担は2,400円になります。サイン価格1,028円で計算したままにしないよう、成立後の照合を行います。判断と執行の差が分かれば、形を変える前に注文方法を研究できます。
同じ期間で上抜け、下抜け、方向が出なかった候補を残します。上抜け成功例だけでルールを評価すると、待機時間と見送りが消えます。少数の例から確率を断定せず、まず定義と記録をそろえます。
次の足が範囲の外から始まった場合
内側の高値1,028円を買いの目安にしていても、次の足の初めが1,034円なら、1,029円で必ず買えたことにはできません。途中の価格で約定がない場合、線を跨いだことと、その線で自分の注文が成立したことは別です。特に時間の空白をまたぐ例では注意します。
1,034円買い、1,012円撤退、費用2円、100株なら負担2,400円です。親高値1,040円までの利益は400円。元の1,030円入口の計画から、損失は400円増え、利益は400円減っています。シグナルの価格だけで採算を計算しないための比較です。
買い指値の上限を1,030円へ守ったなら未約定になる可能性があります。それは条件を守った結果です。買えなかったことを自動的に失敗とし、上限を無制限に上げないようにします。許容価格と通知条件は別々に用意します。
内側の両端を往復した日の負担
上抜け1,030円で買い、1,012円で退出した100株の損失は費用込み2,000円です。その後に再び上へ戻ったからと同じ条件で買い直し、もう一度失敗すれば累計4,000円。小さな内側の形でも、繰り返せば日次予算を使います。
取引回数の上限を置くなら、それは自分の資金や注意力の管理です。二回失敗したら三回目は上がりやすい、という価格の法則ではありません。形の存続、銘柄別累計、一日の残予算を分け、次の入口が全部を満たすか確認します。
別方向の取引へ切り替える場合も、最初の注文の残りや出口がないかを照合します。上と下に条件がある図は単純でも、実際の口座は一部約定や取消し依頼中の状態を持ちます。紙上の二方向の矢印を、同時に簡単に実行できる前提にしません。
量の収縮を調べるなら同じ足の長さで
親足の出来高が5,000株、内側が1,000株なら、比率は20%です。しかし親が5分で内側が1分なら、時間あたりでは同じ1,000株です。足の長さをそろえず、売買が急に減ったと説明しないようにします。同じ長さでも時刻の違いが影響する場合があります。
小さい量が底堅さを表すとは限りません。買いも売りも少なく、注文が処理しにくい状態かもしれません。高安差14円、気配差3円なら、差は内側幅の約21.4%です。静かな形に見えても費用の割合が大きい例です。
出来高を追加条件へ使うと、候補数も変わります。回避できた失敗だけでなく、条件のために外れた上昇も保存します。価格だけの定義と量も含む定義を別群へ分ければ、何を追加して結果が変わったかを説明できます。
注文を置く価格と、成立した価格も別欄にします。上抜けを検知した価格が1,030円でも、買えた価格が1,033円なら、100株の負担は300円増えます。チャートの線を通過したことだけで、その線の値段で取引できたと記録しないようにします。指値で待ったまま成立しない結果も、戦略の結果の一つです。
まとめ
はらみ足を使う前に、実体の包含か高安の包含かを決めます。内側の上抜けと親足全体の突破を分け、出口と数量を一組で計算します。値幅が狭くなった形を、そのまま低リスクや上昇の保証へ変えないことが実践の基本です。
価格データの確認先
四本値と注文成立の基本は日本取引所グループを参照します。本文の包含定義と数値は、条件をそろえるための説明例です。


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