通常の出来高棒は「いつ売買されたか」を示す。出来高プロファイルは期間内の約定を価格帯へ配分し、「どこで多く売買されたか」を見る。最も厚い価格帯をPOC、厚い山をHVN、薄い谷をLVNと呼ぶことがある。
出来高の山は含み損益の地図ではない
1,000円で100万株取引されても、現在の保有者が全員1,000円で買ったとは限らない。同じ株が何度も回転し、買い手と売り手が必ず同数いる。したがって「山には大量の買いがある」と断定せず、過去に価格が受け入れられ長く往来した区域と読む。

支持線になるには現在の反応が必要
価格が過去のHVNへ戻ったとき、反発する場合も貫通する場合もある。判断材料は、そこでの約定増加、スプレッド、安値更新の停止、終値の位置だ。線へ触れた事実だけで注文せず、「戻った後に受容されたか」を確認する。
LVNを抜けると値が走りやすいという仮説も、注文が本当に薄い場合に限る。過去の出来高が少なくても、現在の板に新しい注文が並べば状況は変わる。プロファイルは履歴、板は現在の供給である。
計算設定で形が変わる
100円刻みか10円刻みか、20日か200日かで山は変わる。例として980〜1,020円を一つにまとめれば大きなHVNでも、10円刻みでは複数の峰に分かれる。比較するときは期間、価格刻み、時間外取引、出来高調整の有無を固定する。

検証ルールを文章化する
「HVNで反発」を、接触後5本以内に1ATR上昇、損切りは帯の外0.5ATR、出来高が20本平均以上など観測可能な条件へ直す。過去チャートで都合のよい山だけ選ばず、その時点で利用可能だった期間だけで毎日再計算する。売買コスト込みの期待値を確認して初めて戦略になる。
POCの移動から受容を確認する
価格上昇とともにPOCも切り上がるなら、高い価格帯で新たな取引が積み上がっている。価格だけ上がりPOCが下に残る場合は、薄い領域を一時的に通過しただけかもしれない。ただしこれは観察であり、反転を保証しない。
週次と日次を重ねる場合、長期帯を背景、短期帯を執行判断として役割を分ける。同じ価格に複数期間の山が重なることを、独立した二つの根拠として二重計上しない。
売買計画の例
1,000〜1,010円をHVN、980〜990円をLVNと定義し、終値が1,010円を上回った翌日に買う。損切りは990円割れ、利確は次のHVNである1,050円と事前に固定する。エントリー1,015円ならリスク25円、目標35円で、費用前の比率は1.4倍だ。
この比率だけで採用せず、全シグナルを抽出して勝率、平均利益、平均損失、最大連敗を確認する。帯を見てから都合のよい期間を選ぶと、検証結果は簡単に過大化する。
実務チェックリスト
- 集計期間と価格刻みを固定
- 時間外取引を含むか明記
- POCと現在値の距離
- 帯での現在出来高と滞在時間
- エントリー・損切り・利確を数値化
- 全シグナルを時系列で検証
帯の中心を一本の線として扱わず、1,000〜1,010円のように幅を持たせる。損切りを帯のすぐ内側に置くと往来だけで外されるため、過去の平均振幅も加える。
記録は売買前の予測値と売買後の実績値を分ける。後から説明を書き換えず、想定と実績の差を次回の数量・条件へ反映する。単一指標だけで発注せず、価格、数量、時間、流動性、最大損失を一つの取引計画として管理する。


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