短期急騰株の利確タイミングを移動平均乖離率で判断する実践戦略

株式投資
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  1. 短期急騰株で最も難しいのは「買うこと」ではなく「降りること」です
  2. 移動平均乖離率とは何か
  3. 急騰株ではどの移動平均線を見るべきか
    1. 5日移動平均線は短期勢の温度を見るために使う
    2. 25日移動平均線は相場全体の加熱度を見るために使う
    3. 75日移動平均線は中期の異常値を確認するために使う
  4. 急騰株の利確で使いやすい乖離率の目安
    1. 5日線乖離率の目安
    2. 25日線乖離率の目安
    3. 材料株と業績株で基準を変える
  5. 利確判断は「乖離率+ローソク足+出来高」で行う
    1. 上ヒゲが長くなると利益確定売りが増えている
    2. 出来高急増は買いの強さであると同時に出口のサインでもある
    3. 陰線包み足は短期資金撤退のシグナルになりやすい
  6. 実践的な分割利確ルール
    1. 基本ルールは「半分守って、半分伸ばす」です
    2. 具体例:1,000円で買った銘柄が1,500円まで急騰した場合
  7. 急騰株のタイプ別に利確基準を変える
    1. テーマ株は早めの分割利確が基本
    2. 決算急騰株は5日線を使って粘る
    3. 低時価総額株は乖離率よりも出来高ピークを重視する
  8. 利確を遅らせてよいケース
    1. 出来高を伴って高値圏で陽線が続く場合
    2. 株価が5日線を一度も割っていない場合
    3. 市場全体の地合いが強い場合
  9. 利確を急ぐべき危険サイン
    1. 高乖離で出来高最大級の上ヒゲ
    2. 寄り付き高値からの大陰線
    3. SNSで過熱感が極端に高まる
  10. 移動平均乖離率を使った売買ルールの作り方
    1. ルール例1:標準型の分割利確
    2. ルール例2:テーマ株向けの早期利確型
    3. ルール例3:好決算株向けのトレンド追随型
  11. 損切りと利確をセットで考える
  12. よくある失敗例
    1. 乖離率が高いだけで空売りする
    2. 全部を一度に売って大相場を逃す
    3. 含み益が減ってから慌てて売る
  13. 実際にチェックすべき項目リスト
  14. まとめ:移動平均乖離率は利益を守るための客観的な物差しです

短期急騰株で最も難しいのは「買うこと」ではなく「降りること」です

短期急騰株は、個人投資家にとって非常に魅力的な投資対象です。数日で10%、20%、場合によっては50%以上も上昇することがあり、通常の大型株やインデックス投資では得にくいリターンを短期間で狙えるからです。しかし、実際に急騰株で安定して利益を残すのは簡単ではありません。理由は明確で、急騰株は上昇スピードが速い一方、下落スピードも極端に速いからです。

特に難しいのが利確タイミングです。早く売りすぎると、その後の大相場を取り逃します。逆に欲張って持ち続けると、含み益が一気に消え、最悪の場合は含み損に転落します。短期急騰株では「どこまで上がるか」を正確に当てるよりも、「どの水準からリスクが急増するか」を把握するほうが実践的です。

そこで有効なのが、移動平均乖離率を使った利確判断です。移動平均乖離率とは、現在の株価が移動平均線からどれだけ離れているかを示す指標です。急騰株は、短期的に買いが集中することで移動平均線から大きく上方乖離します。この乖離が一定以上に広がると、利益確定売り、短期筋の撤退、信用買いの回転売りが出やすくなります。つまり、移動平均乖離率は「相場の加熱度」を数値で測るための温度計として使えます。

本記事では、短期急騰株を対象に、移動平均乖離率を使って利確タイミングを判断する方法を、実際の売買ルールに落とし込める形で解説します。単なる指標説明ではなく、どの移動平均線を見るべきか、何%乖離で警戒すべきか、出来高やローソク足とどう組み合わせるべきか、分割利確をどう設計するかまで具体的に整理します。

移動平均乖離率とは何か

移動平均乖離率は、現在値が移動平均線からどれだけ離れているかをパーセントで表したものです。計算式は非常にシンプルです。

移動平均乖離率=(現在株価-移動平均線)÷移動平均線×100

たとえば、現在株価が1,200円、25日移動平均線が1,000円であれば、25日移動平均乖離率は20%です。これは、株価が25日平均より20%高い位置にあることを意味します。通常の安定した上昇トレンドでは、株価は移動平均線の近辺で推移しながら緩やかに上昇します。しかし急騰局面では、材料、決算、テーマ化、需給逼迫などにより株価が一気に移動平均線から離れます。

乖離率が高いから必ず下がるわけではありません。強い銘柄ほど高い乖離率を維持したままさらに上昇することがあります。ここを誤解すると、急騰初動で早売りしてしまいます。重要なのは、乖離率を「逆張りシグナル」として単純に使うのではなく、「利確を検討する優先順位を上げるシグナル」として使うことです。

急騰株における移動平均乖離率の役割は、天井をピンポイントで当てることではありません。むしろ、利益が乗っている状態で「ここから先はリターンよりも反落リスクが大きくなっている」と判断するための客観的な基準です。感情で売るのではなく、事前に決めた乖離率ルールに従って段階的に利益を確定することで、トレードの再現性が高まります。

急騰株ではどの移動平均線を見るべきか

移動平均乖離率を使う場合、どの期間の移動平均線を基準にするかが重要です。一般的には5日線、10日線、25日線、75日線がよく使われますが、短期急騰株の利確判断では、それぞれ役割が異なります。

5日移動平均線は短期勢の温度を見るために使う

5日移動平均線は、直近1週間程度の売買コストを反映します。短期トレーダーやデイトレーダー、スイング勢の平均取得単価に近い感覚で使えます。急騰株が5日線から大きく上方乖離している場合、直近で買った投資家にも大きな含み益が出ている状態です。そのため、わずかな悪材料や上値の重さをきっかけに利確売りが出やすくなります。

5日線乖離率は、超短期の利確判断に向いています。特に、2日から5日程度で急騰した銘柄では、5日線からの乖離が20%を超えると短期的な過熱感が出始めます。30%を超えると、翌日以降に大きな陰線やギャップダウンが発生しやすくなるため、少なくとも一部利確を検討する水準です。

25日移動平均線は相場全体の加熱度を見るために使う

25日移動平均線は、約1カ月の平均価格を示します。日本株では多くの投資家が25日線を意識しており、急騰株の過熱度を見るうえでも使いやすい基準です。25日線から20%以上乖離している銘柄は、すでに通常の上昇トレンドを超えて短期資金が集中している可能性があります。30%以上では過熱感が明確になり、40%以上では急反落を警戒すべき段階に入ります。

ただし、時価総額が小さく、浮動株が少なく、強い材料がある銘柄では、25日線乖離率が50%、70%、場合によっては100%を超えることもあります。そのような銘柄を単純に「25日線から30%乖離したから売り」と判断すると、大相場を逃すことがあります。したがって、25日線乖離率は単独ではなく、出来高、ローソク足、材料の持続性、信用需給と組み合わせて判断する必要があります。

75日移動平均線は中期の異常値を確認するために使う

75日移動平均線は、より長い期間の平均価格を表します。急騰前に長期間ボックス相場だった銘柄が一気に動き出した場合、75日線からの乖離率が急拡大します。75日線から50%以上乖離している場合、その銘柄は中期的にもかなり異常な価格位置にあると考えられます。

短期売買では5日線と25日線を中心に使えば十分ですが、75日線を見ることで「これは単なる押し目ではなく、かなり高い位置まで買われている」という大局観を持てます。特に、材料が一過性で業績インパクトが不明確な場合、75日線から大きく乖離した状態での追撃買いはリスクが高くなります。

急騰株の利確で使いやすい乖離率の目安

移動平均乖離率に絶対的な正解はありません。銘柄の時価総額、業種、材料、地合い、出来高、信用需給によって適正水準は変わります。それでも、売買ルールを作るうえでは目安が必要です。以下は、短期急騰株を扱ううえで実用的な基準です。

5日線乖離率の目安

5日線乖離率が10%未満であれば、短期的な過熱感はまだ限定的です。上昇初動であれば、むしろ強いトレンドの範囲内と考えられます。10%から20%では、上昇の勢いは強いものの、まだ利確を急ぐ段階とは限りません。ただし、出来高が急増しすぎている場合や上ヒゲが出始めている場合は注意が必要です。

20%から30%では、短期勢の含み益がかなり膨らんでいます。この水準では、保有株の25%から50%を分割利確する候補になります。30%を超えると、短期的にはかなり加熱しています。特に、連続陽線の後に5日線乖離率が30%を超え、かつ出来高が過去最大級に膨らんでいる場合は、翌日以降の反落リスクが高まります。

25日線乖離率の目安

25日線乖離率が15%未満であれば、急騰株としてはまだ過熱感は強くありません。20%を超えると短期資金の流入が明確になり、30%を超えると利確を意識する水準に入ります。40%を超えた場合は、よほど強い材料や需給がない限り、保有株の一部を現金化しておくほうが現実的です。

50%以上の乖離は、急騰相場の中でもかなり高い位置です。この水準では、さらに上昇する可能性はありますが、下落時の値幅も大きくなります。含み益を守る観点では、全株保有を継続するよりも、半分以上を利確し、残りをトレーリングストップで伸ばす設計が合理的です。

材料株と業績株で基準を変える

同じ乖離率でも、材料株と業績株では意味が異なります。一過性の思惑材料で上昇している銘柄は、材料の賞味期限が短いため、高乖離状態が長続きしにくい傾向があります。たとえば、テーマ報道、提携発表、短期的な政策期待などで急騰した銘柄は、25日線乖離率30%から40%でも十分に警戒すべきです。

一方、決算で大幅増益や上方修正を発表し、業績評価の見直しで上昇している銘柄は、高い乖離率を一定期間維持することがあります。この場合、単純に乖離率だけで売るのではなく、5日線を割るまで一部を残す、または前日安値割れをトリガーにするなど、トレンド継続を許容するルールが有効です。

利確判断は「乖離率+ローソク足+出来高」で行う

移動平均乖離率だけで利確すると、強い相場で早売りになりがちです。そこで、乖離率に加えてローソク足と出来高を確認します。急騰株では、天井圏に近づくと価格だけでなく、売買の質にも変化が出ます。

上ヒゲが長くなると利益確定売りが増えている

急騰中の銘柄で長い上ヒゲが出るということは、日中に高値をつけたものの、その価格帯では売りが強かったことを意味します。特に、5日線乖離率が25%以上、25日線乖離率が40%以上の状態で長い上ヒゲが出た場合は、短期的なピークアウトを疑うべきです。

上ヒゲの長さは、実体との比較で見ます。たとえば、陽線で終わっていても、上ヒゲが実体の2倍以上ある場合は注意が必要です。見た目は上昇していても、実際には上値で大量の売りを浴びている可能性があります。この場合、終値が高値から大きく押し戻されていれば、一部利確の優先度は高まります。

出来高急増は買いの強さであると同時に出口のサインでもある

出来高急増は、急騰初動ではポジティブです。市場参加者が増え、流動性が高まり、株価が一段高しやすくなります。しかし、上昇が進んだ後の出来高急増は、買いだけでなく売りも大量に出ていることを意味します。特に、過去数カ月で最大級の出来高を伴って長い上ヒゲや大陰線が出た場合は、短期資金の入れ替わりが限界に近づいている可能性があります。

出来高を見るときは、単に「多いか少ないか」ではなく、どの価格位置で増えたかを確認します。上昇初日の出来高急増は初動サインになりやすいですが、25日線乖離率が50%を超えた後の出来高急増は、利確サインになりやすいです。同じ出来高急増でも、位置によって意味が変わります。

陰線包み足は短期資金撤退のシグナルになりやすい

急騰後に前日の陽線を包み込むような大陰線が出ると、短期トレンドが崩れ始めた可能性があります。特に、寄り付きで高く始まり、その後に売られて大陰線で終わる形は警戒が必要です。これは、朝方の買いが続かず、上値で待っていた売りに押し返された状態です。

5日線乖離率が高い状態で陰線包み足が出た場合、翌日以降に5日線まで急落することがあります。含み益があるなら、少なくとも一部利確を行い、残りは前日安値割れや5日線割れで撤退するルールに切り替えるのが現実的です。

実践的な分割利確ルール

短期急騰株では、一括で売るよりも分割利確のほうが実践的です。理由は、急騰株の天井を正確に当てることが難しいからです。一括利確では、早売りすれば大相場を逃し、遅れれば利益を削ります。分割利確なら、利益を確保しながら上昇継続にも対応できます。

基本ルールは「半分守って、半分伸ばす」です

たとえば、100株を保有している場合、5日線乖離率が20%を超えた時点で30株を利確し、25日線乖離率が40%を超えた時点でさらに30株を利確します。残り40株は、5日線割れ、前日安値割れ、または出来高を伴う大陰線を撤退条件として保有します。

この方法のメリットは、急落してもすでに一定の利益を確保しているため、精神的に余裕を持って残りを伸ばせることです。急騰株では、恐怖と欲が判断を狂わせます。事前に分割利確の比率を決めておくことで、場中の感情的な判断を減らせます。

具体例:1,000円で買った銘柄が1,500円まで急騰した場合

ある銘柄を1,000円で100株買ったとします。株価は材料発表後に急騰し、数日で1,500円まで上昇しました。このとき、5日線が1,200円、25日線が1,050円だったとします。5日線乖離率は25%、25日線乖離率は約42.9%です。短期的にはかなり加熱した水準です。

この場合、まず50株を1,500円付近で利確します。これにより、50株分で25,000円の利益が確定します。残り50株は、さらに上昇する可能性に備えて保有します。ただし、撤退条件を明確にします。たとえば、終値で5日線を割ったら残りを売る、または前日安値を割ったら売るというルールです。

仮にその後1,800円まで上昇すれば、残りの利益を伸ばせます。一方、翌日から下落して1,350円で撤退しても、平均売却価格は1,425円となり、十分な利益が残ります。このように、分割利確は最高値で売るための技術ではなく、急騰株の不確実性を受け入れながら期待値を安定させるための技術です。

急騰株のタイプ別に利確基準を変える

短期急騰株といっても、上昇理由はさまざまです。全銘柄に同じ乖離率ルールを当てはめると、うまくいかない場面があります。そこで、銘柄のタイプごとに利確基準を変える必要があります。

テーマ株は早めの分割利確が基本

AI、防衛、半導体、再生エネルギー、宇宙、量子技術などのテーマ株は、資金が集中すると短期間で大きく上昇します。一方で、テーマ人気が冷めると急落も早いです。テーマ株では、25日線乖離率30%から40%で一部利確し、50%以上では保有比率を大きく落とすほうが堅実です。

テーマ株の怖さは、業績よりも雰囲気で買われることです。材料が将来性のある内容でも、現在の利益にどれだけ貢献するかが不明確な場合、株価だけが先走ります。このような銘柄では、株価が材料を織り込みすぎた瞬間に買い手が減り、短期資金の売りが一斉に出ます。乖離率が高くなったら、夢を追いすぎず、利益を現金化する姿勢が重要です。

決算急騰株は5日線を使って粘る

好決算や上方修正で急騰した銘柄は、単なる思惑株よりも上昇が継続しやすい場合があります。市場が利益水準を再評価しているため、短期的な過熱感があっても、株価の居所そのものが切り上がることがあるからです。このタイプでは、乖離率だけで早売りするより、5日線を割るまで一部を残す戦略が有効です。

たとえば、25日線乖離率が40%に達した時点で半分を利確し、残りは5日線終値割れまで保有します。強い決算銘柄は、5日線に沿って上昇を続けることがあります。全株を早く売るのではなく、利益確保と上昇継続の両方を狙う設計が適しています。

低時価総額株は乖離率よりも出来高ピークを重視する

時価総額が小さい銘柄は、少ない資金でも大きく動きます。そのため、移動平均乖離率が極端な数値になりやすく、通常の基準が効きにくいことがあります。25日線乖離率が50%を超えてもさらに上昇する一方、反落時には連続ストップ安に近い動きになることもあります。

低時価総額株では、乖離率に加えて出来高ピークを重視します。連日の急騰後に過去最大級の出来高が出て、終値が高値から大きく押し戻された場合は、需給の山場を迎えた可能性があります。小型株では逃げ遅れると流動性が急低下し、売りたくても希望価格で売れないことがあります。したがって、乖離率が高い段階で段階的に売っておくことが重要です。

利確を遅らせてよいケース

移動平均乖離率が高くても、すぐに売らなくてよいケースもあります。急騰株で大きな利益を取るには、強い相場をある程度信じて持つ場面も必要です。重要なのは、利確を遅らせる条件を明確にしておくことです。

出来高を伴って高値圏で陽線が続く場合

高乖離状態でも、出来高を維持しながら陽線が続いている場合は、資金流入が継続している可能性があります。この場合、全株を売るよりも、一部利確にとどめて残りを伸ばす選択が有効です。ただし、陽線が続いているからといって安心はできません。上ヒゲが増えたり、出来高が急減したりした場合は、買いの勢いが弱まっている可能性があります。

株価が5日線を一度も割っていない場合

急騰中でも、終値で5日線を割っていない銘柄は、短期トレンドが維持されていると判断できます。特に、強い材料や好決算を背景に上昇している場合、5日線をサポートにして上昇が続くことがあります。このようなケースでは、25日線乖離率が高くても、全株利確ではなく一部利確にとどめ、残りは5日線割れまで保有するのが合理的です。

市場全体の地合いが強い場合

地合いが強い局面では、急騰株の高乖離が許容されやすくなります。日経平均やTOPIX、マザーズ系指数、米国株指数などが上昇基調にあると、投資家のリスク許容度が高まり、短期資金が急騰株に流入しやすくなります。この場合、通常なら利確する乖離率でも、やや広めに許容する判断ができます。

逆に、指数が弱い局面では、高乖離銘柄から先に売られやすくなります。急騰株は市場全体が崩れたときに利益確定の対象になりやすいため、地合いが悪化している場合は、乖離率が通常より低くても早めの利確を検討すべきです。

利確を急ぐべき危険サイン

短期急騰株では、いくつかの危険サインが重なると、反落リスクが一気に高まります。移動平均乖離率が高いだけでは売りの決定打になりませんが、以下のサインが同時に出た場合は、利益を守る判断を優先すべきです。

高乖離で出来高最大級の上ヒゲ

25日線乖離率が40%以上、5日線乖離率が25%以上の状態で、過去数カ月最大級の出来高を伴う長い上ヒゲが出た場合、かなり警戒すべきです。これは、上値で大量の売りが出ている可能性を示します。翌日も高値を更新できなければ、短期資金が撤退し始めることがあります。

寄り付き高値からの大陰線

朝の気配が強く、寄り付きで高く始まったにもかかわらず、その後に売られて大陰線で終わる形は危険です。これは、買い気配に飛びついた投資家が含み損を抱え、既存保有者も利益確定を始めた可能性があります。翌日に前日安値を割ると、損切り売りが連鎖しやすくなります。

SNSで過熱感が極端に高まる

SNSや掲示板で銘柄名が急激に拡散し、短期的な楽観論が増えすぎた場合も注意が必要です。もちろん、話題化は上昇の燃料になることがあります。しかし、すでに株価が大きく上がり、移動平均乖離率も高い状態で話題化した場合、後から入ってくる買い手は高値掴みになりやすいです。短期相場では、みんなが気づいた頃には出口に近いことも多いです。

移動平均乖離率を使った売買ルールの作り方

実際に使えるルールにするには、曖昧な判断を減らす必要があります。以下のように、買う前から利確条件を決めておくと、急騰時にも冷静に対応しやすくなります。

ルール例1:標準型の分割利確

買付後、株価が上昇し、5日線乖離率が20%を超えたら保有株の30%を利確します。次に、25日線乖離率が40%を超えたらさらに30%を利確します。残り40%は、終値で5日線を割ったら売却します。このルールは、急騰株の利益を確保しながら、上昇継続にも対応できるバランス型です。

ルール例2:テーマ株向けの早期利確型

テーマ株や材料株では、25日線乖離率が30%を超えた時点で半分を利確します。さらに、長い上ヒゲまたは出来高急増の陰線が出たら残りの半分も売却します。テーマ株は人気の変化が速いため、利益を伸ばすよりも利益を守ることを優先します。

ルール例3:好決算株向けのトレンド追随型

好決算で上昇した銘柄では、25日線乖離率40%で30%を利確し、残り70%は5日線終値割れまで保有します。さらに上昇して25日線乖離率60%を超えた場合は、追加で30%を利確します。最後の40%は、5日線割れまたは前日安値割れで撤退します。業績評価の見直し相場では、短期的な高乖離でも上昇が続くことがあるため、トレンドを残す設計が有効です。

損切りと利確をセットで考える

利確ルールだけを作っても、急騰株では不十分です。買った直後に想定と逆に動くこともあるからです。特に、すでに高乖離状態で飛び乗る場合、エントリー直後の下落リスクは大きくなります。そのため、利確ルールと同時に損切りルールも設定する必要があります。

たとえば、急騰初動で買う場合は、直近安値割れ、5日線割れ、または買値から一定%下落を損切り条件にします。重要なのは、損切り幅と利確目標のバランスです。5%の損切りを許容するなら、少なくとも10%以上の上昇余地がある場面で入るべきです。すでに25日線乖離率が50%を超えている銘柄に飛び乗る場合、上昇余地より反落リスクのほうが大きいことが多いため、エントリー自体を見送る判断も必要です。

急騰株で勝つ人は、上昇を当てる人ではありません。利益が出たときに守り、失敗したときに小さく撤退できる人です。移動平均乖離率は、利確だけでなく、エントリーの危険度を測るためにも使えます。

よくある失敗例

移動平均乖離率を使っても、使い方を間違えると逆効果になります。ここでは、急騰株でありがちな失敗を整理します。

乖離率が高いだけで空売りする

最も危険なのは、乖離率が高いという理由だけで空売りすることです。急騰株は、割高に見えてからさらに大きく上がることがあります。特に、浮動株が少なく、空売りが積み上がっている銘柄では、踏み上げによって異常な上昇が続くことがあります。移動平均乖離率は利確判断には有効ですが、空売りシグナルとして単純利用するのは危険です。

全部を一度に売って大相場を逃す

乖離率が高くなった時点で全株を売ると、その後の上昇を逃すことがあります。急騰株では、最初の過熱感が出た後にさらに資金が流入し、二段上げ、三段上げになることもあります。したがって、全株売却ではなく、分割利確を基本にするほうが実践的です。

含み益が減ってから慌てて売る

利確ルールがない投資家は、含み益が最大化した時点では「もっと上がる」と考え、下がり始めると「また戻る」と考えます。その結果、利益が大きく減ってから慌てて売ることになります。急騰株では、最大利益を狙うより、一定の利益を確実に残すことが重要です。移動平均乖離率を使えば、含み益が大きい段階で冷静に一部利確できます。

実際にチェックすべき項目リスト

短期急騰株を保有している場合、毎日以下の項目を確認すると判断しやすくなります。

まず、5日線乖離率を確認します。20%を超えていれば一部利確候補、30%を超えていれば強い警戒水準です。次に、25日線乖離率を確認します。30%を超えていれば過熱感があり、40%から50%を超える場合は分割利確の優先度が高まります。

次に、ローソク足を確認します。長い上ヒゲ、大陰線、陰線包み足が出ていないかを見ます。最後に出来高を確認します。上昇初動の出来高急増か、天井圏の出来高急増かを分けて考えます。さらに、地合い、材料の持続性、信用需給、SNSでの過熱感も補助的に確認します。

このチェックを習慣化すると、場中の感情に振り回されにくくなります。急騰株はスピードが速いため、判断が遅れるだけで利益が大きく変わります。事前に見る項目を決めておくことが、安定した売買につながります。

まとめ:移動平均乖離率は利益を守るための客観的な物差しです

短期急騰株で利益を残すには、上昇の勢いに乗るだけでは不十分です。むしろ重要なのは、どのタイミングで利益を確定し、どのタイミングで残りを伸ばすかです。移動平均乖離率は、急騰株の加熱度を数値で把握するための有効な指標です。

5日線乖離率は短期勢の過熱感を見るために使い、25日線乖離率は相場全体の加熱度を見るために使います。5日線から20%以上、25日線から30%から40%以上乖離した場合は、少なくとも分割利確を検討する水準です。ただし、乖離率だけで判断するのではなく、ローソク足、出来高、材料の質、地合いと組み合わせる必要があります。

実践では、全株を一度に売るのではなく、分割利確を基本にします。保有株の一部を高乖離時に利確し、残りは5日線割れや前日安値割れを基準に伸ばすことで、利益確保と上昇継続の両方に対応できます。急騰株の天井を完璧に当てる必要はありません。重要なのは、利益があるうちに守る仕組みを持つことです。

短期急騰株は、夢のある投資対象である一方、判断を誤ると利益を一瞬で失う危険な対象でもあります。移動平均乖離率を自分なりの利確ルールに組み込み、感情ではなく数値で売買を管理することが、急騰株で生き残るための現実的な方法です。

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