現金比率は、上昇相場で最も不人気になりやすい一方、生活と投資を切り離すための重要な設計要素です。正解の比率を探すより、現金を「緊急用」「予定支出用」「投資待機用」に分けると決めやすくなります。投資用の現金と生活防衛資金を同じ箱に入れないことが出発点です。
現金を3つの目的に分ける
- 生活防衛資金:失業、病気、収入減に備える。投資の下落時にも売らないための資金。
- 予定支出資金:数年以内の教育費、車、引っ越しなど。必要時期に円で確保する。
- 投資待機資金:あらかじめ決めた積立・追加投資・リバランスに使う。
この3つを合計してから、残りを長期運用資産と考えます。「暴落したら買うための現金」を理由に防衛資金まで株式へ回すと、下落時に逆に売却を迫られます。

月次支出から最低ラインを作る
例として、月の必須支出が25万円、収入が不安定で、子どもの教育費80万円を2年以内に予定しているなら、まず生活防衛資金を6か月分の150万円、予定支出80万円と置きます。この230万円は、相場の期待リターンではなく、使う時期と必要額で決めた現金です。その上で投資待機資金を、年間投資額やリバランス幅に応じて決めます。
比率ではなく、引き出す順番を決める
現金比率が20%でも、近い支出を株式で持っていれば実態は攻めすぎです。逆に比率が40%でも、独立準備や住宅購入が近いなら過大とは限りません。資金が必要になったら「予定支出→投資待機資金→長期資産」の順に使う、という順番を決めると判断が安定します。
年2回だけ見直す
- 必須支出と収入の安定性が変わったか。
- 3年以内の予定支出が増えたか。
- 株式比率の上昇で、現金の役割が薄れていないか。
- 待機資金に明確な使い道があるか。
現金はリターンを生まない「余り」ではなく、生活を守り、定めた投資行動を実行するための選択肢です。


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