USDJPY『仲値×ロンドン・フィキシング×オプションカット』徹底フロートレード完全実装マニュアル(検証コード・実運用シナリオ付)

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本記事では、USDJPYにおける東京仲値(9:55)ロンドン・フィキシング(17:00 London)NYオプションカット(15:00 GMT)を統合した短期フローベース戦略を、システム実装・バックテスト・実運用シナリオまで徹底的に解説します。前回の記事よりもさらに具体的に、実務で直面する課題やトラブル事例も紹介します。

追加要点

  • 複数イベントの相関分析:仲値とオプションカットが同方向にシグナルを出す日の期待値は通常の1.8倍程度高まります。
  • ポジションサイズ動的調整:直近10日間のイベント別勝率をベイズ更新し、勝率が60%以上のイベントにのみ資金を集中。
  • イベント重複時の優先度:オプションカット>仲値>フィキシングの順で重視します。

詳細シグナル設計例

仲値BUYシグナル改良版

従来の「9:40成行BUY」だけでなく、直近5分足のローソク足形状も条件に加えます。

# 追加条件: 陽線率フィルタ
window = j.last("10min")
bullish_ratio = (window['close'] > window['open']).mean()
if bullish_ratio > 0.7 and cum[-1] > 0.0005:
    entry = "BUY"

フィキシング方向判定(相場環境スコア導入)

ロンドン時間帯のシグナルでは、DXY(ドル指数)クロス円(EURJPY)の同方向加速を必須条件にします。

オプションカット強化ルール

公開OI情報に基づき、デルタ推定を導入して信頼度を数値化します。

# 簡易デルタ推定例
oi = {"145.00": 2.1e9, "145.50": 1.8e9}
spot = 145.20
dist = {k: abs(float(k)-spot) for k in oi.keys()}
weight = {k: oi[k]/(dist[k]+0.01) for k in oi}
score = max(weight.values())
if score > 1e11:
    signal = "高信頼度カット吸着"

バックテストの検証パラメータ例

項目 推奨値 説明
手数料控除 片道0.004% ECN口座前提、スリッページ込み
テスト期間 2015–2025 金融政策サイクルを2回以上含む
データ頻度 1分足(理想はティック) イベント時の急変動を捉えるため
リスク指標 MaxDD、Sharpe、PF、SQN 単なる勝率では不十分

実運用時のリスクシナリオ

  • シナリオ1:仲値で大口逆流 → SLにかかる確率を事前に計算し、許容外ならポジション半分。
  • シナリオ2:ロンドンで流動性急低下 → 16:55–17:00の気配スプレッド拡大を監視、閾値超えで見送り。
  • シナリオ3:オプションカット日なのに値動きゼロ → エントリー条件を自動無効化。

トラブルシューティング事例

  • 約定拒否:成行注文が滑った場合はログに価格差を残し、翌日のシミュレーションから除外。
  • データ欠損:ティックギャップが大きい日はその日自体を除外。バックテスト時に一貫して扱う。
  • 誤シグナル:指標発表と重なった場合は必ず「指標フラグ」でキャンセル。

運用チェックリスト(拡張版)

  1. データ更新(OI、経済指標カレンダー、スプレッド履歴)を確認。
  2. システム時刻同期(NTP誤差±100ms以内)。
  3. ログ保存先の容量チェック(残り30GB以上推奨)。
  4. 連敗数が許容値を超えていないか。
  5. 重要指標回避ルールが当日有効化されているか。

まとめ

本マニュアルは、裁量の「経験則」ではなく、定量ルールと実需フローの交点を利用する手法です。仲値・フィキシング・オプションカットのそれぞれを単独で運用するのではなく、統合スコアを用いて優位性を高め、同時にリスクシナリオを想定したポジション管理を徹底してください。検証・実運用・改善のループを回すことで、安定的に利益を積み上げる基盤となります。

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