VCPの見分け方|値幅収縮からブレイク候補を絞る実践法

値幅が段階的に収縮する株価チャートを分析する成人日本人女性アナリスト。AI生成イメージ。 テクニカル分析

VCP(Volatility Contraction Pattern)は、上昇トレンドの途中で値幅が段階的に縮小し、売り圧力が弱まった局面を探す考え方です。ただし、チャートが三角形に見えるだけでは不十分です。重要なのは、値幅・出来高・安値の位置・ブレイク後の価格受容を数値で確認することです。

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VCPで観察する4つの変化

第一に、各調整の下落率が小さくなるかを見ます。例えば高値2,000円から1,700円への調整は15%、次が1,950円から1,814円で約7%、最後が1,920円から1,862円で約3%なら、値幅は15%→7%→3%と収縮しています。第二に安値が切り上がり、第三に調整局面の出来高が減少し、第四に高値付近で終値が維持されることを確認します。

三段階で値幅が収縮するVCPと出来高減少を示したチャート
値幅だけでなく、調整時の出来高減少と安値切り上げを同時に確認する。

収縮率を同じ物差しで測る

調整率は「(直前高値-調整安値)÷直前高値」で計算します。日数が違う場合はATRも使います。最終収縮幅が4%でも、その銘柄の20日ATRが1%なら4ATRあり、必ずしも静かな状態ではありません。逆に値幅3%、ATR1.5%なら2ATRです。過去の同銘柄と比較して、通常より変動が小さくなったかを見ます。

ブレイクは終値と出来高で確認する

抵抗線を一瞬超えただけでは、上の売り注文を確認しただけかもしれません。候補条件は、終値が基準高値の上、当日出来高が20日平均の1.5倍以上、引けが日中レンジ上位25%以内です。翌日に基準高値を割り込まず、押しても出来高が減るなら価格が新しい水準で受容された可能性が高まります。

具体例:株数は損失額から逆算する

基準高値1,930円を1,945円で突破し、直近収縮安値が1,885円だったとします。失効価格を1,880円、滑りを5円と見積もると1株リスクは70円です。1回の許容損失を14,000円とすれば、14,000÷70=200株が上限です。値幅が狭いから株数を感覚的に増やすのではなく、失効価格までの距離で決めます。

VCPブレイクのエントリー価格、失効価格、許容損失から株数を計算した図
ブレイク価格ではなく、パターンが崩れる価格から株数を逆算する。

失敗しやすいVCP

  • 収縮中も出来高が増え、売り買いが激しく衝突している
  • 安値が切り下がり、上値だけが下がっている
  • 決算発表直前で、翌日のギャップが損切り注文を飛び越える
  • 市場指数や業種指数が下向きで、個別株だけを追っている

VCPは形の名前ではなく、供給が細りつつあるかを検証する枠組みです。収縮率、ATR、出来高、終値位置を記録し、条件を満たさない形は見送ることで、後付けのチャート解釈を減らせます。

出来高の減少は「売り手不在」かを確認する

出来高減少だけでは強気とは言えません。買い手も売り手も消えた閑散銘柄でも出来高は減ります。収縮中に下落日の出来高が細り、上昇日には増え、終値が日中レンジ上部へ戻るなら、売り注文を吸収している可能性があります。20日平均出来高が100万株、第一収縮が80万株、第二が55万株、第三が35万株と低下し、ブレイク日に180万株へ増えた、というように基準を固定します。

地合いと上値余地を加える

個別株が整っていても、業種指数が安値を更新中ならブレイクの継続率は下がりやすくなります。銘柄の20日騰落率から業種指数の20日騰落率を引き、相対強度がプラスか確認します。また、直上に過去の大量出来高帯や年初来高値がある場合、数%で売りが出る可能性があります。目標までの余地が1R未満なら、形が美しくても見送る判断が合理的です。

発注を三つの方式に分ける

先回り型は収縮レンジ内で買える反面、ブレイクしないリスクがあります。突破確認型は基準高値を超えてから入るため確認度は上がりますが、価格が不利になります。再テスト型は突破後の押しを待つため損切り幅を抑えやすい一方、押さずに上昇する銘柄を逃します。どれを選ぶかを場中に変更せず、過去20例で約定率、平均R、最大逆行を比較します。

検証シートに残す項目

  • 三回の調整率と、それぞれの期間
  • 収縮局面の平均出来高と20日平均比
  • 基準高値、失効価格、1株リスク、上限株数
  • 業種指数に対する20日相対強度
  • ブレイク日の終値位置と翌日の維持可否

成功例だけを集めると、どんな三角形もVCPに見えてしまいます。失敗例も同じ基準で記録し、「第三収縮が第一の半分以下」「ブレイク出来高1.5倍以上」など各条件の有無で成績を分けると、自分の売買時間軸に合う条件が見えてきます。

p-nuts

お金稼ぎの現場で役立つ「投資の地図」を描くブログを運営しているサラリーマン兼業個人投資家の”p-nuts”と申します。株式・FX・暗号資産からデリバティブやオルタナティブ投資まで、複雑な理論をわかりやすく噛み砕き、再現性のある戦略と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ実践できること、そして迷った投資家が次の一歩を踏み出せることを大切にしています。

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