損切りは、何%下がったら機械的に売る技術だけではありません。買った理由が壊れたのか、価格だけが動いたのか、資産全体のリスクが増えたのかを区別するためのルールです。特に個別株では、購入前に売却条件を書いておかないと、下落後に都合のよい理由を作りやすくなります。
売却条件を3種類に分ける
- 仮説崩れ:成長率、競争優位、財務、経営方針など、買った根拠が崩れた。
- 価格リスク:1銘柄の損失が資産全体で許容できる額を超えた。
- 時間切れ:設定した検証期間に、期待した改善の兆しが出ない。
この3つは混ぜないのがコツです。仮説が維持されていても、ポジションが大きすぎるなら縮小する理由になります。一方、価格が下がっただけで事業仮説まで否定する必要はありません。

先に金額から逆算する
投資資産500万円のうち、1回の失敗で許容する損失を1%の5万円とします。購入価格から売却基準まで10%の値幅を取るなら、ポジション上限は50万円です。計算は「許容損失額 ÷ 売却までの値幅」。この順なら、値動きが大きい銘柄ほど自然に購入額が小さくなります。
売却ルールをメモするテンプレート
- 購入理由:どの数値・出来事を期待するか。
- 否定条件:何が起きたら仮説を取り消すか。
- 検証日:次回決算、6か月後など。
- 上限損失:金額と資産全体に占める割合。
- 行動:全売却、半分縮小、追加調査のどれか。
避けたい二つの失敗
一つは、損切りラインを下落のたびに下げること。もう一つは、短期の値動きだけで長期投資の根拠を撤回することです。決算資料や事業指標を確認し、どの条件に当てはまったのかを記録します。損切りは損失をゼロにする仕組みではなく、次の判断を感情だけに任せないための仕組みです。


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