TWAPとVWAPはどちらが有利?大口注文の執行アルゴを相場別に使い分ける

一日の大口注文を時間と出来高に沿って分割する執行イラスト。AI生成。 市場構造

6万株を9時から15時までに買うとする。TWAP型なら時間へ均等に配り、1時間あたり1万株が基準になる。VWAP型は通常の出来高カーブに合わせ、寄りと引けを多く、昼を少なく配る。名称ではなく配分規則が違う。

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TWAPは単純だが参加率が揺れる

各30分に5,000株ずつ買うと、出来高50万株の時間帯では参加率1%、5万株しかない時間帯では10%になる。流動性の薄い時間にも同量を出すため、価格影響が増えやすい。一方、出来高予測を外すリスクは小さい。

VWAP型は出来高予測に依存する

過去平均が寄り20%、午前30%、午後30%、引け20%なら、6万株を1.2万、1.8万、1.8万、1.2万株に配る。ところが材料発表で午前に一日出来高の70%が集中すると、予定が遅れ、午後に高い参加率で追いかける可能性がある。

TWAPの均等配分とVWAP型の出来高連動配分を時間帯別に比較した図
同じ総数量でも、時間帯別の参加率と価格影響は異なる。

基準価格を先に決める

一日VWAPに勝っても、発注決定時の価格より大幅に高く買えば、機会損失を含む実行ショートフォールは悪い。評価指標を後から都合よく選ばず、到着価格、VWAP、終値のどれを主基準にするか発注前に決める。

到着価格から約定価格までの遅延コストと市場影響を分解した計算図
執行評価は約定分のコストと未約定の機会損失を合わせる。

使い分けの実務

出来高が安定し、ベンチマーク連動が目的ならVWAP型が扱いやすい。薄商いで予測が不安定、かつ一定期間で機械的に分散したいならTWAP型が候補になる。緊急性が高い損切りでは、どちらも遅すぎることがある。

注文開始前に最大参加率、指値の上限、終了時刻、未約定の扱いを決める。終了間際に残量を一括成行へ変える設計は、平常時の平均コストだけでなく、引けの流動性不足をストレステストする。

予想出来高カーブを更新する

過去20日の平均だけでは、決算日や指数イベントに対応できない。開始30分の実績が通常の2倍なら、残りの予想出来高を更新し、残量配分を再計算する。ただし追随を速くしすぎると一時的な出来高急増へ過剰反応する。

最大参加率を10%とした場合、ある区間の市場出来高が2万株なら自分は2,000株までに抑える。残量が増えても上限を破らず、終了時刻延長か未約定を受け入れるルールを持つ。

仮想約定で比較する

TWAPの平均約定1,006円、VWAP型1,004円、市場VWAP1,003円でも、到着価格が995円なら両者とも価格上昇を追っている。TWAPの対VWAP差3円と、到着価格差11円を混ぜずに記録する。

売買方向で評価符号は逆になる。買いは安いほどよく、売りは高いほどよい。複数日の集計では株数で加重し、少量取引の好成績が全体を覆い隠さないようにする。

実務チェックリスト

  • 総数量と完了期限
  • 時間帯別の予想出来高
  • 最大参加率と最小発注単位
  • 指値上限と未約定時の扱い
  • 到着価格と市場VWAPの両方
  • 手数料・スプレッド・市場影響

残り1万株を引け30分で処理する場合、予想出来高5万株なら参加率20%となる。上限10%なら5,000株しか出せず、完了優先か価格優先かの判断が必要になる。

記録は売買前の予測値と売買後の実績値を分ける。後から説明を書き換えず、想定と実績の差を次回の数量・条件へ反映する。単一指標だけで発注せず、価格、数量、時間、流動性、最大損失を一つの取引計画として管理する。

p-nuts

お金稼ぎの現場で役立つ「投資の地図」を描くブログを運営しているサラリーマン兼業個人投資家の”p-nuts”と申します。株式・FX・暗号資産からデリバティブやオルタナティブ投資まで、複雑な理論をわかりやすく噛み砕き、再現性のある戦略と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ実践できること、そして迷った投資家が次の一歩を踏み出せることを大切にしています。

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